2025/06/03 海鳥はおなかが白くて背中が黒いのが一般的。なぜおなかが白いかと申せば、そのほうが水中の魚から見えにくいからというのが有力な仮説でございます。。実際、ユリカモメのおなかを黒く塗ったら魚の捕獲成功率は極端に減ったとか(「アニマ」1988/9 No.192/平凡社)。では、烏はなぜ黒いのか? それはカラスがもともと森の中に棲んでいたので、黒い方が見つかりにくいからみたいでございます。
「カンタループ──刑務所入獄」
フリーデマン・フェンダイセン
(ホビー・ジャパン/2021)
ワクチン接種のために静岡市街へ行って、
ホントは別のものを買おうと
思ったのでございますが、
その待合室で「R&R vol.203」p.179を見て
ちょっと気になったこれ、買ってきてしまいました。
ホントは別のものを買おうと
思ったのでございますが、
その待合室で「R&R vol.203」p.179を見て
ちょっと気になったこれ、買ってきてしまいました。
4000円+税400円のしめて4400円。
最初の『火吹山の魔法使い』なんか、
この税の値段だけで買えたのに──。
この税の値段だけで買えたのに──。
ゲームブックって最近高くなってますよね~。
ルックアウトゲームズの
「インタラクティブ・アドベンチャー・シリーズ」だそうでございます。
「インタラクティブ・アドベンチャー・シリーズ」だそうでございます。
ひとことで申しますと、
コンピュータの画面クリック型アドベンチャーゲームの
ゲームブック化でございますな。
まごうことなきゲームブックでごさいます。
プレイ人数は「1人でも友達とでも」となっておりまして、
複数人で遊ぶルールがあるのかなぁ、と思ったのですが、
そういうものはないみたい。
1人プレイが基本で、何人かで一緒に読んでも楽しめる、
程度の意味合いのようです。
ややこしい。
複数人で遊ぶルールがあるのかなぁ、と思ったのですが、
そういうものはないみたい。
1人プレイが基本で、何人かで一緒に読んでも楽しめる、
程度の意味合いのようです。
ややこしい。
こういうのって、2人以上のプレイがメインで、
1人用ルールはつけ足しというのも多いですからねぇ。
買うときは、4400円のうちの2200円ぐらいは
どぶに捨てる覚悟で買うわけでございますよ。
作っている方は「1人のみ」よりも「1人~複数人」の方が
多くの人に買ってもらえると思うのでございましょう。
でも個人的には全く逆。
ゲームブックは、むしろ1人のみと書かれていた方が、
安心して買えるというものでございます。 4400円という高値とその辺りで買おうか迷っている方がございましたら、
堀の一つは埋めさせていただけます。
堀の一つは埋めさせていただけます。
ご安心ください。
ちゃんと1人で遊べるゲームブックにございます。
PR
(タイトル下に書ききれなくなったのでこちらに)
『科学の誤解大全』
マット・ブラウン:著
関谷冬華:訳
(日経ナショナルジオグラフィック社/2019/2)
p.61「一番引用されることの多いマーフィーの法則の一つに、
『トーストを落とすと、
必ずバターを塗った面が下になって落ちる(食べられなくなる)』
というのがある。
これは悪いことばかりでもない。
バターを塗った面を上にしたトーストを猫の背中にくくりつければ、
反重力装置や永久運動機関ができてしまう。
なぜかって?
マーフィーの法則によれば、ネコは必ず足で着地するし、
トーストは必ずバター側を下にして落ちるからだ。
つまりトーストがくくりつけられたネコは、
バターの面とネコの足がそれぞれ先に着地しようと競い合って
空中でぐるぐる回転することになる」。
もちろんこれは間違っている。
こんなことで永久機関が出来るわけがない。
マット・ブラウン:著
関谷冬華:訳
(日経ナショナルジオグラフィック社/2019/2)
p.61「一番引用されることの多いマーフィーの法則の一つに、
『トーストを落とすと、
必ずバターを塗った面が下になって落ちる(食べられなくなる)』
というのがある。
これは悪いことばかりでもない。
バターを塗った面を上にしたトーストを猫の背中にくくりつければ、
反重力装置や永久運動機関ができてしまう。
なぜかって?
マーフィーの法則によれば、ネコは必ず足で着地するし、
トーストは必ずバター側を下にして落ちるからだ。
つまりトーストがくくりつけられたネコは、
バターの面とネコの足がそれぞれ先に着地しようと競い合って
空中でぐるぐる回転することになる」。
もちろんこれは間違っている。
こんなことで永久機関が出来るわけがない。
パラリンピックではボッチャが注目されましたよね。
こんなのをやっているのか、とテレビを消そうとし、
消さないでついついそのまま見てしまったという方も多かろうと存じます。
こんなのをやっているのか、とテレビを消そうとし、
消さないでついついそのまま見てしまったという方も多かろうと存じます。
このボッチャ、ペタンクやカーリングやなどと似たおはじき系のゲームで、
古くからあるゲームかと思っておりましたら、
ルールが決められてからはそれほど時が経っていないみたいですな。
古くからあるゲームかと思っておりましたら、
ルールが決められてからはそれほど時が経っていないみたいですな。
というか、ペタンクにしても、1910年、南フランスの生まれだそうでございます。
似たようなゲーム、
的に向かってものを投げたり転がしたり射ッたりするゲームは、
それこそ太古といっていい大昔からございましょうが。
この競技を見ているうちに、新しいゲームを思いつきました。
題して、オセロボッチャ。
ボセロッチャでございます。
……。
もうあとは説明要らない、とか言わないで。
☆ ☆ ☆
『フレドリック・ブラウンSF短編全集(4)』
安原和見:訳(東京創元社/2021/2)
その昔のSF入門書には、たいてい、
まず読むべきは星新一のショートショート、
次は、レイ・ブラッドベリかフレドリック・ブラウンと
書いてあったものでございます。
まず読むべきは星新一のショートショート、
次は、レイ・ブラッドベリかフレドリック・ブラウンと
書いてあったものでございます。
星新一先生の作品はショートショートで短くて、
文章も読みやすいですからな。
そんなことを言われる前に大抵読んでいたのではございませんでしようか。
ちなみに個人的な星新一作品ベストは「終末の日」。
『妖精配給会社』に収められいているそうでございますが、
そちらではなく、講談社文庫の年間ミステリ傑作選で読んだのが
インパクト強かったのかもしれません。
試しに友達に読ませたところ、
授業開始のベルが鳴ったあとだったにも関わらず、大爆笑しておりました。
『幼年期の終わり』
アーサー・C・クラーク:著
福島正実:訳
(ハヤカワ文庫SF/1979)
福島正実:訳
(ハヤカワ文庫SF/1979)
クラークは正直、ほとんど読んでいません。
もしかすると『2020』は読んだかも? ぐらい。
あとは、アンソロジーで短編を読んだことがあるかも、
でございます。
だって、SFの入門書なんかに、ハードSFの雄
みたいに紹介されているんですもの。
みたいに紹介されているんですもの。
ハードル高そう。
物語性が薄く、難解な用語が使われていそう。
特に『幼年期の終わり』は、色々なところで紹介されていて、
なんとなく知っているからいいかな、と思っていたのでございます。
なんとなく知っているからいいかな、と思っていたのでございます。
でも今回、
『石ノ森章太郎コレクション』のSF編について書こうと思ったときに、
それらに影響を与えただろう作品だから、読んでおいた方がいいかな
と思い、試してみることにいたしました。
そしたら。
やはり長く読まれている作品名だけのことはございますな。
きちんと読みやすいし、ドラマとしてもしっかりしている。
専門用語はむしろ少なく、ミステリ的な趣向もアリ、面白い。
構成は、前半はオーバーロードとのやり取り、
中盤は家族のドラマがしっかりと描かれます。
そして後半はテイストが変わり、
新人類の出現とその時に起こった変動についてが描かれることになります。
中盤は家族のドラマがしっかりと描かれます。
そして後半はテイストが変わり、
新人類の出現とその時に起こった変動についてが描かれることになります。
小説は読んでおりませんが、後半で進化の現象にテイストが変わるという点、
『2001年宇宙の旅』と構成は似てるのかな、とも思いました。
でも、作品的に、思っていたのとはかなり違っておりました。
フランク・フラゼッタの描く馬って、カッコいいですよね。
やはり、カウボーイの国、ロデオ発祥の地だからなのでございましょう。
激しく、力強い。
時々、そんなポーズ、馬に出来るのかって思う絵もございますが、
それでも基礎が出来ているゆえ、
ちゃんと見られるものになっているのでございますな。
やはり、カウボーイの国、ロデオ発祥の地だからなのでございましょう。
激しく、力強い。
時々、そんなポーズ、馬に出来るのかって思う絵もございますが、
それでも基礎が出来ているゆえ、
ちゃんと見られるものになっているのでございますな。
すばらしい。
というわけで、vol.200の「奈落の彼方に灯る炎」にエドワードが出てきた瞬間、
この号はお馬さんを描こうと決めました。
vol.202の読者欄に載せていただいております。
顔をかたむけて、たてがみを振り乱し、歯をややむき出しにした形相。
前脚は大きく振りかぶり、前方の敵を今にも蹴散らそうとする馬。
前脚は大きく振りかぶり、前方の敵を今にも蹴散らそうとする馬。
騎手は下半身で馬体をしっかりと挟みこんだまま、
上半身を大きく投げ出して、群がる敵に一撃を加えるべく、高く得物を構える。
馬の顔って難しい。けっこう複雑。
でも、そこが楽しいのでがんばって描きました。
が──。
バックナンバーを見ると、どうもお面を着けているみたいなんですよね。
目から鼻にかけての起伏とか、がんばったのですが、なしにしてお面をつけました。
でも、お馬さんの筋肉を描きたかったので、鎧は少なめでございます。
顔がんばって描いたせいかも知りませんが、頭でっかちですよね、この絵。
色々な写真見ながら書いているうちにこうなってしまいましたが、
まぁ、広角レンスでも使っているとお思いください。
色々な写真見ながら書いているうちにこうなってしまいましたが、
まぁ、広角レンスでも使っているとお思いください。
筆入れしているときに気がついたのですが、
この時使っていた紙が、インク(墨)を吸いにくいものだったのですよね。
この時使っていた紙が、インク(墨)を吸いにくいものだったのですよね。
ペンではっきりした線を描くときにはそれでいいのですが、
筆ですとコントロールが難しい。
極細の線が描きにくい。かすれやぼかしが出しにくい。
ということで、かなり苦労いたしました。
もう一度描き直したいぐらい。
ということで、かなり苦労いたしました。
もう一度描き直したいぐらい。
なので、うしろのもやもやとか、前の人の服の影とかは、
ミリペンを使って描いております。
『第八の探偵』アレックス・パヴェージ:著 鈴木恵:訳
(ハヤカワミステリ文庫/2021/4)
"EIGHT DETECTIVES"by Alex Pavesi(2020)
とある小島に隠遁する作家のもとに、女性編集者が訪れる。
作家がかつて発表した『ホワイトの殺人事件私有』を、
復刊したいというのだ。
復刊したいというのだ。
2人は収録作を読み返し、
それについての議論を交わしていく……。
作家は『探偵小説の順列』という論文を書いたことがあり、
7つの短編はそれを証明するように書かれている。
というわけで作品は、短編とその短編に対する感想、意見が、
交互に来る形で書かれている。
そして、最終章では──。
解説には『十角館の殺人』以降の日本の新本格を思わせる
と書いてあったが、それはあまり感じなかった。
と書いてあったが、それはあまり感じなかった。
理由は1つ。
作中作家のセリフにもあるが。
「ぼくは"探偵小説"ではなく”殺人ミステリ”という言葉を使うんだ」(p.149)
これだ。
推理小説の書くとなるアイデアのことを日本ではトリックと言うのに対し、
英語ではプロットだそうだが、その違いと言ってもいい。
英語ではプロットだそうだが、その違いと言ってもいい。
日本の探偵小説では、
とある1つの事実がひっくり返ることによってすべてが逆転し、
探偵がそれを指摘することで解決するという形が多いが、
この作品ではそういう要素は薄い。
とある1つの事実がひっくり返ることによってすべてが逆転し、
探偵がそれを指摘することで解決するという形が多いが、
この作品ではそういう要素は薄い。
探偵役がいない場合もあり、
アイデアよりもドラマ重視で物語は淡々と進行していく。
きれいに解決せず、結末がほのめかされて終わることもある。
文学的ではあるが、探偵小説的ではない。
当然だろう。
作者が探偵小説としてではなく、殺人ミステリとして作っているのだから。
最終章で、それまで提示された短編が書き換えられ、様相が一変する部分も、
それほどの驚きはなかった。
それほどの驚きはなかった。
インパクトがあっていいはずなのだが、それほどないのだ。
これも、書き方のせいだろうか。
作中作家の唱える『探偵小説の順列』は、
犯罪ミステリの集合と言い換えた方がいいもので、
犯人は何人以上何人までなら可能か、被害者はどうか、などが書かれている。
要するに、アガサ・クリスティが書いた有名な作品のような
極端なケースを考えているわけだ。
犯罪ミステリの集合と言い換えた方がいいもので、
犯人は何人以上何人までなら可能か、被害者はどうか、などが書かれている。
要するに、アガサ・クリスティが書いた有名な作品のような
極端なケースを考えているわけだ。
そのようなことを考える意味はあると思うが、それ以上ではないように思う。
極端な人数の犯人などは、推理小説としては飛び道具で、
最初にやることは意味があるが、それ以外はアンフェアのそしりを受けたり、
そうでなくても読者が釈然としないものを感じるだろう。
容疑者全員が犯人なら、どんなことでも出来てしまうからだ。
大きな組織が動いている場合ならよいが、それだと逆にそれが当然になってくる。
作者は犯罪ミステリについて書いているので問題ないが、
探偵小説としてはどうだろう、という話だ。
新本格は、このような理論を軽々と超えているように思う。
その上で、探偵小説として読者が犯人を指摘でき、
なおかつそれを超えて驚きを与えるように作られていると思うのだ。
やはり、海外の作品だ。
その上で、探偵小説として読者が犯人を指摘でき、
なおかつそれを超えて驚きを与えるように作られていると思うのだ。
やはり、海外の作品だ。
それを差し引いて、解説では新本格に比しているのだろうけれど、
私はそれに乗ることは出来ない。
私はそれに乗ることは出来ない。
新本格には、探偵小説としてのキレが欲しいのだ。
『タイタン植物図鑑』アンドリュー・ライト:著
安田均:監修
羽田 紗久椰/こあらだ まり:訳
(グループSNE/2021/9)
(グループSNE/2021/9)
タイタンに存在する植物、
255種類を紹介した書物にございます。
総ページ数、108ページ。
うち「タイタンの植物とキノコの図鑑」が約57ページ
255種類を紹介した書物にございます。
総ページ数、108ページ。
うち「タイタンの植物とキノコの図鑑」が約57ページ
255種──多いなぁ、と最初思いましたが、
小説やTRPG、ゲームブックと、合わせれば100冊以上出ているのかな? もっと?
それが土台となっていると考えれば、これは当然にございましょう。
小説やTRPG、ゲームブックと、合わせれば100冊以上出ているのかな? もっと?
それが土台となっていると考えれば、これは当然にございましょう。
実際、本邦未訳の作品を出典としているものが多くございます。
タイタン全土でこれだけと考えると、むしろ少ないと申せましょう。
この書物、原題を「TITAN HERBAL」と申します。
植物図鑑の植物を意味する言葉としては、
ボタニカル(botanical)やフローラル(floral)がございますが、
この書は、ハーバル(herbal)。
ボタニカル(botanical)やフローラル(floral)がございますが、
この書は、ハーバル(herbal)。
単語から想像できますとおり、
ハーブなど有用植物の効果について書かれた事典でございます。
ハーブなど有用植物の効果について書かれた事典でございます。
それらが食べられるかどうか、
薬や魔法の材料としてどのような効果があるのか、
人体への悪影響は? といったことが載っているのですな。
中国や日本でいう本草学でございます。
この書ではさらに、植物モンスターや、
武器や道具として有用なものなども載っていて、
冒険者必携のハンドブックというべきものとなっております。
ですから、タイタン世界にはそれ以外にも木や草の種類はございますが、
薬効などがないために項目がないと考えるべきでございましょう。
薬効などがないために項目がないと考えるべきでございましょう。
例えば『ファイティングファンタジー第2版』の価格表には、
「木綿の外套」が売っているので、綿はあるはずでございますが
この書には載っておりません。
わたくしどもの知る綿とは違っていて、
木から羊がなっているようなものだったりするかも知りませんが……
(でも、そんなのだったら、これかモンスター事典に載りますよね) 。
木から羊がなっているようなものだったりするかも知りませんが……
(でも、そんなのだったら、これかモンスター事典に載りますよね) 。
オビに書かれた「タイタン世界の植物のすべてがここに」という文言は、
ですから誇大ですな。
というわけで、この図鑑に載っていない草木については、
立地や気候なども考慮に入れつつ、
ある程度自由に取り入れて良いところだと存じます。
ある程度自由に取り入れて良いところだと存じます。
* ちなみに、アサの方は亜麻草(FLAXWART)というのがございます(p.041)。
ですが、これも糸の原料としてよりも、
閃光に対する耐性という薬効があるために掲載されたのであって、
単に糸の材料としてだけでしたら載らなかったのかもしれません。
ですが、これも糸の原料としてよりも、
閃光に対する耐性という薬効があるために掲載されたのであって、
単に糸の材料としてだけでしたら載らなかったのかもしれません。
にしても、図鑑というわりには、さし絵が少ないのが残念でございますな。
1項目につき1つは欲しいところ。
群生しているさまや、一つ一つの花の形など、
やはりあった方がイメージがつかみやすいですから。
1項目につき1つは欲しいところ。
群生しているさまや、一つ一つの花の形など、
やはりあった方がイメージがつかみやすいですから。
まぁ、原題は herbal であって、
図鑑を意味する picture という単語は無いのですが、
それでも絵は、冒険者やディレクターの一助になると存じます。
絵がないので、たとえば、
猫ブドウって何が猫なんだろう?
といったことが、つい気になってしまいます。
出典は『魔術師タンタロン12の難題』だそうで、
それを買わなかったことが悔やまれます(図書館で借りました~)。
それを買わなかったことが悔やまれます(図書館で借りました~)。
ネコヤナギのようにふわふわしたところがあるのでしょうか。
これを食べると猫が酔ってしまうようなブドウ?
実が、ネコ耳つき? 猫の目みたいな模様をしている?
気になるところでございます。
猫ブドウがどうかは分かりませんが、
こういうネーミングって、現実にあるものの
パロディってこともままございますよね。
こういうネーミングって、現実にあるものの
パロディってこともままございますよね。
ですから、英語の字引やそれこそ英語の書いてある植物図鑑などで
調べてみると面白いかと存じます。
とは申せ、わたくしが気づいたのは、
傷を治す効果があるという虎ヤシ(TIGER PALM)が
タイガーバームのもじりだろうな、というぐらいでございますけどね。
傷を治す効果があるという虎ヤシ(TIGER PALM)が
タイガーバームのもじりだろうな、というぐらいでございますけどね。
あとは、TREE GOOSE TREEのTREE GOOSEというのは、
カオジロコクガンという名前の鳥だそうでございます。
カオジロコクガンという名前の鳥だそうでございます。
あまり意味はございませんが、
ためしに検索してどんな鳥が見てみたらいかがでございましょう。
ためしに検索してどんな鳥が見てみたらいかがでございましょう。
あと、
ちょっと気づいたのは例えば明眸花(EYEBRIGHT)でございます。
この薬草、他の草と調合することであるポーションが出来るというのですが、
単体での効果が無いのが不思議でございます。
名前が明眸花なのでございますから、
単体でもその名に恥じぬ効果があるのではないでしようか。
ちょっと気づいたのは例えば明眸花(EYEBRIGHT)でございます。
この薬草、他の草と調合することであるポーションが出来るというのですが、
単体での効果が無いのが不思議でございます。
名前が明眸花なのでございますから、
単体でもその名に恥じぬ効果があるのではないでしようか。
せめて、この草の汁をまぶたにつけると目がすっきりする
ぐらいの効果はあってもよいかと存じます。
ぐらいの効果はあってもよいかと存じます。
★ 残念なのは、語の並び。
「モンスター事典」は日本語の順でございましたが、
今回の植物図鑑の場合、並びはアルファベット順で、
見出し語は日本語がまず書かれております。
今回の植物図鑑の場合、並びはアルファベット順で、
見出し語は日本語がまず書かれております。
それが、面倒くさい。
本文の方は、まだいいのでございます(あまりよくはございませんが)。
問題は、巻末の分布表、価格表でございます。
これが日本語しか書かれていない上に英語の並び順なので調べにくい、
わかりにくい。
総索引で調べればいいとはいえ、少々不便でございます。
★ ついでに申しますれば、付録はもっと充実させて欲しかったな、と思います。
例えば分布表。
平原、洞窟、森林など、地形や環境による分布については
表になっておりますが、
本文中にあった分布を視覚化した地図が欲しいところ。
エリアごと数字が書かれた地図があり、
ある植物の分布域が何番と何番かが、
表として書かれているようなものでございます。
植物は動物以上に生息域の違い、
そしてそれによる風景の変化というものがございますから、
そうしたイメージ作りのために欲しいところでございます。
表になっておりますが、
本文中にあった分布を視覚化した地図が欲しいところ。
エリアごと数字が書かれた地図があり、
ある植物の分布域が何番と何番かが、
表として書かれているようなものでございます。
植物は動物以上に生息域の違い、
そしてそれによる風景の変化というものがございますから、
そうしたイメージ作りのために欲しいところでございます。
それに、そういう分布があったら、
冒険のヒントになることもございましょう。
他には、分類の樹形図みたいなのも欲しいところですな。
そういうのがあれば、
似たような植物がすぐに見つけることが出来るため、
便利なような気がいたします。
そういうのがあれば、
似たような植物がすぐに見つけることが出来るため、
便利なような気がいたします。
まぁ、そこら辺、勝手にやってくれということなのでございましょうが。
☆ ちなみに、前書きを読むと
「混沌の渦」が参考になったと書いてございます。
『混沌の渦』は16世紀、魔術などはあるものの、比較的、かなり
現実に近い世界を舞台にしたTRPGでございます。
たしかに薬草の類いが多く載っていたような。
なかなか感慨深いことでございます。
というわけで、
とにかく、FFシリーズの蓄積が詰め込まれたこの植物事典(図鑑とは言わない)、
タイタン世界に行くことがなくても、読み物として十分楽しめると存じます。
「混沌の渦」が参考になったと書いてございます。
『混沌の渦』は16世紀、魔術などはあるものの、比較的、かなり
現実に近い世界を舞台にしたTRPGでございます。
たしかに薬草の類いが多く載っていたような。
なかなか感慨深いことでございます。
というわけで、
とにかく、FFシリーズの蓄積が詰め込まれたこの植物事典(図鑑とは言わない)、
タイタン世界に行くことがなくても、読み物として十分楽しめると存じます。
UFO=タイムマシン説ってご存じですか。
わたくしがこの説を知ったのは
石ノ森章太郎先生の『となりのたまげ太くん』
(朝日ソノラマ/昭和43(1968)年初版)
石ノ森章太郎先生の『となりのたまげ太くん』
(朝日ソノラマ/昭和43(1968)年初版)
内のコラムでございますから、ずいぶん昔。
何しろ、この作品、自分がコミックスで読んだ最初の3冊の一作でございますから。
これにございます。
何しろ、この作品、自分がコミックスで読んだ最初の3冊の一作でございますから。
これにございます。
このコラム、石ノ森先生が書いていると思っていましたが、
そうではないのですな。
そうではないのですな。
わたくしとしては、UFO=宇宙人の乗り物よりも、こっちの説が好き。
遠く宇宙の彼方からやってくるよりも、はるかに理にかなっております。
とつぜん消えたり、
ベクトルを無視したようなジグザク飛行をしたりというのも、
四次元的に見れば最短距離だとかありそうでございます。
ベクトルを無視したようなジグザク飛行をしたりというのも、
四次元的に見れば最短距離だとかありそうでございます。
宇宙人の目撃証言が、人間とは違う姿なのも、
未来にはそのような姿に変わってしまっているとか、
その時代のファッションとか、
未来の地球では大気組成が変わってしまっているので、
宇宙服を着なければならないとか、
目撃されたのは選外活動用のロボットだとか、
目くらましの幻だとか、
いろいろなことが考えられます。
それにですねぇ、
UFOに牛が連れ去られたという話がございますでしょ。
なぜ、あの時代の牛が連れ去られたのか?
答はそう、狂牛病でございます。
未来では、おそらく牛は食べられないことになっていて、
それで、狂牛病に汚染される前の牛を食べるために、
わざわざこの時代まで捕まえに来るのでございます。
乗っているのが宇宙人なら、そんなことをするはずがございません。
未来人の仕業に違いないのでございます。
まぁ正直、超光速やワープにしろ時間旅行にしろ、
理論のもてあそびで、実現は出来ないとは思いますが、
宇宙人の乗り物よりも、
未来のどこかでタイムマシンが完成すると考える方が、
ロマンがありますよねあります。
というわけで、どちらかと言えばUFO=タイムマシン説の方が、
わたくしとしては好きだな、と思う次第でございます。
『石ノ森章太郎コレクション SF傑作選』
(ちくま文庫/2021/8)
(ちくま文庫/2021/8)
『ことばの記憶』に書いてあったと思いましたが、
石ノ森先生の活劇もののルーツは立川文庫だそうでございます。
石ノ森先生の活劇もののルーツは立川文庫だそうでございます。
忍者ものや剣豪小説ですな。
また、SFはファンタジーの一種だと思っている
──こちらはどこに書かれていたか忘れましたが、
多分1980年代に書かれたものじゃないかな、
そんなこともお書きになっていたと思います。
こちらには、同話や民話、それにディズニーなどが含まれるのでございましょう。
そういうもの身体に染みついたものを物語展開の核にして、
そこに映画や小説、科学雑誌、
その他様々なものを取り込んで作品に仕立てていく。
活劇ものに関しては、そんな封に物語を作っているのだと存じます。
さて、この作品集には、
「敵THE ENEMY」「狂犬」「おわりからはじまる物語」
「四帖半襖の下張りの下」「おとし穴」「赤い砂漠」「天敵」「UFO」
という作品が収録されております。
すべて単独の短編で揃えられているというのはすごい。
解説で菅谷先生も書いていらっしゃいますように、
シリーズ物も多いけど、短編もまた多いということでございましょう。
ただ、すべてが単体の短編というのは、一長一短でございますな。
例えば『7P』などに収められているものの方が質が高いのでは、
と思うところもございます。
でも、まぁ、それはそれ。
単独の作品が集まるということは貴重でございます。
シリーズ作品については、それぞれの短編集が出るのを期待いたしましょう
(と思ったけれど、わたくしが読んでいないだけで、電子では出ているんですよね)。
収録作品にUFOものが多いのも、ちょっと疑問。
たしかに石ノ森先生はUFOに興味を持っておられたのでございますが、
まぁでも、こうしてUFOテーマを
いくつか重ねることに意味があることもわかるので、
疑問に感じるのがちょっとなのでございますが。
いくつか重ねることに意味があることもわかるので、
疑問に感じるのがちょっとなのでございますが。
というわけで、各品について見ていくことにいたしましょう。
「敵 THE ENEMY」
サイボーグ009の少し前に描かれた
サイボーグものでございます。
サイボーグものでございます。
設定的には、
『アンドロイドV』に似ているのかな?
(参照にしていないので、思いつき)。
主人公が自分がどういう存在か認識していない状況で
襲撃を受けるというのは、
『おれはだれた』という短編にもございました。
『サイボーグ009』で丈が他のメンバーと出会う前も、
こんなテストシーンでございましたな。
まぁ、こういうオチは短編だから許せるし、
作者も納得してやっているのだと思います。
長編でこのオチだと、夢オチと同じぐらい残念でございますな。
今までやって来たことは何だったんだってことになっちゃう。
石ノ森先生の作品にもございます。
『イナズマン』と同名組織の──言わないことにいたしましょう。
まとめ方が分からなくなったか、
飽きたか、何らかの理由で打ち切りになった化したのでございましょうなぁ。
ちなみに関係はございませんが、
桐原書店のあるゲームブックでも、こうしたオチが使われておりました。
桐原書店のあるゲームブックでも、こうしたオチが使われておりました。
「狂犬」
は、「きりとばらとほしと」のところで一瞬触れましたな。
主人公が孤立無援になってしまう話でございます。
石ノ森版「転校生」(ウソ)。
解説のすがや先生もお書きになっておられますが、
「ボディ・スナッチャー」や
「鳥」などのイメージが使われております。
絵的に分かりやすく、
インパクトも強いせいでございましょう。
この2つの映画は、
先生の他の作品でもよく使われております。
「ボディ・スナッチャー」や
「鳥」などのイメージが使われております。
絵的に分かりやすく、
インパクトも強いせいでございましょう。
この2つの映画は、
先生の他の作品でもよく使われております。
「おわりからはじまる物語」。
『リュウの道』の前駆的作品ですな。
「週刊少年マガジン」(講談社)で、
『リュウの道』の連載が始まったのが
1969年だそうでございますから、
1967年作のこの作品は、
たたき台となったと申して
よろしゅうございましょう。
1969年だそうでございますから、
1967年作のこの作品は、
たたき台となったと申して
よろしゅうございましょう。
そしてこの2つの作品の間には、
映画『2001年宇宙の旅』や
映画『2001年宇宙の旅』や
『猿の惑星』(ともに1968)が
ございます。
ございます。
それらの作品を見て、『おわりから~』に関して、
ああすればよかったという思いが募ったのでございましょうな。
オールディスの『地球の長い午後』あたりの影響を受けているのかな、
とも思ったのでございますが、『地球の~』日本語訳は、
この年だったみたいなので難しそう。
でも、情報ぐらいは流れていそうな気もいたします。
とも思ったのでございますが、『地球の~』日本語訳は、
この年だったみたいなので難しそう。
でも、情報ぐらいは流れていそうな気もいたします。
それにしてもこのマンガ、
赤旗新聞の日曜版に連載されたということでございますが、
何ページごとの掲載なのか気になります。
なにか、切れ目がどこにあるかよく分からないんですよねぇ。
クライマックスシーンで【続く】というクリフハンガー形式は、
この手の連載の常道でございますから、きちんと終わらないで
危機が迫ったところに区切りがあるのかな、とも思いましたが、
それにしたところで、そういう見せ場がバラバラな気がいたします。
赤旗新聞の日曜版に連載されたということでございますが、
何ページごとの掲載なのか気になります。
なにか、切れ目がどこにあるかよく分からないんですよねぇ。
クライマックスシーンで【続く】というクリフハンガー形式は、
この手の連載の常道でございますから、きちんと終わらないで
危機が迫ったところに区切りがあるのかな、とも思いましたが、
それにしたところで、そういう見せ場がバラバラな気がいたします。
そういうこと気にしないで描いたのかなぁ。
それとも単行本化するとき修正した?
ところで、『009ノ1』では主人公のメイン武器になっておりましたが、
オッパイマシンガンって、この作品が最初なのかなぁ。
女性型ロボットでもないというのに──。
オッパイマシンガンって、この作品が最初なのかなぁ。
女性型ロボットでもないというのに──。
「四畳半 襖の下張の下」
『四次元半 襖の下張り』は読んでおりましたが、
こちらは未読でざいました、多分。
こちらは未読でざいました、多分。
『四次元半~』のほうは、
ブラッドベリの『刺青の男』みたいな趣向で、
襖の下張からさまざまな世界を旅する
オムニバスでございます。
ブラッドベリの『刺青の男』みたいな趣向で、
襖の下張からさまざまな世界を旅する
オムニバスでございます。
それと同じで、
この作品もシリアスな話かと思っておりましたら、
ショートショートのようなオチのある話でございました。
この作品もシリアスな話かと思っておりましたら、
ショートショートのようなオチのある話でございました。
『7P』など、こうしたSF的なショートショートも、石ノ森先生は
たくさんお描きになっておられますな。
「おとし穴」
p.215の「ほんとうの心」がキーワードでございますな。
マンガに対する石ノ森先生の当時の心中を、
そのまま描いてしまったような作品にございます。
そのまま描いてしまったような作品にございます。
先生の昔のマンガが好きだったというアシスタント。
今の風祭のマンガを批判する「空気男」
そして反論する風祭先生。
前2者は、ファンや批評家の言葉でございましょうし、
最後のは作者からの反論でございますが、
作者だって今の自分が描いているマンガに対する批判は十分承知しているというもの。
最後のは作者からの反論でございますが、
作者だって今の自分が描いているマンガに対する批判は十分承知しているというもの。
この3者の声は、風祭先生の、
すなわち石ノ森先生の心中の葛藤というものでございましょう
すなわち石ノ森先生の心中の葛藤というものでございましょう
最後はマンガを忘れて、
ずっと自分についてきてくれた幼なじみと自然を相手にした田舎での生活。
ずっと自分についてきてくれた幼なじみと自然を相手にした田舎での生活。
それが、都市と田舎との対比で描かれております。
トキ? サギ? 渡り鳥が主人公の心を表現しておりますな。
田舎の湖から飛び立ち、薄汚れた都会へ。
p.212で刀折れ矢尽きた姿を墜落によって表現し、
次のページでその鳥がヒロインに開放される様を描くことによって、
主人公の心がふるさとで癒やされることを暗示する。
最後のページでは、
雲間から差す光に向かって鳥が鮮やかに飛び立つ姿を描き、
主人公の心の再生と開放を表現する。
このような表現を直喩的だと指摘する意見は、
「龍神沼」のところで見てきましたが、
マンガの場合、この程度直喩的でないと、
わかってもらえない、読み飛ばされてしまう、ということがあると思います。
実際、この作品でも、この渡り鳥が何を意味するか気に留めなかった
というかたは多いのではございませんでしょうか?
それはさておくといたしまして、このような作品を書いたということはやはり、
マンガに対してお疲れだったのかも?
でも、本心でございましょう。
「赤い砂漠」
みたいにラストに来て実は今のお話は、っていうのは、
石ノ森先生いくつか描いてございますな。
このパターン、夢オチの変形ではございますが、
それよりもラストが皮肉な結果となりますな。
みたいにラストに来て実は今のお話は、っていうのは、
石ノ森先生いくつか描いてございますな。
このパターン、夢オチの変形ではございますが、
それよりもラストが皮肉な結果となりますな。
登場する兵士や戦車は、
『サイボーグ009』のベトナム編に
登場するのと似ておりますな。
と申しますか、いつもこんな感じ?
『サイボーグ009』のベトナム編に
登場するのと似ておりますな。
と申しますか、いつもこんな感じ?
こことは関係ございませんが、
それにしても石ノ森先生って、現用兵器描きませんよね。
描いても、資料的だったり、必要に迫られて、といった感じ。
『にいちゃん戦車』という作品もございましたが、
あれも、父親がくず鉄から作ったという、
まぁロボットもののロボットを
戦車の形で出してきたようなものでございますし──。
あれも、父親がくず鉄から作ったという、
まぁロボットもののロボットを
戦車の形で出してきたようなものでございますし──。
SFマンガをメインとしているので、メカは得意そうですが、
戦争反対という立場で徹底して入るのでございましょう。
戦争反対という立場で徹底して入るのでございましょう。
わたくしは石ノ森先生の作品しか読まなかったクチなので、
それあたりまえのことと思っていたのでございますが、
宮崎駿先生のように、戦争反対だけど戦車好きみたいな方もおられますし、
もしかすると特殊なのかも? しれません。
それあたりまえのことと思っていたのでございますが、
宮崎駿先生のように、戦争反対だけど戦車好きみたいな方もおられますし、
もしかすると特殊なのかも? しれません。
「天敵」・「UFO」
はUFOに関する作品。両者とも似た傾向にございますな。
「天敵」
のほうは、そんなにひねらずに
自分の考えをそのまま書いた作品。
石ノ森先生、UFOにとりつかれてらっしゃる、
と申し上げても過言ではございませんでしょう。
と申し上げても過言ではございませんでしょう。
第一にUFOと超能力が、
何のステップもなく1セットとして考えておられますが、
そう考える理由はそれほどございません。
それにUFOが上位存在と考えておられるようでございますが、
それも確たる根拠があるとは思えません。
何のステップもなく1セットとして考えておられますが、
そう考える理由はそれほどございません。
それにUFOが上位存在と考えておられるようでございますが、
それも確たる根拠があるとは思えません。
クラークの『幼年期の終わり』などに衝撃を受けたのかな、とは思いますが。
「UFO」
はストレートな作品。孤独な少年が、予知能力か妄想で
UFO襲撃の未来を幻視するという話にございます。
UFO襲撃の未来を幻視するという話にございます。
素人が描くと、本当に一直線、
ストレートになってしまうと思いますが、
途中に会話を挟むことにより、話を広げております。
ストレートになってしまうと思いますが、
途中に会話を挟むことにより、話を広げております。
こういうのがお話作りには重要なのですよね。
お話とは、エピソードの連続だといっていいぐらい。
お話とは、エピソードの連続だといっていいぐらい。
ただ、そうは言っても、単純な話でございます。
少年の妄想、あるいは予知が実現するかだけでございますからねぇ。
そんな単純な話だからこそ、
ラストはリドルストーリーの形式にしたのでございましょう。
ラストはどちらか、読者に予想させているのですな。
ラストはリドルストーリーの形式にしたのでございましょう。
ラストはどちらか、読者に予想させているのですな。
これ、もし作者が結末をつけておりましたら、話は
本当に単純なものになってしまうと思われます。
本当に単純なものになってしまうと思われます。
ところで、この工事現場の人は、石ノ森先生なのでございましょうなぁ。
それが少年だった頃の自分に語りかけている。あるいは今の少年に語りかける。
それが少年だった頃の自分に語りかけている。あるいは今の少年に語りかける。
そのための登場という気がいたします。
『なめくじに聞いてみろ』
都筑道夫
(講談社文庫/新装版:2021/7)
都筑道夫
(講談社文庫/新装版:2021/7)
タイトルからは想像できませんが、
アクション小説でございます。
元のタイトルは『飢えた遺産』、
1962年に東都書房というところから出たようでございます。
解説によりますと、雑誌連載があったそうでございますが、
何に掲載されたかは分かりませんでした。
映画化は、『殺人狂時代』(機会に恵まれず、見てはおりません)。
解説にもございますように岡本喜八監督の作品でございますが、
原作とはかけ離れたものみたいですな。
解説にもございますように岡本喜八監督の作品でございますが、
原作とはかけ離れたものみたいですな。
タイトルの「なめくじに聞いてみろ」は
決めぜりふ的に用いられる言葉でございますが、
作品を言い表しているものではございません。
(でも、作品作者の雰囲気は表わしているのかも?)
主人公桔梗信治の父、桔梗信輔は、科学者でございまして、
ナチスドイツで毒ガスの開発などに関わっていた(p.156)お人でございます。
その後出羽山中に疎開した後も、様々な殺人技術を考案し、
その突飛な方法を殺し屋に通信教授していたのだとか。
ナチスドイツで毒ガスの開発などに関わっていた(p.156)お人でございます。
その後出羽山中に疎開した後も、様々な殺人技術を考案し、
その突飛な方法を殺し屋に通信教授していたのだとか。
その負の遺産をそそぐべく、信治さんは、
父親の弟子、孫弟子というべき人物と、
1人1人と対決していくわけでございますな。
なかなかいい設定。
なのはさておき、ですから活劇ものと申しましても、
対戦格闘ゲームのように1対1の対決が中心となるのでございます。
忍者ものや剣豪小説なんかに見られる形でございますな。
対戦格闘ゲームのように1対1の対決が中心となるのでございます。
忍者ものや剣豪小説なんかに見られる形でございますな。
こうした展開の場合、重要なのは敵のキャラクター。
その性格や生い立ちが独特で、
その攻撃方法が特異であればあるほど、
読者の興味を引くというものでございます。
その性格や生い立ちが独特で、
その攻撃方法が特異であればあるほど、
読者の興味を引くというものでございます。
『なめくじに聞いてみろ』の場合、
敵の生い立ちはそれほど深く書かれていないものの、
キャラクターの外見や職業、それに主人公との対決の場所は、
注意深く分けて書かれております。
敵の生い立ちはそれほど深く書かれていないものの、
キャラクターの外見や職業、それに主人公との対決の場所は、
注意深く分けて書かれております。
もちろん、その得物と戦い方も。
彼ら彼女らの使う武器は、トランプや傘といった日常品であったり、
コブラの前身かと思われる仕込み銃であったり、独特なのでございますな。
コブラの前身かと思われる仕込み銃であったり、独特なのでございますな。
暗殺を目的としたそれらの武器は、スパイの秘密装備的でございまして、
その戦いもスパイ物的でございます。
狭い室内でばかり戦っているわけではございませんが、
007『ロシアより愛を込めて』で電車の個室内にて、
アタッシュケースをめぐる攻防がございましょう。
あのような戦いが手を変え品を変え発生するわけでございます。
そうしたくせもの揃いの難敵に対決を挑む主人公の桔梗信治は、
交差点を斜めにわたる世間知らずのひょうひょうとした田舎者
として登場いたしますが、それはお芝居であったのか、
それとも書いているうちに性格が変わったか(雑誌連載だそうでございますし)、
次第に達人レベルの身体能力と洒落たセリフをこなす、
スパイ物の主人公らしい人物に変わってまいります。
セリフは当時の日常でもなくて、外国のスパイ物でもなくて、
邦画のアクションものの感じかな。
ただね。いかんせん古い。
例えば、今なら使い捨てカイロでも使うところで、
蓄熱式の電熱あんかなんて言葉が出て来たり。
蓄熱式の電熱あんかなんて言葉が出て来たり。
紙のこよりを作るシーンでは、ティッシュではなくて鼻紙だったり。
ちょっとおしゃれ度が落ちてしまうというものでございます。
ただ、もちろん、そういうのは善し悪しでございますな。
設定のいくつかは、今の時代では出来ない、もしくは書けないものでございますし。
そうでなくても、この時代だからこその味もあるというものでございます。
携帯電話がないのも、そうしたものの1つだと思いますが、
この作品ではそれが足かせになる場面はなかったように存じます。
まぁね、そこら辺は書き方、話の進め方というものでございましょう。
さて。
1人1人と対決していく形式でございますから、
最後には圧倒的強さのラスボス登場、と相成ってほしいものでございますが、
そこら辺の欲求は満たしてくれませんでした。
見ていない「殺人狂時代」では、溝呂木博士がその役目を担っているのかな?
そうでございましたら、やはり、この作品にはラスボス的要素が欲しいものでございます。
おそらく映画では、その辺考慮されたのでございましょう。
でも都筑先生は、それをなさいませんでした。
代わりに用意したのが、実は、という推理的要素。
そこらへん、推理作家の都筑先生らしいと申せましょう。
でも、ラスボスと対決する盛り上がりは欲しかったなぁ。
2021/08/04 目的を達成するためにつらい思い重ねることを、
四字成句で臥薪嘗胆と申しますな。
もともとの意味は仇討ちを忘れないために、
ゴツゴツした薪の上で眠り、苦い干した肝を舐めること……、なのですが、
これ、薪で寝た人と肝を舐めた人は別なのですな。
しかも敵同士。
呉の国と越の国の話なのでございますが、
お互いがお互いを攻め合う、復讐の連鎖の話なのでございます。
不毛だなぁ。
(でも、中国らしい気も)
しかも、もともとの『史記』では肝を舐める方だけだったみたい。
薪で寝る方は他で使われ、臥薪嘗胆という言葉が出来上がり、
このエピソードで臥薪嘗胆が使われるようになったのは
『十八史略』からのようでございます。
四字成句で臥薪嘗胆と申しますな。
もともとの意味は仇討ちを忘れないために、
ゴツゴツした薪の上で眠り、苦い干した肝を舐めること……、なのですが、
これ、薪で寝た人と肝を舐めた人は別なのですな。
しかも敵同士。
呉の国と越の国の話なのでございますが、
お互いがお互いを攻め合う、復讐の連鎖の話なのでございます。
不毛だなぁ。
(でも、中国らしい気も)
しかも、もともとの『史記』では肝を舐める方だけだったみたい。
薪で寝る方は他で使われ、臥薪嘗胆という言葉が出来上がり、
このエピソードで臥薪嘗胆が使われるようになったのは
『十八史略』からのようでございます。
2021/08/05 にしても、何年もこんなことをしていたら、
そのうち馴れちゃうんじゃないですかねぇ。
それ以前に、干し肝を舐める方は、単にその苦い味が好きだっただけなのかも?
たで食う虫も好き好き。
外国の食べ物なんかでも、これホントに食べるの? って思うもの、
ございますよね。
ですから、本当は好きで食べていたのに、
それを見ていた人には何であんなもの食べるんだ、って心に残っていて、
仇討ちの話を聞いたとき、
ああ、あれは復讐を忘れないためだったのか、
と勝手に話を作っちゃったのかも??
そのうち馴れちゃうんじゃないですかねぇ。
それ以前に、干し肝を舐める方は、単にその苦い味が好きだっただけなのかも?
たで食う虫も好き好き。
外国の食べ物なんかでも、これホントに食べるの? って思うもの、
ございますよね。
ですから、本当は好きで食べていたのに、
それを見ていた人には何であんなもの食べるんだ、って心に残っていて、
仇討ちの話を聞いたとき、
ああ、あれは復讐を忘れないためだったのか、
と勝手に話を作っちゃったのかも??
2021/08/09 「Role&Roll202号」の「ゲームを斬る NEXT」は、
「ゲームブックは今どうなっているのだろう」と題して、
前半「ファイティングファンタジー」シリーズの紹介、
後半はマイケル・J・ウォードという方の
「ディスティニー・クエスト」が紹介されておりましたな。
「Michael J. Ward destiny quest」で検索して海外のサイトを見てみると、
四巻まで出ているご様子。
なんか分厚い。
マップは「ローンウルフ」とかの感じも混じっていそう。
「ディスティニー・クエスト」、略して「DQ」ってことは、
「テイルズ オブ」とか、「ドラクエ」の影響もあるに違いない!?
イタリアとドイツでは翻訳されているみたい。
なのに何で日本語版がないんだ~!!
いや、別にこの三国に特別な関係があるわけではございませんが。
「ゲームブックは今どうなっているのだろう」と題して、
前半「ファイティングファンタジー」シリーズの紹介、
後半はマイケル・J・ウォードという方の
「ディスティニー・クエスト」が紹介されておりましたな。
「Michael J. Ward destiny quest」で検索して海外のサイトを見てみると、
四巻まで出ているご様子。
なんか分厚い。
マップは「ローンウルフ」とかの感じも混じっていそう。
「ディスティニー・クエスト」、略して「DQ」ってことは、
「テイルズ オブ」とか、「ドラクエ」の影響もあるに違いない!?
イタリアとドイツでは翻訳されているみたい。
なのに何で日本語版がないんだ~!!
いや、別にこの三国に特別な関係があるわけではございませんが。
──でもこの大部、訳すの大変そう。
2021/08/11 オリンピック閉幕しましたねぇ。
傍からしか見ていなかったものといたしましては、
慌ただしかったな、という印象でございましたか。
日本「金」最多27個、「銀」14、「銅」17をあわせた総数58個も過去最高、
と新聞には報じられておりましたが、
コロナ下の今大会ではそれもむべなるかなでございますよねぇ。
半年後の北京冬季大会では、東京の経験を検討して有観客でやるみたい。
対策をいろいろと考えているのでございましょう。
傍からしか見ていなかったものといたしましては、
慌ただしかったな、という印象でございましたか。
日本「金」最多27個、「銀」14、「銅」17をあわせた総数58個も過去最高、
と新聞には報じられておりましたが、
コロナ下の今大会ではそれもむべなるかなでございますよねぇ。
半年後の北京冬季大会では、東京の経験を検討して有観客でやるみたい。
対策をいろいろと考えているのでございましょう。
2021/08/12 『石ノ森章太郎コレクションSF傑作選』は今日発売
だそうでございます。
収録作品は「敵THE ENEMY」「狂犬」「おわりからはじまる物語」
「四帖半襖の下張りの下」「おとし穴」「赤い砂漠」「天敵」「UFO」。
「敵THE ENEMY」「天敵」「UFO」あたりは
タイトルだけじゃ不明だけど読んでなさそう。
*今日は雨だったので遠くには行けず、近くの本屋さんで探してみたのですが、
ありませんでした。う~む、残念。
2021/08/13 鳥井加南子先生の『悪夢の妖怪村』が
スイッチ版として8月19日配信されるそうですな。
同じくスイッチ版『ファイティング・ファンタジー・レジェンズ』が
8月27日に発売。
なんでも8月27日は、『火吹山の魔法使い』が発売された日だとか。
どちらもスイッチのために作られたのではなく、
移植版というあたりが残念でございますが。
個人的には、『悪夢の妖怪村』のほうに注目。
売れて今後の展開の芽が出てほしいものでございます。
ゲームブックって色々なものがあるので、
王道と喧伝(せんでん)されているもの以外の
いろいろに出て来てほしいものでございます。
でも、これ移植版だからなぁ。
どんなに人気が出ても、DSウェアとかケータイで出たもの出して終わり、
という危惧をすごく感じる。
スイッチ版として8月19日配信されるそうですな。
同じくスイッチ版『ファイティング・ファンタジー・レジェンズ』が
8月27日に発売。
なんでも8月27日は、『火吹山の魔法使い』が発売された日だとか。
どちらもスイッチのために作られたのではなく、
移植版というあたりが残念でございますが。
個人的には、『悪夢の妖怪村』のほうに注目。
売れて今後の展開の芽が出てほしいものでございます。
ゲームブックって色々なものがあるので、
王道と喧伝(せんでん)されているもの以外の
いろいろに出て来てほしいものでございます。
でも、これ移植版だからなぁ。
どんなに人気が出ても、DSウェアとかケータイで出たもの出して終わり、
という危惧をすごく感じる。
2021/08/14 『石ノ森章太郎コレクション SF傑作選』といっしょに、
新装版が出た都筑道夫先生の『なめくじに聞いてみろ』(講談社文庫)を買いました。
タイトルだけしか知らなかったので、
「これって冒険活劇だったのか」というところから驚いております。
解説は映画監督の岡本喜八先生。
読んで「これって『殺人狂時代』の原作だったのか」と二度ビックリ。
いえ、『殺人狂時代』、見ていないんですけれど。
それにしてもそれでも、試写を見た映画ライターがこぞって口を閉ざす中、
中原弓彦(小林信彦)先生だけが
「なぜ上映されない」と応援してくれたというエピソードは、分かるなぁ。
2021/08/15 『ルパン三世ゲームブック さらば愛しきハリウッド復刻版』、
2021/10/21発売予定。2090円だと。強気に出たなぁ。
この値段だと、『戒厳令のトルネード』までコンプリートすると、
4万円ちかくになるじゃないか!
ファイティング・ファンタジー コレクションが売れた(ですよね?) ものだから、
みんな血迷……強気に出てるのか?
まったく新しい要素無しだったら、そこまでの価値はないと思うのだけど……。
2021/08/16 でも、ゲームブックのセット売りコレクションは
もっとやって欲しい気がいたします。
創元社のと勁文社のをあわせて『ドルアーガの塔』コレクションとか、
双葉社と勁文社と小学館のをあわせて『ゼルダの伝説』コレクションとか、
JICCに勁文社と双葉社を加えた『ウルティマ』コレクションとか、
二見書房とホビージャパンと学研と国土社のを組合わせて
『ホームズコレクション』とか(徳間の犬を加えるのもアリ) ……。
出版社をまたぐのはむずかしい? 変な作品は要らない?
本の厚さがバラバラになる?
うーむ、面白いと思いますけどねぇ。
2021/08/17 『ホームズコレクション』については
『十三人の名探偵』(JICC)や
『ミシシッピー殺人事件』(双葉社)も入れていいかも。
ホームズなどはそう考えるとまだまだございましょうな。
2021/08/18 酵母菌ってアルコールに弱いのだそうでございますな。
度数が高いと死んでしまうのだそうでございます。
2021/08/19 2021/05/17の記事で、
トランプなどカードを武器に戦うキャラクターのルーツは誰か
について考えてみましたが、
『なめくじに聞いてみろ』にも、
トランプを武器とする殺し屋が出てまいりました。
小説なので、何枚も跳ばすような派手さはございませんが──。
もしかして、こちらの方が『コンドルキング』よりも早いのかも、
と思って調べてみました。すると……。
『なめくじに聞いてみろ』は、元のタイトルを『飢えた遺産』といい、
東都書房から出版されたのが 1962年。さらに調べてみると1月とか。
うーん、微妙だなぁ。
ただ、岡本喜八先生の解説には、都筑道夫先生のこの作品は、
雑誌連載があったと描いてございますし……。
その雑誌連載のことについては追えませんでしたが、
こちらのほうが先なのかも。
いずれにせよ、もっと前があるような気もいたします。
(同じ文章を、雑記のほうにも追記しておきます)
2021/08/22 『あしたのジョー』の力石徹さんって、英語にすると、
トール ザ パワーストーン でございましょうか。
なんか、イメージが変わってくるなぁ。
指にはめた宝石から稲妻発射していそう。
トール ザ パワーストーン でございましょうか。
なんか、イメージが変わってくるなぁ。
指にはめた宝石から稲妻発射していそう。
2021/08/24 テレワークが進化し、
オンライン上で仕事が完結するようになれば、
社員がどこに住んでいるかは関係なくなる。
つまり、住所に関係なく優秀な人材を雇えるわけですな、
大きな会社は。
他の企業にとってこれは脅威でございますが、
その会社に働いている人にとっても、
優秀な人材にポジションを奪われる可能性があるのだから脅威だと、
なるほどねぇ。
オンライン上で仕事が完結するようになれば、
社員がどこに住んでいるかは関係なくなる。
つまり、住所に関係なく優秀な人材を雇えるわけですな、
大きな会社は。
他の企業にとってこれは脅威でございますが、
その会社に働いている人にとっても、
優秀な人材にポジションを奪われる可能性があるのだから脅威だと、
なるほどねぇ。
2021/08/25 『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮新書/2019/7/12)って、
そういう内容だったのかぁ。
たまたま紹介文を読んで初めて知りました。
非行少年はオレサマだからケーキの三等分が出来ないとか、
そうなっていくみたいな話かと思っていたのですが、
でも全然逆なのね。
ケーキの三等分が出来ないような人が、ってなことみたい。
タイトルにいつわりはないけれど、
かんちがいさせることで手に取らせようという魂胆が
含まれている気がいたしますな。
手に取らない人はそんなことないだろうと思いつつ、
間違えた内容のまま覚えていたりしそう。
2021/08/26 横山大観とヨコハマタイヤって似ているなあ。
2021/08/27 となりのトトロを暗号で表現すると、ノノンかソソヨでいい?
えっ、それは トトロのとなり?
jまあ、パズルではその程度は許容範囲ということで、ひとつ……。
「スタリィドール」。
本が出る前は、どうなんだろうって思っていたのでございますよねー。
本が出る前は、どうなんだろうって思っていたのでございますよねー。
「R&R vol.199」の紹介では、
魅力的なルールと世界ではあるけれど、
モチーフ的に狭いんじゃないかと、いぶかしんだのでございます。
お人形と結びつきそうなものというと、
ドレスとかアクセサリーとか、オモチャとか、お菓子とか……。
かあいらしくって子供っぽくって……、
そうしたものから範囲を広げられなそうなイメージがあったのでございます。
ですが、R&RBooksのほうでは怪獣とか出てきたりして──。
それでいいのかと思うほどの
ある程度の……かなりの自由度が認められているようでございますな。
それでいいのかと思うほどの
ある程度の……かなりの自由度が認められているようでございますな。
冒険企画局らしい、と申しましょうか。
そうやって考えてみますと、システム等々は抜きにして、
世界観だけで見てみますと、
『ナイトメアハンター』のお人形版という感じでございますな、
この作品。
世界観だけで見てみますと、
『ナイトメアハンター』のお人形版という感じでございますな、
この作品。
夢の世界みたいなものでございますから、何でも出せる。
とは申せ、主人公がお人形ですし、
ホロスコープや鏡の世界など、
システムや世界観もそれらしいものを整えておりますから、
そこからそれほど外さないほうがよろしゅうございましょう。
で、面白いなと思ったのが〈劇場〉。
これが現実世界を侵蝕し、それを塗り替えてしまうと
〈変容区(ページェンス)〉と呼ばれる地区になる、
という設定でございます。
これが現実世界を侵蝕し、それを塗り替えてしまうと
〈変容区(ページェンス)〉と呼ばれる地区になる、
という設定でございます。
遊園地とかお店とかで、
紹介する番組や宣伝を見ると面白そうでも、
実際に行ってみるとそんなでもない、
というか楽しくなくて、なんか損した気分だけが残るってこと、
ございますよね。
そういうところは、スタッフの方もニコニコしてはいるけれど、
バックヤードではげんなりしていて、
家へ帰るとクタクタゴロン。
口には出さないけれど従業員が、
上の方の人までやめたいと思っている……、
な~んてことがあるかもしれません。
まっ、単なる想像ではございますが、
〈変容区〉と申すのは現実を、
そのような施設やお店に変えてしまうのでございましょう。
〈心の闇〉に陥ったお人形さんたちはなおも増え続け、
鏡の世界の現実への侵略は、いまなお拡大しているということでございましょう。
がんばれ星人形たち、というところでございますな。
それ以前に、お人形さんが心の闇に陥らないことが肝要ですし、
そのためには、お人形そんのご主人さまの心も健やかなものではございませんと。
まわりまわって、現実世界が矛盾のない健やかな世界であることが要求されますな。
☆ ☆ ☆
ところでこのTRPG、題2弾ではどんな要素が追加されましょうか?
プレイヤーキャラクターとしては、
ぬいぐるみあたりありそうでございますな。
こけしやバービー人形やG・I・ジョーよりは、
ドールと並んでも違和感がないように思います。
でも、オフィシャル無視して私家版として突っ走るなら、
G・I・ジョーとか、メタルフィギュアとかも面白いんじゃないかな。
その時はもちろん、ドールの世界は存在しないことにして。
統一するなら、モンスターやロボットでもいい。
そういった世界がオーラロードじゃなかった、
現実に湧出し侵蝕し、街中でドンパチを始める──。
スタリィドールじゃなくなっちゃうけれど、
そういうのも面白いかも、でございます。
それに、
そういうゲームやりたいでしょ?
☆ ☆ ☆
とまぁ、そんなわけで、voL.201に載せていただいた、
「スタリィ・ドール」の絵がこれでございます。
「スタリィ・ドール」の絵がこれでございます。
球体関節については迷ったのでございますよね。
それをリアルに描きますと、不気味になったりいたしますし。
やっぱり、こうした人形はサラの状態では不気味に写るものだと思うのですよね。
それが、見る人の目と愛情によって命を吹き込まれるものだと。
で、愛情のこもった目で見れば、球体関節も気にならなくなり、
目に見えなくなるものだと思うのでございますよ。
魔法の通じる世界でございますからな。
ただ、そうは思っても、球体関節人形であることは残したくて、
その意匠を目立たない程度に入れてございます。
「R&R」vol.199には、
星人形は匂いも味も分からないと書かれてございましたが、
愛情を注いでやれば、きっとそれも分かるようになりましょう。
楽しそうなのに楽しそうじゃないというような微妙な雰囲気も、
性格によってかもしれませんが、分かるというものでございます。
星人形は匂いも味も分からないと書かれてございましたが、
愛情を注いでやれば、きっとそれも分かるようになりましょう。
楽しそうなのに楽しそうじゃないというような微妙な雰囲気も、
性格によってかもしれませんが、分かるというものでございます。
ちなみに、この絵を描いていたころは、
『石ノ森章太郎コレクション』のことをブログに書いていたあたり。
『石ノ森章太郎コレクション』のことをブログに書いていたあたり。
ですから、背景の人形などは「青い月の夜」や
『二級天使』の「一本足の兵隊」あたりの影響がございますな。
『二級天使』の「一本足の兵隊」あたりの影響がございますな。
( タイトル下には書ききれないので、こっちで)
スペインの城(castle in Spain)という言葉をご存じでございましょうか。
スペインの城(castle in Spain)という言葉をご存じでございましょうか。
ありもしない絵空事のことなのだそうだそうでございます。
別の言い方ですと、castle in the air 空中楼閣ですな。
別の言い方ですと、castle in the air 空中楼閣ですな。
わたくしが知ったのは……って、その作品のネタバレになるからダメか。
なぜスペインの城が絵空事なのか?
ネットで調べても確たる由来は分かりませんでした。
元はフランスの言葉で、スペインがイスラムの領土だったころ、
それを取り戻してそこに城を建てるなんて出来もしないことだったから、
ですとか、
スペインが無敵を誇っていたころ、イギリスが
それを打ち破って城を建てるのは不可能だったから、
などの説がございましたが。
わたくしが思っておりましたのは、
スペインといえば騎士道小説のイメージがございますから、
それがすたれたあと、『ドン・キホーテ』みたいなパロディが書かれたような時代に、
騎士道小説が荒唐無稽な絵空事として認識されていたのかな、
と思ったのでございますが──。
ただ、それだと build castle in Spain みたいに使われる場合の説明としては
弱い気はいたしますのですよねぇ。
荒唐無稽な話を構築する、ということから、とも考えられますが、
直接的ではない──。
直接的ではない──。
でもですねぇ、
SFが空想科学物語と呼ばれていたころ、
他愛もない荒唐無稽な絵空事と評価以前、
一蹴されていた時代がございましたでしょう。
ですからそれと同じようなことがあってもおかしくない、
そう思ったのでございます。
フーゴ・ハル:著 尾谷道草:訳
(NIGHT LAND vol.21 2020/06/アトリエ・サード)
この作品、『魔城の迷宮』の続編である
『ピレネーの魔城』の外伝だそうでございます。
『ピレネーの魔城』の外伝だそうでございます。
『ピレネーの魔城』が完成しているのかどうかは存じません。
「note」(p.64)によりますと、
「『ピレネーの魔城』本編の書籍化も諦めたわけではない。
物語同様の空間をさ迷うことになる超難解な立体迷路を、
世に出さんとする勇気ある出版社の登場を待つ。(著者)」
とあるので、すでに作品はできているのかも???
「『ピレネーの魔城』本編の書籍化も諦めたわけではない。
物語同様の空間をさ迷うことになる超難解な立体迷路を、
世に出さんとする勇気ある出版社の登場を待つ。(著者)」
とあるので、すでに作品はできているのかも???
出来上がっているとすれば、出版のあてもなくそれだけのものを作りあげるのは、
すごいバイタリティだと存じます。
すごいバイタリティだと存じます。
何らかの方法でぜひとも世に出してほしいものでございますな。
(ただ「作る機会を逸したまま似た趣向のゲームや映画も登場」
とも書いておられるのですよねぇ。
この表現だと、完成までにはいたってないような……)
とも書いておられるのですよねぇ。
この表現だと、完成までにはいたってないような……)
とまぁ、閑話休題。
フランスとスペインを分ける山脈ですな。
ユーラシア大陸とイベリア半島がくっついたときに
造山運動によってできたのだとか。
造山運動によってできたのだとか。
このピレネーの名を題に入れた
『ピレネーの城』という絵がございます。
『ピレネーの城』という絵がございます。
マグリットの代表作ですな。
『ピレネーの魔城』は、
この城についての物語でございます。
この城についての物語でございます。
と、作中にもそのように書いてあるのでございますが、
関連はあまりございません。
関連はあまりございません。
何しろ、マグリットの絵は、
空中に浮かぶ卵形の巨大な岩塊の上に、ちょこなんとお城が乗っているというもの。
に対して、今作の魔城はゴツゴツした立方体。
上には何も乗っておりません。
中に人が住んでいることから、それ自体が城でございましょう。
その立方体も、対角線方向に地面に垂直というわけではなく、
各辺が地面に対して並行と垂直
──要するに地面に置いてあったサイコロをそのまま持ち上げたような向きで
浮かんでいるのでございます。
マグリットのそれとは似ても似つきません。
ボーグキューブのほうが近いというものでございます。
しかもこの城、北に向かって移動しております。
おそらく北極まで行ったら南を目指すのでございましょう。
つまり、たまたま舞台がピレネーであるだけで、
ピレネーに居着いているわけではないのでございますな。
その他にも、神々のサイコロであるとか、バベルの塔との関連とか、
眉唾がいろいろと書かれてございます。
そのまことしやかを楽しみたいのなら、関連する書物をひもといたり、
ネットで調べてみたりするのも面白うございましょう。
そのまま鵜呑みにするというのもまた、物語におぼれる1つのやり方ではございますが。
さてさて、この空飛ぶサイコロには、アーレアという名がついてございます。
『魔城の迷宮』のルドゥスと同様、
カイヨワの『遊びと人間』に出て来た言葉でございますな。
なので最初読んだとき、ついつい、
対になる言葉なのかな、と思ってしまいました。
アジアにあるルドゥスが地(上・下)の混沌、
ヨーロッパのアーレアが空中の秩序なのかな、と。
でも、ルドゥスは「競技」。
規則的で参加者の意思力がより反映される遊びで、
対義となるのはパイディアにございます。
規則的で参加者の意思力がより反映される遊びで、
対義となるのはパイディアにございます。
対してアレアは、遊びを4つに分けた分類のうちのひとつ。
クジやルーレットなど、運に左右されることを楽しむ遊び。
アーレアがサイコロの形をしているのも、そのためにございましょう。
要するに、対立するどころか、まったく別の分類だったわけでございます。
☆ ☆ ☆
この物語は9章から構成されております。
1章は空中城塞アーレアについて。
今書きましたようなことが書かれておるのですな。
ちなみにこの作品、『魔城の迷宮』の第2弾の外伝にもかかわらず、
主人公はハーマン・オクトーネさんではございません。
主人公はハーマン・オクトーネさんではございません。
彼は、城を見た人物として1章にちょこっと出てくるのみにございます。
主人公の登場は2章から。
ここからオッカムのワーダの一人称(私)となります
調べてみますと、オッカムはイギリスの南部、
サリー州の村のようでございます。
サリー州の村のようでございます。
オッカムと申しますと、
オッカムの剃刀という言葉で有名な
スコラ派の哲学・神学者が思い浮かぶ方もございましょう。
でも、その方との関係もあまりないみたい。
ちなみに、オッカムの剃刀(Ockham's razor)は、
ある事柄を説明するためには、必要以上に多くを仮定するべきでないとする指針、
だそうでございます。
それはさておき、
このワーダの設定がいいのでございます。
検閲官である彼は、各地の僧院や大学をまわり、
禁書目録に記載された書物、それにその原典となった古書を、
焚書とするために回収するのがそのお務めでございます。
ですが、職務に忠実というわけでもございません。
彼がローマに送るのは、
すぐにそれと分かるような見かけ倒しの代物のみ。
異端であっても後世に価値ありとみれば、
仲間に保管を依頼しているのでございます。
また、ギターンをつま弾き、神の御技に疑念を挟む唄を心すさびに唄うことを
ひそかな楽しみとしていたり──。
要するに、ガチガチのキリスト者ではないのでございますか。
そんなお方ですからこそ、アーレアからの招待を受けることになるのでございますが。
なんか、アーレアとか関係なく、
この設定だけで面白いゲームブックが作れると思いません?
この設定だけで面白いゲームブックが作れると思いません?
僧院に入って隠し扉見つけたり、禁書の封印を解いたり、
それと戦ったり、唄が重要な役を果たしたり……。
様々な冒険の想像ができるところでございます。
外伝ではない『ピレネーの魔城』では、
そんな彼の能力が発揮できる場面が用意されているのかもしれませんな。
そんな彼の能力が発揮できる場面が用意されているのかもしれませんな。
物語の眼目、アーレアに入ってからの見聞は、3章から8章までに描かれます。
この魔城には、
アラン・カワック、エ・シャー、リキュの3つの王国がございまして、
それぞれが異なる〈地場〉の上に存在しているのですな。
そしてそのことが、この小説の外見にも分かりやすい影響を与えております。
アラン・カワック、エ・シャー、リキュの3つの王国がございまして、
それぞれが異なる〈地場〉の上に存在しているのですな。
そしてそのことが、この小説の外見にも分かりやすい影響を与えております。
最初読んだときは、これら3つの〈地場〉を
三次元の基本である縦・横・高さに従っているのかな、
と思ったのでございますが、そうではございませんでした。
三次元の基本である縦・横・高さに従っているのかな、
と思ったのでございますが、そうではございませんでした。
それも道理。
アラン・カワック王国が〈大地の民〉と〈地場〉を同じくしているのですから、
それでは浮揚することがまかりません。
リキュ王国の〈地場〉が天を向き、その釣り合いによって、
アーレアは空中城塞と化しているのでございます。
もう一つの王国、エ・シャーの〈地場〉は北。
そのため、先ほど書きましたとおり、
このキューブは北へ向かって進み続けるのでございます。
住民が左右どちらに多いかの傾きによって、
多少方向を変えることが出来るみたいでございますが、
それもわずかなことでごさいましょう。
このキューブは北へ向かって進み続けるのでございます。
住民が左右どちらに多いかの傾きによって、
多少方向を変えることが出来るみたいでございますが、
それもわずかなことでごさいましょう。
ところで、ピレネー山脈のあたりの経度はほぼ0。
つまり、北へ北へと進み、北極点を経過してさらに南下していくと、
日付変更線ぐらいを通るわけでございますな。
日付変更線ぐらいを通るわけでございますな。
ちょうど、ガリヴァーが遭遇したラピュータと同じあたりでございます。
両者がもしも同じならば、
ガリヴァーがこの地にたどり着いた頃には、
おそらく立方体のどの面にもまんべんなく人が住んでいたため、
北や南に移動するということはなく、
太平洋上にとどまっていたのでございましょう。
南北に移動するようになったのは、
その後の覇権争いでいくつかの面から王国が消えたためではございませんでしょうか。
よく考えられております。
と、思ったのでございますが、
ワーダって、ガリヴァーよりも前の時代の人なんですよね。
ガリヴァーがラピュータを訪れたのが170*年なのに対し、この作品の舞台は147*年。
147*年に浮遊する城が存在していたとすれば、
ピレネーから北、ロンドン上空あたりを移動するそれを
ガリヴァーが知らないと考えるのは、ちょっと難しい。
いやいや逆に、この作品の結末から考えると、
ガリヴァーの時代には城は存在していなかったかもしれませんな。
となるとやはり、この考えをくつがえすのは惜しいですが、
アーレアとラピュータは、世界線を異にすると考えた方が妥当でございましょう。
まぁ、それはそれとして。
〈地場〉を異にする三国の住民はそれぞれに個性的。
その個性も作品の魅力でございます。
その個性も作品の魅力でございます。
また、先ほども書きました三国の〈地場〉と連動する形式的な試みが、
この作品のもっともエポックな点でございますが、
それが単にそれだけのものでしたら、面白い試み、単なる変な思いつき、
で終わってしまいますよね。
この作品のもっともエポックな点でございますが、
それが単にそれだけのものでしたら、面白い試み、単なる変な思いつき、
で終わってしまいますよね。
が、それだけにとどまってはおりません。
最終9章には「落ち」を持ってきて、
それがこの形式をちゃんと意味あるものにしております。
それがこの形式をちゃんと意味あるものにしております。
さすがでございますな。
作品タイトル、『失物の城』については、ピンときませんでした。
『失楽園』を文字って、
「失落の城」とでもしたほうが、作品的にも合っていいんじゃないかな?
などと思っておりました。
「失落の城」とでもしたほうが、作品的にも合っていいんじゃないかな?
などと思っておりました。
ですが、「note」に許哲珮さんの同名作品から採ったとあったので、
ぐーぐるで「すべての言語」で検索し、YouTubeを見てみると、
しっかりとは分かりませんが、歌詞が漢字で表示されておりましたので、
ぐーぐるで「すべての言語」で検索し、YouTubeを見てみると、
しっかりとは分かりませんが、歌詞が漢字で表示されておりましたので、
なんとなーくの意味は分かったような気になりました。
曲調も含めて、たしかにこの作品の最初か最後に流すにふさわしい気がいたします。
でもね。
やっぱり「失物の城」という言葉をポンと出されただけだと、
意味不明だよー。
☆ ☆ ☆
ところで、「note」にある似たような作品やゲームって、何のことだろう?
気になる……。
2021/07/02 以前見つからないと書いていた、
『よつばと』の14巻は、引き出しの中にちゃんとしまってありました。
そういうもののほうがかえって見つからないだなぁ。
『よつばと』の14巻は、引き出しの中にちゃんとしまってありました。
そういうもののほうがかえって見つからないだなぁ。
2021/07/04 BS-3「歌い継ぐ筒美京平」、思わず見てしまう。
歌謡曲にも恋の歌にも興味はないのだか。作曲家としても編曲家としても天才。
歌い手の持ち味を大切にする……って書いても全然伝わらないぞ。
作曲家の話なのだが、取り上げられる歌の歌詞もすばらしい。
あれ、そんな内容だったの? と思うことしばしば。
耳に入ってくるのはサビの部分だけだものなぁ。
2021/07/12 もともと信じちゃあないんだけど、
ちょっと興味があって雑誌の占い欄をのぞく。
こういうときの星占いって、ホントに全然当たんないなぁ。
2021/07/17 『ファイティングファンタジー・コレクション』、
「GMウォーロック vol.2」とともに買ってまいりました。
赤春堂にて。
今日時間的に厳しかったのですが。
次となるといつ行けるかわからなかっので無理矢理。
何とかチャレンジ成功です。
行ってみると2セット置いてありました。
ですから、焦らなくてもよかったのかもしれませんが、
そんなことを言っていると、買いそびれたりするものでございますな。
2021/07/18 「GMウォーロックvol.2」p.035に
「ファイティングファンタジー・コレクション」第2弾について
触れられておりましたが、
収録作品に迷うのなら、いっそのこと非タイタンというのはどうでしょ。
『サイボーグを倒せ』とか好きですし──。
しまった。
『サイボーグを倒せ』は、タイタンシティ。
まぎれもなくタイタンだった。
2021/07/19 『ファイティングファンタジー・コレクション』第2弾、
『デストラップ・ダンジョン』あたり最有力候補でございましょうなぁ。
リバーシブルカバーにして、裏を空中幼彩先生のカバー絵にしたら、
欲しがる人もいるんじゃあ……。
いるのかなぁ?
2021/07/2? 『ファイティングファンタジー・コレクション』第2弾、
タイタン世界だったら、
「四人のキング」「暗黒の三つの顔」「太陽神の宝玉」っていう、
日本人作家作品セットっていうのもいいんじゃないかなぁ。
『四人のキング』以外は書籍化されていないんですし、
興味のある人はおりましょう。
勢い余って英語版も作って、本家に逆輸出するんだ!!
2021/07/23 無理がとおれば五輪が開催! というわけで、始まりましたねぇ、
東京オリンピック。
でも、いっこうに盛り上がっているか感じしないなぁ。
興味ないせいでございまでしょうか、偉いさんの顔ばかりが思い浮かぶんですよねぇ。
無観客だということもありますが。
まぁ、なんやかや言っても主役は選手のみなさまなので、
その選手の方々が何事もなく自分のベストを尽くせる競技会として
終わってくれることを祈ります。
でも、今大会、新記録とか出るのかなぁ。
2021/07/2? その後、テレビをつけるとやっているので、
たまたま見てしまったりいたしますが、
ふだんやらないような競技をやっていたりするのは、
ふつうに競技会として楽しいですな。
2021/07/28 ゲームブックじゃないクイズ
イスラムの言葉で、「威厳ある態度」のことをなんと言うでしょう? わかる?
2021/07/29 答:ワカール。
わからないよね。
(参考:『イスラムの原点 【コーラン】と【ハディース】』牧野信也)
『ファイティングファンタジー・コレクション』が発売されました。
みなさんはどうなされていらっしゃるでしょうか。
完全保存版として、封も切らずに本棚の奥~のほうにしまっておく?
パラパラッと見て、満足しておしまい?
パラパラッと見て、満足しておしまい?
色々な楽しみ方はあるとは思いますが、
訳の異同を見るというのは、新訳が出た際の楽しみ方の基本でございますよね。
特に今回、『火吹山~』や『バルサス~』を
安田均先生が訳されているではございませんか。
安田均先生が訳されているではございませんか。
浅羽莢子先生が訳されたものとどう違うのか、つき合わせてみると面白いですし、
文章表現の勉強にもなるのでは、と思います。
文章表現の勉強にもなるのでは、と思います。
新訳というのは、楽な部分も難しい部分もございますよね。
あらかじめ訳されておりますから、それがガイドになる一方、
同じ文章を旧訳とは違う表現にしていかなければ、新訳である意味がない。
同じ文章を旧訳とは違う表現にしていかなければ、新訳である意味がない。
今回もそうでございますが、新旧両方の訳を見比べて思うことは、
翻訳に携わる方って、語彙が豊富だなぁ。
翻訳に携わる方って、語彙が豊富だなぁ。
あたりまえだと言われそうですが、
そのあたりまえにあらためて感心するほど、表現を変えてきているのでございます。
ただ、このあたり苦労しているような……。
もとの文章そのままにしたかったんじゃないかなぁ、と感じるところもちらほら。
もとの文章そのままにしたかったんじゃないかなぁ、と感じるところもちらほら。
上記2冊ばかりではなく、
こあらだまり先生が訳された『盗賊都市』(旧訳は喜多元子先生)
の場合もそれは感じました。
こあらだまり先生が訳された『盗賊都市』(旧訳は喜多元子先生)
の場合もそれは感じました。
そんなわけで、両方を持っている方は、両方を見開きながら、
いいとこ取り訳で読んでみるというのもよろしいかと存じます。
いいとこ取り訳で読んでみるというのもよろしいかと存じます。
まぁ、そういうのはちょっとしたぜいたく。
そんなことをしなくても、面白さには関係ございません。
原作の文章も訳文もいい、ということでございましょう。
『火吹山~』冒頭の「背景」など、読んでいてワクワクしてまいります。
いや、『火吹山~』に限ったことではございませんが。
いや、『火吹山~』に限ったことではございませんが。
ただ……。
『火吹山~』については、四〇〇が右ページに来てしまったのが残念。
やはりあそこは、バーンと「君の冒険は終わった」と出てきて、
ページを開くと……という感覚が楽しい部分でございましたから。
ページの都合なのでございましょうが、
そこはもとの雰囲気を保ってもらいたかったものでございます。
『火吹山~』については、四〇〇が右ページに来てしまったのが残念。
やはりあそこは、バーンと「君の冒険は終わった」と出てきて、
ページを開くと……という感覚が楽しい部分でございましたから。
ページの都合なのでございましょうが、
そこはもとの雰囲気を保ってもらいたかったものでございます。
さて一方、『モンスター誕生』は旧訳も新訳も安田均先生でございます。
そのため変更は最小限。
はじめのほうを読んだ限りではでございますが。
はじめのほうを読んだ限りではでございますが。
ひらがなだったところを漢字にしたり、
フリガナをなくしたり、
槍穂(やりほ)木を槍穂木(スピアティップ・ツリー)というふうに
固有名詞を元の名前が分かるようにしたり
(ただし、ぺちゃくちゃ獣とかドブドロ川のように、
日本語として楽しさのあるものはそのまでございます)、
""を〈〉に直したり……、
という程度の変更でございます。
フリガナをなくしたり、
槍穂(やりほ)木を槍穂木(スピアティップ・ツリー)というふうに
固有名詞を元の名前が分かるようにしたり
(ただし、ぺちゃくちゃ獣とかドブドロ川のように、
日本語として楽しさのあるものはそのまでございます)、
""を〈〉に直したり……、
という程度の変更でございます。
暗号になったセリフの部分は、
ザッと見たところ変えていないようでございますな。
変えれば面白いのに──。
ザッと見たところ変えていないようでございますな。
変えれば面白いのに──。
パラパラッとめくって気づいた重箱の隅が四三八。
このパラグラフに出てくる数字、
五二は、旧訳同様太字がホントなんじゃないのかなぁ。
と思ったのでございますが、
『火吹山~』の鍵の数字なども太字にしていないので、
これで正しいのでございましょう。
わたくしのようなうっかりものの場合、
強調していただいた方がありがたいのでございますが。
重箱の隅は、次の記事。
ゲームブッククイズ(155)にもちょっと続きます。
五二は、旧訳同様太字がホントなんじゃないのかなぁ。
と思ったのでございますが、
『火吹山~』の鍵の数字なども太字にしていないので、
これで正しいのでございましょう。
わたくしのようなうっかりものの場合、
強調していただいた方がありがたいのでございますが。
重箱の隅は、次の記事。
ゲームブッククイズ(155)にもちょっと続きます。
さてさてその縦糸、ダークメインの物語でございます。
彼に依頼をするのが、城塞都市サラモニスの王なのですな
(つい先ほどまで、サラモニスのことをサラニモスだとばかり思っておりました)
地図をご覧ください。
トロール牙のすぐ南西にあるのが、サラモニスでございます。
(地図の上が北だった場合ですが)
バルサスの黒い塔はさらにその南。
ザラダンは……、コーブンの北あたりの地下かな。
(もう少し詳細な地図があればよかったのに9
サラニモスがいかに危険な位置関係にあるかはお分かりでしょう。
二人の悪魔が一触即発であれば、かの王が憂慮するのは当然でございます。
サラモン王は考えます。
彼に依頼をするのが、城塞都市サラモニスの王なのですな
(つい先ほどまで、サラモニスのことをサラニモスだとばかり思っておりました)
地図をご覧ください。
トロール牙のすぐ南西にあるのが、サラモニスでございます。
(地図の上が北だった場合ですが)
バルサスの黒い塔はさらにその南。
ザラダンは……、コーブンの北あたりの地下かな。
(もう少し詳細な地図があればよかったのに9
サラニモスがいかに危険な位置関係にあるかはお分かりでしょう。
二人の悪魔が一触即発であれば、かの王が憂慮するのは当然でございます。
サラモン王は考えます。
この二人が戦うのはいい。
戦っているうちは両者の目はこちらには向かないだろうから。
だが、いったんどちらかが勝利を収めた場合、目をつけられるのはわが国だ。
そうなればサラモニスはひとたまりも無い。
そうなればサラモニスはひとたまりも無い。
そうならないようになんとかできないか──。
そんなこんなで、サラモン 王は、〈三人の予見者〉の選択とは申せ、
どこの馬の骨とも分からないダークメインにこの使命を託します。
どこの馬の骨とも分からないダークメインにこの使命を託します。
素性の信頼できる、例えば自分の部下を使えないのは、
関係がバレてしまえば、自分のほうに悪魔の矛先が向かうから。
関係がバレてしまえば、自分のほうに悪魔の矛先が向かうから。
王が一介の冒険者を使うのことに、ちゃんと理由があるのでございます。
依頼を受けたダークメインは、古くからの友人であるカローネ・マニタスに会いに行きます。
この任務のために必要な人物を、この地方で顔が広い彼に見つけてもらおうというのですな。
サラニモス王はダークメインのことを若いとおっしゃっておりましたが、古い友人があるということは、少なくとも十代ではございませんでしょう。ある程度の経験を経た、それ相応の年齢だと存じます。
カローネと会うのが、フリークスの街・シャザール。
いかにもイギリス的、FF的な魅力に富んだ街で、ブラックサンドよりも魅力的とおっしゃる方もおられることでございましょう。
シティブックが出ることを期待したいところでございますが、いろいろ問題があるような気も──。
まぁ、そんな街でございます。
とは申せ、奇妙な風景に目を奪われて気がつきにくいですが、街のありさまは風景としてのみ存在していて、ストーリーにはあまり絡んではいないんですよね。
ただこの街を登場させたかったのではないかという気も……。
そうは申しましても、これがただの街だったらここでの出会いも印象的ではなかったことでございましょう。
一癖ある出会いにふさわしい背景だと存じます。
そんな街の酒場で、ダークメインはカローネにみずからの策を語ります。
バルサスとザラダンのそれぞれに取り入って戦争を長引かせ、両者の国力を弱めて、サラニモスに攻め込めるだけの力をなくすまでにしてしまおう──。
要するに、黒澤明監督の『用心棒』みたいなことをやろうとしているのでございます。
いかにも無謀な冒険者のやりそうなことでございますな。
もしかすると、作者の最初の構想はそうだったのかも?
でも、悪魔の三人のうちの二人と、口八丁で渡り合うのは相当に困難ですよねぇ。
それを読者に納得させるように書くとなると、作者も大変──。
作者の構想がどうだったかはともあれ、この企みは夢見師リッサミナの警告を得て反故にされ、ダークメインはザゴールのアジトへと向かいます。
彼ならば、他の二人をなんとかする方法を知っているのではないか、それが夢見師の投げた策だったのですな。
同行は従者チェルバーと、傭兵、ジャムット・マントラッパー。
マントラッパーは金さえ出せば信頼に足るという評価ですが、裏で何やら動いているようですし、金で動く人物なので、背中を預けられるほどというわけではありません。
だいたい顔からして悪魔が変身した人間みたい(特にp.231とか)。
文章ではそう感じなかったので、イラストでももう少しうさんくさくない人物に描いた方がよかったのでは? と個人的には思いました。
火吹山の場所を確かめるため、一行はヤズトロモの塔へ。
ドワーフの森に住んでいるだけあって、魔法使いといっても彼は、魔道具を作ることに長けているようでございますな。
彼から〈オルックの短剣}という一種の魔剣(探しているものの方角を示してくれる・狙ったものには必ずあたる)を買い、超常の望遠鏡であちこちを見(これも料金取ればいいのに)て、火吹山を確認した後、彼らはそこを目指します。
火吹山については、『火吹山の魔法使い』からいくつかの部屋をピックアップし、そのシーンを詳述している感じです。
技術点や体力点だけの戦闘を、この癖の強い3人がどう切り抜けたか、『火吹山~』を経験済みの人にとっては、なかなか楽しみな部分と言えるでしょう。
多くないシーンなのに鍵3本もちゃっかり手に入れてるんですよねぇ。
この幸運ものというか、物語のお導きというか。
そうして、ザゴールとの会見がかなうのですが。
ここからの展開が一筋縄ではいきません。
十九章「暗い秘密」。
その章題どおり、マントラッパー原に会った一物が明らかになります。
最後、ザゴールがダークメインに渡すものが爆薬というのも面白いですな。
そこを読んだとき、ガレーキープに爆弾を仕掛ければ別にザラダンと直接対決しなくてもいいんじゃ……、と思ったのですが、うーん、それだと計画は失敗だったなぁ。
結果、ザラダンとバルサス、この2人の魔法使いはこの世から姿を消します。
書かれてはいませんが、将なきあと、戦争もぐだぐだのうちに終わったのでございましょう。
最終章「判決」は、裏というか高次というか、な話になるのですが──。
それを読んだあとで、もう一度はじめから読み返してみると、書毒とはまた違った面白さが発見できると思います。
解説によればダークメインを主人公とした小説は、他に2冊が書かれているそうですが、そちらも気になるところでございますな。
カレンダー
プロフィール
HN:
道化の真実
性別:
男性
趣味:
ゲームブック
最新記事
(06/02)
(06/01)
(05/31)
(05/25)
(05/21)
最古記事
リンク
最新CM
[05/27 道化の真実]
[05/24 ポール・ブリッツ]
[05/02 道化の真実]
[05/02 ポール・ブリッツ]
[05/02 道化の真実]
最新TB
カテゴリー
ブログ内検索
P R
フリーエリア
<