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2024/04/30 今月に入ってお歌の動画をあまり見なくなったなー。あれは日本に対する海外の評判につられてYouTubeのおすすめに入ってきたものだし、そもそも変な歌しか聴かないものなぁ。で、変なお歌って一定数はあるけれど、そんなにあるものではないしなぁ。  日本に対する海外の評判に関しては、いろいろ書きたいこともございましたが、時機を逸したと申しますか、自分の中でのタイミングを逃したと申しますか。結構長くなってしまうのですよね。タイトル下には収まらないですし、では本文で腰を入れて書くことかと申しますと、どんどんブログのテーマから外れてしまうと申しますか……。まぁ、それはあまり考えてはいないのですが、ちょっとは、ね。
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リヴィジョンズ3』
木村航 原作:S・F・S
(2019/3/ハヤカワ文庫JA)
 

リヴィジョンズ 

 

 多元世界的な時間ものなのでしかたがないのでございますが、
最後の方話が大きくなり過ぎちゃって苦手~。
 
 ウビークェ……、えっと汎在者でしたっけ? 氾在者?

 悟らないまま解脱しちゃったような感じで、どういうわけか
むかしのすごろくゲーム「たんば」が浮かんでまいりました。
 
 やったことはございませんがあのゲーム、
あがりまでいったプレイヤーが、ほかのプレイヤーにほどこしができますでしょ? 
 あれは、悟って解脱でございますし、こっちは施しではなくトラブルのタネ。
まったくの逆ではございますが、それが思い浮かんできてしまって……。
 
 ロボットものといたしましては、
敵陣営の内部分裂はある種のお約束ではございますが。
 ニコラス・慶作さんがシャア・アズナブルさんに思えてきたりしたのは、
わたくしだけでございましょうか?
生まれながらの運命によって踏みにじられるしかなかった一生を
 自分の手の中に奪い返すための戦い」(p.352)と……
 目の上のこぶとなったものに対する心情……。
 完全に同じとはまいりませんが、まぁ、似ておりますな。
 ニュータイプ能力を手に入れていたらシャアさんも、
あんな感じで戦っていたんじゃないかなぁ。
(アニメのほうではぜんぜんそんな感じはいたしませんでしたが)
 
 p.192の「外見が異なる(醜さ)」のあたりでは、
マンガ『エヴァンゲリオン』のラストを思い出しました。
あれも、シンジ君が理性的に選び取ったというよりも、
外見で決めたような気がいたしますものねぇ。
もっとも、あれはシンジ君の選択を心情的にわかりやすいように描いた
マンガ的な手法とも言えなくはございませんが。
 
 クライマックスは人称がややこしい……
 ただしこれは、小説だからこそ。
アニメイションでは、違った表現になるでしょう。
小説でなければできない表現でございます。
 
SFマガジン」2019/4 vol.60 no.732の書評には『リヴィジョンズ1』について、
「本編のストーリーに沿ったのヴェライズの第一弾。
 先に読んでもあとに読んでも楽しめる」と書かれておりました(p.150)。
 
 一巻の時点では。まぁそう書く以外にはございませんでしょう。
 
 ですが、これは小説なのでございますから、むしろそれとは逆、
アニメでは描くことのできない部分を味わうべきでございましょうな。
 
 におい でございますとか、空気感でございますとか、
描写の妙、表現の美しさ、画面には現れない登場人物の細かな心理……、
まぁ、そんな部分でございましょうか。
 
 アニメの脚本を担当なさっている茗荷屋甚六先生が、
そのあたりをどう扱っているかは、わたくしのあづかり知らぬところではございますが。
 
 
 それを含めまして、この作品、
ノベライズではありながら、木村航先生の集大成という感がございます。
 
  と申し上げたら、先生は気分を悪くするのかなぁ……。
 
 わたくしの読ませていただいたかぎりは、
『しおかぜ荘の震災』(2013/双葉社)、
『パラプラ学園』(2015/スニーカー文庫)あたりまででございますが、
今回の『リヴィジョンズ』は、外枠を他の人が? あるいは共同で
作ったことによって、
その中で思いっきりの実力を発揮できたという感じがするのでございますよね。
 
 前掲2作は、後期宮崎アニメ的と申しますのかな、
構築を薄くして登場人物にゆだね、
それでいて作者のまなざしが感じられるものだったと思うのでございますが
(航先生が見ていないと思って勝手なこと言っているなー)、
今回は、かなり構築的。
 
 それが、つまり次々と起きる内的外的な事件が、
登場人物の性格や行動をくっきりと際立たせ、
先生の筆力、これまでにつちかった持つべき力を
存分に発揮していると思うのでございます。
 
 ラスト

 実は、最後のページは、後書きでも書いてあるんじゃないかなぁ、
と、最初に見てしまったのでございます。
 
 で、なるほど、最後はこう締めるのか……。
 と、独り合点をしたのでございますが……、
読了したら、その意味は、全然違っておりました。
 
 でも、これはどういうこと?
 破滅がやってくるということなのでございましょうが、
 小説内で起こった出来事によって、また違った未来の可能性ができたということ?

 どうなるのでございましょう?
 

 ジャンル分けは、あまり意味がないかもしれませんが、
 系統といたしましては、
 ライトノベルではなく、ジュヴナイルでございましょうな。
 「お前ならどうする」と、テーマを突きつけてくる感じが、そう。

 それを緻密にし、進化させた形、と思う次第でございます。
 


 長々と書いてしまいましたが、本当に言いたいのは一つだけ。
 あらすじをなぞっただけのような、
 単なるアニメのノベライズではないということでございます。
 それたけは心に留めておいてくださいませ。
 
 
 
 
追記:アニメ11話はこれを書いたあとで見ました。
   読み落としていた部分などございましたので、
   その後本文修正を加えた箇所もございます。
 
   アニメはわかりやすいように
   セリフや表現を変えてあるような気がいたしますな。
   で、見落としていたところに気づかされたり……。
   両方で違いを比べてみるのもよろしいかと……。

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