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2024/04/27 ゴールデンウイーク、なるものが存在するそうでございますね。インタビューで10連休などと答えていらっしゃる方がおられました。いいなぁ。うらやましいなぁ。むしろゴールデンウィークは死にそうに忙しくて休むひま無いですって人にインタビューすればいいのに。でもニュースっていうのは珍しいから報道する価値があるんですよね。ゴールデンウイークは忙しいのが当然。休みっていう人は、きっと珍しいのでござましょう。……うらやましいなぁ。 ..
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ソードワールド2.5 ノベル+シナリオソードワールド2.5
「ストーリー・フラグメンツ」
 
北沢慶・河端ジュン一/グループSNE:著
(富士見ドラゴンブックス/2022/10)
 
小説と、
同じシチュエーションソロシナリオを掲載した書。
  
北沢慶先生の「過去からの来訪者」 と
河端ジュン一先生の「砂礫の命」の
2話を収録しております。
  
過去からの来訪者」のソロシナリオは、パラグラフ分岐型ですが、
砂礫の命」は普通のシナリオの書き方になっておりますな。
  
 
 企画は北沢先生。
 企図は「文庫本形態で比較的安価なシナリオの提供」だそうでございます。
  
 シナリオ集というものはGM需要しかない(売れないということでしょう)もので、
これまでにも、ワールドガイドなど色々な抱き合わせ
(書き方悪くてごめんなさい)や工夫(ランダムダンジョンなど)をしてきた
ということでございます。
 
 その一環がこの文庫本ということらしゅうございますな。
 ワールドガイドもランダムダンジョンもGM向きなので、
それ以外の一般読者に目を向けたということでございましょう。
 正直、買うときは、
同じ話を2つ収めるなんて手抜きだなぁとか思いましたが、
実際読んでみますとそんなこともございませんでした。
 
 小説は描写によって雰囲気や細かい描写を、
シナリオはルールと小説では書かれなかったあり得たかもしれない分岐を
補ってくれるのでございます。
 お互いがお互いを補完し合っている感じでございますな。
  
 ソロシナリオを読むときは、
小説を思い浮かべて小説にない部分も肉付けができますし、
小説を読んでいる場合は、
ここで失敗していたらとイフ展開を想像させてくれたりもいたします。
 
 特に北沢先生の作品はマルチエンディングが充実していてよろしゅうございました。



 
 それにもし、これをゲームブックで書いたとしても、
このサイズになるのではないかと思います。
  
 小説とシナリオでは重複もございますものの、
ソロシナリオに描写を足していっても、やはり重くなりましょう。
結局、両者同じぐらいになるのではございませんでしょうか。
 
 で、考えてみますとわたくしも、
ゲームブックをプレイするとき似たようなことをやっているのでございますよね。
 
 まず一回目は、サイコロも筆記具も使わずに、最初から読み続けて、
キリのいいところか読み疲れるあたりまで、とにかく通して読んでみる。
そのようなことをいつからかしているのでございます。
 
 キリのいいところというのは、ゲームオーバーになったところでもよろしいですし、
1つのイベントが終わったところでもよござんすし、まぁそんなところでございますな。
 
 それで最後まで行っちゃったら、という疑問については、それはそれ、
その書がその程度のものだったというだけのことでございます。
 
 ズルではございますが、その程度の情報は
その世界に住んでいるものなら持っているだろうと自分をごまかしております。
 
 実際問題として、こういうやり方だと、その作品の流れと申しますか、
作風をつかむことが出来るメリットがあるのですよね。
 思っていたのと違うという理不尽な死に方が少なくなると存じます。
 
 それに、プロローグやルールを読んで、
それからサイコロを振ったり記録紙に書き込んだりするのは、
面倒くさいと申しますかモチベーションが途切れてしまう。
 
 それよりはプロローグとルールを読んだ勢いで、途中まで進めた方が、
わたくしの場合合っているのでございます。
  
 ファイティング・ファンタジーシリーズなんて、
何度も挑戦することを前提にしておりますから、
一度ぐらいそんなことをやっても、終わりはしないということもございますし。
  
 少なくとも、プロローグとルールをすっ飛ばして一から始め、
ルールは必要なところだけ参照にするというのよりはよろしゅうございましょう。
 ともすると、番号だけ追って、ストーリーがおろそかになるよりは。
 
 っと、もとい。
 
 
 北沢慶先生の作品はルーンフォークが絡んだ、
ともうしますか、彼との交流がメインの魔神封印もの。
 小説は失敗した場合を書いてある、とあとがきにはございますが、
それほど失敗したというわではなく、一応最後までいったものの、
完全なハッピーエンドに至らず、少し悲劇といった感じでございますな。
 
 小説としては、いいラストと申せるかと存じます。
 

 ソロシナリオのほうは、先ほども書きましたが、
意外とマルチエンドが充実しているのが よございます。
 
 小説を書いているうちに思いついたラストもあるいはあったかもしれません。
だといたしましたら、
小説はソロプレイにもプラスに働いていてるということになりますな。
 
 
 一方の河端先生の作品はと申しますと──。
 
 ページ数の比率的には、
「過去からの来訪者」:「砂礫の命」=2:1。
 
 企画者が北沢先生ですし、
その分量比率のため河端先生のほうはオマケ的なものかな、と思っておりましたが、
そんなこと全然ございませんでした。
 
 河端先生、小説うまいですな。
 流れるような文章のせいで、こんなのどうシナリオになるんだろ? 
と思ったりいたしました。
 
 が、何の問題もなく、ふつうにシナリオはシナリオでございました。
 いや、わたくしがぼーっとしていたからかもしれませんけどね。
 
 北沢先生のものよりもシナリオは短いですが、
それは、パラグラフ分岐形式のほうが普通のものよりも長くなるからのようにございます。
 
 一方、普通のシナリオのほうが具体的な部分を書かないだけ、
展開の多彩さには欠けるのかも。
 
 エンディングも勝った場合と負けた場合の2種類でございましたし。
 
 小説の方が印象的な終わり方だったので、
シナリオのほうももっと別のエンディングがあるかな、と思っていた分、
ちょっと残念でございました。
 
 これは普通のそれとパラグラフ分岐形式のシナリオの違いなのかな?
 それとも、書き手の違いか、この作品に限ったことか、
 読んでいるときのコンディションだったのか、
 
よく分かりません。
  
  
 いずれにせよ、このご本。
 
 小説とソロシナリオ、シナリオを見比べられる面白い1冊だと存じます。

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