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2024/04/28 「オタク用語は非日常の世界を描くためか、そこにはまりこむためか、日常生活にかかわる用語(たとえば衣食住・乗り物。店など)がないのが大きな特徴である。その他、表記を変えた当て字が多い」(『俗語百科事典』米川明彦:著(朝倉書店/2021/7)。うーん、確かに。って思ったけれど、あたりまえのような気も……。
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『宿命の交わる城』イタロ・カルヴィーノ
 

これも、以前読んだ感想で。
たしか知ったのは、スターログ誌の紹介記事だったかな?
 
これも期待が大きかったために、あまり印象に残っていない作品でございます。
 
 タロットカードによる物語生成と聞いたので、
 
 物語の断片が書かれていて、開いたカードに対応したその断片を読むことによって
自然と物語が形作られていくというようなものかと思ったのでございますが、
 そうではなくて、作者がタロットカードを開いていって、
それにしたがって物語を書いていくという形式でございます。
  
 それでしたら、
『鏡の国のアリス』のチェスの形式にしたがって進行する(ただし、
実際の対局ではあり得ない形らしいです)というものが先行してございますし、
何よりタロット占いそのものが、
カードによって運命を物語り化するものでございますから、
それほどの新味はないように感じたのでございます。
 
 それに、物語がもうろうとしていて、それほど構築的ではない。
『冬の夜ひとりの旅人が』の解説だったかな? 
それがこの作品の狙いだというようなことが書いてあったような気もいたしますが、
となると、求めていたものが違ったということになりますな。
 
 本来なら構築的になるはずのないカードの導くままに進行する物語を、
カルヴィーノならきれいにまとめ上げてくれると
思って読んだのでございますから。
 しかも、最初に書いたように、
読者がどんな順にカードを開いても、それなりの物語が作られるような……。
  
 やはり、カルヴィーノと申しますれば、『不在の騎士』。
 あの、2つだったか3つだったかの物語が、最後に来てみごとにまとまり、
美しい大団円を迎える……。
 そのような物語を期待してしまいますからな。
 
 
 ところで、物語生成系のカードゲームと申すは、いくつか出ていると思います。
 
 わたくしは、ホビーベース/イエローサブマリンから日本語版が出ている
『ワンス・アポン・ア・タイム』ぐらいしか手にしておりませんが、
どうなのでございましょうかねぇ。
 
 もっともっと可能性があるような気もするのでございますが……。

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