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2024/05/10 きのう、寝ようと思ったら『プロフェッショナル仕事の流儀特別編・宮崎駿と青サギと』をやっていたので見ました。NHK-BSで。後半一時間ぐらいかな。最初は普通に宮崎先生のドキュメンタリーとして見ていたのでございますが、次第にその構成・演出に目が行くようになりました。きっかけは、先生が鉛筆を落とすシーン。普通に横から捕らえた後、下から鉛筆が落ちてくるシーンを入れているのですが、これって多分別撮りした演出ですよね。そんなところに常にカメラ置いているはずございませんもの。で、それに気がつくと、構図とかエピソードの入れ方とか、制作者の意図みたいなものがどんどん気になってまいります。やはりこういうドキュメンタリーを手がける方なので、そうした演出には知悉した方なのでしょう。そう思いつつ見ておりますと、番組としてしっかりまとまっておりますだけに、カットされた部分も見てみたくなる気がいたします。
[1] [2]
アニメック」誌vol.19をパラパラッとめくっていたら、アニメックvol.19
大山のぶ代さんのインタビューがございました(p.52-55)。
 
 お金がなくって(女優の)富士真奈美さんと
同じ釜一つ布団の生活をしていたとか、
若いころは黒くてやせていたとか、
そんなエピソードも面白うございましたが、
やはり伝わってくるのは俳優魂でございます。
 
 声だけの仕事なんてありえない。
ものを表現するのにはからだ全体が必要と、
声優志望者に対して熱く語っておられます。
 
 で、その中で出てくるのが、ドラえもんの演技プランなのですよね。
 
「こういう手にしてみよう、こういう作りでいってみようって。
 声だけの場合でもそうするわけですよね。
 ドラえもんの場合は、未来からきたロボットである――
 ロボットだから組み込まれたコンピューターの中に日本語が入っている
 ――その言葉は決してスラングではないだろうと思うんです。
  そうすると“やい、てめえ”なんて決して使わないはずです。
 “俺”なんか言わないんです。
 “そうです”“いいえ、違います”的にきちっとした言葉を使う。
  そして年齢をだいたい五、六才にしぼる。
 かつ、幼いんだけど未来に生きてるんだから、
 未来では当り前のような、今の人間から見ればすごく難しい言葉なんかは、
 ペラペラッと言えるわけです
 ――でも、少しドジだ。
 そのドジな所をどこで表すか、私なりに考える……
 そうやって考えてね。」
 
 言葉づかいはほとんど原作や脚本で決まってくると思われますから、
 違うところがあったら
 「こんな言い方はしない」
 と指摘するという感じでございましょうか。
 
 ――と書いて気がついた……というか思いました。
 
 もしかするとこれは、
日本テレビ動画で制作された第一作目の『ドラえもん』があるせいかもしれません。
原作のイメージを損なったとされるドラえもんですな。
 
 シンエイ動画の第2作は、それを反面教師として作られたのでございましょう。
 前述の言葉は、そうした制作スタッフの意図を汲んだ上での
 キャラクター設計なのだと思われます。

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のちに有名になった方の名を見つけると、楽しくなってしまいますな。
 
 2020年4月10日のタイトル下に書いたのでございますが、
 もうひとつ見つけたので、こちらにしておきます。
  
アニメック」誌
vol.30「アニメック&ファンロード第一回合同コンテスト最終発表」
小説部門三次選考作品には、
「ブルー」笹本祐一ってあるけれど、
どんな作品を書いたんだろう? 

デビューの『妖精作戦』が1984年っていうから、その1年前かぁ。
 
とか、
 
vol.31p122の「30号の座談会出席者にはげましのお便りをありがとう」の
好意的な意見をくれた方のリストに、小森健太郎という名前がある。
 
ローウェル城の密室』が
史上最年少の16歳で第28回江戸川乱歩賞の最終候補作入りしたのが
1982年らしいから(ウィキペディアによる)、そのあとだよね。
 
てな感じで。ホントにその方なのかは分かりませんし、
滅多にないことではございますが――。
 
 
 
西村博之* というわけで、
  もうひとつ見つけたのがこれ。
 
 「アニメック」誌vol.28
  (昭和58(1983)年2月)。
 

アニメック&ファンロード
  第一回合同コンテスト中間発表」(p.109)に
 
西村博之」の文字がございました。
 
 西村博之先生と申しますれば、
アニメやテレビゲームの――と申しますか、
TRPG的には
ルナルサーガ」のイラストを
お描きになった方でございますな。
 
 
 ウィキペディアには、
長野県出身としか書かれておりませんでしたので、
市のほうは消しておきました。
 
何歳の時の作品かは計算しないでおきますね。
 
アニメック 小林治 ☆ 他には、小林治先生も
  このコンテストの最終選考まで
  到らなかったようで
  ございます。
 (「アニメック」誌vol.27
 アニメック&ファンロード
  第一回合同コンテスト
    作品募集

  (p.102)

 
 
 
 

 

 

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「アニメック」誌をアニメック1983/12
見ていたら、発見してしまいました。
『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』
などで有名な庄司卓先生
(ご本人でございましょう、おそらく)が、
『うる星やつら』第3巻の
「ツノる思いが地獄をまねく」を
アニメ用プロットをお書きになっております。
 

 1983年12月号 p.38-39
 

 
「ファンの作った」と書いてございますからうる星やつら うる星やつら
デビュー前もデビュー前、
かなり若かりしころの作品でございましょう
(ウィキペディアには生年月日が
  書いてあったような気はいたしますが)。
 
 プロットなんて原作をそのまま引き写しただけで、
評価する価値なんてないのでは? 
と思ったのでございますが、そうでもないみたい。
 


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 前回と同様、「字幕tn.」に投じたものでございますが、こちらは力量不足。
 途中で工事中のまま、放置したものでございます。
 
 ですから、どうしようか数日迷ったのでございますが、とりあえず上げておきます。

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仮面ライダーがバイクに乗っているのは、
チョイ悪に見せたかったから、
仮面ライダー

 と、さきほど『チコちゃんにしかられる』で、
チコちゃんがおっしゃっておりましたが、

「タウンムック増刊 仮面ライダー」
(徳間書店/昭和56年4月)
には
少々違ったことが書かれておりました。
 
 それによりますと、バイクに乗る設定は、
当時の毎日放送編成局長の廣瀬隆一さん
というかたの発案なのだそうでございます。
 
このお方、戦時中軍隊にいたころ、満州で陸王を乗り回していたほどのバイクマニアで、
70年代のヒーローにはスピード感が必要だ。
それも普通のバイクではなくモトクロス用に乗せようと主張されたのだそうでございます。
まだ、モトクロスが一般的になる以前の話でございます。
 
仮面ライダー 
 
 
 
『チコちゃん~』でおっしゃっていた
カミナリ族がヒントというのとは異なりますな。
 
 そっちは別視点――石ノ森プロ側の認識ということでございましょう。
 
 こういう語源とか起源というものは、
視点によって説が異なる場合があるものでございます。

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ユニコ 魔法の島へ手塚治虫・原案ユニコ魔法の島へ
(サンリオ/1983/7) 

 
ユニコ 魔法の島へ』は1983年サンリオの作品。
原作はもちろん手塚治虫先生で、
構成にも名を連ねておりますし、
スフィンクスの子供など
原作のキャラクターも出てはまいりますが、
構成・脚本・監督の村野守美先生の作品
ということでよろしゅうございましょう。
 
 
  
 

 個人的に好きな作品。ベストファイブに入るぐらい。
というと、映画あまり見ていないことがバレてしまいますが。
 
ユニコ魔法の島へ
 
 人間に憎しみを持つ魔法使いククルック
 語尾に「コト」をつけるセリフを、常田富士男さんが怪演しております。
 その弟子で、魔法に対する思いと人間としての心の間で揺れ動く青年トルビー
を演じているのが池田秀一さん。
 
 ククルックの命令に従って、トルビーは人間たちを生き人形に変えてゆきます。
変えられた生き人形は、船に乗って魔法の島へ。
 
ユニコ魔法の島へ 生き人形
 
 ただひとり、小さなチェリーを残して。
 トルビーの願いは、妹のチェリーのしあわせ。
そのため、彼女を生き人形にすることは出来ないのですな。
 
 残されたチェリーは、ユニコとともに、生き人形にされた人を元の姿に戻そうと……、
いろいろあって、地のはてを目指します。
 
 そこで、ククルック
ククルックの生い立ちを知るのでございますが……。
 やっぱり、この孤独が刺さるんでしょうなぁ。
 
 ラストあたりは、
セリフと常田富士男さんの演技、
それに映像が相まって、本当に……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 もちろんラストは、人間も動物も元に戻って大団円。
そして、ククルックも……。
 
 西風に連れられてユニコはそんな村をひとり後にし、
いなくなったユニコをチェリーが呼ぶ……。
 そんなところでエンディングとあいなります。
 
 映像といたしましても、

マンガ映画としての動きの面白さ・不気味さがあり、
アニメーションとして実に楽しい作品と存じます。
 

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なつぞら
「なつぞら コンプリートファンブック」
(ぴあ/2019/09←奥付には10月って書いてある)

買いました~。
 
 購入のポイントはもちろん、かなりのページを
劇中アニメに割いていること。
 
 ドラマのほうはさして見ていなかったので(←ひどい)、
けっこう知らない作品がございました。
 
 で、やっぱりパロディが秀逸
 
 p.142から、元になったメインの作品については簡単に説明がございますが、
まぁ、その程度はたいていの人がわかりますよねぇ。
 
 それよりも、まぜられた作品が気になります。
 
 
 たとえば、
 
百獣の王子 サム』は、
狼少年ケン』を中心に『ジャングル大帝』、
ディズニーの『ジャングルブック』あたりが思い浮かびますな。
加えて『ターザン』や『少年ケニア』あたりにも目配せはありそう。
 
 などと想像すると楽しいものでございます。
 

三代目カポネ』は、
違うものにしなければならないためかタイトルがちょっと苦しい
 でも、セレクトがいいですよねぇ。

 アルセーヌ・ルパンと同年代(三代目が同年代だから)。
 かつ怪人二十面相ほどには似ていない
 といった条件で、アル=カポネが選ばれたのでございましょう。
 
 カポネも大きな組織を持ちますし、
ルパン三世は泥棒といってもギャングと対決することも多いですから、
その点でも合っておりますな。
 
 カポネと申しますと、悪いイメージがついて回りますが、
「オレはジッちゃんのようにはやらないぜ」とでも言っとけば、
そういったのはチャラに出来るので問題ございませんでしょう。
 「ルパン三世」だって、アルセーヌにはまったく似ておりませんものな。
 
 各キャラクターでございますが、これが歯がゆい。
 ルパン要素をメインにしつつ、
ほかのアニメのキャラクターの要素を合体させたのでございましょうが、
これがわからないのでございます。
主要キャラクターだけど、主人公じゃないといった感じなのでございますが……。
 ほんと気になります。
 
 ところでこの作品、アメリカに売ることとか考えていたのかなぁ。
シカゴが舞台だからと向こうへ持っていったら、買い手がつかなかった、
とかエピソードがありそう。
 まぁ、劇中作なのでそこまで考えてはいないかもしれませんけど……。
(いやいや、案外……)
 
 
  
バケモノくん』は、『怪物くん』だとはすぐわかりますが、
バケモノ会社とした点が新趣向でいいですよねぇ。
 バケモノくんが勝手をやって、
事件は解決するんだけど、執事が悲鳴を上げるという、
えぇっと、『ダーティペア』的? な構造が目に浮かびますな。

 それにしても、このまん中の「怪物くん」にあたるキャラクター。
 おそらく、このお方がバケモノ君なのでございましょうが、
 絵の元ネタは何なのでしょう?
 なにか見たことがある気がするのですけどねえ。

悪魔くん』や『地獄くん』『妖怪人間ベム』『ドロロンえん魔くん』じゃないし、
ホラーではないけれど『チビラくん』でもない……。
 うーむ。
 でもいましたよねぇ、こんなキャラクター。
 
 
魔法少女アニー』につきましては、魔法少女アニー 
p.99下のキャラクター設定画を見るだけで、
どんな話かわかるのが楽しいですな。
 それと、p.98の2つのポスター(→)で、
足の形が変わっているのが面白い。
 大きい方は手塚先生由来の丸っこい足で、
左上の小さいのは足首のあるタイプ
 当時のいい加減さが再現されておりますな。
 
 あと……。
 このポシェット
もしかすると
ハクション大魔王』のがま口由来なのかも?
 
 
 ところで、『百獣の王子サム』には、
生息域の違う虎とライオンが一緒におりますけれど、
これは当時のいい加減さということでいいのかなぁ。
 まさか天然?
ジャングルブック』(トラ)と
ジャングル大帝』(ライオン)を
混ぜたらこうなったというのは、分かる気がいたしますが……。

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漫画映画 深夜に再放送をやっているので
なつぞら」は、
ストーリーがわからない程度には
目にしたことがございます。
 
キックジャガー』など、
手がけた作品のパロディが
秀逸でございますな。
そうくるか、と感心してしまいます。
 
 そんなわけで、
ドラマのほうは大して興味はないのですが、
その副読本があったら読んでみたいな、
と以前から思っていたのでございます。
 
 というわけで、買ってみました。
 
『漫画映画 漂流記 おしどりアニメーター奥山玲子と小田部洋一』
小田部洋一他 藤田健次:聞き手
(講談社/2019/9) 
 
 小田部洋一先生を中心に、
奥山玲子先生にゆかりのあった方々のインタビュー集でございます。
 
 漫画映画製作の現場が、当時の方の口から語られるのは貴重でございますな。
 二人に関する話という限界はございますものの、
そうでなければ出てこなかったと思われるエピソードもあり、
現場の感じが伝わってきて、興味深くございました。
 
 加えて、小田部先生のアルバムから掲載した多くの写真がたのしい。
 現場そのものの写真はほぼございませんが、草野球とか寸劇とか……、
なかなか興味深くございました。
写真もっと載せればよかったのに、とか思ったりして。
 
(『ウェストサイド物語』のポーズをしているものは、シェーッをする直前みたい)
 
 
 
 職場環境につきましては、
 当時、女性は結婚したら退社というのが風潮だったのでございますが、
それをくつがえしたのが奥山さんだったそうで。
「私たちはすごく楽だったんですよ、奥山さんが先頭にいたから。(……)」(p.206)と、
宮崎朱美さんが証言なさっておられます。
 
 相談事もしやすい人だったそうで、
奥 山さんという方の人となりが垣間見えるエピソードでございますな。

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前回9月10日の「パルプフィクション」の記事は、まぁ、前フリみたいなもの。

 というわけで、パルプフィクションと言えばスペースオペラ

 この言葉に、みなさまはどんなイメージを描くことでしょうか。

スターウォーズ以降、この言葉は積極的にとらえられていて、
宇宙冒険もののかなり広い範囲にまで用いられているようでございますが、
もともとのパルプフィクション的なスペースオペラと申しますと……。

 わたくしとしては、具体的な作品名が挙げられないのですよね。

レンズマン』とか『キャプテンフューチャー』が代表としてあげられますが、
それでは高級すぎるような気がいたしまして……。

 スペースオペラという言葉には、個人的にもっと安っぽいイメージがあるのですな、

 どういう感じかと申しますと……。
 それはあとで出てまいります。
 まぁ、そうはいっても『キャプテン・フューチャー』でございましょう。

創元SF文庫の全集三巻の解説(山本孝一)によりますと、
もともと編集部の企画があり、それを変えていくことで、
あの設定になったそうでございます。

コミックでもそうみたいですから、この編集部の企画主導というのは、
アメリカのパルプ雑誌の進行としては普通なのでしょう。


p.487
 
「どの話も一話完結で、
 そこには犯罪と、顔を隠した正体不明の悪党が不可欠だった。
 また、ファントムを呼ぶのに摩天楼の赤いシグナルが点灯するのを真似て、
 キャプテン・フューチャーの出動を要請するための信号灯台を考えた。
 そしてキャプテン・フューチャーがつけている
 いくつもの仕掛けがついたベルトをはじめ、
 魅力的な女性キャラクターや惑星パトロール指令のエズラ・ガーニーを
 はじめとする多くの脇役たちを登場させるように強いられたんだ」

ちなみに「ファントム」というのは、全集2巻 p.568 によりますと、

「主人公のリチャード・カーティス・ヴァン・ローンは
 大金持ちのプレイボーイだったが、自分の才能にめざめて、
 正義の味方、ファントム・ディテクティヴとなった。
 彼は変装の名人で、秘密研究所で悪と闘うための道具を発明している。
 物語はかなり定型化されており、殺人事件が起こると、
 摩天楼の赤いシグナルが点灯し、ファントム・ディテクティヴが呼ばれる。」


うーむ。なにか聞いたことのあるような設定でございますな。

 このような決まりきった話が並ぶために
「なんとかオペラ」と呼ばれたのでございましょうか……。
それは、確かに理解できる気がいたします。

 さて、


 要するに、キャプテン・フューチャーは、
よくあるパルプやコミックヒーローの宇宙版として予定されていたのでしょうな。

英語のニュアンスというのはわかりませんが、
キャプテン・フューチャーという名前も、絵空事的なと申しますか、
スーパーヒーローっぽい名前なのかも知れません。

 そこらへん、特にその影響の強い第一話『恐怖の宇宙帝王』あたりに
「スペース・オペラ」らしさがあるのでございましょう。

 先ほど申しましたとおり、ちょっと高級な感じはございますが。

 この『キャプテン・フューチャー』は、まず、
「SFマガジン」誌196311月の
「SF英雄群像」第三回目(野田昌宏)で取り上げられ
(前掲全集一巻p.579(「ついに――夢か現か幻か――
  キャプテン・フューチャーの半世紀(野田昌宏))、

1966年から1967年にかけて
「太陽系七つの秘宝」「謎の宇宙船強奪団」「時のロスト・ワールド」
の3冊が、ハヤカワ・SF・シリーズ(いわゆる銀背)より刊行。

1970年より、長編作品がハヤカワ文庫SFより各1冊で刊行
(訳書の刊行順は、原著の刊行順と異なっている)されたそうでございます
(ウィキペディア)。

主人公キャプテン・フューチャー」と
生きている脳サイモン・ライト」、
ロボットグラッグ」と、
変装の得意な合成樹脂製のアンドロイドオットー」という

フューチャーメンのチームは、
『西遊記』や『オズの魔法使い』と並ぶ、特徴的なチームと言ってよろしいでしょう。
 というわけで本題。

 このチーム構成に影響を受けたヒーローチームを、
日本のマンガやトクサツの中から探していくことにいたしましょう。
☆ まず、分かりやすいものとして、

ウルトラQ』、『ウルトラマン』に続くウルトラシリーズ第三弾
がそうでございますな。

ご存じでしょう。

そう

『キャプテン・ウルトラ』でございます。

配置は

キャプテン・ウルトラ……キャプテン・フューチャー
ロボット・ハック……グラッグ
キケロ星人・ジョー…オット
シュピーゲル号……コメット号

といった感じで、

グラッグ担当のハックは旧式わかりやすいロボットに変えられ、

オットー相当のジョーは、トクサツ的にやりやすく、
視覚的にわかりやすいという理由からでございましょう。
変装の代わりに岩に変形する能力を与えられて……。

サイモンがおりませんが、
宇宙基地シルバースターのムナトモ長官がその役を担っているのでしょう。
 ほぼそのまんまでございますな。


キャプテン・ウルトラ』はウルトラシリーズで唯一東映が作ったこともあり、
人によっては無かったものとしている方もおられるかもしれません。


 ゲームブックで言えば、

双葉社のルパン三世のゲームブックの中に、
ただひとつ紛れ込んでシリーズの番号を狂わせていた
(過去形。後のほうのルパン三世のゲームブックを見ますと、
 無かったものとされております)、
ガバリン』みたいなものでございましょうか、

『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』といえば、
ホラータッチの映像も多く、時としてシリアスなテーマを含んでおりますからな。

毛並みがまったく違うこの作品は、軽く見られるのも当然と言えば当然。
なにしろ、勧善懲悪・明朗快活な時代劇を宇宙に移し替えたような作品ですからな。

 ただ、だからこそこのシリーズが怖くて見られなかったお子さまには、
よかったのでは――とも思います。

 監修に都筑道夫、光瀬龍、音楽に冨田勲と豪華でございますし、

エリンギとか言われておりますけれど
パイラ星人の逆? とも個人的に感じてはおりますが)、
バンデル星人は、宇宙人のデザインとして屈指と言っていい物
だと思うのですけれどねぇ
(ただし、状態のいい物。悪いのは、くたんとして見る影もございませんからな)。

 一作で終わった路線なので、そのいう口も虚しいですが。


 で、考えてみますと、これをパルプ雑誌のSF絵と置き換えて脳内再生すると、
わたくしのイメージするパルプSFな感じなのでございますな。

(なぜか長くなってしまったので、続きます)

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えっと、『クレクレタコラ』はご存じ……ですよね?

 知ってる? ああ、それはよかった。

フジテレビ系列で
かいけつタマゴン』や『ウリクペン救助隊』などと同じく、
月曜から土曜の午後6時55分から7時までの5分間
   (本編はもっと短いでしょう)に放映された作品。


ウィキペディアによりますと、
1973年10月から翌年9月までだそうでございますな。

 週6でやっていたせいか、もっとダラダラ続いていた気がしておりました。

 NHKの少年ドラマや人形劇のあと、
7時のアニメや特撮番組が始まるまでのあいだ、
他に見るものがないので、仕方がなしに見ていたという類いの番組ですな。

 何でも欲しがるタコラがチョンボの持っているものをねだって追いかける、
……じゃなかった。改めて見ると、チョンボ相棒なのですな……。
森の生き物(動物?)の持っているものをねだって追いかける

 というのが基本的なお話でございます。

 知らなくても、
ユーチューブで一話見れば、どんな話かはおわかりいただけるでしょう。


 子供もだませないような子供だましだなぁ、というのが……、
えっと、当時のわたくしの個人的な感想でございます。


 そのしょーもなさや、アホっぽい顔つきなどが、
キッチュなものを喜ぶ方々にウケたのでございましょう。

 たとえば、ゼネラル・プロダクツ社とか……。

クレクレタコラ宇宙船1985/6ゼネプロ広告

「宇宙船」1985年6月号 VOL.24 p.67 ゼネラル・プロダクツ社広告。



 そういう人たちが、マニアとかコレクターとか呼ばれる方々の中に、
ある一定のパーセンテージいたのでございましょう。

 最近でも海洋堂からフィギュアが出ているみたいですし、
公式ツイッターとかもあって……。

 いや正直、DVDのコンプリートボックスが出たときは
(2016年だそうですが)、


正気か、とか、買う人いるの

 と思ったものでございますが……。
 ゆるキャラとして愛されているようでございますな。



 さて、ここからが本題。


 この『クレクレタコラ』には、元になったとおぼしき作品がございます。




2年の学習昭和40年くれくれぞう
  それがこの

  「こくごの 力を のばす 
     夏休み おはなしブック
  監修 石森延男
 (2年の学習・夏休み特大号・第一学習参考
   学習研究社/昭和40(1965)年

  に収録されております、

 「くれくれぞう」
  山元護久・文 小川哲夫・絵(p.10-18)
  という人形劇。





 海賊の親分が、とある島で酋長にであいます。
 海賊は、手下と船をやるから、この島をもらえないかと酋長に持ちかけます。
 酋長はその申し出に二つ返事で応じます。
 海賊はしめしめと思います。
 いうことを聞かない手下に、ほとほと嫌気がさしていたからです。
 ところが――。
 実はこの島にはくれくれぞうが棲んでいたのです。
 酋長は、そのくれくれぞうから逃れるために、海賊との交換に応じたのです。

 つまり双方で相手のことをだましていたのですな。
 もと海賊は、くれくれぞうに追われて退場――。

 とまぁ、単純なおはなしでございます。

くれくれぞう

 これ、人形劇として演じられることを想定していたらしく、
同じ号の別のふろくに、その指人形がついていたようなのですが、

この本、近所か親戚からもらってきたものなので、それ自体は存じません。

おはなしのあとに書かれたその説明を見ると、
厚紙を切り抜いて作るもののようでございますな。



 作者の山本護久先生と言えば、井上ひさし先生とともに

ひょっこりひょうたん島』や
ネコジャラ市の11人』(山崎忠昭先生も1年目のみ参加とか)などの
台本の構成を手がけられた方。


 詳しくはウィキペディアをご覧いただければですが、

いくつかのアニメ主題歌の作詞も手がけられ、

また、
『おかあさんといっしょ』
『できるかな』
『ママとあそぼう!ピンポンパン』
などにも台本構成として関わっているそうでございます。




クレクレタコラ』には、
その名前は姿を現していないようなので、確実な説ではございませんが、

ママとあそぼう!ピンポンパン』といえば
フジテレビですし子供向けの番組でございます。

何かかかわりがあっても不思議ではございません。

 直接のかかわりが無くても、こういう作品のスタッフは、

子供向けのおはなしや劇などにアンテナを張っているでしょうから、
そういうところに引っかかったこの作品にインスパイアを受けた
ということは十分考えられることでございます。


 くれくれとねだる生き物なんて発想
まったく関連無く出てきたなんて、そもそも考えにくいですからねぇ。

 第一、わたくしが『クレクレタコラ』を始めて見たとき、
「くれくれぞう」のパクリじゃん、って思いましたもの
(その当時、パクリという言葉があったかは忘れましたが……
  もどきとか、まねといった言葉はございました)。

 もっともそれは、
リアルタイムで読んでいなかったのがよかったのでございましょう。

 先ほども書きましたとおり、
わたくしが読みましたのは、どこかからもらってきたお古……。
 「くれくれぞう」と『クレクレタコラ』の間には、10年以上ありますからな。
両方がリアルタイムだったら、
忘れていたか知らなかったということがあるやも知れません。



 ところで、この「くれくれぞう」でございますが、
絵本に収録されたことがあったようでございます。

 絵本のタイトルは、『かいぞく ふとっちょジェイク』。

 現在は絶版だそうでございますが、画像検索すると大体内容は分かります


 で、



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 2ちゃんねるのまとめサイトにて知りました。

 57歳でございますか……。

 何よりも驚いたのが、
経歴が2007年まで続いていること。
スクエア・エニックス社の仕事をなされていたのでございますな。
古くからアニメーターをやっている方のように存じておりましたので、とっくに引退しているかと……。

 金田伊功先生と申せば、日本独特のアニメ表現を発展させてきた方のお一人でございますな。

 とにかく、
1コマだけ抜いてみると、デッサンやパースが狂った絵でしかないのが、
動くと実に生き生きとした動きを見せる。

 アメリカのアニメでしばしば行われます、
ロト・スコープ(モーション・キャプチャーと思ってよろしゅうございましょう)
などでは決して表現することのできない、
日本のアニメが、テレビのリミテッドアニメという制約の中で完成させてきた技術と申せましょう。

 いわばケレン味のある表現でございますな。

これは、マンガ的・劇画的表現であり、
さらに申せば、歌舞伎とか浮世絵とかから連なる日本的な表現
と申せます。
(そこまで意識してはおられないでしょうが)

 そのような伝統にして最新の技術こそが、
日本のアニメを他に類を見ない独自のものにしていったのでございます。

 ただ、
もっと長く生きていれば後継者を育てられたのに、
とその早すぎる死を悼んでおられた方もございましたが、
それはどうでございましょう?

 あのお方の技術と申すのは、いわば天才の職人芸。
コツを教えてもらってできるというものではございませんでしょう。

 職人の芸は教えていただくものではなくて盗むものとも申しますしね。

 そういう意味では、金田先生の技術と申すものは、
直接か形を変えながらかは存じませんが、
さまざまな作品に反映されて、
確実に継承されているのではございませんでしょうか?

 そうでなければ、
現在の世界的な日本製アニメの興隆と申すものも、
なかったものと存じます。

いずれにいたしましても、

ご冥福をお祈りいたします。

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