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2024/04/27 ゴールデンウイーク、なるものが存在するそうでございますね。インタビューで10連休などと答えていらっしゃる方がおられました。いいなぁ。うらやましいなぁ。むしろゴールデンウィークは死にそうに忙しくて休むひま無いですって人にインタビューすればいいのに。でもニュースっていうのは珍しいから報道する価値があるんですよね。ゴールデンウイークは忙しいのが当然。休みっていう人は、きっと珍しいのでござましょう。……うらやましいなぁ。 ..
破滅の魔界デーモン アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第二版
 魔界サプリメント 
『破滅のデーモン』 
 グレアム・ボトリー :著 こあらだまり:訳
『魔界ガイドブック』  
 アンドリュー・ライト:著 飛竜賢   :訳
スティーブ・ジャクソン 
イアン・リビングストン:原案
安田均:監訳

(グループSNE/2022/2)
 
 
タイトルどおり、
タイタン世界のピット
 =魔界について扱った本でございます。
破滅のデーモン』のほうが、
魔界の住人であるデーモン作成のためのルール
そのキャラクターでのプレイについて。
 
魔界ガイドブック』がそのデーモンの住む
ピット=魔界についての
地名とそこに住まうデーモンたち。それに
さらなる悪の神などについて記された書でございます。
 魔界作成などのランダムのチャート類もございますな。
 
 雑に言ってみれば、魔界のルールブックとタイタン、
それにモンスター事典を組合わせたようなものと申してよろしいかと。
 
 あっ、急いで付け加えておきますと、
 
 アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版のルールブックは
これらの書を用いるために必要でございます。
 
 さて。  

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前回の「『ゆうやけこやけ』と『漫画少年』ゆうやけこやけ
に対する、尋常ならざるポール・ブリッツさまの
2022/04/23 のコメントに対する回答でございます。
 
 コメント欄に書けばよいのでございますが、
横着して画像を使いたかったので、記事に。
 
 
     ☆    ☆    ☆
 
      
『ピーカーブー』は『妖怪ウォッチ』ですよね。
時代をさかのぼらせれば『怪物くん』
ぐらいはできるのかな。

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アドバンスト・ファイティングファンタジー第2版 魔界サプリメント 
『破滅のデーモン』『魔界ガイドブック』
を読むにあたって、
あれ、タイタン世界の神々ってどんなだっけ
とすっかり忘れていることに気がつきました。
 
 半可通なので仕方がございません。
 
 幾柱かのご尊名は、
ゲームブックや何やらで、ぼんやりと覚えてはおりますが、
神々がどういう位置づけだったのかが霧の彼方。
   
トロール牙戦争』では、ハリーハウゼンのギリシャ神話ものみたいに、
神々がヒーローを操っていたよなぁ……。
程度が薄ぼんやりと浮かぶ程度でございます。
 
 というわけで、『タイタンp.29-33あたりを読んでお勉強。
確認してみることにいたしました。

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「シノビガミ流派ブック 比良坂機関」
河嶋陶一郎/冒険企画局:著
池田朝佳・清水健司:編
(新紀元社/2021/12)




 シノビガミに存在する、ニンジャの系統を扱った流派ブック第1弾
 
黄泉比良坂の名を持つとおり、太古より国家の影を担う存在。
公的機関である表の顔と、
その海原の下にうずまく古代巫術の混沌を併せ持つ組織。
 
 何ともすばらしい
 
 TRPGはプレイしないので、その隅々までは堪能できないけれど、
読み物として面白いではないか。
 
 他の流派はともかく、比良坂機関だけは読み応えありそう。
 
 そう思って買いました。
 
 一読、すばらしい。
 
 総80ページあまり。
シナリオやキャラクターシートも入っているので、読み物としては半分ぐらいかな。
 
 でも、内容が濃いのです。
 
 色々なアイデアを取り入れながらも、独自の世界を作りあげております。
 
 そしてやっぱりいたか、スクリーミング・ミーミー。
 ……まぁ、比良坂機関の幅を広げてくれますな。
 
☆ 比良坂機関自体も興味深いのでございますが、
  それと関わる内外の組織がまた特に興味深い
  日本政府との関係(p.19)ですとかね。
  
 特に想像がはかどるのが、国外の組織について(p.31-32)。
 
 アメリカ中央情報局やイギリス秘密情報部といった有名どころをはじめ、
シベリア柳生……じゃなかったコサック柳生とか
中国・北朝鮮の死の商人、中東の暗殺組織など。
 
 掲載されているのは7組織でございますが、
記述でここまでやっていいんだ、が拡張されますから、
他のスパイ組織も想像が膨らみますな。
 
恐ろしくもへっぽこな組織を考えてみるのも面白いと存じます。
 

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まとめましょう。
 
 第一世代から第六世代までのRPGは、こんな感じだとわたくしは考えます。
  
第一世代 ルール中心・データ中心のTRPG。
 
第二世代 世界設定中心のTRPG。
 
第三世代 コンセプト中心のTRPG。
 
 
で、第四世代から第六世代は、
従来型のTRPGと大規模メールゲームや読者参加企画のようなものに分かれます。
 

  
 大規模参加ゲームのほうは、
今扱うテーマではないので考慮しなくてもいいのですが、書いておきましょう。
 

 
大規模参加ゲーム
 
第四世代 コンセプト中心。主催者が用意した物語を達成することが目的の作品。
 
第五世代 ルール中心。
     バトルものなどの読者参加ゲームや、ナゾトキイベントなど、
     ルールで処断できるプレイヤーの実力が試されるゲーム。
 
第六世代 世界設定中心。
     『2つの川の物語』のように、プレイヤーキャラクターの行動や、
     プレイヤーから送られてきた設定により、
     世界を充実させていくタイプのもの。
  
 
従来型TRPG
 
第四世代 公式が存在しない、
     マスター自身が用意したルール、物語を遊ぶゲーム。
     もしくは、即興的なTRPG。
 
第五世代 ルール中心だが、
     第一世代のルールが主に世界のために存在するのに対し、
     こちらはゲームとしての面白さのために存在する。
     与えられたルールに従うというよりも、
     プレイヤーがいかにそのルールを使うかに力点が置かれたゲーム。
     ボードゲームやカードゲームに近づく可能性も。
 
第六世代 プレイヤーに近い世界を遊ぶゲーム。
     世界の細部はプレイヤーによって発信される。
 
 とまぁ、こんな感じでございましょうか。
 
 ちょっとややこしいですが、
 
 第一世代と第五世代、
 第二世代と第六世代
 第三世代と第四世代が、
 
 それぞれになっております。
 
 第一世代から第三世代が公式中心なのに対して、
 第四から第六はマスター、ゲームプレイヤー、ロールプレイヤーが中心
 という形で対応を見せておりますが、
 
 そのため第四、第六世代あたりは、詳細な公式ルールは難しい気がいたします。
 第五世代はそうでもございませんが、
 やはり、プレイヤーが能動的でなければ、真価を発揮しないでしょう。
 
 疑問に思う点は、前の記事をごらんください。
 大規模参加ゲームの第五世代が考慮されておりませんが、
 こんな感じできれいに収まると思うのですよね。
 
 さてでは、
 第七世代はどんなものになるか、という話になると思いますが、
 わたくしは第七世代はないと考えます。
 
 以前 2020/06/12 世界の3つの貌(かお)
    2020/06/18 世界を見る3つの視点
 
 で書いたとおり、世界を記述する方法は、ルール、設定、コンセプトの三つであり、
 その世界を見る視点としては、
 マスターの視点、PCの視点、そしてプレイヤーの視点の三つ
 だと思うのでございます。
 
 で、第六世代まででその六つがきれいに対応しているので、
 それ以上の世代というのはないのではと思うのでございます。
 
 
 
 
 
 でもあるとすれば?
 
 あるとすれば、これとは別の方向に伸びていく可能性はござましょう。
 
 第四世代のところで書いた、プレイヤー支援・マスター支援は、
 それが期待できますな。
 
 技術的なレベルが上がっていけば、
その技術にあわせてこの方向は伸びていく可能性ございますから。  
 
 TRPG各社が独自のオンライン用ツールを出すようになれば、
作品の内容よりも、オンラインでの遊びやすさや動画サイトでの見栄えなんかで
選ばれるようになるかもしれません。
 
 あるいはカラオケボックスみたいなところで、
実感あふれる設備が用意されたりして──。
 
 まぁ、そうなるためには、TRPGのプレイ人口がカラオケ並とはいかないまでも、
その何割かぐらいにはならないとダメでしょうが。

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 なぞのまとめの2021/08/29,30で「新しい」って書いちゃいました。
 単なる印象ではございますが、思ってしまったものは仕方ございません。
 
 レイアウトが目新しかったから?
 それはあるかも。
 他のページはそれほど見せ方に工夫しておられなませんからね。
 ですが、とりあえずそこは考えないことにいたしまして。
 
 
 その印象が何だったのか、少し考察してみたいと思います。
 
 後付けの理屈なので意味はあまりないかも。
 そう思う方はスルーしてください。
 そうでないかたはお目汚しを。
 記事自体の意味はなくとも、
 TRPGについて考えるちょっとしたきっかけにはなるやもしれません。
 眉からつばを垂らしながら、ご笑覧あれ。
 
 さて、
 
 TRPG世代論、というのがございますよね。
 
 近藤功司先生だと思いますが、
 ネットを見ると多摩豊先生という説もございます。
 まぁ、「ウォーロック」誌界隈から出た言葉
 なのは間違いございませんでしょう。
 
ウオーロック」誌vol.31-36には、
講座・ロールプレイングゲームの歴史」と題して、
近藤局長がこの世代論について書いておられます。
 
 アクチャルゲーム、シミュレーションゲームなど
TRPG以前のゲームから説き起こし、第三世代TRPGまで。
 そしてまだ明らかになっていない第四世代のTRPGはどんなものかを
予想する形で稿を終えております。
 
 で、
あおはるばーんっ」は、
その第六世代ぐらいにあたるTRPGだと思うのでございます。

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 『忍術バトルRPGシノビガミ』
 今さらながらのデザイナーズノート

「Role&Rollvol.173」p.104-109 
 
☆ 今月の「Role&Roll」は、もうこれだけで価値があるよね。
 これ読むと『シノビガミ』が、お蔵入り寸前から完成に到ったことが分かる。

☆ そこにいたるまでに必要だったものは、
 試行錯誤とテストプレイ、
 パラダイムの転換、
「1つのゲームですべてを片づける必要はない。
 ほかの問題はほかのゲームが片付けてくれる」
 という「理論武装」(真理であり開き直り)。
 そして、取り除くべきものは、不安と面倒くさいという気持ち……。
 
☆ 「プレイヤーどうしが戦うゲームは、
  テーブルトークRPGにそぐわないのではないか?」は、
  ストーリーゲームの根幹に関わる問題に思う。
 
 通常のRPGは、ストーリーが主体で、ゲームが従となる。
 物語の進行に合わせて、戦闘や判定の段階を上げていき、
 その相乗効果でクライマックスに持っていく。
 
 対して、ゲーム主体のRPGでは、
 戦闘や判定の興奮が主であり、それを段階的に上げていくことにより、
 物語を形作っていく。
 
 
 同じようなことを言っているようだが、全然違う。

 ストーリーはエピソードの積み重ねにより、
 クライマックスでその興奮を爆発させるものであり、

 ゲームの興奮は一つ一つの判定の中にあり、
 それが積み重なることでドラマが形作られていく……。

つまり「ストーリー」と「ゲーム」ではその関係が逆になっているのだ。
 
 よくコンピュータRPGのコピーで
「ゲームとストーリーの融合」などというが、この2つは基本融合するものではない。
 それが融合に思えるのは、
ストーリーと戦闘に勝利するというベクトルが一致していて、
かつそれがストレスなく自然に移行できる場合だけ。
そしてその場合でも、プレイヤーの感情がのらなければ、その隙間は埋まらないと思う。

 コンピュータRPGでしばしば、戦闘が多くてストーリーを忘れてしまった、
ということがあるのは、そのバランスが上手くいっていないのだろう。 
 
 
 
 話が、独立して書こうと思っていたことに脱線してしまった……。
 
 
 セッションの展開が予測不能なのも、
 
『シノビガミ』がゲームよりなことに起因する。
 ストーリー主体のゲームなら、物語の予定調和に収まることを期待されるだろう。
 
 
☆「秘密とシーン表の登場」については、
 紙幅の都合からか1/3ページに抑えられているが、
 『シノビガミ』のシステムでも重要な部分なので、
 もっと聞きたかったところだった。
 
 
 
☆ 最初のほうで触れられている『ピーカーブー』についても。
 改訂版でも大きな変化がなかったということは、
「まぁまぁ」の反響に対して、何か言いたいことがあるような気がする。
 言い訳になってしまうから言わないのだろうけれど。

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 というわけで、
「謎のまとめ9月」2018/09/30 (Sun)のコメント欄からの、
そんなに続いてはいない続きでございます。
 
 この前、『這いよれ! ニャル子さん』の記事
2018/09/19 (Wed)の時に、
友野詳先生のインタビューを取り上げた

『クトゥルー神話・ダークナビゲーション』
企画・編集 森瀬繚(クロノスケープ)
(ぶんか社/2006/9)でございますが、

 そのすぐあとには、芝村裕吏先生が、
米国西海岸の大学に留学中に出版された
クトゥルフの呼び声』(以下『CoC』)
について語っておられます(聞き手:海法紀光)。

 当時の感想は、同時期に同じケイオシアム社から出た
ストームブリンガー』とともに、「変なゲーム」。
ただ、『CoC』のほうが上手くいくかなというものだったそうで。
 
CoC』は買っても、モンスターとSANルールを
『ルーンクエスト』に入れるため
という扱いだったようにおっしゃっておられますな。
 
 で、

芝村 「ケン・セント・アンドレは、ショゴスを初めてゲーム化した人なんで、
なんでケンが『ストームブリンガー』なんだぁ? って言い合ってましたよ。
CoCのメインデザインはケンがやればいいのにって話していました」
海法 「ピッコロの笛が大切だという、T&Tソロシナリオ『カザンの闘技場』ですね」
芝村 「ええ、自分でも自慢していましたから、あの人」

(p.77-78) とか。

 どんな感じになるのでしょうかねぇ。
 もし、ケン・セント・アンドレさんが、
クトゥルー神話のTRPGを作っていたらーー。
 
 想像してみるのも面白いかも知れませんな。

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 RPGが当たり前に存在する時代に生まれた方には
理解不能かも知れませんが、BUGNEWS1985/8

ロール・プレイング・ゲームが紹介されはじめたころには、
体力値や敏捷度といった、個人の能力を数値化することに
抵抗があると申しますか、
それこそ理解不能というかたがおりました。

 この、「バグニュース創刊号 1985年8月号」の 
ロバート・ウッドヘッド氏に対するインタビュー
(p.24-28)にも、そのことが話題に上がっております。


BUGNEWSロバート・ウッドヘッドインタビュー



まぁ「体力」とか、「敏捷性」などというものは測定できるからいいとして、

「精神」とか「信仰」とか、内面に関わるものは、数値にできるのか、
ドライに数値化してしまっていいのだろうか、というようなことでございますな。


 さらにやっかいなのが「経験」でございます。

 何が経験となり何がならないかは、それこそ人それぞれだし、
本人にも分からないものなのに、それを数値化してしまっていいのか、

とくにある種のRPGの場合、戦闘しかやっていないのに、

レベルアップの際、「信仰」とか「魅力」とか、
戦闘とは直接関係ない精神的な能力まで上がるのはどういうわけだ、

というようなことですな。


 まぁ、最後のは完全にゲーム的な要請なので、
こじつけ以外の答は難しいでしょうし、
実際こういう仕組みを採用していないゲームもございます。



「経験値」については言葉が悪いんじゃないんでしょうかねぇ。

 日本語の経験には、やはりあいまいな響きがある。

 それは、日本語の経験が、
人間的成長や精神的成長といった精神的なものを中心にしているからなのでは、

と思うのでございます。


 対して成長には、知識や技術の習得を示すものもある。
 攻撃パターンを読んで対処したり、
 呪文を正しく覚え、仕草と発語をより正確にしたり、
 より魅力的に見える仕草や笑顔を覚え、相手を頷かせる会話術を身につけ――。

 そういう技術的なものの理解に対しては、
「熟練」とか「習熟」という言葉のほうがよろしいかと存じます。
(もっとよい言葉があるような気はいたしますが、とりあえず)。

 で、RPGにおける「経験」「成長」は、
おもにこうした技術的な成長を意味しているのではないかと思うのですよね。
 精神的なものはあいまいで、比べることなどできませんが、

会話の技術ですとか、
プレッシャーに対抗する技術、躱(かわ)す技術など、
その技術については、上手いヘタを比べることができる。

RPG的に申せば、技術は成功度を設定できる、
つまり数値化できるのでございます。

ですから、RPGにおける能力値というのは、
そうした技術的な差を表現したものと
申してよろしいのではないかと思うのでございます。


 
 さて、
遊撃手1984/11
経験値については、「BUGNEWS」誌の前身である
「遊撃手」誌の1984年11月号「ウィザードリィ通信」
ーーコンピュータRPG「ウィザードリィ」
についての読者コーナーですな――
に興味深い文章が載っておりました。



●米軍昇格制度とウィザードリィ

というタイトル(これは編集部でつけたのかもしれません)で、
沖縄の 浜北嘉 富雄 さんという方の手紙でございます。

 このお方が、米国軍人の方から聞いた話によると、
 米軍人は、それぞれ経験ポイントを持っていて、
それぞれの経験に応じてそのポイントを得ていくのだそうですな。

 たとえば、
講習に参加すると1ポイント、
海外に数ヶ月出張すると10ポイント、
最前線での活動には月に数百ポイントといった具合に――。

 で、このポイントが一定数たまると昇格試験を受けることのできる候補になり、
さらに上司の推薦があって初めて昇格試験を受けることができる。
逆に一定の雇用年数内で昇格できなければ、能力無しということで、
次の雇用契約を停止される場合もあるのだとか。

 「D&Dやウィザードリィにおいて、
  キャラクターの経験をその危険度に応じた点数で表すという方法は、
  おそらくこのような郡代の制度を取り入れたものだと思うのである」

 と結ばれておりますが、まさにそのとおりなのでございましょう。

「経験値」なんて、RPGのまったく新しい発明だと思っておりましたが、
参考となる――というか、ほぼそのまんまな――制度が、
現実にちゃんと存在していたのでございますな。

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KARMA SATURDAY NIGHT SPECIAL

サタスペp.2  
(↑2ページ目)

というわけで、「最初の『サタスペ』」をざっとながめてみました。

とにかく、いろんなものがございません。

『サタスペ・スペシアル』
「最初のサタスペ」では、
トリッパーなる用語が説明されておりましたが、それがない。
DDという言葉も使われていない。
ごく普通に、「プレイヤー」「マスター」でございました。
どういうことなのだろうと思いましたが、そのあたり『~スペシアル』第18頁
書かれてございます、『SATURDAY NIGHT FEVER』というご本から採っている
のでございましょう。


さらには、「亜侠」という言葉がございません。
言葉は世界を規定するものでございますから、この『サタスペ』のキーワードが
ないために、どこかしらもやっとしたものになっているのでございますよ。
『サタスペ』といえばヤクザ社会をイメージしますよね。最初のサタスペでも、
世界観はそれほど変わっておらず、侠客もその大きな一角を占めるわけですが
「亜侠」
という言葉がないせいか、必ずしも中心となっているわけではない。

むしろ「KARMA」という特殊能力をキャラクターに持たせることが出来、
それが超常能力である場合もけっこうあるため、現実よりもオカルティックな敵
との戦いに振られているような感じなのですな。
 薄汚い路地裏で、突然現れる妖異と戦うというような。

 ゲームブックで申せば『ゴーストハンターズ』みたいな……というか、
の原作である映画のような感じでしょうかね(ちらっとしか見たことはございませんが)


そして、「ファンブル」という言葉が存在しない。

『~スペシアル』第19頁の成功度表「マイナス1個以下」には

「ファンブル。今日は厄日か……。とんでもないコトになっちまった!!」

と書かれておりますが、その「ファンブル」という言葉がないのですな。
あっても無くてもさしたる違いはないかも知れません。

ですが、この言葉がないと、大失敗という感じがしなくて、単なる失敗と
実質上変わらない処分にするケースも多いような。

「ファンブル表」
もないですしね。


ないものを以上に挙げておきましたが、あるものはスタイル、もしくはこだわりですかね。

「ここでいう『技術』とは【Crime】や【Life】などの【Score】や<ゴミ漁り>や<観察>などの【Skill】
である。

 また『運』とは『骰子』を指す。」

といった具合に、英語をまじえてみたり「2D6」「骰子」と表記したり、文体にしてもそうですが、全体的にスタイリッシュなこだわりがございますな。
(持っている方は、『~スペシアル』第19頁中段の、該当箇所と比べてみても面白いと  思います)



若気のいたり?


もしかして、「DD」とか「トリッパー」とかいう言葉も、
若気のいたりだったりして……。

というわけで、じゃあねぇ~!

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 ランダムダンジョンタイプと申せば、『風来のシレン』などコンピュータゲームにもいろいろあって、それもものすごく面白いのでございますが、今回は非電源タイプのもので。

 もちろん『風来のシレン』はとめどころなく1000回どころか6~7千回ぐらいは遊びましたけどね。
 1000回遊べるなんて、内容に偽りありですな。

 さて、
 わたくしの知る限りでは、
非電源タイプのランダムダンジョンは、
ダンジョンものと
オープンフィールドものの
2つに分かれます。

 ダンジョンものは、

「ドンキーコマンド」がもちろんそうでございますし、

「レベルアップ型RPGのための恐怖の無限迷宮」
(『RPGゲームマスターになる本(1)【体験編】』)

「ソロプレイ・ゲーム」
(『ダブルムーン伝説―TRPGシステムブック』)

なんてところがございます。

持っていないのでわかりませんが、『デスメイズ』なども
この中に入るのでしょうな。

 敵との戦闘、罠、財宝など、
ダンジョンものの基本を行うゲームで、

 一般的な、あるいはある特定のTRPGについてのルール(とくに戦闘ルールですな)
を理解するために
作られているものが多いようでございます。

 オープンフィールドものとしては、

『四人のキング』
『ミストキャッスル』などですか。
『ウィッチクエスト』も、この中に入りましょう。

 単純な戦闘ルールのみのゲームではなく、
双方向移動型のゲームブックとしての物語性を持たせたもの

このタイプと申せましょう。

『ウィッチクエスト』の場合はちょっと異質で、
「ストラクチャーカード」(地図として並べるカードですな)だけでは、
単なるフロアタイルということになってしまいます。

が、
ルールとして「遭遇表」があり、
そこで起こることの例が書かれているので
そこに物語の要素が見出されるのでございますな

 ほかにもあるとは存じますが、
これらはあくまで一例ということにございます。

 さて、
 ここでこれより話題にいたしますのは、
このうち前者のダンジョンタイプ
ランダムダンジョンでございます。

 このタイプ、結構好きですな。

「ドンキーコマンド」などは、
 前回ご主人さまが紹介してくださいましたとおり、
ひとつひとつの壁に対してサイコロをふって
チェックするものでございますから

暗闇で手探りで進んでいく感じがあって、よろしいのでございます。

『RPGゲームマスターになる本(1)【体験編】』の
「レベルアップ型RPGのための恐怖の無限迷宮」は、
トランプを使って、部分部分の種類を決めるタイプですな。

数字(A,2~K)はそれぞれ、







小部屋
向こうに通り抜けられる小部屋
大部屋
階段
斜路

スート(スペード・ダイヤ・ハート・クラブ)

休憩
怪物
アイテム
アクション(聞き耳を立てる・走る・鍵をあける・酒を飲むなどをやはりカードを使って決定する)

となっております。

アクションをカードで決定するあたり、
ルールの理解やチェックのための
テスト的な性格が強うございますな。

『ダブルムーン伝説RPG』の「ソロプレイ・ゲーム」は、十面体ダイスを使うタイプでございます。

部屋はダイスにあわせて、

行き止まりの大部屋
(向こう側に)通り抜けられる大部屋
一本道 (
曲がり道(
T字路 (
十字路 (
(四方向に通り抜けられる)広間
行き止まりの小部屋
(曲がって通り抜けられる)小部屋
行き止まり

となっております。

で、部屋に入った場合には、
各部屋の決定表で
怪物や罠、階段とか泉とか宝物とかを決定し、
そのイベントを解決するのでございますな。

 これ、結構まとまっていて遊びやすいと存じます。
 わたくしも何度もプレイいたしました。

 …… ……

 とまで申しますと嘘になりますな。

 確かに遊んだのでございますが、
プレイしたと申しましても、
戦闘や各種チェックまでやったのではないのでございます。

 ただひたすらサイコロをふって、
ダンジョンをのばしていくだけ。
 で、
もう伸ばせる場所がなくなるところまで行ったら、
そこでゲームは終了。

通路は1点、小部屋は2点、大部屋は3点
といった感じでポイントを集計し、
高得点を目指す、
というような感じでございますな。

 あれっ?
 階段が出るか、マップの別の辺(対辺?)に出たら生還、それ以外は死亡
というルールを入れたかもしれません。

えっ?
 モンスターやワナ、財宝の得点は?
 ですって?

 たしかに考えはいたしましたが、何しろ個人的なハウスルールでございますからな。
 そこまで凝ったことはやらなかったように存じます。

 とにかく、ダンジョンを伸ばしていくのが楽しい のでございます。
 このゲームの場合、
『RPGゲームマスターになる本(1)【体験編】』の迷宮と違って、
マップタイルをどの方向にしても良いみたいでございますからな。
 サイコロの出目にまかせたランダム性だけではなく、
どう傾けるかの部分に考える余地が出て、
楽しいのでございます。

 何人かでやれば、妨害の要素も出て、さらに楽しゅうございましょう
映画『トロン』「ライトサイクルゲーム」みたいな感じでございますが、
一つの通路をふさがれても、別に途中の通路があれば、そちらを伸ばすことが出来る辺りが
ポイントでございますな。

 まっ、このようなゲームは、
すでにあるかも……とは存じますが、気にしない!

 楽しければよいのでございます。
 


《参考》

 『ダブルムーン伝説―TRPGシステムブック』
 (大貫 昌幸 著 1991/6 角川書店 コンプコレクション) 

p.142~145「ソロプレイゲーム」



『RPGゲームマスターになる本(1)【体験編】』
(朱鷺田裕介 著 1992/2 マイクロデザイン出版局)

p.134~138
「チェックリストその2:レベルアップ型RPGのための恐怖の無限迷宮」

(ちなみに、チェックリストその1は、「初仕事は龍退治」。
シナリオをたどっていくことで、そこで起きるさまざまな状況を、
そのシステムでどのように解決していったらいいかをチェックする)



『ウィッチクエスト2 エディスと猫のいない街 下巻』
(冒険企画局(*) 編著 九月姫イラスト 1991/11
 発行 宙(おおぞら)出版/発売 主婦と生活社)

口絵(付録?)
「ストラクチャーカード」

p.19~50
「サプリメント・ストラクチャーカード」

(*)

わきあかつぐみ:
企画・基本ルール
(この巻での担当は、追加魔法、ワールドガイド、付録シナリオ2)

奈那内さなぎ:リプレイ編のシナリオならびにゲームマスター
(この巻での担当は、ストラクチャーカードの細部、ワールドガイド)

近藤功司:ストラクチャーカードのオリジナルアイデア

佐藤明子:アシスタントスタッフ
 

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ゲームデザイン アル・シダータ
TACTICS No.3 1982 May-June
(ホビージャパン 昭和57年5月)
p.28-37


 RPGを理解するための一助として、
前回紹介した
「冒険のシミュレーション シミュレーションの冒険」
という記事の下に置かれていたゲームがこの
「ドンキーコマンド」だ。

 ゲームとしては
ランダムダンジョン型のソロアドベンチャーで、

付随するルールもこのゲームのためのものであり、
RPGシステムとしてはかなり限定的だ。

 作者のアル・シダータなる人物については、
ぐぐってもよくわからなかった。
 ただ、「デザイナーズ・ノート」(p.37)を読むと、
このゲームは、上記記事のために作られたものらしいので、
この人物も、記事の作者、高梨俊一先生にかなり近い位置にいた人物と思われる。
 訳者も書かれてないし、翻訳というわけではないだろう。

 ジャンルは、コマンドという単語からわかるとおり、
現代(もしくは近未来)の特殊工作員もの。
 スパイものといったほうがわかりやすいだろうか。

 現代ものにしたのは、
シミュレーションウォーゲームの専門誌である『タクティクス』誌の読者には、
現実的な舞台のほうがわかりやすいとの判断だろうか。

 もしくは、
別ページ(p.38)に載っている「放浪の騎士エルツリグナーの冒険」が、
ファンタジーRPGのリプレイ(本邦初のリプレイですね、多分)なので、
それとは別ジャンルにしようとしたのかもしれない。

 だとすれば、 
RPGにはいろいろなジャンルがあるので、
ひとつにかたよってはいけないという配慮が働いた、
ということになる。

 ミッションの内容は、

A国にある秘密基地に潜入し、出来うる限り内部を破壊し、かつ機密文書を持ち帰れ、

というもので、

ヘリコプターで到着、脱出し、エレベーターで階を行き来するあたり、
どうもタイトー社の『エレベーターアクション』を連想してしまった。

 能力値は、

「耐久力」、「体力」、「運」、「知識」、「反応」、「正確性」、「ボーナス」の6つ。

 このうち、ボーナスというのは、
「反応」と「正確性」の合計が高い場合に与えられる特殊能力のことで、
ナイフ投げ、空手、暗示能力などがあり、サイコロを振って決める。


  ゲームの手順を紹介すると、

 まず隣のマスに移動して
(ドアを通過する場合は、ここでアクシデントチェック。
転んだり、レーザー兵器にやられる場合もある)、

そのマスの三方向に対してサイコロをふり、

壁か
ドアのある壁か
どちらでもないか

を判定する。

 さらにその隣あった空間(壁も扉もないところ)についても壁チェック
壁などがない場合、
そうしてできた十字の5マスコマンド(=君)の視界となる。
(壁がある場合は、当然そこで視界はさえぎられるので1~4マス)

 次に、その視界内の敵をチェック

 自分のいるマスと、まわりの空間マスに対して
ひとつひとつ敵がいるか、何人なのかを
サイコロを振ってチェックする。

 敵がいたら戦闘だ。

 戦闘時に取れる行動は、

持っている武器や
状態(立っているかなど)
特殊能力

などによって異なるが、

 連続射撃
 単発射撃
 ピストル射撃
 手榴弾投てき
 ナイフ攻撃
 ナイフ投てき
 白兵戦
 ATR攻撃
 空手
 マガジン交換
 武器交換
 伏せる
 立つ
 降伏勧告
 逃げる

があり、それぞれに消費運動ポイントが定められている。

 戦闘解決は、簡潔ながら本格的。

 ウォーゲームの専門誌だけに、それは当然なのかもしれないが、
このルールを見るとやはり、「タクティクス」の読者向けということで、
舞台を現代にしたのでは? という感が強くなる。

戦闘がおわると、調整フェーズという段階に入る。

 回復、
装備の変更、
敵を10人倒すごとにサイコロを振り、2以下で能力アップ
(レベルアップに相当する。どの能力がアップするかはサイコロで決定) 
などを行なう。

 ただし、
現在いるところが
部屋(壁、もしくは扉つきの壁で四方が囲まれているところ)だった場合には、
その前に「奪取」「爆破」など、その部屋に対応した任務を実行する。

 それが終わったら、移動……
というふうに繰り返して、
任務を果たしてエレベーターホールまで戻ってこれたら成功
気絶なら失敗というわけだ。

 このゲーム、読んだ当時はやっていない。
プレイしたのはゲームブックをやり慣れてからだ。

 そのときの印象としては、かなり楽しくプレイできた。
 もっとも、改めてルールを読み返してみると、
だいぶルールを簡略化してプレイしていたのかもしれないが……。

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TACTICS No.3 1982 May-June
(ホビージャパン 昭和57年5月)
p.28-38


 

 もともと、 新しいゲームの波というものには興味があった。

 シミュレーションゲームもその一つであったため、
それを扱っている「タクティクス」誌も気にはなっていた。

 だが、1号2号も扱っているのは、ヒストリカルなウォーゲーム……。
 それには興味がなかったため、パラパラと見るにとどまっていた。

 それが3号になってSFゲームの特集をやってくれることになり、
ようやく手にする気になったのだ。

 といっても、プレイしたゲームはなかった。
 一応、 『宇宙の戦士』はもっていたが、
まわりにSFファンはおろか、アニメファンもおらず
(いや、いたにはいたが、興味の方向が全然違っていたのだ)、
こんな面倒なゲーム、誘っても、あいまいな笑みを返されるだけだった。
(だいたい私自身、ルールをちゃんと把握してなかった……)

 まあ、それはさておき、

 ご存じの方も多いと思うが、この号は、
日本において、おそらく初めて
ロールプレイングゲームというものが、紹介された号でもある。

「冒険のシミュレーション シミュレーションの冒険」
(解説 高梨俊一 p.29-38)

が、その記事だ。

 ただ、正直言って、読んだときは ? だった。

 何をやるゲームなのかわからない。
いや、
どういうゲームなのか、概念さえわからなかった
といった方がいいだろう。

 トラベラーについて、 「箱を開けると三冊の小冊子しか出てきません」 (p.28)と書かれている。
 にもかかわらず、
ボードや駒が入っている、シミュレーションゲームと同じぐらいの値段だというのか?

 しかもゲームの概容は、 「一言でいえば『ごっこ遊び』」 (p.29)だという。

「子供のごっこ遊びが、身ぶりでシミュレートするのに対して、
ロールプレイングゲームは言葉でシミュレートします」
(p.29)

とあり、その方法が書かれていたが、それがどう面白いのか謎だった。

 記事の構成も、わからなさに拍車をかけた。

「まず、頁の上段に解説が、
頁の下にはトライアルゲーム「ドンキーコマンド」があります。
そして最後の頁(p.38)には、実際にプレイしている様子を会話形式で再現した、
「放浪の騎士エルツリグナーの冒険」が置いてあります。」(
p.29)

 なのだが、

 解説が、
その概念、ルール、シナリオ、ゲームマスター、どんなゲームがあるかなど、
ひと通りの紹介、

 トライアルゲームである「ドンキーコマンド」
現代が舞台のルール主導のもの、

「放浪の騎士エルツリグナーの冒険」が、
リプレイ形式(つまり会話中心)のファンタジーもの、

ということで、
 ロールプレイングゲームという幅の広いジャンルを紹介しようとすれば
このような形になるのもうなづけるが、

 会話中心のファンタジー、
 ルール主体の現代もの、
 さらに、
あらゆるジャンルに渡るさまざまなゲームが存在していて、
 しかも、
シミュレーションゲームとは違うまったく新しい概念のゲーム、

 となると、結局のところどういうものなのか、とまどうのも当然だろう。

 今読めば、
ロールプレイングゲームというものを
ポイントを押さえてまとめていることがわかるが、

 初めて接するものには、
この説明だけで懐が深いRPGを理解することは、
ちょっと、いや、かなり難しいと思うのだ。

(ホントは「ドンキーコマンド」を紹介するつもりだったけど、時間切れ。次回にまわします)


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