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2024/05/15 また自転車のチューブが裂けてしまいました。今度はパンク予防剤を入れていないにも関わらず。なので、「自転車のパンク予防剤を使ってみたところ…デメリットいたしました」の記事は消しておきます。自転車屋さんの話では、原因は空気の入れすぎとのこと。でもパンク予防剤をつかってからのここ1~2ヶ月で4回だからなあ。その前だって同じくらい空気入れていたし、にもかかわらずタイヤが裂ける事なんてなかったけれどなぁ。とりあえずわたくしといたしましてはパンク予防剤はもう使わないことにいたします。皆さまは皆さまの判断でお願いいたします。
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 vol.174 パンジャンドラム
 
ソードワールド2.5リプレイ『ドレイントラベース! 2』
ベーテ・有理・黒崎/グループSNE
(富士見書房)


「ソードワールド2.5」は、魔域とか魔動機文明とかのおかけで、
本当にいろいろなことができる世界になりましたよね。

 世界観的にそれでいいのかと思うこともしばしばでございますが
(たとえば連載中の「継承される物語」とか)、
マスターやプレイヤーの欲求に答えるという点では、非常に正しいと思われますし、
「ソードワールド」の路線と思われます、ラノベのTRPG化という点におきましては、
その変遷に対応しているようにも思われます。
 
 まぁ、そんなこと関係あるのかないのかわかりませんがパンジャンドラム。
 
 史実ですと、これ1943年からの開発なのでございますよね。
 こんな形のものが発展して戦車になったのかと思ったら、
戦車はもういろいろとできている時代の産物。
 
 ノルマンディ攻略ならほかに使えそうな兵器がありそうなものでございますのに、なぜ? 
 と申しますか、
 波を乗り越え、砂浜を越えて、敵の砲弾にむかって行くことを考えると、
 普通の車両でも難しい。
  
 イラストで描かれていた架空兵器を見て、
 どんなところでも踏破できると思ったのでございましょうかねぇ。
 
 これでしたら、ロケットをそのまま飛ばすほうが効果的な気がいたします。
 
 欺瞞作戦の一環という説もございますが、
 だとするとこれに関わった人って、大した人ではない……のかなぁ。
 
 まぁ、さすがあの「Top Gear [トップ ギア]」のお国でございますな。
 条件さえあえば、あの番組で何かおバカな企画に使われていたんじゃないかなぁ……。
 
 というわけで、
 

 トレイントラベラーズ2
 
 ザーレイ砲とパンジャンドラムで強化した、スティールバッファローにございます。

 絵は、コメントではレールから外れないかを心配されておりましたが、
むしろレールに支えられているからまっすぐに進むと思ったのでございます。
 常に前方を走っているわけではなく必要に応じて射出するだけですし、ヨーヨーの
ようにひも付きで一定の長さまでいったら巻き戻されるようになっておりますから、
カーブで使わなければ脱輪もないかと。
まぁ、
アメリカ開拓時代の機関車についていた牛よけを能動的にしたようなものでございますな。
 
 通常時は車体前面の両サイドに格納。そのカバーがぱかっと開き、射出されるわけですな。レールに乗る瞬間に脱線の心配がございますが、そこは魔動機でございますもの、
上手いこといきましょう。
 
 ザーレイ砲とあわせまして、
 改造前とはずいぶん前方の外観が異なるものになると存じます。
 
 ちなみに、パンジャンドラムと九柱戯との関連は……、たぶんないでしょうなぁ。

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ゲームブッククイズ(127)

 マーリンがそう呼ばれることを嫌っている、自分自身に対する呼び名はなに?

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なにやら、新しい日本銀行券のデザインが発表になったそうでございますな。
 使われるのは2024年? 5年後でございますか。
 それまでに環境を整備するということでございますな。
 
 お札の顔となる人物は、
 
 渋沢栄一さんと津田梅子さんと北里柴三郎さんでございますか……。
 
 近代的な日本のイメージを作ろうと、
近ごろは明治以降文化的社会的な貢献のあった人物を選ぶ方針のようでございますな。
 
 でも明治以降ですから、写真をもとに肖像が描かれているのですよねぇ。
 それがたぶん、最近の紙幣の面白みのなさにつながっているような気がいたします。
 とくに技術の向上からか、今度の紙幣は写真そのものといった感じで
それが逆にお札の価値を下げているような気がいたします。
          (画像だけからの判断でございますが)。
 
 まぁ、聖徳太子や源頼朝など、以前はその人物だと教科書にも載った肖像が、
今ではそうじゃないかもと言われている以上、しかたがないことなのかも知れません。
 
 でも、写真を元にしても、
紙幣に似つかわしい肖像画に仕立て上げるということはできると思うのでございます。
 
 準備期間はあるみたいなので、実際はそこら辺を考慮したものになるやもしれませんが。
     (もしかすると画像は見本ということで、
               単に写真をそのまま使っているだけなのかも?)
 
 
 
 それにしても、一万円札が1種類である必要はないんじゃないかなぁ。
 
 一万枚に1枚ぐらい、渋沢栄一さんのかわりに沢村栄治さんが入っていても
いいんじゃないかと思うのでございますが……。
 
 
 トレーディング性コレクション性を持たせても良いと思うのでございますよね。
 
 お札の裏側風景が入るところをフリースペースにして、
ときどきデザインを変えてやるとか。
 
 桜の絵のお札で払った人には1割引とか、
松竹梅を揃えて払ったら――といった具合に、
お金を使う楽しさが増えてくると思うのでございます。
 
 ポケモンコラボとか、サンリオコラボとかがあったら、
外国の方の好感度もアップして、
日本のお金を使ってくださるようになるんじゃないかなぁ。
 
 
 
 政府としてはキャッシュレスの方向に持っていきたいみたいですが、
紙幣にこういう楽しさがあっても良いと思うのでございますよね。

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(上に書き切れなかったので、こっちで) 
 
『涙香迷宮』
竹本健治(講談社/2016/3)
 
読了。
 
旅館で起こった殺人事件を皮切りに、
前半は黒岩涙香の多才ぶりを、
涙香の隠れ屋敷に場所を移してからは、
創作いろは歌の暗号解明を中心に、連珠の解法などが試みられる。
 
 50以上の創作いろは歌を用意したりするなど、非常に労作ではあるものの、
 羅列的で冗長にさえ感じられる。
 
 タイトルが『涙香迷宮』である以上、
読む方としては、涙香が密接に関わってきて欲しいところだが、その点では薄い。
 
 その事跡については詳しく書かれているものの、それも並べただけであり、
創作いろはや連珠を導き出すための、マクラになってしまっている。
 
 作者がそういうものをやりたかったことは、非常によく分かるのだが……。
 
  
 
 
 ☆ それにしても……。
  黒岩涙香先生が『鉄仮面』や『噫無情』、『巌窟王』などの翻案小説の作者であり、
 「萬朝報」社長だったことは知っておりましたが、
  連珠のルールを制定したり、競技カルタを創始したり、
  都々逸にも関わっていたり……。
 「萬朝報」では宝探しも企画し、自分で宝を隠していたというのだから、
  ほんとうにそういうことが好きだったのでございますなぁ。
 
☆ ところで、
  黒岩涙香が、「黒い悪い子」に読めるっていうのは、
  西尾維新先生が『化物語』でお書きになっているそうで。
  その程度のことは、まぁ思いつくよなぁ~。

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と申しますれば、

石ノ森章太郎先生のファンとしては、『ジュン』の「春の宵」でございますよね~。
 
 『ジュン』という作品は、マンガでこんな表現ができるんだ、
と、当時非常に衝撃を受けたものでございます。
 
 大人になって冷静に読んでみますと、ちゃんと筋があって、
それを追うだけならばそれほどでもなかったりするのでございますが。

 感性で読むんだ。そこから広がるイメージをとらえるんだ。

 というわけでございますな。
 

 内容的には、全編にわたって桜の花びらが舞い散る中、
桜の精が舞い、屍が現在と過去を結びつけ、そしてすべては桜吹雪となって……。
 散る花の美しさと死のイメージ。
 桜吹雪の見せる夢幻でございますな。
 こういう作品を説明するというのは、難しいものでございますが。
 
 黒澤明監督の『羅生門』や、
梶井基次郎先生のの『櫻の樹の下には』ですとか、
坂口安吾先生の『桜の森の満開の下』など、
イメージの基にあったのかとも思われます。
  
 ちなみに、古本屋さんで買った『COM』誌1968年4月号
たまたまこの「春の宵」が載っていたのでございますが
 
(この号には、永井豪先生の『豪ちゃんのふあんたじーわらうど バン』や、
石ノ森先生の「『墨汁一滴』の周辺」という一ページエッセイも載っておりました)、
 
 雑誌掲載時朝日ソノラマ版(昭和50年)では、
15ページ目のコマの並びが違っていることはご存じだったでしょうか。
 
 わたくしは、この記事を書くにあたり、両者を見比べてみてはじめて気がつきました。
 
春の宵 雑誌掲載時
 
                        (「COM」 1968/4)
               ⇩
 
春の宵 朝日ソノラマ

                        (朝日ソノラマ)
 
 
とまぁ、こんな感じ。
実は、朝日ソノラマ版の15ページは、2ページ目とまったく同じなのですな。

 16ページ目は、桜の花びらが舞い散る中、ジュンの全身像の1枚絵。
 両側に余白を残し、少し縦長の画面となっております。
 これは1ページ目と同じ絵。
 (雑誌のほうは、「RENSAI ⑯/章太郎のファンタジイワールド ジュン/
       (春の宵) 石森章太郎 と入ります)
 
 ですから、循環するイメージを狙ったものでございましょう。
 いや、はじまり、そして終わる、と言ったたほうが正しいですか……。
 
 とすると、雑誌連載時と本になったものではどちらがいいか……。
 流れから、雑誌時のほうが自然かなとも思えますが、
 実際に比較してみますと、朝日ソノラマ版のほうが効果的なのでございますな。
 目のアップから、ポンと全体を見せるのがリズムになっている。
 
 変えただけのことはある、と思うのでございます。

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新元号が決まりましたな。
 

 令和

 小学生でも書ける簡単な漢字で、良い意味で差しさわりがなく
元号にふさわしいおめでたい言葉、それていて今までに使われたことがないもの――。
 
 いろいろな条件をクリアすることは、非常に大変なことだと存じます。
 悪くおっしゃる方もおられるようでございますが、これ以上を求めると、
さらにハードルが上がることになり、何も選べなくなるような気もいたします。
 
 使いつづければ些細なことは問題視されなくなりましょう。
 
 ただ、今後は選択基準をもう少し緩めても良いような気はいたしますな。
 これはダメという減点法もある程度はよろしゅうございますが、
それよりもしっかりと良い言葉を選んだ方がよいのでは? と。
 
 それにしても、ちゃんと調べたわけではございませんが、
ラ行が最初に来る元号って、珍しいのではございませんでしょうか? 
もしかすると、ラ行は面倒くさそうだから、先に使っちゃおうという意識が働いたのかも?
 

 涼しげな(場合によっては冷たい)感じも受けますが、
明治・大正・昭和・平成・令和と続けますと、
音の響きがハッキリと変わりまして、その点でも良いのではないでしょうか。
 
 まぁ、令和18年R18になってかわいそうというのは、わたくしも思いましたけれどね。
 取りあえず
しりとりを専門としている方には、言葉の少ないラ行の単語が一つ増えたことは、
朗報でございましょう。
パズル関係者の方も、かな?
 
 ところでこの元号、2016年7月13日に当てた方もいらしたようですな。

「れいわ」という読みだけでしたら、占い師の方が当てても不思議ではない感じがいたしますが、漢字までぴたりと当てるとなると、ちょっとできない相談という気がいたします。 
 どういう思いつきで「令和」なんて漢字になると考えたんだろう。
 気になるところでございますな。
 それを明かしてくださればこういうときによく出てくる捏造や未来人疑惑は
なくなると思うのでございますが……。やっぱ差しさわりのある人の名前なのかなぁ。
 
 それと、中国のお酒でも「令和」という商標が、2017年に申請されていたとか。
こっちも偶然ではございますが、どういう意味でこの単語を申請したんだろ? 
自社のお酒につけるつもりなのでしょうから、悪い意味ではございませんでしょうけれど……。気になるところでございます。
 
  そうそう。そうした過去の元号当てにどのような言葉が出てくるか見ておりましたら、
宇宙世紀」がけっこう出て来て悔しい思いをいたしました。
 
 同じこと考える人はたくさんいるんだなぁ……。
 
 
 
 
追記
なんとなく気になったので、近くにあった『万葉集』で確認。
 
「令和」は、
巻第五、八一五番から始まる梅の歌の序文から採ったということですが、
ホントは、巻第一、二番の舒明天皇の国見の歌、
 
山常庭 村山有等 取與呂布 天乃香具山 騰立 國見乎爲者 國原波 烟立龍 海原波 加萬目立多都
怜(可)國曽 蜻嶋 八間跡能國者 (カッコは、りっしんべんに可)

 [大和には 群山あれど とりよろふ 天香具山 登りたち
  国見をすれば 国原は 煙たち立つ 海原は カモメたち立つ
  うまし国ぞ 秋津島 大和の国は]
 
 (可)(うましくに)から採りたかったのではないかと……。
 
 大和国を賛美する歌ですし、天皇御製歌。
 万葉集の中でも特に知られた歌でもあり、

 新元号として、これほどふさわしいものはまずないだろう。
 
 というわけで、元号を考える人たちとしてはこれにしたかったのだと思います。
 
 ですが、
 対外的なことを考えると、まさにそのあたりがまずい。
 
 というわけで、意味的にはそうも取れ、
しかも出典が梅の花を愛でるという無難な内容のところを選んだのではないかと……。
 
(令和のそれぞれの文字の左に「小大」をつけると「怜大和」……。
  とまぁ、これは言葉遊びでございますが) 
  
  
 単なる憶測。
 ここだけの話でございますが。
 
 
 

(何かあってもいやなので、
 この記事だけコメントを受けないことにします。ご了承ください)

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ゲームブッククイズ(126)
 
『ティーンズパンタクル』
鈴木直人(創元推理文庫/1990/3)
 



Tパン
 
(1) メスロンのうしろにいる、なぞの怪物の名前は?
 
(2) (1)の怪物の宝物とは何?

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『根付 NETSUKE』根付 

駒田牧子 渡邊正憲・監修
(ジャパノロジー・コレクション 
  角川文庫/平成27年2月)

 
 根付っていいですよね。
精緻で味があってユーモラスで魅力的で。
 
まぁ、実際に入手することはしなくって、
写真を見て楽しんでいるだけでございますが……。
 
 
 
 
これなんかもそう。
 

あらよっと

あらよっ
 
 タイトルが「逆立ちしたカバ」でも、そのものずばりの「○○」でもなくって、
あらよっ」なのが、シャレておりましょう?
 わかる人にわかればいいっていう感覚がイキなのでございますな。
 
 とは申せわたくしも、下の説明の「逆立ちしたカバ」という言葉がなければ、
そのことに気づかなかったでございましょうが。
 
 姿形も愛らしくてユーモラス、それでいて造形的にもしっかりしておりますな。
 
 
 

 ところで、カバと申しますのは、今年の干支であるイノシシの仲間だそうでございます。
イノシシ亜目のなかに、イノシシ科カバ科ペッカリー科があるのだそうな。
 
 カバとイノシシ、両者とも好きなのは泥遊び。
体型的にかゆいところに脚やしっぽが届かないので、
泥をつけて虫よけにするのだそうでございます。
 
 カバは、ふだんは温和ですが、いったん怒り出すと、
地上ではサイのように突進するとのこと。
しかも見かけによらず機敏で、
サイとは違って方向を変えることもできるそうでございますな。
 (参考:「太陽」 NO.244 臨時増刊 決定版亥年年賀状図案集
     (平凡社/昭和57年11月)p.43-50)
 
 基本人間を避けるそうなので、
路上で遭ってもケンカをふっかけないことが肝要でございましょう。



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2019/03/02 March 1
 古代ローマの暦法では一年は10ヶ月で、1月と2月は「死の季節」として除いた。
12月が最後の月、3月が最初の月である。
3月という名称は農業と戦争の神マルスMarsにちなんでつけられた。
(『イメージ・シンボル事典』アト・ド・フリース著 山下主一郎主幹
  "Dictionary of Symbols and Imagery" by Ad de Vries 1974/大修館/1984/3)
 

2019/03/06「ファイティングファンタジー」旧モンスター事典「小人」
新訳(と申しますか原書)では「ピクシー」でございますか……。
トンネルズ&トロールズ」の「ピクシー」とは、だいぶ性格が違うなぁ。
 

2019/03/09 おだまき花言葉「愚劣」「たわけ」
       ザクロの花言葉は「馬鹿」だとか。
4月1日のオール・フールズ・デイぐらいにしか贈れない花でございますな
(その時期にこの花があるかは存じませんが)。
それにしても、花言葉にはいろいろとございます。
キンギョソウは「出しゃばり」「貪欲」とか。
贈るときには、気をつけなければなりませんな。
(参考:『花の文化史』松田修(東京選書/昭和52年8月)
 
 

2019/03/10 NHK「映像の世紀 アメリカの秘密と暗黒の物語」を見ました。
☆『市民ケーン』のモデルともなった、新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストが、
アメリカ・ファースト」と申しておりました。
トランプ大統領も使うこの言葉、
第二次大戦以前、世界恐慌のころからあった言葉なのでございますな……。 
 
ケネディ暗殺が行われたのは、アメリカダラスエルム街
 ホラー映画の『エルム街の悪夢』は、
 これに引っかけてつけられたタイトルなのでございましょうなぁ……。
 
 

2019/03/13 周五郎少年文庫『少年間諜X13号』冒険小説集 山本周五郎 末國善己編
(新潮文庫/新元号元年元日)
 
p.321 「アメリカは、列国の経済、制度、道徳、国防、あらゆるものを
    アメリカ主義によって破壊しつつある。
    全世界は、まさに星条旗下に圧挫(おしひし)がれているのだ

これが書かれたのが1932年。
3/10に書いた「ハーストが「アメリカ・ファースト」と言っていた」のと同じころのこと。
国威高揚傾向のある小説とはいえ、この見方、的外れではないでしょう。
今も昔も、アメリカのやることって、そんなに変わっていないのでございますなぁ。
 
 
2019/03/15しょんないTV」終わっちゃいましたねぇ。
いつ終わっても不思議ではない感じの番組ではあったけど……。
4月からゴールデンの予定もあったって、ホント? 
 しょんないなぁ……。

 
019/03/17 GameSpark(https://www.gamespark.jp/)の
【不良ゲームブック】『翔が征く!―春のクーデター編』第一話 
  クイズありパズルありチキンレースあり……
  何でもありのゲームブックが始まった!
」つて、

ホントにクイズとパズルとチキンレースだけのゲームブックだなぁ。
面白いからいいけど。
移動型の分類としては、直線型で可不可型ね。

一応45パラグラフを使っているけれど水増し感が……。
 

 
2019/03/21
 中国には十六進のソロバンがあったのだとか。
計算を分かりにくくすることで、
庶民に税金のことで文句を言わせないようにしていた、のだそうでございます。
 
 

2019/03/23 タブンサリンは、ヒトラーは大量に持っていたが、使わなかった
 ドイツのみが持っていて、他の国は持っていなかったので、
使えばヨーロッパ中を絶大な被害を与えることもできたのに。なぜか。
 
 推測
 (1) 他の国も持っているのではないかという危惧があった。
 (2) 第一次世界大戦末期にヒトラーは、イペリットを浴びている。
     → 毒ガスの脅威が彼にサリンを使うことをためらわせたのではないか。
     → ヒトラーはBC兵器の使用に積極的ではなかった。
                         【NHK教育テレビ】
      (ちなみに、かなり前にみたものです)
 
 

2019/03/26 SDSは「シブヤ・ディフェンス・サービス」(1・p.168)で、
      SFSが「シブヤ・フューチャーサポーターズ」(3・p.218)。

読んでて忘れてしまったのでちょっとメモ。
というわけで、『リヴィジョンズ3』読了。
なんか、「道化」とか「真実」とかいう言葉が出てくると、ぞわぞわする~。
こんなところ木村航先生がご覧になっているわけございませんのに。
 
 

2019/03/29 昭和までの元号は皇室でお決めになっていらっしゃったようで、
平成以降の元号が、いろいろとあたふたしているのはそのせいのようでございますな。
今、元号なんていうものを使っているのは、日本しかないそうで、
その点でも大事にしていただきたいものでございます。
 
 ところで、新元号の発表って4月1日だそうでございますな。ホント? 
 だったら新元号、「宇宙世紀」もありうるかも?
 
 
 
2019/03/31 源頼朝って、けっこうヤな性格だったみたいですね。
      悪口は平気で言うし、酒の席でのうわさ話で部下の処分決めたり……。
義経のエピソードもそういうことを聞くと理解できるなぁ。
 
 
  
(※ 平成最後がこんなのでいいのかなどと思いましたが、そういうことを考えていると
   何も書けなくなるので、気にしない気にしない!!)    
 

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リヴィジョンズ3』
木村航 原作:S・F・S
(2019/3/ハヤカワ文庫JA)
 

リヴィジョンズ 

 

 多元世界的な時間ものなのでしかたがないのでございますが、
最後の方話が大きくなり過ぎちゃって苦手~。
 
 ウビークェ……、えっと汎在者でしたっけ? 氾在者?

 悟らないまま解脱しちゃったような感じで、どういうわけか
むかしのすごろくゲーム「たんば」が浮かんでまいりました。
 
 やったことはございませんがあのゲーム、
あがりまでいったプレイヤーが、ほかのプレイヤーにほどこしができますでしょ? 
 あれは、悟って解脱でございますし、こっちは施しではなくトラブルのタネ。
まったくの逆ではございますが、それが思い浮かんできてしまって……。
 
 ロボットものといたしましては、
敵陣営の内部分裂はある種のお約束ではございますが。
 ニコラス・慶作さんがシャア・アズナブルさんに思えてきたりしたのは、
わたくしだけでございましょうか?
生まれながらの運命によって踏みにじられるしかなかった一生を
 自分の手の中に奪い返すための戦い」(p.352)と……
 目の上のこぶとなったものに対する心情……。
 完全に同じとはまいりませんが、まぁ、似ておりますな。
 ニュータイプ能力を手に入れていたらシャアさんも、
あんな感じで戦っていたんじゃないかなぁ。
(アニメのほうではぜんぜんそんな感じはいたしませんでしたが)
 
 p.192の「外見が異なる(醜さ)」のあたりでは、
マンガ『エヴァンゲリオン』のラストを思い出しました。
あれも、シンジ君が理性的に選び取ったというよりも、
外見で決めたような気がいたしますものねぇ。
もっとも、あれはシンジ君の選択を心情的にわかりやすいように描いた
マンガ的な手法とも言えなくはございませんが。
 
 クライマックスは人称がややこしい……
 ただしこれは、小説だからこそ。
アニメイションでは、違った表現になるでしょう。
小説でなければできない表現でございます。
 
SFマガジン」2019/4 vol.60 no.732の書評には『リヴィジョンズ1』について、
「本編のストーリーに沿ったのヴェライズの第一弾。
 先に読んでもあとに読んでも楽しめる」と書かれておりました(p.150)。
 
 一巻の時点では。まぁそう書く以外にはございませんでしょう。
 
 ですが、これは小説なのでございますから、むしろそれとは逆、
アニメでは描くことのできない部分を味わうべきでございましょうな。
 
 におい でございますとか、空気感でございますとか、
描写の妙、表現の美しさ、画面には現れない登場人物の細かな心理……、
まぁ、そんな部分でございましょうか。
 
 アニメの脚本を担当なさっている茗荷屋甚六先生が、
そのあたりをどう扱っているかは、わたくしのあづかり知らぬところではございますが。
 
 
 それを含めまして、この作品、
ノベライズではありながら、木村航先生の集大成という感がございます。
 
  と申し上げたら、先生は気分を悪くするのかなぁ……。
 
 わたくしの読ませていただいたかぎりは、
『しおかぜ荘の震災』(2013/双葉社)、
『パラプラ学園』(2015/スニーカー文庫)あたりまででございますが、
今回の『リヴィジョンズ』は、外枠を他の人が? あるいは共同で
作ったことによって、
その中で思いっきりの実力を発揮できたという感じがするのでございますよね。
 
 前掲2作は、後期宮崎アニメ的と申しますのかな、
構築を薄くして登場人物にゆだね、
それでいて作者のまなざしが感じられるものだったと思うのでございますが
(航先生が見ていないと思って勝手なこと言っているなー)、
今回は、かなり構築的。
 
 それが、つまり次々と起きる内的外的な事件が、
登場人物の性格や行動をくっきりと際立たせ、
先生の筆力、これまでにつちかった持つべき力を
存分に発揮していると思うのでございます。
 
 ラスト

 実は、最後のページは、後書きでも書いてあるんじゃないかなぁ、
と、最初に見てしまったのでございます。
 
 で、なるほど、最後はこう締めるのか……。
 と、独り合点をしたのでございますが……、
読了したら、その意味は、全然違っておりました。
 
 でも、これはどういうこと?
 破滅がやってくるということなのでございましょうが、
 小説内で起こった出来事によって、また違った未来の可能性ができたということ?

 どうなるのでございましょう?
 

 ジャンル分けは、あまり意味がないかもしれませんが、
 系統といたしましては、
 ライトノベルではなく、ジュヴナイルでございましょうな。
 「お前ならどうする」と、テーマを突きつけてくる感じが、そう。

 それを緻密にし、進化させた形、と思う次第でございます。
 


 長々と書いてしまいましたが、本当に言いたいのは一つだけ。
 あらすじをなぞっただけのような、
 単なるアニメのノベライズではないということでございます。
 それたけは心に留めておいてくださいませ。
 
 
 
 
追記:アニメ11話はこれを書いたあとで見ました。
   読み落としていた部分などございましたので、
   その後本文修正を加えた箇所もございます。
 
   アニメはわかりやすいように
   セリフや表現を変えてあるような気がいたしますな。
   で、見落としていたところに気づかされたり……。
   両方で違いを比べてみるのもよろしいかと……。

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周五郎少年文庫
『少年間諜(スパイ)X13号』
冒険小説集 
山本周五郎 末國善己編 
(新潮文庫/新元号元年元日)
 
 
 山本周五郎先生の戦前の少年少女向けの作品を集めた文庫が
昨今何冊か発売されております。
探偵小説怪奇小説も気になるところではございますが、
冒険小説集である本作を買ってみました。
周五郎先生の冒険小説ってどんなのだろう?
 
 読後思ったのは、これ、執筆年代順にしたほうがよかったのでは?
 ということでございました。
あとの時代の作品のほうが面白いんですもの……。
 
 連載、つまり多少長めの作品は、
 
『少年間諜X13号』1932/4~12月号
『決死ケルレン城』1934/1~12月号
『獅子王旗の下に』1935/12~1936/4月号
 
 なのですが、
 最初の『少年間諜X13号』は、
もっとも国策小説の色合いが濃く
しかも日米対戦をテーマにしているだけございまして、
なんともうすら寒い感じがしてくるのでございます。
 
 太平洋戦争という言葉も出てまいりますし、
主人公は決死隊として飛行船に特攻をかけるし
(特攻という言葉自体は出てまいりませんが)、
なによりも主人公の大和八郎
日本のためなら死をいとわない忠国の精神にあふれておりまして、
それが彼の果敢な行動のもととなっているのでございます。
 
 これは太平洋戦争を予言していたのては、と思ってしまいがちですが、
おそらく逆なのでございましょうな。
 
 こういった傾向の小説を十代のはじめころに読んで影響を受けた少年が、
成人するにおよんで、御國の為と進んで命を差し出していったのでございましょう。
 
 みなさんの中にも、
ロウティーンと呼ばれるころに読んだ本に影響を受けて道を踏み外し……いやいや、
た方もいらっしゃるのではないでしょうか? 
そういうことが、この時代にもあったのではないかと思うのでございます。
 
 特攻も、この作品に出てくるように、
水素ガスを充填している飛行船なら有効でしょうが、ねぇ。
 というか、
飛行船ならパラシュートで脱出してもよかったのではないかと思いますし、
ほかの方法もあり得たような……。
 御国の為に身を挺することが美学としてもてはやされたのでございましょうな。
 
 こうした主人公の性格からか、
ご都合主義が目立つところも、この小説の欠点でございますな。
いや、もしかするとそれは、現代の目で見ての、なのかもしれません。
 父親や八幡菩薩の加護で助かるというのは、
当時としては意味のあることだったのかもしれません。
 
 でもなぁ……。
 特攻よりも危険なことをやろうとして、大和八郎助かっちゃうんですよ。
 パラシュートで脱出ですよ。
 こういうのを読んで特攻に命を捧げた方のことを思うと、なんとも……。
 
 とはいえ、オビ
ジェームズ・ボンドより、イーサン・ハントより、すごいスパイがいた!
と書かれているのはちょっと言い過ぎな気はするものの
(そこら辺は人それぞれでございましょうが)、
スパイものとしては、それらの作品を先駆けております。
 
 主人公は快活豪胆でフェアプレイ精神もあり心地よいですし、
三つの秘密兵器を携え、小型潜航艇、戦闘機をあやつり、敵艦隊をやっつけたり、
秘密要塞に潜入したり、敵の飛行船に乗り込んだり、
活躍だけ取り出してみると縦横無尽でございます。
 
 ただ、軍事色が強いのと、国策にあった主人公の性格が、
今の目で娯楽小説としてみると、困ってしまうのでございますな。
 
 
 もっとも、こういうのは作者としてもあまりやりたくなかったのでは、と思います。
 
 と申しますのも、『決死ケルレン城』、『獅子王旗の下に』では、
そうした印象が少なくなっているからでございます。
 
 この2つの作品は、日本が当事国とはなってはおりません
 
 前者は内モンゴルがモデルと思われる架空のケルレン王国でございますし、
後者はエチオピア

国策的な意味はあったのかもしれませんが、
日本人が義勇にかられて他国を助けるという形をとっており、
忠国的なセリフはあまり出てまいりません。
 
 かつて大英帝国の植民地であった国におもむいて、
ジェームズ・ボンドが活躍するようなものでございますな。
      (敵や現地の女性に助けられたりもいたしますし)
 
 そのため、御国の為という感じは少なく軍事色も薄まって、
純粋に冒険小説として楽しめるのでございます。
 
 多少のご都合主義はございますが、少なくなっておりますし、
誰それ、何それの加護、ということがなくなったのがよござんすな。
 
 ピンチを切り抜ける機転も利いている。
 ということは、作者が頭がいい証左なのでございますが
 
 キャラクターもいい。
 特に、『決死ケルレン城』の
ふだんは頼りない少年だけど実は、の少年と、
浮浪児栗鼠公のコンビはいいなぁ。
 
 こういうのって、
後世の少年冒険マンガなんかに影響を与えているんじゃないのかなぁ……。
 門外漢なのでそう思うだけでございますが。
 
 純粋に娯楽小説として面白い物語に仕上がっていると思います。

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vol.171は、
「ストラトシャウト」応援企画なのでございましょうか? 
『ヤンキー&ヨグ・ソトース』『ビギニングアイドル』『キルデスビジネス』
歌に絡めておりましたな。
 
 というわけで、
これらの作品から4人を集めて冒険企画バンドを組ませてみた次第でございます。
 
冒企バンド
 

 この4人、共通する音楽性なさそうではございますけどね。
イベントでの1日限りのセッションなのでございましょう。
 したがって、歌詞もそんな感じで。
  
 ちなみに、『ヤンキー&ヨグ・ソトース』の人には、タンバリン持たせています。
わかりにくいなぁ
 
 まぁ、そんなところで。

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『話術』
徳川夢声
(新潮文庫/平成三十年四月)

戦後すぐに出版された話し方に関する本で、
平成15年の版を底本としているようでございます。
 作者の徳川夢声先生のことは、名前ぐらいは知っている人も多ございましょう。
 わたくしもそのクチでございまして、
どんなことを書いていらっしゃるのだろう、という興味から手に取った次第でございます。
 最後に久米宏さんが解説と申しますか、
エッセイみたいなものを書いているのも興味を引かれたところでございます。
 
 読んでみますと、さすがに語り口がうまい
それに構成も考えられている
ユーモアを差しはさみながらよどみなく流れるように、説を進めておられます。
 
 特に感心したのは、演芸の歴史についてお書きになっているところでございますな。
 時代とか人名とかがたくさん出てきて、読みづらくなるのが通例でございますが、
すんなりと知らず知らずうちにその話が進んでいく。

 ホントはこうした構成についてのアドバイスを読みたかったところでございますが、
そういうことはあまり書いてはございません。

 話術の本でございますから、声の出し方であるとか、
場にあわせた話し方であるとか、まあ、そういうことが書いてあるわけでございます。
 
 オビにも書かれております、座談十五戒など、わたくしには耳が痛いところ。
  (オビだけ読んで、わかったような気になってはいけませんよ)
 これが一つや二つでございましたらまだ個性でございますが、
半分以上が気になってまいりますと……。
 まぁ、そうは申しましても、今さら変えるわけにもまいりません。
 しかたがないとあきらめてもらうしかないようでございます。
 
「この本を読むと、話し方が上達する。
 それは恐らく間違いない。間違いなく少しは上達するはずだ」
 
 巻末の久米宏さんもそう書いてございますが、そのとおりでございましょう。
 
 話し方などは、結局は場数――経験が物をいうものだと存じますが、
ここに書かれていることを心に置いていれば、
経験点が1~2割増しぐらいにはなるのではないかと思う次第でございます。
 (余談でございますが、そういうRPGってあってもいいと思うんですよね。
  前もって練習したり、本を読んだりして時間を費やしていたら、
  経験値がそうではないときよりも何割増しかになるような……)。
 
 ただ問題なのは、読みやすすぎて頭の上を通り過ぎてしまうような気も……。
 何度も読むことが必要でございましょう。
  
 TRPGの、特にゲームマスターなどをやっている方には、
 参考になる部分もあると存じます。

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「<アドベンチャーゲームブック>
 ループ・ゴールドバーク・マシンである人間の魂」


『第七階層からの眺め』第七階層からの眺め
ケヴィン・ブロックマイヤー
 金子ゆき子訳
(武田ランダムハウスジャパン/2011/11)
 
p.153-236
 
 
 これも、図書館で借りてきたもの。
 ただし、こちらは開架書庫。
 
 
『第七階層からの眺め』
 短編集。

日常の中にちょっとした不思議が舞い込む話や、
逆にSF的な舞台の中で、
ものすごく日常的な物語が展開する作品が特徴だ。
 
 こうした小説は、
従来ならSF・ファンタジー的な解決が求められたりするのだが、
この作品集はむしろ逆。
 
 そのような普通とは違う状態を取り入れることで、
日常をより際立たせ、登場人物らの心理をより色濃く描いている。
 
 解説の小川隆先生によると、
このような作品を寓話小説(fabulist fiction)というのだそうだ。
 
p.373「ここでいう寓話とは、動物やものを擬人化して、
   そこに何らかの隠喩をこめ、教訓や洞察を含む何らかの寓意を伝えよう
   とする話というよりも、現実を写しただけでは描けない、目に見えにくい真実を
   描くために、空想的な設定を用いた話という程度のニュアンスだ。」
 
 描写が丁寧で、比喩も的確。
 それでいて、落としどころがちゃんとあるのが心地いい
  (すべてというわけでもないようだが)。
 
 終わったのか終わらないのかわからないような結末は、
どうにも落ち着かないので、個人的にうれしい。
 
 それとは関係なくこの作者、物語に絡む絡まないにかかわらず、
何かがだんだんに増えていくという話が好きなようだ。
 
千羽のインコのざわめきで終わる物語」ではインコが、
静寂の年」では、最初静寂、その後喧噪が、
ポケットからあふれてくる白い紙切れの物語」では、願い事が書かれた紙切れが、
 
 多くなっていく。
 
 一方のモチーフが「宇宙大作戦(スタートレック)」の
トリブルを連れた奥さん」でも、どんどん増えていく生物、トリブルが登場する。
                  (物語の中心には絡まないが) 
 
 この「トリブルを連れた奥さん」。最後の2行(?)が好きだ。
 
 もう一方のモチーフである「犬を連れた奥さん」の作者が
チェーホフであることを示しているのだが、
これを「宇宙大作戦」のあの人物が書いたのだとすると、視点的に面白い。
 
  どんどん増えていくといえば、拡散型のゲームブックもそうだ。
 物語がすすむにつれて並行するエピソードが次々に増えていく。
 作者がゲームブックを題材としたのも、そこに興味があったためかもしれない。
 
 
 
 というわけで、本題。
 

「<アドベンチャーゲームブック>
ループ・ゴールドバーク・マシンである人間の魂」
 
 アドベンチャーゲームブックと題されているが、ゲームではない
 これは、バンタム社などの
一般的なゲームブックの形式で書かれた作品といった程度の意味だろう。
 
 めまいに襲われた「あなた」が死ぬまでの数時間の日常が描かれる。
 
 家にいて本を読んだり、外出して店に入ったり、
 誰かと話したりする中で選択肢が発生する。
 超常的なことは特に起きない。

 主人公は「無色透明」ではなく、
思ったことや過去の経験などもどんどん出てくる。
本や音楽のタイトルとその感想まで書かれているが、
描写が丁寧で物語としてもしっかりしているため、特に気になることはない。
  
 そういう意味で、『石蹴り遊び』とも似ているのだが、悪印象はなかった。
 分岐に意味があるためだろう。
 
 どの分岐をたどったとしても、それぞれに主人公は考え、それぞれの人生を歩むのだ。
  
 
 移動型からみると、この作品は拡散収縮型にあたる。
 
 作中に示されているフローチャートは、こうだ。
 
ループ・ゴールドバーク・マシンである人間の魂
 

 
 本当に純粋な拡散型で、最後に行き着くまで、合流するパラグラフはない
 
 選択が違った行動が、あとでまったく同じ状態になることは本来不可能なので、
こういう形にしたのだろう。
(ゲームブックで合流ができるのは、描写その他に省略があるからだ)
  
 最後のパラグラフであるp.200は死の場面だ。
 普通のゲームブックでは、死はゲームエンドの意味しかないので、たとえば
ブレナンの14のように、1つのパラグラフに担わせていても、
移動型としては考慮しないのが普通(○○収縮型とは呼ばない)だが、
この作品では、最後は死に収斂する(加えて、「あなた」の死後に着地点となる話が
少し続く)ということに意味があると思われるので、拡散収縮型に分類する。
 
 
 作者の書くフローチャートの中心に、どこからも行けないパラグラフがあるが、
そこ(p.171)ではタイトルにある「ループ・ゴールドバーク・マシン」について
説明をしている。
 
 「インクレディブルマシーン」や「ピタゴラ装置」のようなものの、
大もとであり、総称らしい。
 
「人生そのものが一種のループ・ゴールドバーク・マシン、つまり、
 人の魂を構成するというきわめて簡単な仕事を実行しているきわめて複雑な装置」

だと考え、それに細やかな説明を加えている。

 あとのほうに「人生のあらゆる瞬間に変化があり」と書かれていことから考えると、
人生何が起こるか分からない、という意味合いよりも、人生の瞬間瞬間に意味がある、
ということにこそ力点が置かれているような気がする。
「ループ・ゴールドバーク・マシン」が瞬間の仕掛けにこそ楽しさがあるように。
 
 ただ、このようなテーマ的なものが書かれているとはいえ、
テーマのためだけに作者がこの作品を書いたとは思えない。
 ある一点から展開する、さまざまな日常、そこでの行動、心の動き。
それを描く為にこの作品を書いたのだろうし、
読む側も「ループ・ゴールドバーク・マシン」を見守るように、
それぞれの動きを楽しむべきだろう。
 
 
 ラスト(ちょっとネタバレになるが)は、ちょっと疑問が残る。

 数千年後、「あなた」の最後の数時間の記憶(つまり、この短編の部分)は、
取り出され展示されることになるが、
その記憶は、ここに書かれたすべてではなくて、
「あなた」が選び、経験した一本の記憶となるはずだが、それをどうとるか?
 
 正確に考えればそうだが、
シャンデリア状のフローチャートが書かれており、
そのすべてが作品として書かれていることを考えると、
全体が展示されていると考えた方が美しいし、たのしい。
 
 まぁ……。
 
 どちらととるかは、読者次第、好みということでいいのだろう。
 

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『ランサン作戦』柘植久慶
(日系企画出版局/1991/11)
ランサン作戦
一方向移動 拡散収縮型パラグラフ数221

 ゲームとはまったく関係ないのですが、
このゲームブックを手にしてまず目につくのが
巻末の広告でございます。
 
・ 柘植久慶の「ザ・護身術」
・ UFO原理と宇宙文明
・ 催眠術の神秘
・ 密教金剛舎利護身術
・ 不道徳催眠術講座
    モテモテの為の恋愛催眠術
    強くなる為の武道催眠術
・ 世界は日本人により平和となる
    日本人の使命
・ 般若心経の大予言 神理統一教会
    ついに世界唯一の神が出現した
・ 催眠蓮華密教の秘宝  
    ――神は「神理統一教」を人類に与えた――
 
 などと、護身術のビデオとか催眠術の本とか、あやしいタイトルが並びます。
 

 「使用道具の説明」も、なんかメモ書きをそのまま載せてしまったような……。
 
 ランサン作戦・使用道具
 
 その前の「はじめに」も、
わざわざマンガにするところではないような気もいたします。
 
 そこから、ブリーフィングをはさみながら、
部隊のメンバー紹介、使用武器、装備などが紹介されていくのですが、
ゲーム的に意味がないし、こちらも文章はメモ書きみたい
 
表紙には、「本文イラストは、細部にいたるまで忠実に実物を表現
と書かれてございますが……、マニアの方にはどうなんでしょうねぇ。
 
 とりあえず、編集の実力に疑問を抱くところでございます。
 
 さて、気を取り直しましょう。
 
ランサン」とは、
百万の象を意味する古いラオスの王朝の名だということでございます。
 
 時は、1970年代。ベトナム戦争のさなか。
 
「あなた」は特殊部隊の大尉として、11名の部下と現地人の案内人1名とともに、
ラオスの山岳地帯へ潜入するわけでございます。
 
 目標は敵補給基地
天然の洞窟を利用しているため、爆撃は不可能なのでございますな。そ
こで特殊部隊が潜入し爆破する、というわけでございます。
 
 途中には小規模の見張り所、Y-1、Y-2があり、
それもなんとかしなければなりません。
 
 考えられるルートは5つ
 そのどのルートを通っても、脱出できる可能性はある。
 
 一方向移動で、
 5つのルートがさらに選択で分かれ(拡散型)
目標達成後、脱出時にはパラグラフが合流する場合もある
(そうならないものもある)ので、拡散収縮型でございます。
 
 拡散型なので、1つのルートは短め。
ですが、集中してプレイすることを考えれば、このぐらいが適当かと存じます。
 
 
 さて、ここから、ネタバレを含むのでご用心。
 
 ベトナム戦争が題材なので、とにかく生き残るのが難しい。
 選択肢のうちどちらへ行ってもEND、なんて、
スティーブ・ジャクソンみたいなこともやっています。
 
 とにかく、アイテムとか拾っちゃダメ。
ちょうど都合いいとか思っても、それは確実にブービートラップです。
 そういえば、冒険記録紙のようなアイテムを記録しておく場所はありません。
 そういう点、ファンタジーに対するアンチテーゼなのかなとも思ったりして。
 
 見通しのよい小川や、ちょっと広い道はワナですし、
たばこや用便の臭いは、しっかり漏れないようにしておかなければなりません。
銃や爆弾を使えば、敵兵や戦車がやって来て戦闘が発生します。
 
 そんなわけでこのゲームブック、とにかく死にやすい。
 
「END」になっていなくても、
戦闘の結果、大尉(あなた)が死ねばそこでゲームオーバーですし、
メンバーはどんどん減っていきます
(減っていっても、ゲーム的には問題ないみたいですが)。
 
 逆に「END」は、全滅を意味するところもあるものの、
作戦失敗するも脱出だったり、作戦成功して脱出だったりするので、
「END」が多いからといって
一概に全滅しやすいとは言えないところが、レビューする身としてはつらいところ。
 
 ただし、そこでもたいていは戦闘があり、
大尉(あなた)が死んだり、脱出用のヘリが撃墜されれば全滅。
加えて生き残りが減る可能性もあります。
 
 ベトナム戦争ですから、生き残るのが困難なのも当然なのかも知れません。
 
 ただし、
 
 ここまで読んできて、つまらないゲームブックだと思われた方も
多いかもしれませんが、そんなことはございません。
 
 文章は読みやすく、
戦場に関する本を数多くものにされている作者でございますから、
そうした場所での行動や現実的な対応がよく描けております。
現実を舞台としているため選択肢に意味もあり、結果にも納得性がございます。
 
 トランプやサイコロを使わずとも、読み物として楽しめる。……。
 個人的には、そのほうが面白いと感じました。
 

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『王様と乞食』王様と乞食

スーパー頭脳集団アイデアファクトリー
(エキサイティング・ゲームブック17 
         桐原書店/1986/3)

 パラグラフ数200



 エキサイティング・ゲームブック
            シリーズ最終巻。
 
  
 ある日突然、
君は、トランプのジョーカーそっくりの奴に、
中世ヨーロッパのような国へ呼ばれてしまう。
プンラト王国なんてふざけた名前のそこは、
もっか「ニセの王」が支配していて、民衆の
心はすさむ一方だという。早く、「まことの
王」の後継者を見つけださなければいけない、
ということで白羽の矢を立てられたのが、君
なのだ。といって、行けばすぐ王様にしてく
れるわけではない。君は、自力で4つの
「王のしるし」を探して手に入れる必要がある。
 
            (背表紙のあらすじより)
 

  
 この文章から分かるとおり、
この物語はマーク・トゥエインの『王子と乞食』とはまったく関係ございません。
 
 トランプモチーフですが、大貧民も関係なし。
 
 プロローグを読み始めた段階では、
ジョーカーになって真の王様を探すのかなとも思ったのでございますが、
あらすじどおり、ジョーカーに指名されて
「きみ」が王様候補として、
現実世界から夢をとおして異世界に呼び出されたという趣向です。
 (でもそれだったら、表紙のトランプモチーフの王様はいやだなぁ……)
 
「きみ」の左手親指の爪には、白い星が浮き出て、
これが王様の印だというのでございますな。
 指の白い星は、幸運の印などと占いではいうみたいでございますから、
それにならったものでございましょう。
 
 ちなみに、ライバルなどはおりません。
ENDは、死ぬとか、乞食になるとか……。
現実世界に戻ってくるという発想はないようでございます。
 
 
 ゲームを終えてからはじめて気づいたのですが、
プロローグにはゲームのヒントがいくつか書かれております。
 
「まことの王」(以前の王様)の家臣は、湖・森・田園・乞食の国を領土としていた。
 ニセ王が君臨した今では、乞食や野良仕事をする村人に姿をやつしている。
 ニセ王は隣国の軍の力を借りている。
 四つの「王のしるし」を集めて城に乗り込めば。「ニセの王」は倒せる。
 
 などでございますな。
 
 
 ルールでございますが、

 エキサイティング・ゲームブックのルールの特徴として、
設定がものすごく凝っていることが挙げられますな。
 
凝っているんだけど、
実際にやっていることはファイティング・ファンタジーと大して変わらなかったり、
実際のルールはたいしたことなかったり、
こだわりが煩雑さになってゲーム的には面倒になっていたり……。
 
 このゲームブックでも、そう。
 
 ・Jokerの気分占い
 ・運勢点の決定
 ・カード戦
 ・吉凶占い
 ・行く先占いA
 ・行く先占いB
 
  と、ゲーム前にルールがあり、
  さらに本文中でも、

  ランプ売りの占いと、
  
  「王家の紋章」(ピラミッド)
 
  「王のしるし占い」(「とらわれの女王」というゲームらしい)
 
  そして最後の戦いは
  「四つの王国
   (「四人の仲間」というゲームらしい。
     フリーセルが交互に色を置いていくのに対し、
       これは同じスーツを置いていく。難しい……)と、
 
  3つのトランプの人遊びが登場します。
  
 トランプらしさいっぱい、といいたいところではございますが、
それぞれルールが違っていて、いちいち並べ直さないとならないのが面倒。
 
 バランスは……、というところで気がつきました。
 
このゲームブック、占いや戦闘によって運勢点が頻繁に上下するのですが、
運勢点を使うとか、運勢点が何点以上なら、というところが一切ない!! 
運勢点が0になったら死ぬとかいうルールもない!!
  
運勢点意味ないじゃん!! 
 
っていうことは、失敗すれば遠回りになるけれど、
途中いくつかあるENDに捕まらなければ、何とかなるっていうこと?
 
 ゲームブックとしては、それでいいと思います。
 何度も同じ場所に行くなどして時間を使うこと自体がペナルティになるわけですから。
 
 でも、ルールとしては……、ねぇ。
 
 一人遊びの部分は、「四つの王国」などゲーム的には難しいものもございますが、
制限時間が設けられていますので、その制限時間内に完成すればいい、
ということなのだと思います。
 
 そう考えれば、それほど難しくはないのでは?
 
 
 
 物語の流れは、この手のゲームブックとしては、オーソドックス

「町」「田園」「ぶどう園」「乞食村」「森」「湖」といったところをまわり
(「となりの国」に行く場合もあります)、王のしるしを集めて「城」へ入場。
「ニセの王」との対決となります。
 
 王の四つのしるしは、「剣」「聖杯」「金貨」「木の棒」
言うまでもなく、トランプの各シンボルの元の姿です。
 これらをまことの王の臣下から受けとるわけでございます。
 (以下、ネタバレ)

 「乞食村の老人」(♢・金貨1枚)
 「錬金術師」(♤・鉄の剣)
 「クワを持つ農夫」(♧・木の棒)
 「ジプシーの長老」(♡・聖杯)
 
 金貨は、お城の前の商人のランプと交換いたします
 
 で、入城となるわけですが、木の棒は運がよければ要らない、
剣は選択によっては要らない……。
もしかすると、「ニセの王」が自害するときに短剣を使っているので、
こで何かあったのかもしれませんが、
ルール的には持っていなくても、200に行くことは可能のようでございます。
 
 
 一方向移動型ですが、
町や村から出るときに他の場所へ行く選択が3つほど出るので、
行きそびれた場所に何度でも行くことが出来ます。
 
 ストーリー的には、
となりの国に行って作戦を聞いてきたり、乞食村の娘と結婚したり、
イベントも変化に富んでいて、意外に面白い
(娘と結婚した後思い直して元に戻るのは、時間的に大丈夫か、
 とか気になるところでございますが)。
 

 まぁ、オーソドックスな出来と申せましょう。
 
 
ちなみに「ニセの王」は隠し部屋で自害をしてしまうので
               直接対決することはございません)
 

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 『モンスター事典 ー奈落の底からー
 アドバンスト・ファイティング・ファンタジーの怪物たち』
 スティーブ・ジャクソン&イアン・リビングストン
   編著:マーク・ガスコイン
   (グループSNE/新元号元年2月
    /"OUT OF THE PIT FIGHTING FANTASY MONSTERS"/MAY 2011)

 
モンスター事典
 
 この本をお求めになられる多くのかたは、
中を見ることができない状態で買うと思われます。

 そこで、検討の際に知っておいた方がよさそうなことを
あとがき」から抜き出してみましょう。
 
 
☆ この本の元になった作品は
   『モンスター事典』として社会思想社からすでに出版されている。
 
 扱われるモンスターは、
 
『火吹山の魔法使い』
『バルサスの要塞』
『運命の森』
『盗賊都市』
『死のワナの地下迷宮』
『トカゲ王の島』
『雪の魔女の洞窟』
『地獄の館』
『恐怖の神殿』
『魔法使いの丘』
『城塞都市カーレ』
『七匹の大蛇』
『王たちの冠』
『ファイティングファンタジー』
  「願いの井戸」
  「シャグラッドの危険な迷路」
 
 のもの。
 
 登場するモンターの数は、206種類。
(裏表紙で「250種類にもおよぶ」と書かれているのは、
             数え方の違いなのでございましょう)
 
 データなど内容は、社会思想社の『モンスター事典』ほとんど変わっていない
 
 縦書きを横書きに改め、多くのモンスター名を現代に合わせて変更した。
 
 続編として『超・モンスター事典ー奈落の彼方にー』があり、
  それも近々お届けできればと考えている。
 
 

 
 ようするに社会思想社版と大して変わらないということでございますな。
 
 ちなみに申しそえておきますと、社会思想社版にあった
4枚のカラー口絵は、今回なくなっております
 
 データに関して申しますれば、「攻撃度数」が「攻撃体数」に改められておりますな。
データの解説をしているp.16(旧p.23)をみると、
一ぺんに攻撃できる相手の最大数ということなので、
確かに「体数」のほうがわかりやすい
 
 あと、「出典」という項目が加えられましたが、
こっちはイラストの初出というだけなので、あまり役には立ちません。
 読む方としては、イラストに関わりなく、どこに出てきたかが知りたいというのに。
 
 それもできれば、上に挙げられた本を越えてでございます。
 サイ男とかクロウ・ビースト(鉤爪獣)などは、
モンスター誕生』でも印象的な登場をいたしましたからねぇ。

 どんなモンスターがどういうところでどういう風に出現したかは、
シナリオ制作の参考になりましょうに……。
 
 索引に、モンスターとゲームブックの対応表とその逆引きとかがあったら
うれしかったところでございますが……。
 
 この本を作るのにマニアックな方が関わっていなかった、
ということでございましょうか。
 
 
 さて、
 
 
 ここまででは、
内容は社会思想社版とほぼ変わらないので、
旧版を持っている人は特に買わなくていい。
でも、そういう人が記念に買うのでしょうなぁ……。
 
 という結論になるところでございますが、
まだ1つ、肝心なことが抜け落ちております。
 
 そう、でございますな。
 
 新版は後出しだから、
旧版より正確になっているのだろうけれど、
浅羽先生の訳でいいんじゃないかなぁ……。
 とお思いになっていらっしゃる方も多いと思います。
 
 比べてみましょう
 
 どの項目でもいいのでございますが、比較的短いので……。

 イノシシ年ですからイノシシにいたしましょう。
 

 旧版では、このようになっております。
 
「イノシシは美味な肉と毛皮ゆえに北アランシア各地で狩られる。
 外見はもつれた短毛の房におおわれた大きな豚に似る。
 粗暴で好戦的な獣であり、危険を感じると逃げずに牙を用いて狂ったように闘う。
 一頭の雄と体の小さい数頭の雌がいる場合は
 雄がその場にとどまって防戦しているあいだに他は下生えの中に逃げ込む。
 手ごろな大きさのイノシシの毛皮と肉は、どこの村や町の市場でも金貨数枚で売れる。」
 
 新版ではこう。
 
「イノシシはアランシア北部の多くの地域で、極上の肉と毛皮のために狩られている。
 短い茶色の絡まりあった毛に覆われ、巨大な豚のような姿をしている。
 粗野で攻撃的な獣であり、
 脅威にさらされると狂ったように凶暴な牙で立ち向かってくる。
 ときには1匹のオスと小さめのメス数匹に遭遇するときもある。
 こうした際、オスは立ちふさがって他の個体がしげみの中へ逃げ込む時間を稼ぐ。
 普通の大きさのイノシシの肉と毛皮はどんな村や町の市場でも金貨数枚で取引される。」
 
 
 新訳のほうが、ハッキリとして、わかりやすくなったことはおわかりでございましょう。
 受けるイメージも、変わってまいりますな
 (どちらがいいかは好みでございましょうが……)
 
 そんなわけで、
 社会思想社版を持っている方は、読み比べてみるのも楽しいかと存じます。
 
 何か発見があるかもしれませんし、シナリオに組み込む際にも、
 両者の違いが新しいアイデアを生むかも知れません。
 

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羊を数えて眠る本
といっしょに、
 
清水図書館閉架書庫から
借りてきたゲームブックは、
以下の2冊でございます。
 
『ランサン作戦』柘植久慶
(日系企画出版局/1991/11)
 
『王様と乞食』
スーパー頭脳集団
アイデアファクトリー
(エキサイティング・
ゲームブック17
 桐原書店/1986/3)
 
 ともに「清水のみ」となっておりました。
 
 検索ではほかに「にゃんたん」とか「ねこまる」とか、児童書が数冊ございましたが、
そちらは守備範囲ではないので借りては来ませんでした
(借りてないので、何だったかはうろ覚え。閉架かどうかもわかりません)
 
 むかしは、双葉文庫のゲームブックが何冊もあったのでございますが、
そういうのはすべて処分されたようでございます。
中河竜都先生の『竜の血を継ぐもの』もなくなっているみたい。
 
 ああ……。
 
 こういうの処分するぐらいなら、
XPや7時代のコンピュータの解説本とか処分すればいいのに……、
などと思いたくなるところでございます。
 それとこれとは別問題なんでしようが……。
  
 
 この2冊が生き残ったのは、
ランサン作戦』は、柘植久慶先生のネームバリューでございましょう。
ゲームブックだと認識されていなかったとも考えられます。
 
王様と乞食』の場合は、『王子と乞食』の関連本と思われたのでございましょうか?
  
 擬態、でございますな。
生物として生き残るのに有効な手段でございます。
 
 
 とりあえず、
  「いつまでもあると思うな、図書館のゲームブック
                       ですな。
 
  ご注意あれ、でございます。
 

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『ヨギ・ガンジーの妖術』
泡坂妻夫
昭和62年1月

『しあわせの書 迷探偵ヨギ・ガンジーの心霊術』
昭和62年7月

『生者と死者 酩探偵ヨギ・ガンジーの探偵術』
平成6年11月

     以上、新潮文庫

文藝別冊 総特集
『泡坂妻夫 からくりを愛した男』
KAWADE夢ムック(2015/2)
 
 
 
 
 

泡坂妻夫先生の作品は、
亜愛一郎」シリーズを図書館で借りて読んだことがあるはずなのでございますが、
それほど印象に残ってはおりません。
 それなのに、3月1日の記事に書いたとおり、
岡和田先生は、「ヨギ・ガンジー」を挙げていらっしゃる。

 なぜなのだろう、と思ったので買ってまいりました、
ヨギ・ガンジー」のシリーズ。ついでに、文藝別冊の「泡坂妻夫」も。
 
 で、『ヨギ・ガンジーの妖術』を読んで、なぜ印象に残らなかったかが分かりました。

 手品を見ているよう、とどこかの解説で書いてございましたが、
確かにそうなのでございますな。その意味で独特なのでございますが、それ以上ではない。
 
 
しあわせの書』もそうでございました。
この本を使って手品ができる」という仕掛けはすごい。
書いているときのことを考えれば、さらにその大変さが感じられるのでございますが、
それが直接推理に絡んでくるわけではないので、
推理小説として一頭地を抜けてすごいとは感じられなかったのでございます。
 
 
 一方、『生者と死者』は、素直にすごいと感じられる作品でございました。
この本は、本屋さんで手に取った段階で、普通の本との違いが分かります。
 この本はアンカット装となっておりまして、
1~16、17~32と、16ページごとの袋とじになっております。
 
 で、そのまま読むと短編小説
アンカットの部分を切り開いて読むと、長編小説として楽しめるというのでございますな。
 

 短編のほうは、なんとなくふわふわとした物語。
 中村千秋さんという記憶喪失の青年が、予知というか透視というか、
そんなものを使って殺人事件をあてるのでございますが、まぁ、それだけ。
謎解きもなく、最後、千秋さんは、記憶の一部を取り戻したらしく、
どこかへ行ってしまうのです。
 
 余韻もあり、普通小説として完結しているとは言え、
推理小説を期待していると落ち着かない感じなのでございます。
 ヨギ・ガンジー先生も出てまいりません。
 
 
 それが、アンカットの部分を開いていくと……。
 
 とにかくね。変わり方がすごいのでございますよ。
 最初の袋とじの部分については避けますが、
その次、短編の場合の最初の見開きの、すぐ次のページでございますな。
 
 短編では、
中村千秋は美/青年であった」(/のところでページが変わっております)
となっていたところが、
中村千秋は美/しい女性には違いなかった」と性別が変わってしまっている!
 
 この人中心人物ですよ。それがこれですもの。
 
 その後も、場所や意味合いがぜんぜん変わっちゃうところがあり、
短編のためのタイトル、「消える短編小説」のとおり、
もとの話がどんなのだったか分からなくなってしまう。
 
 もちろん、短編部分の文章は、
15ページごとに見開きで入ってくるわけでございますから、
固有名詞をはじめ、変えられない部分はありますが、だからこそすごいアクロバット
 特に、先ほど上げましたように、ページの変わり目の部分がすごいですな。
そこを注意して読むと、けっこう楽しめます。
 
 ですからアンカットを切る用とそのままにしておく用、
なるべくなら2冊買っておくことをおすすめ。いや必須と申していいかもしれません。
 
 とにかく、この作品も労作でございます。
しかも、『しあわせの書』とは違い、
その労苦が、物語に活かされているのがよろしゅうございますな。
 
 先日、うろ覚えながらも『石蹴り遊び』を取り上げたのも、
この作品について書きたかったからでございます。
 
 やはり、こうした凝ったことをやる以上、
そこに凝った意味合いが欲しいとわたくしは思ってしまうのでございます。
  
 
 コピー誌などを作る場合、袋とじにしちゃったほうが楽だったりしますから、
こういうことを考えたかたはいると思います。
 
 パズルの解答やフローチャートを袋とじ部分に置いておこうとか、
肝心のパラグラフは、ページを開かないと見ることができないようにしておこうとか。
 
 ですが、開くとまったく違った物語になるなんて……。
 思いつくまでは行くかもしれませんが、実際に作るとなると……。
 本当に労作だと思います。

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『宿命の交わる城』イタロ・カルヴィーノ
 

これも、以前読んだ感想で。
たしか知ったのは、スターログ誌の紹介記事だったかな?
 
これも期待が大きかったために、あまり印象に残っていない作品でございます。
 
 タロットカードによる物語生成と聞いたので、
 
 物語の断片が書かれていて、開いたカードに対応したその断片を読むことによって
自然と物語が形作られていくというようなものかと思ったのでございますが、
 そうではなくて、作者がタロットカードを開いていって、
それにしたがって物語を書いていくという形式でございます。
  
 それでしたら、
『鏡の国のアリス』のチェスの形式にしたがって進行する(ただし、
実際の対局ではあり得ない形らしいです)というものが先行してございますし、
何よりタロット占いそのものが、
カードによって運命を物語り化するものでございますから、
それほどの新味はないように感じたのでございます。
 
 それに、物語がもうろうとしていて、それほど構築的ではない。
『冬の夜ひとりの旅人が』の解説だったかな? 
それがこの作品の狙いだというようなことが書いてあったような気もいたしますが、
となると、求めていたものが違ったということになりますな。
 
 本来なら構築的になるはずのないカードの導くままに進行する物語を、
カルヴィーノならきれいにまとめ上げてくれると
思って読んだのでございますから。
 しかも、最初に書いたように、
読者がどんな順にカードを開いても、それなりの物語が作られるような……。
  
 やはり、カルヴィーノと申しますれば、『不在の騎士』。
 あの、2つだったか3つだったかの物語が、最後に来てみごとにまとまり、
美しい大団円を迎える……。
 そのような物語を期待してしまいますからな。
 
 
 ところで、物語生成系のカードゲームと申すは、いくつか出ていると思います。
 
 わたくしは、ホビーベース/イエローサブマリンから日本語版が出ている
『ワンス・アポン・ア・タイム』ぐらいしか手にしておりませんが、
どうなのでございましょうかねぇ。
 
 もっともっと可能性があるような気もするのでございますが……。

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