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2024/09/21 ところで「豹」は訓読みで何と読むかご存じですか? 答は「なかつかみ」。まぁ、読めっこない。 なんでも陰陽道で方位を司る八将神(はっしょうじん)という神さまたちがおられるのでございますが、その中の一柱が計都星を司る豹尾神(ひょうびしん)。この神さまが八将神の中央に位置するため「なかつかみ」というのだそうな。どうまん中かと調べてみますと、八柱を円に並ばせた場合の真下みたいですな。 ただし方角的には常に変わっているので、別に南と結びついているわけではないようでございます (そもそも北を上とするようになったのは、大航海時代みたいでございますしね)。「なかつかみ」は『日本書紀』にも登場する古い言葉でございます。もっとも、尾とあわせて出てきているので、当時の方はこの八将神からしか豹のことを知らなかったかもしれませんし、尻尾しか見たことなかったのかも。
[32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42]

ひゃひゃひゃひゃひゃ、道化の真実にございます。



NTTが押し売りに来たものでございますから、その口車に乗せられて、ついつい買って



しまいましたよ、光。ついでなので、パソコンの方も揃えてみたというわけでございます。



前のパソコンは、3ヶ月ぐらいで、ブルースクリーンが出て、その後何回も……。保証期間ギリギリで、メーカーに修理に出したら、「問題は見当たりませんでした」とかで、ハードディスクだけ交換されて、戻ってきたのですな。パソコンはていねいにあつかいましょう、みたいな言葉が添えられて……。ほとんど動かしたりしなかったというのに。



 その後もブルースクリーンは何回も出て……。プロは別とした経験者にはわかってもらえると思うのでございますが、アレはまったくいやになるものでございますな。



 というわけで、今回、パソコン選定の基準としたのは、とにかく壊れないということ。



(まあ、誰でも条件のひとつとして挙げる条件とは存じますが)



で、日本の工場で作っているという、富士通製、SSDのノジマオリジナルというのを買ってみたのでございます。



 でも、ちょっと後悔。カタログを見なかったのでわからなかったのですが(買うとき1枚のチラシみたいのはもらいました)、こいつ、春パソコンのハードディスクをSSDに変えただけのものみたいなのですな。ちょっとがっかり。



 あとタッチパネルは、やっぱりほしかったなぁ……。



 



 で、光が通じたのでブログのほうを見てみたら、1年以上更新がないということで、広告が……。それは、忍びないので、こうして書き込んでみた次第でございます。



 



というわけで、よろしくお願い御申し上げます。



                    じゃあね~



                        ば~い、道化の真実。



 


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2009/8/2  今日の記事にも書いておきましたが、引用とか色はわたくしによります。
       特に断りが入っていなければ、このブログでは基本的にそうだとお考えください。
       でございます。

2009/8/4
 戦わないきみの詩(うた)を  
       戦うやつらが嗤(わら)うだろう

2009/8/9
 『世界のSF文学総解説』(伊藤典夫責任編集・自由国民社 1981/12)では(p.293)、
       『オデュセイア』、聖書、ルキアノス、ラブレー、トマス・モア、フランシス・ベーコン、
       ゴシック小説、『古事記』、『竹取物語』などをSF以前の「人類の夢と空想の書」の例
       として挙げておりますな。
       SF以前というのは、科学や応用科学が存在する以前という意味にございます。

2009/8/10 「こちら株式会社ブロッコリーカードゲーム部カードゲーム課」 
        (http://www.broccoli.co.jp/cardgame/)というブログの
        8月10日の日記によりますと、
        JGC2009(2009年9月4日(金)~9月6日(日))において、
        ゲームブックDS ソード・ワールド2.0体験会が行なわれるそうでございますな。
        「発売前ですが世界最速?」ということでございますから、発売はそれ以降、
        ということにあいなりましょうな。う~む。

(9月1日現在の予定では、2009年10月29日(木)発売予定だそうでございます)

2009/8/12  来た!! 今日の日記に「出ることは確実のよう」と書きましたが、さっそく出ておりました、
        鹿島勝先生のゲームブック『嗤う黒猫』パラグラフ数263で、
        パズルなど遊びの要素もちゃんとあるしっかりしたゲームブックのようでございます。
        (正式な情報は、今日の日記記事をご参照くださいませ)
        ただ、「名探偵コナン」の名が冠せられておりますものの、
        別にコナンじゃなくてもいい内容という感じなので、コナンファンはがっかりかも? 

2009/8/13 え~っ!! 今度はこれらしい。
        『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』
       
水城 正太郎 他 (著), 築地 俊彦 (著), 畑 健二郎 (イラスト)  (ガガガ文庫/小学館)。
        発売日は 2009/8/18。 すぐじゃないか!! コナンに続いて、立て続けにどうして? 
        小学館つながり?

2009/8/18 『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』買ってまいりました。
        何か、パラパラッと見てしまいますな。
        パラグラフ数74と少な目ですが、楽しそう。
        絵を描かせたり、14が復活のパラグラフだったりするのは、
        ブレナン作品へのオマージュ?
        あと、このタイトルでぐぐっていたら、氷川へきる先生のブログにあたりました。
        それによると、11月27日発売の『ぱにぽに単行本』13巻の特装版は、
        ゲームブック付き! なのだそうでございます。
        楽しみでございますな。……でもなんで14巻じゃないんだろ?
        (仮タイトルは、他のサイトに書いてございました。
         「ベッキーのだいぼうけん」(仮)だそうでございます)

2009/8/20 先日、とある工場の前を通りかかりましたら、休憩時間だったのでございましょうな。
        体の大きな方が7人ぐらい、地べたに座りこんで、DSをやっておりました。
        ガッツポーズをとっている人がいたので、
        レースか何か対戦ものだったのでございましょう。
        う~む、何か、ほほえましいと申しますか、笑える~。

2009/8/21 あす8月22日は、今月最終土曜日。
        ゲームブックなチャットのほうに参加するつもりですので、
        ブログの方はお休みの予定でございます。
             …… ……。
        あっ、しまった。最終週は来週だった!!
        訂正:来週の土曜日参加の予定です。ごめんなさい。

2009/8/24 ゲームブック倉庫番、プレビューを見ただけで、書き込んだつもりになってしまった。
        考えてみると、パスワード入れた覚えがないや。
        というわけで、あらためて書き込んでおきました。
        二度手間……。

2009/8/25 国会図書館の本を、
        インターネット経由で有料で読めるようにする案というのがあるそうでございますな。
        そうなれば、あんなゲームブックや  こんなゲームブックも……。
        心配なのは、未知のゲームブックは探せないかも、ということ。
        いい検索システムをつけてくれればよろしいのでございますが……。
        そうなりますれば、新発見の可能性もございますな。

2009/8/27 『仮想儀礼』。きのう図書館に返して、今日また借りることが出来ました。
        どうやら、予約とかは入っていなかったみたいです。
        「『嗤う黒猫』殺人事件」のほうは、もう少し時間が必要です。
        というか、こっちを読んでいたせいで、全然といっていいほどやっていない……。

2009/8/29 ゲームブックなチャットに参加……しようと思ったら、
        「ご使用の環境からのメッセージ送信は制限されています」って出た……。
          う~む。
        どうなっているんだろう?
2009/8/29 ゲームブックなチャット参加中

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
2009/8
メディアファクトリー

 



 山口プリンさまのサイト、「ぷりん部屋」
「冒険記録日誌」、2009年08月25日(火)の記事で、
『名探偵コナン 「嗤う黒猫」殺人事件』のことが採りあげられております。
 そこで書かれていることがまさに、このゲームブックをこのブログで採りあげたとき、
書こうと思ってついつい書きそびれてしまったことだったので、ここで書かせてもらいます。

 まず、
 江戸川コナン少年が、メインとして登場していない点について。

 これがこのゲームブックの最大の問題点ではございましょう。

 ただ、以前、
『VS.名探偵コナン・プレイングミステリー 「ゲームブック殺人事件」』
 齋藤高吉/冒険企画局(メディアファクトリー)
というタイトルで予告が上がっていたときから、謎だったのでございますよね。

 かなりアクの強いTRPGを発表している齋藤高吉先生が、
メジャーなキャラクターをどう扱うのだろう? と。
[END]がバンバン出てくるようなゲームブックになるんじゃないだろうか? ですとかね
(それはそれで、ゲームブックらしい……ですが、
読者(プレイヤー)に受け入れられないでしょうな)


 ですから、このような形になったのは、わたくしとしては、なるほど、といった感じでございました。

 作品のみで考えれば、これは、
『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』をねらったものでございましょう。

 つまり、シャーロック・ホームズにしろコナンにしろ天才なので、
推理を間違えたり、ヘマは出来ないので、プレイヤー・キャラクターにはなれませぬ。
 かといって、脇に入れても、先を越されてしまってプレイヤーとしては面白くございません。

 というわけで、解決編におもむろに登場、とあいなったのでございましょう。

 と申しましても、これは建前で、
ホントは、こういうゲームブックを作りたくて、あるいは、もうすでに作ってあって、
単体では売れないので、『名探偵コナン』という衣をかぷせたという感じが、
ひしひしとございますが……。

 あと、齋藤先生は『名探偵コナン カード探偵団~』にもかかわっているそうなので、
そちらとの関連で、こういう形式が不自然ではないのかもしれませんが……。
 そっちのほうは、全然知らないので、滅多なことは申さないでおきましょう。

 個人的には、ゲームブックして楽しめました。
 コナンが活躍するゲームブックもプレイしてみたいですが。
『ルパンⅢ世』のように、シリーズ化してくれるといいのですけどね。
 あれ、シリーズといいながら、一作ごとに作風やシステムが全然違いましたもの。
 ……。
 でも、それなら『コナン』じゃなくて『まじっく快斗』のほうが、いいのかな?

「パズル部分がゲームブックのストーリーとあまり融合していない」
というのは、冒険企画局のこのごろのTRPGが、こういう形なんですよね。
たとえば『サタスペ』には情報収集ルールがあって、
いろいろな場所を探さなくても、判定を何段階か成功させることによって、
そうしたことをして情報を得たという表現をしているのでございますな
(もちろん、このルールは使わなくてもいいのでございますが)

 まあ、情報収集部分は、作る側にも面倒ですし、
情報が集められなくてシナリオが停滞したり、空転してしまうのでは目も当てられませぬからな。
 そのかわりに、情報収集をゲームにしてしまったのでございましょうが、

このゲームブックにおけるパズルも、そうしたものだと思います。
 ここではパズルは、あることをひらめいたどうかに使われていることが多いと存じますが、
ひらめきというものは表現するのに難しいもの。
 それをパズルとして表現したということではございませんでしょうか。

 あと、ゲームブックは遊びの本であると思うわけでございますよ。
 ブレナンの書でも、東京創元社のゲームブックでも、パズル入っておりますよな。
 ゲームブックを作るにあたって、そういう楽しさも取り入れたいと思ったのではございませんでしょうか?

 ケータイサイトに関しては、あくまでオマケ要素でございましょう。
 (前出の『名探偵コナン カード探偵団~』と同じサイトだそうでございますし)
 本として完結していなければ、サギ呼ばわりされてしまいますからな。

 ただ、一時期タイトルにARPと銘打たれていたことを考えますと、
構想的には、と申しますか、完全に自由に出来るのでしたら、もっと壮大な計画があったのかもしれませぬ。
 パズルの正解を入力すると、コナン君がゲームを進めるために必要な情報を教えたり、
「○○へ行って◇◇に書かれた文を読め」などと指示を受けたり……、
というような、ライブRPG的なことをやりたかったのかも……。

 もしそうでしたら、作品の中にコナン君がいなくても納得できると思うのでございますよ。
重要な役割を果たしているのでございますからな。

 まぁ、実現は難しゅうございましょうけどね。

 追記にあったヒントに関しては、
○○○パラグラフを使ったヒントというのは評価するとして、
ヒントとしてはあいまいに感じました。

2人を特定は出来ましたが、もう少しはっきりとしたヒントがほしかったなぁ、
というところでございます。
 わたくしの考えが足りないと申せばそれまででございますが。

 まあ、甘くみてしまえばどこまでも甘くなってしまうものですし、辛くみればその逆となりましょう。
 わたくしはこのゲームブック、楽しくプレイできました。

 これが、ゲームブックでなくて推理小説にパズルがついたものだったら……、スルーしていたでしょうな。
 いずれにせよ、そういうものよりは、ゲームブックのほうが多分楽しめたと思います。
 そんなには感じませんでしたが、ある程度一本道になっているのでしたら、
それはそれで仕方がございますまい。
 以前書いたような気もいたしますが、
 推理もののゲームブックの場合、推理に必要な情報をすべてプレイヤーに伝えなくてはならない都合上、
どうしてもルートが制限されてしまうのでございます。
(逆に、『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』のようにちりばめられた情報を集めていく、
という方法もございますが、それはそれで、難度が高くなってしまうかと……)

 ただ、わたくしにもこの作品に関して、苦言を申しあげたいことが、2つほどございます。

 ひとつは、「この本のなかで書かれていた殺人事件と酷似していたのです」
と書かれているものの、そんなに似ているようには感じなかったということ。

 そりゃ、まぁ、そっくりそのままにはならないでございましょうが、もう少し似せてもよかったのでは……と。
 それには偶然が必要かもしれませんから、それを嫌ったのかもしれませんが、
でもその結果も、酷似というほどにはなっていない気がいたします。

 もうひとつは、米花町で起った事件のほうにも猫が登場してほしかったな、ということ。
 何か、そのほうが因縁めいたものを感じるじゃございませんか。
 もちろん、偶然ということになりますが、そこらへんは演出ということで。

 あと、ちょっと謎なところ。

あまん坊さんの『沈黙の狼』の掲示板、
「狼の遠吠え」2009/08/27(Thu)にも書き込ましてもらいましたが、
「捜査資料」のところの人物イラストは、一体誰が描いているのでございましょうか?
 わたくしは、おくづけに
 
 イラスト……落合なごみ(冒険企画局)

 と書いてあったので、ここも彼女の手になるものだと思ったのでございますが……。




 何か、ややこしくなってきたので、
このゲームブックに関する、別の記事を下に挙げておきますね。

 いちいちリンクを貼ろうとも考えたのですが、それも面倒なので、
検索にまかせちゃいます。
「嗤う黒猫」に色がついているあたりと、日付降順が見にくいかもしれませんが、ご勘弁を。
 それと、余分なのも出てきますが、お許しください。


「嗤う黒猫」ここをクリックしてください。

2009/08/31 (Mon) ここ。
2009/08/28 (Fri) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 袋とじ部分を開いてみました
2009/08/18 (Tue) No.3-4のパズル、こういうことなのかも?
2009/08/17 (Mon) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 第三章
2009/08/16 (Sun) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 第二章
2009/08/13 (Thu) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件
2009/08/12 (Wed) 来た! のか
?

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今月は、『名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件』
『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』が出ましたので、
それに関する話題が出るかと思ったのでございますが、
あまりプレイした方はおいでにならず、そのことは、少ししかお話できませんでした。
 いや、『ハヤテのごとく』のゲームブックは、一話だけだと語りにくいですなぁ。
パロディもね。
何十人もいる中なら、てきとーなこと書き込んでいれば
誰か反応してくれるものでございますが、
そうでないとどう切り出していいか難しいものでございます。

 で、『ソードワールドDS』って出ないね、という話になりました
2009年10月29日(木)発売予定だそうでございます)
 そのとき話に出た、
「GAME JAPAN」10月号(2009年8月29日発売)を今日立ち読みしてみたところ、
安田均先生とともに秋口ぎぐる先生がインタビューに答えておりましたな。
 このソフトが成功したら、第二弾はSNEのほかのTRPGをもとにしたものをやりたいとか。
 あと、このDSの舞台を元とした、小説を出す予定もあるそうでございます。

 そのあと、
 ププププーさまがいらっしゃらないことをいいことに、
「ゲームブック日誌」2009.08.15のコメント欄に書いたネタを入れてみました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』「エンドレスエイト」って、
昔のLDにあったみたいな、ザッピング形式のゲームブック的なものにならないかなぁ、
というようなことでございます。

 正しい選択を見つけないといつまで経ってもエンドレス……というのが基本ですが、
答えがわかれば、あとは一回ですむものの、そこにたどりつくまでが大変ですし、
それだと正解以外の映像はあまり見られないことに……。

むしろ正解とかナシで、普通にザッピング形式にしたほうがいいかもしれませぬな。
飽きたらテキトーに変えて、同じ場面の違う演出を楽しむことができるように。

 それなら、買う人の怒りを買うこともございませんでしょう。
(ゲームモードは追加要素とすることも出来ますし……)

 商魂たくましく、8話を2話ずつ収録して4枚で売るみたいなので、
その可能性はなさそうでございますが――。
(でも、客にソッポを向かれそうな売り方って、商魂なのかなぁ。
それでも買う人がいるからいいのか?)

 で、ドロシー! さまがいらっしゃったことで、そのあと話は、ゲームブックラボ・Rのことに。
 
 萌え絵化とかSD化とか、勝手なことを提案しておきました

 で、何かネタがないかと、 「ゲームブックラボ・R」のサイトを見ておりましたら、

「ファイティング・ファンタジー」シリーズの作者
 スティーブ・ジャクソン&イアン・リビングストンからのコメント
のページがあったのですよね。
(ホームのページの右上、QRコードの下のバナーをクリックして入ります)

 でも、何かそこの訳がこなれていない感じ。
 翻訳がプロの方に、釈迦に説法という気もいたしいましたが、
一方でこうしたサイトでこの訳はマイナスイメージなのでは? と思いましたので、
具体的な修正例をとりあえず4つほど挙げておきました。

 でも、そのときすでに、チャットはお開きになっていて、ドロシー様は退室された御様子。

はしもとさまは、
「ブログか何処かで直接お伝えした方が良いかもしれません」
とお書きになっていましたが、
めんどくさいなぁ……。

 まっ、 「パラグラフの狭間で」のほうにトラックバックをかけて、
この記事のことをドロシー! さまにお知らせするだけにいたしましょう。
でも、 「ゲームブック・ラボR」オープンのところでいいのかなぁ? 2009年01月25日だけど。
 まっ、伝わればいいか!

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
プレイングミステリー 
(2009/8 メディアファクトリー)


「ゲームブックなチャット」
の前に終わらせとかなきゃ、
ということで、
時間切れ。

一応解答を書いて、答えあわせをしてみることにいたしました。

小学一年生(=江戸川コナン君)に負けた~っ!!

 結果を報告しておきますと、

 パズル部分は一応あっているでよろしゅうございますよね。
 ただ、
no.2-1は、数字部分にもやはり意味があったのか……。

 まっ、強引でも解けたので、よしといたしましょう。

「五つの謎」については、

(1) は、あたり。

(2)
は、そこまでよく読んでおりませんでしたなぁ。

(3)
は、あたり。

(4)
は……、いいところまでいったんだけど、ハズレ。
  と申しますか、特定までは出来ませんでした。
  実は、最後の最後、袋とじ部分をチラッと見て、
  「交換殺人」という単語だけは目に入ったのでございます。
  ズルい?

(5)
(4)と同様。

  連動しておりますから当然でございますな。

 真相に書かれておりませんでしたが、
隠した部分は、沼田政文さんの解説に出てくる作品タイトルがヒントになっていたのだなぁ、
と改めて感心。
 こういうパズルで単独犯じゃないって、ちょっと卑怯……と思っても、
こういうヒントが隠されていることは、言い訳になりますよね。
 それが、わかりにくいものだといたしましても。

 ふと、(4) の答えのヒントとなっているパラグラフについて、
現代のものも混ざっているのでは? と思って調べてみましたが、
さすがにそうした抜かりはございませんでした。
 う~む。
重箱のすみをつつけると思ったののでございますが……。

 あと、(3) に関して、15年も経ったら毒性が薄れてしまうとかないのかな?
とか思ったりもいたしましたがけど、
まぁ、そのあたりはちゃんとお調べになっているのでございましょう。

 真相については、ちょっと強引な気もいたします。
 それは、私の読みが不足しているせいかもしれませぬが……。

 いずれにせよ、『嗤う黒猫』ゲームブックとしては大満足でございました。
 ぜひとも、『革命の歌』『銃口は二つ』(出版されたのかなぁ……)ほか、
鹿島勝先生のゲームブックを順次復刊させていただきたいものでございますな。

     ……。

  版権に問題があるのかなぁ……。

 まっ、そのようなこともございますまい!!

 ひらにひらにお願いする次第でございます。

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

p.117まで



 インドネシアの工場の暴動のくだりは、
現地の信仰を無視して、聖泉真法会のやり方を押し付けたことによる不満が原因だった。
 このあたり、第二次大戦下の日本の植民地経営を思わせる。

 もちろんこれは、鈴木の指示によるものではない。
 鈴木は、他の宗教と軋轢(あつれき)から起こるトラブルを見越して、
そうしたことを一切避けてきた。

 だが、工場をまかされた森田の部下が、そうしたことをまったく理解しないで、
良かれと思って独断で行なったことだった。

 それがきっかけとなったように、
これまでうまく避けてきたと思っていた地雷が、連鎖的に爆破し始める。

 宗教関係の物品販売業者、ヴィハーラとのやり取りに関する税務署の査察。
 大宗教団体「恵法三倫会」の教祖、回向法儒との黒い噂。
(単に、一度会って脅しを受けただけなのだが)

 マスコミによってそれらは大きく取り上げられ、
あることないこと書かれることとなる。

 一部の信者がそれに反応し、出版社に押しかけたことが、火に油を注いだ。
 マスコミはさらに鈴木を追い込み、
そうした中、彼はひとつのトリックに引っかかって、芸能レポーターのインタビューに答えてしまう。
 そのコメントは切り貼りされ、無責任な発言に編集されてしまう。

 マスコミの攻勢はさらに激しくなり、
 それに応ずるように、信者は激減する。

  一部の信者が起こしたことでも、自分のあずかり知らぬところで起ったことであっても、
すべては教団の、教祖のせいとされてしまう。
 まぁ、団体というものはどのようなものでもそうだが、
宗教団体のようなうさんくさい存在ともなると、その風当たりが強くなるのも当然のことだ。

 そして、世間から外れているがゆえに、そうした風聞に弱いのもこうした団体だ。
 宗教は、信仰に支えられているがゆえに、
その信頼がいつわりだと思われてしまえば、すぐさま信者に去られてしまう。

 追い討ちをかけるようにを、森田の会社が去っていった。
 社長の交替劇があり、増谷も無償で貸与されていた会館も失うことになる。
 さらに、別の信者から贈与された土地も、彼女の願いを聞いて返してしまう。

 聖泉真法会に残されたものは、中野新橋の集会所と、少数の残った信者……。

 元の木阿弥というやつだ。

 もう少し、順調に、もっと大きい教団に成長していくのかと思ったのだが、瓦解は意外に早かった。
 そんなものかもしれないが、ここまでで下巻の百ページと少し。
 あと、三百数十ページある。

 大きくなった教団がつぶれて終わり、という話かと思っていたが、そうではないようだ。

 少数残った信者は動きをはじめているし、活動は続くのだろう。
 いったい、どのように展開していくのだろうか?
 
 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284~上巻読了まで)



 話の中で、二年という言葉が出てくる。
 聖泉真法会をはじめてから、二年の歳月が経っているのだ。

 そのあいだ運営を続けてこれたのならば、
それほど大きなトラブルも出なくなってくるだろうし、
その対処の仕方も要領が見えてくる頃だろう。
信者たちだって、互いに不満をもちながらも何とかやっているはずだ。
 集会所のほうのエピソードが少なくなっていくのは、そうした事情もあるのだろう。

 とはいえ、それらがなくなったわけではない。
 大きな動きの中に、さまざまなエピソードが盛り込まれる。

 宗教に超能力をもとめる竹内由宇太という最初からいた少年は、
未明に集会所で呪詛を試みてボヤ騒ぎを起こし、
そこを飛び出し修験者系教団に入り、そこをも出て、高野山中で遭難死する。

 集会所を飛び出すとき、
鈴木は、本音を語ってまで彼にまともな生き方をするように説いたのだが、
それが結局聞き入れられず、このような形になってしまった……。
 そのことに悔恨し、自分の作った偽の宗教に真摯な想いで祈りを捧げる。


 集会所にたむろしていた若者は、
一時的に、ヴェハーラという宗教関係の物品販売業者に借り出される。
 税金対策に、頭数(あたまかず)をそろえるために集められたのだが、
意外にも彼らは、一人前並の働きをする。
 そして仕事をすることによって、彼らの様子もどことなく生気が現れるようになった。
 まあ、そうだよね。
 そういうものだ。

 こういうエピソードを挿入するあたりも、作者が宗教団体をつうじて、
さまざまな世相の問題を取り上げていくという意欲を感じる。


 かつて、芥川賞をとったという井坂は、破滅型の典型だ。
 正業に就かず、寸借詐欺のようなことを繰り返し、
金を手にしたら派手に使い、妻や幼い病気の子供をつれたまま野宿をする。
 しかし、文章は確かに一流で、話もうまく、
会報に載った彼の文章や講演は信者の間で高い評価を呼ぶ。

 何となく「一杯のかけそば」を思い出した。
 そんなによくは知らないが……。

 そんな男に、鈴木は神戸の支部をまかせることにする。
 支部の土地、建物の持ち主の願いでもあるが、
井坂の行状には目をつぶり、その人気を利用しようと、
鈴木はその依頼を了承し、彼を神戸へと向かわせる。
 それは、井坂が、教団の実務担当である増谷(森田の会社から出向してきた人物)
と折り合いが悪かったためでもあるのだが、
結果は大失敗に終わる。

 このエピソード、フィクションだから誇張しているのだろうが、作者の
文学に対する信頼が強すぎるような気もする。
 きわめて文学性が高い文章というものは確かに存在するが、
それが本もろくに読んだことがないような人にまで読む気にさせ、感動させることが出来るのか……。

 ん……。

 正直どうなのだろう。
 よくわからない。

   ※   ※   ※


 と、上巻の感想はここで終わり、

 上巻のラストは、森田の会社のインドネシアの工場が
暴動で焼かれたというニュースが入って終わる。

 で、
 ここで図書館へ本を返さないとならないので、いったん終了。
下巻の感想は、それを借りてきてからということになるでしょう。

 いつになるかは、さっぱりわかりません。

 すぐかもしれないし、ずっと先のことになるかも。
 いずれにせよ、そちらの感想も書く予定です。

 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284~上巻読了まで)


 正直、こういう展開は予想していなかった。
多少信者は増えるものの、中野新橋の集会所のレベルで分裂が起こり、
信者が何かとんでもないことをして、それを収拾できないままに崩壊する、
というシナリオを予想していたのだ。
 そういう可能性をこの会は内包しているし、
それでも物語として充分に面白いと思うからだ。

 だが、この小説は、さらに上を行ってくれた。

 森田の会社と知り合ったところから、
教団は成長を著(いちじる)しくし、ベンツを乗り回せるぐらいという、鈴木の夢以上の規模となった。

 それによって教団は、より危険な、新たな道に踏み込むことになる。

 中野新橋の集会所が中心だったこれまでは、信者の人間関係や個人的な問題といった、
教団内に抱え込んだトラブルが多かったが、
 森田が無償貸与してくれた礼拝所が出来、教団が規模を広げるようになってからは、
物語の中心は、対外的なものに移ることになる。

 それまでは、
せまい中での濃密な人と人とのやりとりから生ずるいさかいや、
個々の性格から来る事件だったのだが、
そうした話は次第に薄れ、
教団運営に関する問題が中心となってくる。

 宗教団体というせまく、しかし濃密な場所を舞台として、
作者は現代に存在するさまざまな問題を描こうとしているのかな、
と思ったが、ここに至ってわかった。
 それ以上だ。
 作者は、そうしたことも含めて、
宗教にかかわるあらゆる問題を描き出そうとしているのだ。

 鈴木は、成長しつつある教団の舵取りをしつつ、さまざまな申し出や事件に出くわしていく。

 うさんくさいところもある宗教関係の業者だったり、
森田のように施設の貸与を申し出る人物だったり、
宗教界の大物だったり……。

 あたり一面、どこをとっても危険が感じられる。
 だが、そのどれが本当に危険で、どれが成功への道筋かはわからない。
 時間は限られている。
 しかも進めば進むほど、トラブルの埋まった場所は、多く、大きくなっていくのだ。

 マインスイーパーだな、と思う。
 それを鈴木は、すばやく、的確に処理していかなければならないのだ。

 中野新橋の集会所を中心とした話では、
その人間関係が複雑に絡み合った中から事件が起こっていたが、
ここでは次々と申し出やトラブル、あるいはそれを予感させる前兆が舞い込み、
それを鈴木がひとつひとつ(でもないが)解決していく、イベントクリア的な流れを感じさせる。

 それまでとは、方向性が違うのだ。


 面白い小説を読むと、
この話をゲームブックにしたら、と考えてしまうことは、
誰にだってあるだろう。

   (えっ、ないの~っ?)

 この小説でも、それを考えたが、なかなか面白そうだ。
 安易なRPGにあるような、楽観的な成長ではない。
 大きくなればなるほど、危険が増大し、厳しい選択をせまられるような展開だ。

 苦しい選択を迫られるが、そこがなかなか面白いんじゃないだろうか。
 作るのは難しそうだが。

 (まだ、続きます)

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特別付録 風林火山 サバイバルゲームブック

武田信玄と上杉謙信 決戦! 川中島の戦い (2006/12 別冊宝島 1365)

パラグラフ数 74(p.137-144)

 


 ゲームブック倉庫番に追加しておきました。

 このゲームブックのことは、以前どこかのブログで知ったのでございますが、
今ぐぐってみても、ちょっとわかりませんでした。

 宝島社の歴史ものとだけ覚えていたので、このタイトルではなかった?
とも思いましたが、ぐぐったら、このタイトルぐらいしか出てまいりませんでしたので、
そうでもないみたいでございます。

 う~む。


 さてさて、歴史もののゲームブックというのは、案外出ておりますな。
 おもに、戦記ものだったりするのでございますが。

 で、粗製乱造だったり、平凡な出来だったりするものも多い……。
 好きなものもございますけど、傑作といえるほどのものはないような。

 一番評価が高いのは、『縄文伝説』あたりでございましょうか?
 あれは歴史ものからは少々外れる気もいたしますが。

 歴史もののゲームブックがある程度あるのは、

 ひとつには、
 シミュレーションゲーム関係の方が執筆を請け負っていたから
ではないかと思うのですが(真相は存じませ~ん) 、

 大きな理由は、作りやすいしとっつきやすいという事ではないかと存じます。

 とにかく歴史でしたら、本筋の流れは決まっておりますし、
実在の人物でございますから、キャラクターは豊富にして、しっかりとしております。
(それを生き生きとしたものにするのは、作者の力量ではございますが)
 ストーリーを一から組み立てるよりもかなり楽ですし、
いろいろ調べていけば、「あの時こうしていれば」という
想像・妄想がいくつも浮かび上がるものでございます。
 それを分岐させて書き連ねていけば、簡単なものならばすぐに出来てしまいましょう。
 粗製乱造でございますな。
 
 読者がとっつきやすいと申すのは、
歴史という同じストーリーを共有しているからでございますな。
 読者のほうも、歴史ものを読んでいるうちに、
あのときああだったら……、などと想像したりもいたしますしね。

 かてて加えて、歴史自体が持つ魅力が、
このジャンルをとっつきやすいものにしているのでございましょう。

 いまだに架空戦記ものが発売されているのも、
そのような点で人気があるからに違いございますまい。

 そんなわけで、歴史ゲームブックと申すのは、
凝って書けばかなりの力作が出来ると思うのでございますが、
前述したとおり、傑作というほどのものはございません。

 これはまず、歴史もののゲームブックが、子供向けに書かれているせいでございましよう。
 言ってみれば、参考書や副読本のようなものでございますな。
 となるとやはり、わかりやすさを重視したものになるのは否めません。
 絵が多くなったり、項目が少なくなれば、どうしても内容は薄くなってまいります。
(それに、子供向けということで、手を抜いたような作品も……)

 でも、学研のシミュレーション歴史ブックスシリーズとか、けっこう楽しかったですけどね。
 楽しさの方向が違う側面もございますが、それも含めて。

 あと、本格的な凝ったものをとなると、恐ろしく面倒になるのでは? とも思います。
 さまざまな要素を考えなければなりませんし、歴史から大きく離れてしまうこともございましょう。
 やるのは楽しそうでございますが、作るとなるとやはり大変だろうなと思わずにはいられません。
 とは申せ、コンピュータシミュレーションゲームではやったものはあると思いましたから、
ゲームブックでもそれは可能かと存じます。
 

 さて、というわけで、
「風林火山 サバイバルゲームブック」
でございます。

 内容は、

 今川に門前払いされた君は、偶然武田晴信の家臣と知り合い、武田の家来となる。
 主君に的確な献策することで、君は功を認められていく。
 はたして君は、武田にどこまで認められることが出来るのか。

といった感じでございます。
 一応マルチエンディングでございますが、
それは、功績点をどれだけ取ることができたかという点数による分岐でございます。
 まあ、ランク付けですな。

 もっと歴史を変えるような選択があったほうがよかったのに……とも思いますが、
このページ数では、それもかなわぬことなのでございましょう。
 
「別冊宝島」誌の付録でこざいますから、当然子供向けではございませんが、
出来はまあ……、普通といったところでございますな。

 ページ数、パラグラフ数からも、大体それはお分かりいただけることと存じます。
 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284まで)
 


 訂正。

 金もうけ主義ではないと書いたけど
この宗教活動で、ベンツを乗り回すぐらいに儲けたいという野心が、鈴木にはあるようだ。

 やっていることが誠実なので、そうは見えなかった。
 もっとも、そうした誠実な外見の裏で、
しっかりとした計算が働いているのは本文中でもわかる。
 でもそれは、危ない橋を渡らないためのものであり、大きな野心は見出せない。

 一体、ベンツに乗り回すほどというのは、どの程度の本心なのだろう?
 とりあえず危険をおかしてまで、ということではないようだ。
 事を急ぎすぎれば失敗する。
 そのことを彼は、しっかりと心得ている。

 だからこそこの教団も、泡沫として消えたりせずに、着実に信者を増やしていけたのだろう。

     …… ……

 まあ、金もうけ主義でないといってもいいんじゃないかな?



 そんな教団にも、ほころびが出始める。
 信者同士が対立し、さまざまなトラブルが持ち込まれる。

 まあ、それも当然のことだ。

 世代間のギャップ基礎となる考え方や立場の違い――。
 現実でも容易に起こりうることが、ここでも起こる。
 ここが自分の居場所であると認識しているから、それを冒されないようにと真剣に主張をするし、
 常識的な人間ばかりがいるわけではない、

 今回読んだあたりは、
起承転結にあたる部分といっていいと思う。

 そうしたトラブルに対して、鈴木は厳しい戦いを強いられ、なんとか教団を切り盛りしていくのだ。

 その過程で去っていく信者もいるし、新しいトラブルが持ち込まれることも――。

 うまいなと思うのは、キャラクターだ。
 人間が描けているし、人間とその関係性が物語を面白くしている。
 そうした中からトラブルが生まれ、そのトラブルを解決するために鈴木が奔走し、説教をする。
 それに反対するもの賛成するもの、別の意見を言うもの、そして全然別のトラブルを持ち込むもの……。

 そうした流れに起伏があり、葛藤があり、
それらが物語を意外性に富んだ面白いものにしている。

 中でもすごいのは、
鈴木の発言にブレがないということだ。
 自分の本心とは必ずしも一致しない教義だというのに、
ちゃんとその教義に則(のっと)った説明をして、説得している。
 ともすれば、相手の話に圧(お)されてしまったり、ついうなずいてしまいそうな部分でも、
ちゃんと教義の言葉で切りかえしている。
 そのために教団を離れていく人もいるが、
それでも教義にブレはない。
 しかも、その言葉がちゃんと説得力のあるものになっているのだ。

 小説だから、といってしまえば簡単だが、
それが、この教団の存続に説得力を与えている。

 もし、教祖がその場限りのことを言っていたら、
その場は収めることが出来たとしても、
信者を減らす結果となっていただろう。

 またこの鈴木の切り返しの見事さは、
彼の有能さ、頭の良さの証座となっているし、
小説としても面白いものにしている。

 さて、
 そうした日々を送る中で、
鈴木は食品加工会社の社長、森田と出会うことになる。
 いつものように教義に絡めているとはいうものの常識的なアドバイスを、鈴木は説教する。
 その効果は覿面(てきめん)で、森田は信者となる。
 そんな折、大手食品会社が食中毒事件を起こす。
 それをきっかけに、その食品会社のずさんな管理体制が浮き彫りに出される。

 これは森田にとって僥倖(ぎょうこう)だった。
 信用を失墜させたその食品会社の注文の何%かが、森田の会社にも回ってきたのだった。

 森田の会社は成長し、
インドネシアに工場を作ったり、事件を起こした大手食品会社の工場のひとつを買収する計画も出てきた。

 ついては、老朽化した工場を取り壊して研修施設を作るので、そこを自由に使ってもらえないだろうか。
 税金などの問題で面倒なので、寄進というわけにはいかないが……。

 森田は、鈴木にそう持ちかけてきた。

 おりしも、中野新橋の教場もボヤ騒ぎを出しており、この申し出は鈴木には魅力的だった。
 そんなわけで彼は、それを受け入れる……。

 と、今回読んだのはこのあたりまで。

 願ってもない申し出だが、それゆえにトラブルの芽を感じさせる部分でもある。
 いずれにせよ、ひとつのターニングポイントだということはことは確かだろう。

 この作品が「小説新潮」誌に連載されたのは、2004/4~2007/5 ということだから、
2007年6月 ミートホープの事件などはかかっていない(加筆などはしているかもしれないが)ものの、
BSE(狂牛病)、雪印やハンナンの偽装など、
食の安全は今世紀に入って特に注目される問題となった。

 ここでこうしたことが出てくるのは、
そうした世相をとらえてのことだろう。 

 いや、ここだけではない。

 この作品全体が、
この時代の社会の流れや大きな時代のうねりの中での
人間というものを描こうというものなのだろう。
 宗教団体というのは、
それを切り取って浮かび上がらせるための舞台なのだ、
おそらく。
 

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篠田節子(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"
p.146まで。
(まだ動いてませ~ん:)



 (1)から続く。

 パソコンではじめた宗教団体だが、いくら虚業とはいえ、信用と信頼、そして安心感を信者から得るためには、実際に拠点となる部屋が必要だ。
 
 というわけで、ふたりは部屋を探しはじめる。
 偶然にも、鈴木の入っていたマンションの一階、「木馬文庫」という喫茶店があった場所が売りに出されており、彼らはそれがいわくつきの物件であることを知って、破格の条件で自分たちのものにする。

 このくだりは、運に味方をさせているが、それは仕方がないだろう。 
それがなければ物語が動かない。
 動かなければ、結局宗教団体の話は立ち消えになっていただろうし、
鈴木たちも、もっとマトモなことを考えはじめたにぢかいない。
 
 それにしても、
もともと社会活動家が不当に占拠していたのを嫌って、この場所を売りに出していたというのに、
また得体の知れない宗教団体が入って、もとの持ち主は眉をひそめなかったのだろうか?
 いや、眉ぐらいはひそめたのかもしれないな。
 ただ、売ってしまったら、あとは関係ないと、無視を決め込むことにしたのかもしれない。
 それとも、彼女はあとでまた出てくるのだろうか?
 
 いずれにせよ、こうして彼らの宗教団体、「聖泉真法会」は、その活動を始める。
 インテリアは、美大出の矢口が担当する。
(どうでもいいことだが、この矢口誠という人物、
私の中では、『逆転裁判』矢張政志にイメージが変換されて仕方がないのだが……)

 いろいろと描写があるが、 現実的な部分を隠すために布を微妙にたるませてたらしたり……。
 要するに、特撮ものの悪の秘密結社のセットとかと思い出してもらうのが手っ取り早いだろう。
 で、そこから悪っぽい要素を引く――。
 ドライアイスは用いないものの、香を焚きしめ、ロウソクのほの灯かりで照明し、
神秘を演出しているわけだ。  

 拠点のある中野新橋といえば、新宿にほど近いあたり。
 ここには、いろいろな人がそこに集まってくる。
 もとここでやっていた社会活動ネットワークと間違えて迷い込んできた女性。
 大手の宗教団体から流れてきた人。
 家出少女。
 神秘主義の超能力的な部分に傾倒する少年。
 ……。
 それぞれが、内面にそれぞれの悩みと、心のゆがみをかかえている。
 それを鈴木は、宗教的なものではなく、常識的な方法によって解いていく。
 
 商売としての宗教といっても、鈴木は荒稼ぎを考えていない。
心の安定を与える対価として、何がしかの寄付を得て生活していこうという考えだ。
 そのため彼は、神秘性をウリにはしない。
 一応の教義や儀式はあるものの、それはまぁ、プラシーボ効果といったものだろう。
 特に、彼女ら(女性が多いのでこう記す)、のかかえているのは、心の問題だ。
 それに対して、思い込みが大きな力になるのも当たり前だろう。
 
 もっとも、それだけではない。 女性の話を親身になって聞ける矢口と、
常識的でしっかりした物言いが出来る鈴木。
 硬軟かみ合った両輪が、信者の悩みを引き受けていく。

 特に、親身になって話を聞いてくれる存在は貴重だと思う。
作中にも書いてあったと思うが、いまの時代、自分のことを語りたがる人間は多くても、
それを聞いてくれる人というのは少ないからだ。 

 さらに、鈴木には有能な公務員だったという実績がある。
そのため、現実的な対応の仕方をよく知っており、そのための行動力もある。
  当てにならないものではない、具体的・直接的な解決を彼は提示することが出来るのだ。
(もちろん、すべてに対して、というわけではないが) 

 これはつまり、悩みをかかえた女性にとっての、理想的な駆け込み場所となっているわけだ。
  こういう駆け込み場所というのは、本来、他にもあってしかるべきだが、なかなか見つからない。
 あるいは、悩みをかかえた人が見つけることが出来ない。
 都会のど真ん中ともなれば、なおさらだ。
 宗教組織という外面は、そういう人たちに目に付きやすく、入り込みやすいものなのだろう。

 そうした理想的な現代の駆け込み寺の姿を、作者はここでまず提示したのでしないかと思う。

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

p.146まで。
(前回から動いてませ~ん:)


(今回は、外伝といいますか、ちょっと脇道にそれた内容です)

 小説の時代は、アメリカの同時多発テロが出てくることからして、2001年
 つまり、主人公がゲームブックを上梓しようとしたのも、そのあたりということだ。
 創土社のゲームブックの刊行が始まったのが2001年の11月だから、
困ったことに、もっともゲームブックが出ていない頃なのだ。

 そのときに、ゲームブックを中核としたマルチメディア展開というのは、ちょっと無理っぽい。
 まあ、コンピューターのアドベンチャーゲームを中核にというのならまだありえるかもしれない。
 でも、そうなると今度は、もっと関わってくる人数が多くなってしまうから、
話がわかりやすくならないか、うそっぽくなるのだろう。

 それにしても、だ。
『グゲ王国の秘宝』は、四百字詰め原稿用紙にして、5000枚。
作者の鈴木正彦は、それを1日40枚のノルマで、5ヶ月で完成させたという。
 しかも、彼はエリートコースの地方公務員だ。
 ソフト会社との折衝が続く日は、家に帰るのが12時というハードスケジュールの中で、
ノートパソコンを持ち歩き、細切れの時間を利用して書き続けていったのだそうだ。

 執筆スピード、体力、集中力、
とにかく、小説を書くためのすべてが彼には備わっていたといっていいだろう。

 それに彼は、これがまったくの初めての作品というわけではない。
 公務員生活のかたわら、アニメやゲームのシナリオを書いたり、
ゲームのノベライズも覆面作家として手がけたりしていたという。

 このゲームブックにしても、最終稿まで完成させていたわけだし、
作者も彼の担当の矢口も自信を持っていたようだから、かなりの完成度だったのだろう。

 確かに、5000枚のゲームブックが灰燼に帰したことは痛かっただろうが、
そんな作品が書ける作者ならば、
次の作品に再起を賭けることは、そんなに無鉄砲なことでもなかっただろうと思う。
 無に帰したといっても、書いたものと調べた知識は自分のものとなっているはずだ。

『グゲ王国の秘宝』を書くあいだにも、別の作品構想が浮かんでいても不思議ではない。
 何も思いつかなかったのだとしたら、
『グゲ王国~』を小説化、とか、その一部を拡大して外伝を書くという手もあるだろう。

 別に宗教事業などに乗り出さなくても、作家としてやっていけたのではないだろうか?

 もちろん、会社を辞めてしまっているので当座の生活には困るかもしれないが、
昔のツテをたどってゲームノベライズを書かせてもらうこともできるだろうし、
それが無理なら当分アルバイトで糊口をしのぐのも仕方ない。

 体力も常識も行動力も実力もあるこの作者ならば、作家としてちゃんとやっていけることだろう。

 で、作家としてやっていけば、もしかするとそのうち、目にするかもしれない。

 創土社の「俺に書かせろ!」というゲームブック募集の告知を。

 そのときにこそ、おもむろに『グゲ王国の秘宝』を提示すればよいのだ、

 5000枚は多いかもしれないが、
内容が素晴らしいものならば、それは関係ない。
(むしろ、いいとさえ言えるかもしれない)

 出版されていれば、きっと反響を呼ぶものになっただろう。
ゲームブックの状況も、現在とは違うものとなっていたかもしれない。

(結局、これが言いたかったのですね)




 えっ、妄想? まぁ、そうなんですけど……。

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著     : 築地俊彦、新井輝、長野聖樹、七月隆文、水城正太郎
原作   : 畑健二郎
構成   : 水城正太郎&枯野瑛(A-Team)
イラスト : 畑健二郎、美水かがみ、氷川へきる、
        あぼしまこ、YUG、あらきかなお、きぃら~☆、とりしも、むらたたいち

(2009/8 ガガガ文庫 小学館)

*ショートストーリー

「初の女性○イダーって何度も聞いたけど、気のせいですか?」 著/新井輝

「執事殺しフィギュア地獄」 著/築地俊彦

「貴嶋サキの驚愕」 著/七月隆文

「積○気冥界波って、ハー○ス軍には
 ただのバシ○ーラだよね?
 気をつけよう、迷子の伊澄と黄泉の国」 著/長野聖樹


 この作品の特徴は、
とにかくパロディが多い、ということでございます。 
それはまあ、上に挙げたショートストーリーのタイトルをご覧になっても、
おわかりいただけましょう。

 原作でもそうなのでございましょうか?
 だとしても、それ以上という感じがいたします。
 ジャンプネタは、見つけるたびにラッキーになる可能性もございますし。
伏字だったり伏字じゃなかったりする部分も多ございます。
ネットで話題になったようなヤツも取り込んでおりますな。
 それも、近頃話題になったようなものまで。
 
「漢字の読み間違えでマスコミから叩かれ、
おまけに大臣には裏切られ、政権交代の話まで……」(p.71,224)とか、
「同じ脚本を何回も放送したアニメ」(p.225)とか、
「ノリ○(ピー)」(p.178)とか――(これは偶然なのか??)。

 …… ……

 いいのか?

 いずれにせよ、あと何年かすると面白みがわからなくなってしまうんじゃ……。

 いや、そうじゃない!

 何年か経つと、ここに載ったようなパロディは、
マニアックなトリビアと化し、それはそれで楽しいはずだ!!

 と断言するかたもおられるかも知れませんが、

普通の方には、
お熱いうちにお召し上がりくださいませ
と申しあげる次第にございます。

 さて、
ゲームブック部分について、
システムは、ブレナンのシリーズに似ておりますな。

生命点の、サイコロ2個ふって4倍は同じ。
戦闘は、サイコロ2個をふって、基準点と比べる(ここでのそれは7)
というところまでは同じですが、ダメージ点が、
敵は出た目から6を引いたもの。
キミは出た目のままというような形で、
主人公側を有利にしているのが特徴でございます。

(ご存じない方に説明いたしますと、ブレナンのシリーズでは、
エクスカリバージュニアを装備することにより基準点が下がることで、
主人公を有利にしております。敵が強いので、あまり有利じゃないのですか……)

 あと、以前にも書きましたが、
絵を描かせたり「黒歴史」を書かせたりというあたりもブレナンっぽいですな。
 もっとも、考えてみますとそれだけで、パズルとかなぞなぞとかはございませんが。

 でも、パラグラフ構成やアイテムもゲームブックらしいものを持っておりますし、
物語自体もバラエティに富んでいて楽しいものでございますから、
充分にゲームブックとして楽しめると存じます。

 あっ、アイテムに関して注意事項を。
 アイテムは、作品中で手に入るものを指しますし、
いろいろとたどっていけば、それはちゃんと手に入ります。
 ですから、パラグラフ1には、
「『少年サンデー』を持っているなら、」
という選択肢がございますが、
 実際にあなたが、何冊「少年サンデー」をもっていても意味はございません。
ゲームブック内で、
「『少年サンデー』はゲットすることができました」
と書かれている部分がございますから、
その文までたどりついた時に、
はじめて『少年サンデー』を手に入れることが出来るわけでございます。
 当たり前だ、とおっしゃるかたもいらっしゃるかもしれませぬが、念のため。

 

 あと、この作品で、
 制作者の方(あとがきによりますと、枯野瑛先生?)が、
ゲームブックをよくわかっている、と思いましたのは、

ラスボスのあと、トゥルーエンドに向かう選択肢にほどこされました、
ちょっとした仕掛けからでございます。
* (具体的には……、クリアしてからじゃないと見ちゃダメ!! ですが ***パラグラフ38ですな)
 そうそう、これこれ。
 こういうのにやられて、
堂々巡りをしたゲームブックがいくつあったことか!!
 で、さんざん右往左往した挙句に気づいて、
おもわずつぶやくわけですな。
「こういうことか……!」
と。

 そういうことも含めて、
いやいや、楽しいゲームブックでございました。


 

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著     : 築地俊彦、新井輝、長野聖樹、七月隆文、水城正太郎
原作   : 畑健二郎
構成   : 水城正太郎&枯野瑛(A-Team)
イラスト : 畑健二郎、美水かがみ、氷川へきる、
        あぼしまこ、YUG、あらきかなお、きぃら~☆、とりしも、むらたたいち

(2009/8 ガガガ文庫 小学館)



「ゲームブック倉庫番」に追加いたしました。

今回から(と申しますが、前々回からですが)、
「ゲームブック倉庫番更新情報」というタイトルをやめて、
単純に「ゲームブックレビュー」とすることにいたしました。

 というのは、前回の
『名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件』のように、
何回にも亘(わた)って話が続く場合、

最初が
「ゲームブック倉庫番更新情報」で
あとが
「ゲームブックレビュー」
ではおかしいですものな。

 といって、
ずっと「ゲームブック倉庫番更新情報」
でも変でございますし。

 それにしても、豪華執筆陣てヤツは、書き写すだけでも大変。
 まっ、仕方なくはございますが。

 それはさておきまして、本作でございます。
 例によって原作は、そんなに知ってはおりません。
 アニメの1話を、以前 YouTube で見た程度かな?
 (ごめんなさい)

 でもまあ、基本設定さえわかれば大丈夫!

 ゲームをプレイする上で、そんなに不利になることはございません!!

 ……

 そんなに?

 ……。

 まぁ、そうなのでございますな、

 たとえば、絵を描かせるところなどは、原作を読んでいたほうがいいでしょう。
 でも、たいして問題ございません。
 失敗しても、どう描けばポイントをもらえるかがわかりますから、
次のトライでは余裕で描くことができますからな。
 それがホントに似ているのは判りませんが、
とにかく似ているといっているのだからいいのでございます。

 さらに申しますれば、そこで失敗したとしても、致命的というわけではございませんし――。

 いや、大体が74パラグラフのゲームブックでございます。
 失敗しても、何度もトライすることは、さほど面倒ではございませんでしょう!

 さて、このゲームブック。
 4つのショートストーリーと、それをつなぐパラグラフ分岐部分に大別することができます。
 こう書きますと、パラグラフ部分は単に連結の役目で、
物語的な面白さはないように感じてしまうかもしれませんが、
そのようなことはなく、むしろこのパラグラフ部分こそがメインといった感じなのでございます。

 物語はパラレルワールドの世界。
 だから、それぞれ独自に物語を作っていけるわけでございます。
 非電源ネットゲームでも、こういう世界観のゲームってございましたよね。

 で、それらの世界にオチをつけたり、次の世界へと橋渡しをする役目を、
ゲームブック部分は主に担っているわけでございます。
 全体をまとめるラストも、ゲームブックの役割でございますな。

 各小説が独立しているのは読めばわかりますが、
それでも、ゲームブック部分に多くを割いていることで、
そのつながりがスムーズになっているのでございます。

  (中途半端だけど、ここでいったん終了。続きます)
 

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名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件
齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
プレイングミステリー (2009/8 メディアファクトリー)

 第三章「教祖殺し」

 



 あれから考えてみた結果、
こうじゃないかな? という方法が見つかりましたので、
ここに書いておきます。

 明快な答えの出し方ではなく、
これでいいのかな? というものでございますが、
 
 ここほどではなくとも、解く過程が明確ではないものは、他の問題にもございますし、
これ以上に無理のない解法というのは思いつきませんでしたので、
これでよろしいんじゃないでしょうか? と思います。

 以下に、考え方を
 また、書いて消しておきますので。
 どうしてもわからなかった場合のみ
順番に反転させて見ていってくださいな。

 中には
ここひとつにまとめてもいいのでは? という部分もございましょうが、
なるべく少しのヒントで当てたほうが楽しいと思いますので、
必要以上に分けております。

 ご了承くださいませ。

 それでは、さっそく思考の過程を披露いたしましょう。

  考え方としては、次のとおりでございます。

(1) まず、このゲームブックに出てくるパズルは、
全体的な傾向として、理系的発想よりも、文系的発想が多い。

(2) それも数理パズルと思わせておいて、
実はアナグラムや言葉遊び、それに問題文のあいまいさがカギ
といったものが――。

(3) これもそうだとすると、時刻や針の位置、ヒビなどはミスディレクションということになる。

(4) 逆に重要なのは、セリフだ。

(5) セリフ「頭をしぼって考えることね」
  となっている。

(6)  「知恵をしぼって」とか「頭をひねって」考えるという言い方はあるが、
   「頭をしぼって」とはいわない。

(7)   そこで考えられるのが、
   これは、「頭を」ではなく「頭に」なのではないかということだ。
   この人物は、にビミョウなヒントを与えたのだ。

(8)  頭にしぼって考える……

(9) 頭、といって思い浮かぶのは、竜頭(リューズ)

            ……。

   ではなくて、頭文字だ。

(10) 文字といえば、この腕時計の文字盤には、
   研究会の名前である「LightForm」しか書かれていない。
 その頭文字にしぼって考える……。
 つまり、「L」「F」だ。
それがアルファベットの何文字目かを考えれば、答えは出てくる。

それが時計の持ち主の出したヒントというわけだ。

 ただ、もしこれが答えだとしたら、
  「LightForm」なんて単語、この人物が忘れるはずないのだから、
あの日を忘れないために持っていた、というのは、あまりにも変……。
 なのだが、このゲームブックのパズルの性格として、
往々にして、パズルとストーリーは別物の場合があるので、これもそれなのかもしれない。

「私はこれをずっと持っていたわ。あの日を忘れないように」
というセリフは、単に忘れないように持っていたということを言っているだけだ

 別に、この時計に日付が隠されているから持っていたわけではないのかもしれない。

 さらに言えば、もし日付とは関係なくこの時計を持っていたとしても、
問題を出すことには、全然影響はない。
 持っているうちに、時計にこの日付が偶然隠されていることにこの人物が気づき、
それでここで君を試したと考えても、なんら不思議はないからだ。

 とはいえ、
 それにしても、
 
う~む。

 いずれにせよ、
 飛び先のパラグラフナンバーがわかっていない状態では、
わたくしには解けない問題でございました。

 と申しますか、最初に書きましたように、
 合っているのか、ちょっと不安。

 もし、もっと明快な、正しい解き方がございましたら、
ご存知の方、ぜひともお教えくださいませ。

 おそるおそる申しあげる次第でございます
 


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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
プレイングミステリー (2009/8 メディアファクトリー)

 第三章「教祖殺し」


 ふぇ~ん。

 時間切れ。

 で、無理やり終了させちゃいました。

 最後のパズル、No.3-4がわからない……。
 パラグラフ総当りで答えはわかったものの、解法がわからない。

 ただ、前回「問題のレベルが上がったよう」だと書いたのは、訂正いたします。
 前回の、「No.2-1」や今回の「No.3-4」のように、
難しいのがたまにある、といったほうが正しいのでしょう。
「No.3-4」は、解法がわからなかったので、難しいかどうかわかりませぬが)

 あとは、問題の出し方が無愛想と申しますか、ヒントが少ないので、
その分どういう傾向のパズルかで悩むところが難しくしていると申せましょう。

 ということで、今回のパズルをざっと。

No.3-1

 これは簡単。
 おなじみの視線を避けて脱出する迷路ですな。
 でも、視線さえ避ければ、看護師さんと一緒のマスに入ってもいいのか!
 とふとつっこみたくなるところでございます。

No.3-2

 有名なパズルである「ナイト・ツアー」の派生問題だと思ったためにハマってしまいました。
 もちろんナイトの動きは関係あるのですが、もっと単純な問題でございました。
「S to B」は並びの順番でございますな。

No.3-3

 これは、そこまでの文章をしっかり読んでいれば、比較的楽。
 と申しますか、答えが「第一章のあるパズルと一緒」という時点で、
正解はおのずと決まってしまいますな。
 気をつけなければならないのは、答えの文字数ではなくて、
第一章のパズルで飛んだ番号を基準とするということ。
 それさえ間違えなければ、答えはすぐにわかりましょう。

No.3-4

 は、そういうわけで、どなたかヒントお願いいたします。

 ネットで見ると、すでに解いてしまっている方がおられるようで……、さすがですな。
 脱出ゲームとかでも、何でこんな問題わかっちゃうんだ、
とかいうことってよくございますよね。
 ああいうのを見るにつけ、ホントに感心してしまいます。

 さてさて、三章は、作品のクライマックスだからでございましょう。
前二章よりも、推理小説している感がございます。

 なかなか満足できるものでございました。

 ただ、わたくしはと申せば、
 パズルのほうに気をとられていたせいか、
 犯人指摘があるのを、すっかり忘れていたのでございますが……。
 

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
プレイングミステリー (2009/8 メディアファクトリー)

 


第二章 探偵殺し

 大型ショッピングモール『ボレジャーク』で、
 偶然キミは知人の探偵、前河一夫と会った。
 近況を聞くと、彼の口から出たのは、探偵廃業宣言だった。
「働かなくてよくなった」のだそうだ。
 問い返しても、理由を明らかにしない。
 彼とはそこで別れた。

 だが、それが彼の最期の言葉となろうとは――。

 そのしばらくあと、前河は死んだ。
 ショッピングモールの休憩スペースにある噴水に倒れこんで……。


終了いたしました!


いや、前回パズルについて、

「ひらめきがないと絶対解けないというたぐいのものではなく、
パラグラフを行き来しながら、ていねいにやっていけば解けるたぐいのもの」

と書きましたが、訂正いたします

二章になってから、問題のレベルが上がったように存じます。

結局、No.2-2 の問題をのぞいては、ズルをしてしまいました。

 さすがだよ、齋藤高吉。
 あんたはすごい!!

「Lead&Read」vol.6 、
「迷宮デイズリプレイ 血と因果のタイトライン」
でも

p.079 PCをおいしく殺す計画は、以下の三つの段階を踏む。
   「やばいすぐ死ぬ、すぐ死ぬ」
   「あれ? 案外死なない。もしかして、俺ってすごい?」
   「うわーやっぱり死んだー」
   まだ一段階目だ。用心しているのは計算のうち。これからこれから。

              (太字は原文ママ)

と書いているだけのことはございます。
(しかし、これだけ書くと、誤解される恐れありますな~。
 タイトルからわかるとおり、こういうスタイルでやっているのです、このリプレイは)

まあ、
ケータイでコナンがヒントをくれるんだから別に難しくても平気だろう
という考えも、背景にはございましょうな。

というわけでここで、パズルについてひとつずつ書いておきますね。

ヒントは、消しておきますので、
どうしてもわからなくなった場合のみ、
ひとつずつ順番に見てくださいませ。

こまかく段階を経て書いてありますのは、
なるべく少ないヒントで解いてほしいから、でございます。

たとえば(1)のヒントを見れば、
(2)はそれからおのずと導き出されるというものが多いのですね。
そういうのを分けて書いているので、段階が多くなっているのでございます。

それでは、さっそく参りましょう。


○ No.2-1

 この問題ですな、特に。
 上に挙げた言葉が思わず口をついて出たのは。

(0) このパズルのキモは、
   解法の手がかりとなりそうなところが、
   実はミスディレクション、だということでございます。

(1) 数字が並んでいますが、それがまずダミー。
   矢印も、
   割れている四角に書かれた「14」も
   (ゲームブックファンだと気にしてしまうところでございますが)
   すべて、ミスディレクション。

(2) 二行目からの、平仮名が並んでいるところが
   アナグラムになっておりますので、
   そのうちまず、一行目を正しい順番に直します。

(3) ヒントとしては、
   これを持っていた被害者の前川が、何をしていたかということ。
   そこに注目をすれば、単語が見えてくるでしょう。

(4) 語順にも気をつけてください。
  単語としてはあっていても、
  どの単語を最初に持ってくるかで間違えると、
  三行目以下の意味が通じなくなってしまうのです。

(5) あとはその二行目と
   同じ順番で下まで読んでいけば、答えは出ます。

(6) ただし、
  文章が完成したあとでも、気をつけなければならないことがあります。
  それは、出てくる数字をすべて足さなければ答えにならない、ということ。
  つい、最後の行に出てくる数字が答えだと思いがちですが、
  とちゅうに出てくる数字も考えに入れておいてください。

○ No.2-2

 これは、難しくはございません。
(0) 裏と表だということに注意しておけば、あとは線をたどっていくだけでございます。
 図の切り欠き部分も、ヒントになっておりますな。

○ No.2-3

 これがくやしい。

 オスの蚊とはらぺこパンダ
 二匹はとても似ています。

 という問題ですが、わたくしは、

「オスの蚊と、はらぺこパンダ二匹は……」

と読んでしまったのですな(つまり、パンダが二匹)

 ところが、問題は実は、
 
「オスの蚊とはらぺこパンダ、二匹は……」

なのでございます(パンダは二匹)

 まあ、メタ的には、
 文字数がわかればよいのですし、
(0)  飛び先のパラグラフは、二章の間、83~174に限られているわけですから、そこに行くのは簡単ですが、
 上記のようなカン違いをしているものですから、行く先はわかっても、答えがわからない。
 結局、「オスの蚊」
でぐぐってようやく、
「ああ、そういうことだったのか」と、上記のミスに気がついた次第でございます。

 これをご覧になっている方は、そのような間違いをしないでしょうが、一応ご注進、でございます。

○ No.2-4

 これは微妙。

 選ぶ文字は、
「あかさたなはまやらわ」
の十文字でございますし、
その中でこの物語と関係ありそうな単語と申しますと、限られてまいります。
 もちろん、意味のある単語が出てくると書いてはございませんが、
意味がないと答えとして面白くないでしょうから、意味はあるものでございますよ、こういうのは大抵。

 ということで、答えは予想ついたのでございますが……。
 単純な足し算で間違えた……。ああ……。

 そこで、本文を検討して答えも出したのですが、
それで合っているのか、よくわからないのですな。
多分、いいと思うのでございますが……。

 いちおう答えを導いた過程を書いて消しておきますが、これで合っているのかなぁ?


(1) まず、上の文の中からひらがなを抜き出し
  (漢字をひらがなに変換しちゃダメ)、
  各文字がいくつづつあるかを調べる。

(2) 「ひとつめはひとつ」なので、
   その中から一文字しかないものを選択。

(3) 次の文節は「ふたつふえたもじはふたつ」
  文字に何かがふたつふえた……。
  この何かをと解釈すると、
  「ふたつふえたもじ」とは濁点のついた文字。

(4) つまり、(2)の文字に濁点をつけたものが
   ふたつある文字が、一文字目ということになる。

(5) ふたつめは、いちばんめのきょうだいのひとつまえ
  つまり、二文字目は、
  一文字目に濁点がついたものの一つ前の文字ということになる。
  ふたつあるが、そのうちひとつは最後の分ではじかれるので、
  答えはひとつとなる。

 まあ、(4)以降は要らないと思います。

  それにしても思うのですが、このパズル。
「は」「か」が同じ数字なのですが……。
いいのでしょうかねぇ?


 追記:

考えてみますと、答えもあるわけですし、ヒントなんか書かなくてもよかったのかも?

 でも、これも一種のプレイレポートということで、よしといたしましょう。
(でも、答えと違っていたら恥ずかしいなあ)

 第三章もやります。
 


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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

p.146まで。



 作品中にゲームブックが登場しているということで気になっていたが、
ようやく図書館で借りることができた。
 で、さっそく読んでいる途中。

 もちろん、パラグラフ分岐がしていたりするわけではない。
それでも、作中でゲームブックがどのように扱われているかは、気になるものだ。

 ただ、そのゲームブック『グゲ王国の秘宝』に関してははたぶんあとで書くことになると思う。

 この著者の作品ははじめて読むのも、書いておく。

 まずは開口一声。

 いや、面白い。

 ゲームブックに言及されているされていないは関係なく、とにかく面白い。

 まず、キャラクターがいいのだ。

 ゲームブックで失敗して宗教団体を始める、という粗筋を聞いたときは、
主人公は二十代、24~27ぐらいを想像していた。
 だが、そうではない。
 主人公の鈴木正彦(桐生慧海(きりゅうえかい))は、38歳
 そのパートナーとなる矢口誠(まこと)は、40歳

 二十代ならこの話も、一念発起して作ったゲームブックが大失敗して、
その勢いで一発儲けようと新興宗教を起ち上げたという話になるだろう。
 それで、未熟さがたたってそれが失敗に終わる……。
 そんな展開が予想できてしまう。
 実際、ありそうな話だ。
 そんな過程を経て失敗したゲーム会社とかベンチャーとかもあるだろう。

 ところが、この小説の主人公は40近く。
 しかも国家公務員のエリートコースを嘱望されていた、常識もあり実務もこなせる人間だ。
 そのため、うわついた失敗はおかさないし、問題解決能力もある。
 そして、パートナーの矢口は、企画屋でデザイナーで、人当たりが良く女受けがいい。

 この硬軟まったく違う性格の二人がタッグを組むことで、
主人公がいう「虚業」を起ちあげる際にふりかかる、
トラブルを含むさまざまな出来事を解決していく……。
 それがこの作品の、とりあえずここまでの魅力だ。
(続きます)

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 「ロボット」と「イベント」。
 いえ、ちょっとしたメモでございます。

 ソードワールト2.0リプレイ、 『剣と魔封の物語』は、そろそろクライマックスとか?

 もっと大きく展開するかと思ったのですが、
それは物語をちゃんと把握していなかったせいでございましょう。
 考えてみれば、アンさまも過去がわかりかけてきましたし、
エイベルさまもご母堂に会いましたし、
レイノルズさまとジェシカさまも大きなことをたくらんでいるようですし、
確かにお話は収束に向かっているようでございます。

 六門世界RPGのスカーレットシリーズと比して、すごくマトモなこの作品ではございますが、
少々マトモすぎるのが弱点かという気もいたします。

 六門世界RPGは前回スカーレットシリーズが大団円を迎え、
「羽根のないアリス」というリプレイが載っております。
 今回は前後編の前編。
 キャラクターは、引き続いて(?)濃いですな。
 ただ、わたくしの苦手な下ネタとかには走らなそうなので、こっちのほうが好み。
 次のリプレイはこんな感じで……、
といいたくなるところでございますが、そうではございませんな。

「スカーレット」シリーズも、好みではございませんでしたが、新しさを感じましたもの。
 やはり、全然別の、新しい感覚の――。
 というと、ないものねだりになりそうですな。
 とにかく、
さまざまなリプレイのスタイルを見せていただきたく思うのでございます。

 あと、目についたところでは、

○「りゅうたま」は、「地形うつろいルール」というのを紹介しておりますな。
ランダムオープンフィールド生成ルールとでも申しましょうか。
 こういうの好きだなぁ。
 やっている時間なさそうだけど、
 見ているだけで楽しい。
 
 ところで、ふと気になって、「りゅうたま」の公式ブログを覗いてみたのでございますが、
 「旅する大樹」シリーズの最終巻は、発売日未定なのでございますな。
 いや、ずっと探していたのですが、
ないはずでございます。

○ 小林裕也先生の「うちのファンタジー世界の考察」が、2009/11に一冊の本になるとか。
 となると、これもそろそろ連載が終わるのでしょうかねぇ。
 まだまだやってないことや、発展しそうな部分がございますのに。
「大量の描き下ろしを収録して」と書かれておりますから、
発展しそうだった部分は、その描き下ろしで収めるのかな?
 気になるところではございます。
 

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
 プレイングミステリー (2009/8 メディアファクトリー)


というわけで、さっそく

「ゲームブック倉庫番」に追加しておきました。

「ブック型ARG」という表現はなくなっておりましたな。
 おそらく、ARGというジャンル自体になじみがない点と、
この本自体がそんなにARGになっていないからでござましょうな。

 かわりにつけられたのが、プレイングミステリーブック。
 ただしこれは、ゲームブック部分ではなく、
この本全体のジャンルとしてつけられた呼称のようでございます。

 つまり、
ゲームブックを解き、事件を解決する。
その過程で、ケータイサイトなどにアクセスする
といった一連の過程を、
プレイングミステリーと称しているのですな。

 物語は、

米花町で立て続けに起こった二つの殺人事件。

探偵毛利小五郎の捜査にいつものようについてきた小学生の江戸川コナンは、
そこでゲームブック『嗤(わら)う黒猫』を発見した。

この本に書かれた殺人事件は米花町で起きた事件と奇妙に符号。
しかも、そこには第三の殺人事件も書かれていたのだ。

 ということで、ゲームブックは作中作として登場するのでございますが、
それが全体の8割を占め、現実の事件は枠のような感じとなっております。

 しかも、コナンの登場はほとんどなし。
 あまり、『名探偵コナン』とつける意味が、作品的にはないのでございます。
(つまり、作品的以外の部分であるのでございましょう!)
 まあ、携帯サイトにアクセスすると、コナン少年からメールが届くらしいですが。

 ちなみに、携帯との連携要素は、
それがないと解けない、というようなものではございません。
 携帯電話を持っていないので詳しいことは存じませんが、
ヒントを聞けたり、別のパズルが出されたり、探偵力チェックができたり、
するのだそうでございます。

 もし、連携が必須であったのなら、
それを大々的に宣伝しておかないと、詐欺呼ばわりされませんからな。
 これは当然でございましょう。


 あらすじに「第三の殺人事件」と書いてございますように、
このゲームブックは、三部で構成されております。
 現在、その一部を終えたところでございますが、
うん、なかなか面白うございますよ。

 ちゃんと推理系のゲームブックしておりますし、
パズルなど遊びの要素もございますし。

 とくに、パズルがよろしゅうございますな。
 推理に直接結びついて、その過程をわかりやすくしておりますし、
ひらめきがないと絶対解けないというたぐいのものではなく、
パラグラフを行き来しながら、ていねいにやっていけば解けるたぐいのものなのでございます。
(そりゃ、ある程度のひらめきも要りますよ。でなけりゃ、パズルとして面白くない)

 作者が、TRPGのマスターとしてベテラン、ということがございましょうかねぇ。
 そのあたりの提示方法が、実にうまいと思いました。
 

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