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2018/10/20 ヨーロッパの伝承や『指輪物語』には、そもそも巨乳貧乳の意識があまりないので、それらに基づく絵を参考にしたディードも、巨乳貧乳の意識がない。そのため巨乳エルフが登場すると貧乳扱いになった。アメリカのTRPGの種族としてのエルフは、アメリカ人  の巨乳好きや、ヒロイックファンタジーのパルプ絵、アメコミなどの伝統もあって巨乳になった(でも、ん、巨乳だっけ? 覚えてない……)。 日本での展開は(エロ)マンガに依るところが大きい。特にエルフは薄着だから……、というあたりなんじゃないかなぁ。
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西東社のゲームブックから2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』表紙
もうひとつ、
 
『スターウォーズ・ゲーム』
も紹介しておきましょう。

『スターウォーズ・ゲーム』
高槻逸雄著・ 岡崎忠彦画
(西東社
 シミュレーション・ブックス3
 /
1985/3)



スターウォーズ・ゲーム』というからには『宇宙大作戦ゲーム』と同じで、
SFファンタジーな冒険が繰り広げられると思うでしょ?
 それが全然違うのでございます。
 
 雰囲気SFシミュレーションゲーム
惑星に降りることはなく(宇宙ステーションには行く可能性がございますが)、
コースの選択宇宙での戦闘で、ストーリーが進行していきます。
 
 あなたは、タイタン号の艦長。
『2001年宇宙の旅』のディスカバリー号を思わせるデザインでございます。
 最新鋭ではなく、旧型艦というのが、リアルな味付けですな。

2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』タイタン号
 
 
 
 敵はカタツムリに似たスネイルと呼ばれる生物
カタツムリの殻にあたる部分をサイボーグ化して宇宙船にしたのだとか。
つまり、宇宙船に見えるけれど、機械化した生命体なのですな。
う~ん、SF
 
2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』スネイル  
 
 
 この敵に対して、戦っていくわけでございます。
 
 
 ルールは「ゲームの進め方」に――。
 
 数値データがあり、サイコロを1つないし2つ使うルールですな。
ルールに慣れるために、「訓練」も用意されております。
 
2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』ルール
 
 

 巻末には、装備カードサイコロ2つも――。
 
2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』記録紙とサイコロ
 
(↑本物は厚紙で、記録紙とサイコロは分かれています)
 
 うーん、本格的
 西東社のゲームでもこんなものがあったのか――。
 と、西東社のゲームブック見直してしまうでしょ?

 でも、それが間違い

 ここまで書いてあるのですから、
作者としては、そういうものをやりたかったのかも知れません。
 
 ただ、対象年齢を考えて、編集の方で待ったが出たとか、
そんなところかもしれませんな。
 
 数値は常に戦闘シーンのページ内で指示され、

サイコロを振るにしても、1~3が出たら○○へ、とか、
2つのサイコロの出目が11以上なら△△へ、
 
といった感じで、複雑な計算を必要とする場面はほぼございません
 
記録紙に書き込む箇所はあるものの、
プレイヤーの負担は最小限といってよろしいでしょう。

2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』戦闘  
 
 
 ゲーム終盤には、ブラックホールが登場します。
 

 そのためにワープに失敗したり、それを利用して敵をやっつけたり、

別世界の自分の宇宙船と出会ったり
 
 2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』異世界の宇宙船1
  
 

2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』異世界の宇宙船  


地球に戻ることができず、新天地で暮らす運命となったりと、
 
2018/10/10『スターウォーズ・ゲーム』新天地

フィクションとしてのブラックホールあるあるですな。

 
 敵軍との戦闘だけでは単調になるところを、
ブラックホールの存在がストーリーにアクセントを加えていると存じます。
 
 ただ逆に、
スネイル軍との戦闘に終始しなかったことに不満を持つ方もおられるのかな? 
まぁ、そういう人は、戦闘自体に不満を持ちそうではございますが。
 
 というわけで、西東社のゲームブックというと、
単に子供向けの単純なもので、どれをとっても同じだと
思う方もおられるかもしれませんが、
この前取り上げた『完全犯罪ゲーム』もあわせて考えてみれば分かるでしょう。
 

 逆にむしろ、
いろいろなタイプのゲームブックを提供しようとしていたわけでございます
(賞金30万円で作品を募集していたのも、その現れかもしれませんな)。
 
 ただ、子供に向けた単純な作品ばかりだったために、
そのあたりのことは評価されず、
どれをとっても同じ、と思われたのでございましょうが……。

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ついでですので、
西東社のゲームブックを
さらに紹介することにいたしましょう。ウォーゲーム

『ウォー・ゲーム』
柴田竜男作/切明畑光乗絵
(西東社シミュレーションブックス2/1985/7)。
 
(ただし、西東社の日付は
初版発行日が書かれていないので、
それがいつなのかは不明でございます。
前回のシリーズ6
「300X年スターウォーズゲーム」
の発行日が1985/3でございますし)

ウォー・ゲーム」といえば、89.6%ぐらいの方が、
シミュレーションウォーゲームを想像しますよね。

シミュレーションブックスの『ウォー・ゲーム』となればなおのこと。
配置を考えたり、サイコロを振って難しい計算をするのかな? 
タイトルからそうお考えになるのも、むべなるかなでございます。

 が、しかし。
 はずれ
 このゲームブックは、そういうものではまったくございません。

 ではどういう内容かと申しますと、これがまさにゲームブック
選択肢を選ぶアドベンチャーゲームの本でもなく、
パズルやクイズが中心となる本でもなく、
当て物的なゲームを楽しむ本なのでございます。
 その方法としては、いくつかの絵の中からひとつを選び、
ページを折ったりめくったりして、結果を見るという もの。

ウォーゲーム 折って結果を見る

 さらには、シフトカードというものを使うところもございます。
これは予備でございますが、

ウォー・ゲーム シフトカード

このような厚紙のカードが本の最後の方にあり、
切り取って使うようになっていたのでございますな。

 それをこのようなページに当てはめて、
その窓からのぞいている絵や記号の数によって成功・失敗を判定するのでございます。
ウォーゲーム シフトカード1



ウォーゲーム シフトカード2


ウォーゲームシフトカード3


 前回、『3000x年宇宙大作戦ゲーム』では、
「書き込んで結果を見るシーン」があり、
「これがのちに同社のゲームブックで、
 付属の穴の空いたカードを当てて判定するというスタイルに発展していく」

と書きましたが、それがこれでございます。

 西東社2作目のこの作品にして、
すでにシフトカードは使われていたのでございますな。

 いや、すみません。前回のこの記述は間違いでございました。

 ただまぁ、このカードが形を変えながらも
(サッカーのゲームでは、
 2つあるうちの1つのカードがサッカーボールの形だったり)、
使われたのは事実でございます。
 いづれにせよ、考えさせてはくれるものの、当て物の域を出ませんな。

 シミュレーションウォーゲームを期待して本作を買った人は、
この内容を見てガッカリしてしまうことでございましょう。
 
 

 最後になってしまいましたが、このゲームブックのストーリーなどについて。

 表紙を見れば分かるとおり、
このゲームブック『ウォー・ゲーム』と書かれた上に、
スーパーアクション・ゲーム」と書かれております。
『ウォー・ゲーム』という言葉よりも、
正しくジャンルを表しておりますな。
『ウォー・ゲーム』というタイトルにしても、
よく見てみると、「ウォー」の上に「戦争」のルビ? が――。
 
これはもしかすると、シミュレーションウォーゲームではなくて、
単に戦争を題材にしたゲームだよ、というしるしなのかも? 
 
まっ、言い訳ですな。

タイトルは、実はもうひとつございます。
X島上陸大作戦』。
「ゲームを始める前に」の部分に書いてございます。
おそらく本当のタイトルはこれなのでございましょう。
そのタイトルでは手に取ってくれないとの判断で、変えたのでございましょうな。

「設定について」を読みますと、
X島は架空の舞台ですが、その多くは、
 第二次大戦の日本軍のシンガポール攻略戦を参考にしています
だそうでございます。

 作者としては、
それこそ本格的なウォー・シミュレーションをやりたかったのかも知れません。
 
 作戦は
 
第1ターン「制海権を得る」
第2ターン「制空権を得る」
第3ターン「上陸支援攻撃」
第4ターン「掃海作業」
第5ターン「歩兵上陸」
第6ターン「戦車上陸」
第7ターン「地雷原突破」
第8ターン「進攻」
第9ターン「正面突破」
第10ターン「空挺支援」
第11ターン「司令部攻略」
 
となっていて、
各ターンの最後には、「得点集計」のコーナーがございます。
 
 そこで評価が
A~Cに決まったり、
作戦の続行が不可能になったり(ゲーム中に続行不可能になることもあります)、
次のターンの攻略が変わったりするわけでございますな。

 で、最後まで生き残れば、最終得点集計をして、
「将・佐・尉」のどのクラスになるかが判定されるというわけでございます。

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  というわけで、宇宙大作戦ゲーム表紙

2018/10/01 ゲームブッククイズ(118)
からの続き。

SFアドベンチャーゲーム
『300X年 宇宙大作戦ゲーム』
笠原英夫作 
(株)我社(わがしゃ=能美巧+はだみちとし)画
(西東社/1985/3)
 
のレビューにございます。
 
 
 1970年代の後半から80年代といえば、SFやアニメのブーム。
 
『スターウォーズ』『宇宙戦艦ヤマト』を皮切りに、
『スターログ』『宇宙船』といった内外のSF・トクサツ雑誌や
各種のアニメ雑誌が発刊され、
古今問わず、さまざまなSFやアニメが紹介されだわけでございますよ。
 
 そんな流れに乗ってゲームブックでも
SFジャンルの作品がいくつも発売されております。
 
 『スターウォーズ』に乗っかったというか、フォロワーと申しますか……。
そういった安易な作品がけっこうございますな。
 
 このゲームブックも、そうしたもののひとつ。

  表紙からしてエックスウィングですし、
タイトルはテレビシリーズ時の『スタートレック』の邦題ですからなぁ。
 
 狙っていることはあきらかでございます。
 
 とは申せ、ゲームブッククイズの時のキャラクター表からも想像できるように、
『スターウォーズ』だけではなく、
もっと広い、古いタイプのSF映画も含めたところから
ネタを持ってきた作品となっております。
 
 

 「主な登場メカニック」もご覧のとおり
 

宇宙大作戦ゲーム メカ

『スターウォーズ』以前のアニメに登場しそうな、

水生生物をモチーフにした宇宙船が多くを占めております。
(これがもう少しあと、
  1986年以降なら『ダライアス』ということも考えられるのですが)。
 
 パネルラインなどが入っているあたりは、当時的ではございますがーー。
 
 スティングレーなんかは、
未来少年コナン』の「ギガント」のイメージも入っている感じがいたしますな。
 
 スペース・モトクロスは、
スターウォーズ』のスピーダーバイクが元ネタでございましょうが、
宇宙空間で使用しております。
 
スペースモトクロス  

トゲつきの鉄槌で攻撃しているあたりは
『レンズマン』の宇宙オノからの引用でございましょうか。
 

 ちなみに、『機動戦士ガンダム』でザクを近接のメイン武器としているのも、
レンズマン』からでございましょうなぁ。
 
『ガンダム』が当たり前の世代だと気にならないかもしれませんが、
 宇宙で斧って、唐突な気がいたしますもの。
 

 で、そのライダーたちも、ヘルメットを取ればこんな人。

宇宙大作戦ゲーム スペースパイレーツ


マッドマックス』か『北斗の拳』でございますな。
 
確かに星形鉄槌には、このような人が似合いそうではございます。
 
 

 メカと言えば、こいつも。「宇宙大作戦ゲーム」ウーロン
ロボットウーロン
 警告を発したり、翻訳を手がけたりいたします。
 
 このようなパートナーロボットは、
いくつもの作品に登場いたしますが、

近いのは『宇宙戦艦ヤマト』のアナライザーとか
『宇宙からのメッセージ』ベバ2号、
あるいは『キャプテンウルトラ』のハック……。

いづれにせよ、
日本の作品に出てきそうなロボット
という感じがいたします。

  
 
 メカといえば、
バラン帝国では穿孔テープを使っているようでございます。
 

 宇宙大作戦ゲーム 穿孔テープ


いいですよねー、穿孔テープ。

むかしのアニメや特撮の科学者は、
みーんな、それもものすごい勢いで読めていたけれど、今の科学者は読めないのかなぁ。
 
  
 さて、前紹介が長くなり過ぎました。

 おはなしは、惑星ミューに存在するオリハルコンをめぐって展開されます。
 

 この物質、重力をコントロールする力を持ち、
平和利用すれば素晴らしいエネルギー源となる一方、
惑星を一瞬で消し去る反重力爆弾を作ることができるというもの。
 
銀河系外からの侵略者、バラン帝国は、これを狙っているのですな。
 
 そのもくろみを阻止するため、
結城亜乱は、スペースエンジェル号とともに、
銀河防衛軍の母艦ゴンドワナに乗り込んだ――
とまぁ、そんなわけでございます。
 
 流れといたしましては、

 (1) ゴンドワナ号に乗り込むまで
 
 (2) 宇宙船ゴンドワナにて
 
 (3) 宇宙海賊との戦い
 
 (4) 惑星ミューでの空中戦
 
 (5) 着陸
 
 (6) ミュー人との出会い
 
 (7) 決戦へ
 
 という感じですかね。
 
 
 とにかく、宇宙での戦闘あり、地上で冒険ありと、
SF映画に登場しそうなシチュエーションが、短い中にけっこう盛り込まれております
 
 沼の花がテレパシーで誘う場面は「ソラリス」を思わせますし、
 恐竜とか巨大サソリや(ハリーハウゼンですな)、半魚人も登場する。
 
この「天使の羽根」なんてぇのは、映画『フラッシュ・ゴードン』でございましょう。

宇宙大作戦ゲーム 天使の羽根
  
 そんな何でもありなSFファンタジーが、
このゲームブックの楽しいところでございます。
 
 選択は、主に2択。
 
宇宙大作戦ゲーム 選択肢
 

  こんな感じで、以前、ゲームブック書誌の「MSXマガジン」
の時に紹介した『惑星スパイ』……と申しますか、
バンタム社のコミック版ゲームブックを参考にしたのではないか
と思われるふしがございます。
 
 まったくのあてずっぽの場合もございますが、
このように、少し考える余地を与えてくれる選択があるのが
よろしゅうございますな。
何の条件もなく右か左かばかりを選んでいるようでは、
ゲームブックとしてはちっとも面白くございませんもの。
 
 場面によっては、このように書き込んで結果を見るシーンもございます。
 

宇宙大作戦ゲーム ビーム砲
 

遊びとしてのゲームブックの楽しさを出した部分でございます。

 これがのちに同社のゲームブックで、
付属の穴の空いたカードを当てて判定するという
スタイルに発展していくのでございますな。
(と思ったら、その方法はすでに『ウォーゲーム』で使われておりました。
 次回の当該記事をごらんください)
 
 ただですねぇ、
 このような選択の場合、間違った方を選べば即ゲームオーバー、
というところも多く、それが雑な造りと感じられる部分ではございますな。
 
 それとは逆に、
選択によってまったく異なる展開が用意されている箇所があるのは、いいところ。

 たとえば、エンジェル号が何者かに乗っ取られるパラグラフ57

 ここでスペースボートを出して追いかけると板東宙太との対決となりますし、
追わないで捕まえようとすると、乗っている人物は別人だったことになります。

 ネットでアドベンチャーゲームのレビューを読んでいると、
このように選択によって設定まで変わることをいやがる人もいるみたいですが、
わたくしはむしろ好みでございます。
 
 ラストも、パラグラフ130
敵軍団を迎え撃つか、ヒメとともに神殿に向かうかで、
(設定は変わるわけではございませんが)
エンドが大きく異なります。

 もちろん、上手くやりおおせたならば両方ともハッピーエンド
 マルチエンディングでございますな。
 
 

☆ 最後に、このゲームブックで突っ込みを入れたいシーン
それがこれ、パラグラフ132でございます。
 

板東宙太さん「美しい自己犠牲の最期」

 不要なキャラクターを退場させるための手段としてこんなテを使うのは、
一種の常套手段ではございますな。
 
 でも、これほどあからさまに
美しい自己犠牲の最期だった」なんて書かれているのって、久しぶりに見たよ!
 
 しかも、ひとつ前のパラグラフでは、
恐竜に捕まった姫と主人公を助けるために、恐竜にむかって石を投げているのですよ。
その投石に失敗しても、恐竜に踏まれてベチャッとなっちゃうし
(パラグラフ109。その場合、そのあと主人公たちも死んじゃうみたいですが……)。
 
 主人公のライバル的に登場したのに、不憫なことでございます。

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『完全犯罪ゲーム』 ゲームブック:完全犯罪ゲーム
桜井一 著 桑田次郎 画
(西東社 シミュレーション・ブックス4/1986/11)

           ページ数146



 作者は、ユーモラスな作風で知られるイラストレーターで、
バー酔虎伝』など、エッセイも書いている方でございます。
個人的にはハヤカワ文庫の『ドーヴァー警部』シリーズの
表紙などが印象に残っておりますな。



 イラストを桑田次郎先生に任せたのは、自らの作風では作品にあわないと考えた
――あるいは編集部がそう判断した――のでございましょうか?


 主人公は、莫大な借金をかかえた青年、風間五郎
彼が、金貸しの金田金太を、
すでに抵当に入っている自分の別荘で殺すところから物語は始まります。

 倒叙型ミステリーをゲームブックでやろうというわけでございますな。

 犯人はきみ

なので、殺害後の証拠の隠滅を図らなければなりません。
警察や目撃者に対する対応も大切。
探偵がやってきたら、その対処もしなければなりません。


完全犯罪ゲーム 陳田一珍助

(↑ 探偵・陳田一珍助さん)


 普通の――倒叙型でない――ミステリの場合ですと、
主人公は探偵や刑事であり、やることはたいてい決まっています。

それに、犯人の行動に対してそれを解き明かす側ですから、
選択は受身であることが多いですよねす。

それに対して、
本作品は自分が犯人であるため、より行動が要求される
つまり、ゲームブックと相性のいい形といってよろしいでしょう。

 作品としては、
『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』を読んでいる世代には
厳しいなと思う部分も多くございます。
それ以前の作品ですから、そこは仕方の無いところですな。

ここで行っている『完全犯罪』は、
簡単な科学捜査にさえ耐えられないのではないでしょうか。


 ただ逆に、それが選択を面白くしている部分でもございます。

下手に推理小説的な知識があると、いろいろと勘ぐってしまって、
かえって間違った選択を選んでしまうことがあるのですな。

 この作品のポイントは実際には単純。
二点か三点のことに気を使えばいいのです。
ですが、それ以外を考えてしまうと、
結局間違った結果にたどり着いてしまうという……。


 いずれにせよ、結末はどれも後味のいいものではございません
何しろ犯罪者が主人公ですからな。

成功したとしても、自分の犯した罪にさいなまれることになりますし、
失敗したら失敗したで、
正義は勝利し、悪は敗北したのだ。喜ばしいことじゃないか
と皮肉っぽく結んでくれる。

完全犯罪ゲーム・エンド

(↑ エンドの例。142ページのほうはエンドの一歩手前ですが、このあと、
   病院行きの結末をむかえます)


完全犯罪ゲーム・エンド2

(↑ エンドの例その2。桑田次郎先生とは
   思えないコミカルな表情ですなぁ)



ただ、そういうコメントが書かれていてもそんなに不快ではないのは、
主人公に完全に感情移入することが、ないからなのかもしれません。

状況は緊迫し、選択肢も意味があるものでございますが、

語り口が突き放したものであるからでございましょうかねぇ。

主人公が殺人犯だからなのかもしれませんが……。

いずれにいたしましても、
推理ものというのは、ゲームブックに向いているようでいて、
実は難しいものでございます。
しかるべき場所にいなかったり、会話を間違えたりして、
情報を取り逃すと詰んでしまうなどございますからな。

パズルや迷路を推理の代替としたり、
当てずっぽうの選択肢や、選択なしで話が進んでいく
推理ものゲームブックもございますし。

犯人を演じる倒叙ものというスタイルを採用した本作は、
推理ものとして及第点を与えられるのではないでしょうか。




☆ 考えてみれば、泥棒が主人公のゲームブックには、
  シリーズになるほど人気のものもございますが、
  あれも言ってみれば
  「犯罪者が主人公のゲームブック」でございますな。





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ファミコン冒険ゲームブックシリーズ12

『ミシシッピー殺人事件/リバーボートの冒険』

樋口明雄/S・ハード(双葉文庫/昭和六二年五月)


ミシシッピー殺人事件/リバーボートの冒険


というわけで、「ゲームブック五段活用」の時に触れた
『ミシシッピー殺人事件/リバーボートの冒険』について、書いてみましょう!

 プレイした樋口明雄先生のゲームブックの中で個人的ベスト。
いや、そのくくりを無くしても上位に行くような名作と申してよろしいでしょう。

 のちに冒険小説をものにする作者が、
当時本当に書きたかったのはこういう作品ではないか、
とわたくし密かに思っております。


 同年十二月に上梓された『ヴァイケルの魔城』のあとがきには、

 今回、初めてのオリジナルゲームブックということで、
どういう話にしようかと考えました。
 まずは、子供を主人公にしたい。
 それも、大人に憧れながらも、子供であることを謳歌できるような年頃。
つまり十二、十三才の少年たち。彼らが相手にするのが同じ子供だとすれば、
ただの「わんぱく戦争」のお話になってしまう。
当然、彼らの敵にまわるのは、悪い大人たち。
――ただし、人間を出すよりは魔物を相手にしたほうが、より面白くなる。

 などと書かれておりますが、「魔物を相手にした」
『ヴァイケル~』や『ドラゴンクエストⅡ』(こちらも同年)などよりも、
それらが出てこないこの作品のほうが、より魅力的に感じるのでございます。

 それは、この物語の背景である西部劇やマーク・トウェインの世界を、
先生が本当に愛しているからでございましょうな。

 それらを単なる知識としてではなく、
自家薬籠中のものとしているからこそ、
その土壌を養分として、
少年たちを生き生きと描けているのだと思うのでございます。




 さて、物語は、
原作(アクティビィジョン版、というよりもファミコン版……かな?)の事件が
解決したところから始まります。

「デルタ・プリンセス」号がニューオリンズに入港し、
乗客たちが下船しているまさにそのとき!
 原作での犯人が何者かに射殺されてしまうのでございます。

 偶然居合わせた主人公二人、ジムとラリーは、
容疑者として警察に連れて行かれた知り合いの女性の濡れ衣を晴らすため、
犯人捜しに乗り出すのでございますが……。



 物語は二部に分かれ、
二人の主役がそれぞれの主人公を務めるという構成になっております。
  
 前半の主人公はジム。
 主に「犯人はどこから被害者を撃ったのか」を推理するのが目的となります。

 とは申せ、推理よりも行動が主体。
 それによって次第に事実が明らかになっていくのでございます。

 重要な手がかりや事実は、太字で書かれていて親切――
 と申しますよりも、むしろ必要なのでございましょう。

 原作を踏まえながら、さらなる大きな事件に発展していく話でございますから、
重要ポイントを押さえておかないと、話が分からなってしまうのでございます。

 で、そうした調査の過程で、
マーク・トゥエイン先生と知り合いになり、悪漢三人組から追いかけられ……。

 この「悪い奴から逃げ回りながら調査」という点が、
このゲームブック全体の面白さとなっております。

 特に、廃屋で殺し屋たちに追いかけられるシーンが前半の山場ですな。

 プロローグを読んでいれば、
ここでそのことが役に立ち、悪漢たちから逃げおおすことができる
という仕掛けがあるのでございます(それを経過しないルートもございますが)。

 けっこうおりますからなぁ。
プロローグとか読まないで、パラグラフ1からはじめちゃう人って。

 プロローグにヒントと言えば、
FF23アイフォーさんとかが有名でございますが、

それよりも提示の仕方がずっとスマートでございますな
(いや、この場合、あっちの方がアレなのでございますが……)。

 前半最後、パラグラフ298では、そこまでの調査を総合して、
弾丸が建物から飛んできたか、船から飛んできたかを
推理するシーンがございます。

ここで間違えると「UNHAPPY END」
成功すると次に続くわけでございます。


 どちらが正解かは申せませんが、
 ここで港湾事務所に駆け込むと、船はまさに出航しようというところ。

 ここまでに時間を費やしすぎておりますと
「デルタ・プリンセス」をお見送りしながら、
やはり「UNHAPPY END」と相成ってしまいます。


それもクリアすると、パラグラフ14で船にジャンプ。
 
「アメリカには、こんなことわざがある。『子供と馬鹿者は神様が守っている』
 ぼくらはその両方だ。何とかなるさ。」

 こういう気の利いた文章が各所に織り込まれていて、
それがこの作品をしゃれたものにしておりますな。


 さて、そうして前半終了。
 主人公はラリーとなり、船内で事件の真犯人を捜す後半へと移ります。

 マーク・トゥエイン先生に助けられたりするものの、
密航者でございますし、何やら背後にある事件を解決しようというのですからな。

 狭い船内での隠れながらの捜査と追いかけっこが、
少年冒険ものらしい楽しさを出しております。

 で、その過程で、新事実が次々と明らかになっていくのでございます。
 この間紹介した、「ユーズド・ゲームズ」の記事では

ユーズド・ゲームズVOL.16 p.8
「無意味に濃くて困る」
が、

「結局事件の真相には
何一つ関わってこない。
なら無理に入れるなよ。」(p.8-9)

と評された原作の基本設定が、

「実はこうだった」とどんどん
上書きされていくのでございます。

 意外な人間関係が明らかにされ、
その裏に隠された真相が
明らかになっていく――。

そうやって
『ミシシッピー殺人事件』に、
オリジナルの解決をつけている
のでございます。
↑「ユーズド・ゲームズvol.16」 p.8


 
凶器に関しては、この作品の中心読者と思われる層には少々難しそう。

 というか、西部劇ファンでなければ無理というものかもしれません。
 ですが、これがクライマックスで重要な意味を持ってまいります。
 この名銃でなければならないのですな。

 というわけで、クライマックス。

 マーク・トゥエイン先生が捨て身で子供たちを助け、
ミシシッピー殺人事件/リバーボートの冒険

真犯人と

少年たちの追いかけっこも頂点に達し――。

下船したはずの探偵も登場。

謎だった人物の
意外な正体も明らかになり――。


そして、
真犯人とその謎の人物との対決。

これがやたらとカッコいい。

よくTRPGでは、PCが関われない、NPCだけの場面はいけないと申しますけれど、ここは違いますな。

 2人の対決は旧い時代に生きる大人たちの生き様を子供たちに伝えているのでございます。

 対決のあと、旧い時代の終わりを感じて、ラリーは夢が崩れる思いを抱きます。                                                                    (↑犯人の名前消しておきました~!)
                                                                                                 
 それを受けて、マーク・トゥエイン先生のセリフからエピローグは始まります。

「古いものと新しいもの、その入れ代わり、
君らは、そんな時代を生き、また、そんな場所に生活している」
……。

 西部劇やマーク・トゥエインのロマンティックな時代は終わり、
 新しい時代がやってくる。
 古い時代の良さは残さなければならないが、
 新しい時代は、新しい時代の良さがある。
 ともあれ、君たちは1人の女性を救う冒険をした。
 このことは、君たちが大人になっても、輝かしい栄光として残るだろう。

 そのようなことを先生は申します。

 そして、
主人公が、仲間とともに新しい時代を生きていくことを予感させてエンド。

「ただ今、ちょうど二尋(マーク・トゥエイン)!」水先案内人の声が応える。
 ジムは驚いた顔で、作家を見た。コーン・パイプの男はニヤリと笑った。

 結びはこれでございます。
 
「マーク・トウェイン」(水深二尋)は、
「蒸気船が座礁せず安全に通航できる限界の浅さ」と、
ウィキペディアにございましたから、ここは、
マーク・トウェインのペンネームの由来を挟むと同時に、
少年たちの前途を予感もしくは祝福した暗喩が
込められているのかもしれませんな。






☆ ところで主人公たちをつけ狙う殺し屋3人組は、
「投げナイフ」を武器にしているのですが、
いったいどうしてなのでございましょうねぇ?






追記:

ちなみに、原作の原作である「マーダー・オン・ザ・ミシシッピー」(アクティビジョン)については、「月刊Bug News」誌1986年10月号にございます。
(「チャールズ卿の手帖」津田宏(p.52-55))
 そこではこのゲーム、ジョイスティックで操作できること、 メモを取れること
などが評価されているようですな。
 おそらく、このジョイスティックで操作できるという点が、
ファミコン版が作られる決め手になったのではないかと――。

 にしても、同年にファミコン版が出ているのですから、早いですなぁ……。


 さらにちなみに、同誌のその月の「編集部が選んだ、おすすめゲームソフト」では第4位となっております。


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『光の旅人――夢の笛戦記――』

 君野和摩・作 岩田くみこ・絵(偕成社/1994年10月)

光の旅人  
 
  フルパラ国のアップリン村は、幸せに包まれた村でした。
  それというのも、この村には、「夢の笛」という美しい笛があったからです。
  その笛の音に包まれているかぎり、平和は永遠に続く……。
  ところが、その笛を魔物「ギャグーン」が奪っていってしまいました。
  笛の力さえあれば、世界を支配できるーー。
  ギャグーンはそう考えたのです。
 
 「夢の笛」は、「ソーサリー」「冠」みたいなものでございますな。

  それを取り戻すべく、「セラム」・「ルルナ」・「モグモグ」という、
3人の若者が立ち上がるわけでございます。

  3人は、それぞれ技能や性格が違い、
特定のキャラクターでないと進めないような場所がございます。

 と申しましても、数値などの要素はございません。
お金の出入りはあるものの、それも記録しておく必要ないものございます。

  子供向けのマンガ絵本で、
コマの所々にある選択肢に従って進んでいくわけでございますが、

  他のゲームフックとちょっと変わっているのは、
パラグラフナンバーが、ページ順ではなくて物語の進行順になっているのでございます。

 例えば、10の次の選択肢は11が12になっているわけですが、
そのパラグラフナンバーが、ランダムにページに配置されているわけでございます。

 そのため、例えば先ほどの例なら、
「p.32-11へ」・「p.21-12へ」といった記述になっているわけですな。

 わかりやすいんだか、そうでないのかは、よく分かりません。


 中心となるゲーム性は、迷路でございます。

 絵をお描きになった岩田くみこ先生の略歴からも分かりますが、
一種の迷路絵本でございますな。

 ゴールとなる場所が、迷路には何カ所かあり、
それによって目的地に着いたり、ひどい目に遭ったり、元に戻されたり……。

  迷路ものとしては、一般的な展開でございましょう。

 そこにアドベンチャーゲームブックの
ストーリーと選択の要素が加わるわけですが、
子供向けなので、お使い的なわかりやすい流れ……。
失敗したときなどに思わぬ展開とかあって、楽しいと思いますよ。


 このゲームブック、これは、と思った点があったのですが、
どうも勘違いだった様子。

 と申すのは、地図の扱いにございます。

 見返しに、地図が描かれているのですが、
そこにはアップリン村と星の塔以外の地名は書かれていないのでございますな。

 で、1に「地図に分かった地名を書き入れよう!!」
とあるものでございますから、

それによって、
それぞれの位置関係が分かっていき、
ある場所から別の場所へ行くときに時間の短縮となったり、
まったく知らない場所に行くための手がかりになる
のかと思ったのでございます。

 ですが、そういう要素はない様子。
 暗号を解いて新しい場所へ行く、という場面はあるのですが……。

 とは申せそれは、まだ伸びしろがあるということですな。

 場所やそこへ行くまでの道筋を発見するのは、地図を見る上での楽しみの一つ。
 そういうものをゲームブックに取り入れる、
ヒントとなるのではございませんでしょうか?
 

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『雪の魔女の洞窟』
著:イアン・リビングストン 訳:浅羽莢子
(アドベンチャーゲームブック9 社会思想社 1986/4)

今日は白い日だということでございますので、『雪の魔女の洞窟』。

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メランコリックオペレーション


  恋愛ノベルシミュレーションゲーム
   Heart of Magic
  『メランコリック・オペレーション』
  執筆:東風円/監修:みやかわたけし
  ホビーデータ(平成9年7月/角川mini文庫)

 (おおっと、画像がじっさいの本と逆だ)


頑張っているね」の比較級は、

「無理しているね」、最上級は

「無茶しているね」だよね!?



……。
いや、この一言が書きたくて、
この作品を取り上げたのでございますが……。


だって言いたくもなるじゃないですか。


1ページ372文字(31×12)で、111ページ。
( 本文のみ。ルールやイラストは除いて、でございます)
およそ、えーっと、
ROLE&ROLLの作品募集ページを参考にすると、
あの雑誌で1516ページ分ぐらいってことになりましょうか。
ゲームブックですから、空白も多いですし……。
それで3人の女性、一年間を扱おうって言うのですから。


とおりいっぺんのものになるのが当然必然


制作中、作者はどう感じていたのでございましょう。


無理無理無理、と思いながら作ったのか、
それとも割り切っての仕事か……。


ちょっとネタバレではございますが、魔法適性試験に失敗すると女の子は、
消滅してしまうのだそうでございます。

恋と遊びと勉強の三すくみでゲーム性を出そうとしているのですな。

でも、ありきたりのイベントを積み重ねるだけしかできていないので、
切なさとか、焦燥とか、そういうものを出すまでに
当然到ってはおりません。


ちなみに、本書は、ホビーデータ社の大規模メールゲーム、
『ハート・オブ・マジック』の関連本だそうでございます。


ゲームについての詳しいことは存じませんが、
このゲームに参加するプレイヤーを対象に作られたものでございましょう。
登場するNPCと基本的なルールを紹介するという
仕様ありきなのでございましょうな。


そのあたりも、物語を圧迫しております。


後書きにも

mini文庫に許された枚数の中に
三人の女の子を詰め込んだため、
説明的な描写はほとんどありません。
でも、それはそれで良かったと思うのです。
つき合い始めの女の子って未知の部分がたくさんあって、
つき合っていくうちに初めてわかること多いもの。
この本もこれと同じなんですね。繰り返し遊んで
いろいろ「発見」してください。」


と書かれております。


……。


ものは言いようと申しますか、


無理をしておりますな……。


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 ドルアーガの塔・外伝。表紙『ドルアーガの塔 外伝』
 企画・構成:スタジオハード、
 文・作画北殿光徳
 (勁文社アドベンチャーヒーロー
 ブックス 昭和60年12月)

※ 扉ページには「ある勇敢な戦士
  の物語」というサブタイトルが
  つけられてございます。


さてさて、

このゲームブックと申せば、まずその舞台となる
城塞戦車・ドルアガノンが話題になりますな。

ドルアーガの塔・外伝。城塞戦車ドルアガノン
(↑城塞戦車ドルアガノン) 

ドルアーガの塔を求めて来たのに、戦車
石垣のような車体と、やはり石造りに思われる無限軌道。

インパクト絶大

こんなのが、「ギシンギシンと不気味な音を立てて」現れたら、
そりゃ、誰だって驚くというものです。

とは申せ、中は原作のビデオゲーム準拠の長方形の迷路なんですけどね。
インパクトのある仕掛けがあるわけでもなく、
原作準拠のまともな造り。

出オチ?

主人公の名は「ノヴァ」

「ギル」「カイ」「イシター」メソポタミア神話由来なのに、
ノヴァって何だ~! と一瞬叫びたくなろうと思いますが、
もともと『ドルアーガの塔』って、
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『ウィザードリィ』に
触発されてできた作品らしい(「ドリマガ」2003/7/25,p.28-29)ですからな。
敵やアイテムもメソポタミア由来ではございませんし、
そもそもドルアーガという名前がインド神話由来
それほどこだわるところではございませんでしょう。

で、

このノヴァさん。
王国の従士長で、実はギルの双子の弟
(女神イシターに言われるまで知らなかったぽい)なのだそうでございます。
そんなこともあって、イシターさまから黄金の鎧をいただき、
ドルアガノンに立ち向かうのでございまずが……。

彼は、

おそらく、ゲームブック史上、
もっともかわいそうな
主人公の一人
といっても過言ではないのではないでしょうか?

何が? ですって。
いや、その目的が、でございます。

イシターさまはおっしゃられます。

「おまえは、あの邪悪な死の戦車(いくさぐるま)ドルアガノンを
攻略するのです。あの城塞戦車には、ドルアーガの塔の秘密が隠されています。
おまえは、この秘密を解き明かし、それを兄ギルに伝えればよいでしょう。
兄弟二人して悪魔を倒すのです」

宝物の出し方を知らないと先に進めないというゲーム性で、
ソフトよりも攻略本の方が売れた、
というゲームの特色が反映された女神さまのお言葉ですな。

ですが、
「兄弟二人して悪魔を倒すのです」
とか、鼓舞するようなおっしゃり方をされても、
所詮は下働き
ギルのために攻略方法を調べて来い、っていうことですからな。
しかもでございます。

やっとの思いで、ドルアガノンを攻略し、ドルアーガを倒したと思ったら……。
ドルアガノンの六階部分が分離して宙に浮き、そのままどこかへ飛んでいくという……。
倒したと思っていたドルアーガは、実は生きていたというわけですな。

ゲーム自体はここで終わりですが、
「はてしなくつづくノヴァの戦い さてこれからの物語は……?」と、
次回予告めいたあらすじが、その後に続きます。

どうせ続編なんて出ないだろうからここであらすじを書いちゃえ、と思ったか、
それとも、ここで書いとけば、もしかしたら続編が出るかも、と思ったか、
はたまた勢いか。

とにもかくにも、ノヴァの前には第二・第三の「ドルアーガの塔」、

タワー怪獣ドルアガドン石像巨人ドルナイト

立ちはだかります。

ドルアーガの塔・外伝。タワー怪獣ドルアガドン、石像巨人ドルナイト
(↑タワー怪獣ドルアガドン石像巨人ドルナイト)

イシター様は、
「ドルアーガを倒せるのは何度かこの塔を制覇したあと、
秘密のかぎりを知りつくしたときです」
とおっしゃっておりますが、

その前に、ギルが一人でドルアーガ倒しちゃうよ!!
攻略本とか持っていたらもっと早いかもしれないよ!!

そうなると、ノヴァのやっていることは何だったのか……。
まったくの徒労でございますな。
本っ当~に不憫な主人公でございましょ?
しかも、ドルアーガの本体がギルが挑んでいる塔にいるとすれば
ノヴァが立ち向かっているのは、
分身? ニセモノ? そっくりさん

城塞戦車ドルアガノンやタワー怪獣ドルアガドン、
石像巨人ドルナイトなんてのも、
もしかするとドルアーガが見せた幻影とかなんじゃ……。

そう思うと、さらにさらに不憫。

まぁ、ゲームをプレイしている最中は、
そんなストーリー忘れているとは思いますけどね。
それに、

ギルがドルアーガを倒した裏では、人知れずこのような活躍が……、
というのは、外伝としては正しいですな。

ギルの双子の弟が、ギルと同じ黄金の鎧を身につけて……
というのは、アーケードゲームのストック( 残機) から
イメージされたものでございましょうし、

このゲームブックの目的である「『ドルアーガの塔』の秘密をさぐる」も、
先ほども書きましたとおり、
特殊な宝物の出し方を知らないと上階へと進めないという
ゲームの性質から導き出された、まことに正しいものだと存じます。
(確かにこんなの分かるか! という出現方法もございますしねぇ)

最終的にこの塔を攻略したことによって
○○の秘密を暴き出したというのはございませんが、
ゲームのところどころには、
元のコンピュータゲームのヒントとなる描写もございます。
ございますが……、そうではないところもございますし……、


そういう目的なら攻略本買った方が早いよね、

ということでございますな。

とは申せ、ゲームブックとしてはオーソドックスな造り。
ゲームをプレイしている「あなた」が不憫なのではございません。

ただただ、主人公のノヴァがかわいそうなだけなのでございます。




※ でも、考えてみますとわたくし、テレビゲームの『ドルアーガの塔』、
クリアしてない……どころか序盤でとどまっておりしたっけ……。
今では、攻略方法なんてゲームソフト自体に内蔵されていて、
ボタン一つで出てきたりいたしますが、そもそも『ドルアーガの塔』って、
アクションゲームとしても難しいんですもの。

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大江戸疑惑人表紙

『大江戸疑惑人走る!』かとう祐介・作 泉晴紀・画
(白泉社アドベンチャーゲームコミック/昭和61年2月)

最初に書いておきますが、『ゲームコミック」となっておりますが、
コミックではありません。
絵物語の絵が、マンガというか劇画になった、そんな形式の本でございます。

さてさて。

 このゲームブックを見たのは、東側に古本、西側に古道具屋を置く、
雑然とした倉庫のような店でございました。
 棚からとって表紙を見たときは、んんっ? とうなりましたよ。
 白泉社で、ガロ系の絵……。
白泉社と申せば、少女マンガのイメージしかなかったものでございますから、
それとは真逆(まぎゃく)の絵に、うーむと考えてしまった
というわけでございます。
 白泉社が集英社の下部的存在として作られたらしいというのは、
当時すでに自分の知識としてあったのですが、それでもやはり、
そのギャップになじめなかったのでございますな。
 著者であるかとう祐介先生のことは存じませんでしたが、
絵をお描きになった泉春紀先生のことは存じ上げておりました。
 今では『孤独のグルメ』『花のズボラ飯』などで有名な久住昌之先生と、
『かっこいいスキヤキ』泉昌之名義の合作でお描きになっていた
(泉先生は作画担当だったようでございます)方でございますな。
 ですから、時代劇といっても、ちょっと変な感覚のものだろうということは、
予想がついておりました。

 大江戸というからは、時代劇らしい。疑惑人というのだから、悪人なのだろう。
といっても、盗賊とか渡世人とか、かっこよさが期待できる方向でもなさそうだ。
いったいどういう……。
 パラパラとめくっていくと、そこでまた首をかしげる挿し絵が。
 主人公とおぼしきはだかの男の人が、たくさんのはだかの女の人に
囲まれているのでございますな(詳しくはもうしませんが)。
 手軽なゲームブックの体裁ですから、小学生も読む可能性がございましょう。
にもかかわらず、これって大丈夫? そう思ってしまいました。
 とりあえず確保。
帰ってからプレイしはじめたのでございますが、疑問はますますつのるばかり。

「美浦屋和吉(みうらやかずきち)」
「古破夢堂(ふるはむどう)」
「水上滝之丞(たきのじょう)」
……。


サブタイトルからして

「万金猫²胸算用
   (よろずかねとにゃんにゃんぎわくのみつもり)」

でございますからねぇ。

「イコール」「スター」「グループ」「セックス」
などの、
外来語もまじえて語られるお話は、それ自体が時代劇っぽくない。

「これはなにか、現代の話がもとになっているな」というところまでは、
うすうす感ずいたのでございますが、それが何かはわからない……。
が、
 しばらく読み進めていくうちに、一つの言葉に行き当たって、
ようやくそれがわかりました。
その言葉とは、

「佐郷田滋門」

「疑惑の鉄砲玉」

そう、これは、
あの三浦 和義事件、通称「ロス疑惑」を題材にした、パロディ。
美浦屋和吉は、三浦 和義のもじりだったのでございます。。
(ここで、以前なら「キングカズ」こと、サッカーの三浦選手と混同させるような
ネタを書いたかもしれませんが、今さらそれをやっても……ということで割愛いたします)

 ただ、正直申しまして、わたくしもこの事件について詳しく知っているわけでは
ございません。

 なにか、容疑者の三浦氏が、やたらと派手でにこやかにテレビに出てくるものだから、
ワイドショーが連日ネタにしていた、その程度の認識でございます。
ですが、まぁ、そんなわたくしでも、「ジミー佐古田」とか「疑惑の銃弾」という単語ぐらいは聞いたことがございます(聞いたことがあるというだけなのでございますが)
そんなわけで、どこがパロディなのかを詳しく解説することはございません。
「ロス疑惑」について、知りたい方は、申し訳ございませんが、
検索でもして調べてくださいませ。

というわけで、それ以外のことを。

システムというほど大げさなことではございませんが、
 このゲームブックでは、「共通ページ」という部分があり、
そこは上欄外にアミ線が書かれております。この場所では例えば、
パラグラフ62から66までが共通部分でしたら、
その部分にはパラグラフのジャンプはなく、
62,63,64,65,66と、順番に読んでいくということを意味します。

だったら一つのパラグラフにまとめてしまえばいいのに、とも思いますが、
やはりそこは、文章に区切りを持たせたいのでございましょう。

また、場合によっては、パラグラフ62で書いていることは、
すでに120で説明してしまっている、という場合もあります。
 そういう場合には、120からは、62に跳ばないで63に跳び、
そのあと64,65,66と進めていく、という方法も使っています。

これなどは、使えば、もっと凝ったことも出来そうな気もいたしますが、
このゲームでやっているのは、その程度ですな。 
 ともかく、そうした箇所では、
「51から62→66と読み進んだキミは 98へ進め」といった具合に書かれてございます。
ページをふりかえって見直すか、ステップメモをとっておくかする必要がございますが、
そう面倒なことでもございません。



あとは、
最後の方、捕まってからあとになりますと、

 大江戸疑惑人1

大江戸疑惑人2 


といった具合に、江戸と現代がごっちゃになったような面々が登場いたします。

結末はこれらの選択……
いや、あみだとかで決定されるから選択ではございませんな……
によって決定するマルチエンディングとなっております。
とは申せ、犯罪者なのですから、いい結果などは期待できず
たいていは死刑でございます。一番いいのは、島流しでしょうかね。
島流し先でスタアとして迎えられ、島流し後にそこでの体験を出版、
さらに「古破夢恋椿」という名の香入り椿油を売り出すなどして、大もうけ。
千両箱を枕に、若い娘に囲まれた生活を送るという。

ただし、「これでは納得できない人は」と最後にあり、
そこでは仕事人に殺されるエンドが待っており、「エンドのエンド」と結ばれております。
悪の栄えた試しはなし、でございますな。
もっとも、「納得できない人は」となっているので、
「納得がいく」ひとは、自分が主人公ならそれでいいという方は、
悪の栄えるエンドでもいいのでございましょう。

……。

いいのかなぁ。



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