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2024/05/06 ついにねんがんのわいふぁいをてにいれました~。難しいだろと思っていたのでございますが、5分で設置完了。アプリの更新がすぐに終わるのはいいなぁ。低速だと更新できませんでしたってしばしばなるからなぁ。まぁ、でもスマートフォンはなるべく使わない予定。
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前回(承前)の続き。

 岡本喜八監督の『殺人狂時代』を視ることができたので、
『シン・仮面ライダー』をダシにそれを語っていきたいと存じます。
 
 どうやって視たかは秘密。
 
 Satsujin kyôjidai だったか The Age of Assassins 、
「日本語で」ではなく「すべてのサイト」で動画検索しますとですねぇ……。
 
……
 

 予告編がございましたので、それを貼っておきましょう。
(どうもYouTubeとニコニコしか貼れないみたい……)
 
 リンクってあまり、貼りたくないのでございますけれどね。
 
 
 https://youtu.be/JmT1qMEnV9k
  
※ 予告編からイメージする派手さと本編の面白さは
ずれたところにあると存じますので、それはご承知おきを。 
 
 
  ☆    ☆   ☆
   
 というわけで、『殺人狂時代
 
 
 まずは、原作とされている都筑道夫先生の『なめくじに聞いてみろ』と
殺人狂時代』の関連でございます。


 もうかなり前に読んだものであるため、かなり忘れておりました。
 
 そこで、色々なところの紹介記事や、
自分が書いたもの(2021/09/01 (Wed)『なめくじに聞いてみろ』)
を見てみたのでございますが、
小説から映画に採用されたのは本当に少しの部分みたいでございます。
 
 最初は冴えない男だった主人公の桔梗信治が、
ある時点を機に主人公らしくなり、
日用品など変わった武器を使う殺し屋を次々と倒していく
──同じなのはそのあたりでございますな。
 
 溝呂木博士は、原作の信治の父・信輔からアイデアを頂いているとはいえ、
かなり違っております。
原作の方は父親死んでおりますから、性格もセリフもほぼ無し、
直接対決する相手でもございません。
 
 ですから、殺人の元締めという要素だけをいただいて、あとは別人。
 
『なめくじに聞いてみろ』では、
父親が通信教育で教えた(というあたり、巫山戯ておりますな)
殺し屋を始末していくという話なのですが、
『殺人狂時代』では、信治の体に隠されたあるものが狙いと、
筋立てがまったく違うものになっているのでございます。
 
 次に、映画自体について。
 



ここで「宇宙船」1984年12月号に載った
ストーリーダイジェストも置いておきましょう。  『殺人狂時代』
雑にネタバレを含んでおりますので、
どうしようと思ったのでございますが……。

 これから視る予定の人や、
ネタバレが嫌いな人は読まないように
サムネイル表示にしておきます。

 見たい人は画像をクリックなさればよろしいかと。
 
 また最後の3行は、
勝手ながらわたくしの判断で消しておきました。 
 
 

 この作品、莫大な制作費をかけて作られた作品ではございませんから、
アクションに関して飛び抜けているわけではございません。
 当時の普通でございますな。
 
 
 
 そういう意味での見どころというのはございません。
 
 むしろコミカルな部分を持つ作品なので、
殺し屋の死に方が肩すかしな部分もございます。
特に女催眠術師なんかかわいそう。
 
 もっとも、
話の流れがそれで途切れることもないのでダレることはございません。
アクションのためのアクションになっていない分、よろしいのでございますな。
 
 ストーリーも面白い。
 
 特筆すべきは、まず主人公、桔梗信治さん。
 
 仲代達矢さんの演技がうまい。
 冴えない方はもちろんでございますが、スーツ姿になってキリッとした方もね、
ぼけた感じや冴えないときのしぐさを端々に残していて
連続性を持たせているあたり、流石でございます。
  
 そしてなんと言っても、敵のボス、溝呂木省吾博士でございますな。
 
 狂気と殺人を愛する確信犯。
 そのキャラクター造形もいいですし、
その嬉々としてささやく迫力を演ずる天本英世さんもいい。
特にミッドポイント。ちょうどまん中あたり。
桔梗と出会うあたりが飄とした感じでよろしくございますな。
 桔梗さんがつかみかかろうとするとひょいと身を躱すあたり、
 溝呂木博士、身が軽い。
 
 それだけではございません。
 博士のアジトである病院、
 これもまたその性格造りに重要な役を果たしております。
 ですからこの作品、
 白黒でございますがカラーで見たかったなという思いが強くいたします。
 
 白一色の病院内でございますが、
カラーだったらその白が一層シャープになったのではないかと。
 その方が、溝呂木博士の性格を
さらにしっかりと表現したのではないかと思うのでございます。
 
 あとは、音楽の使い方ですとか、場面転換の仕方もいい。
 
 諸手を挙げて大絶賛とか、万人受けする作品ではないと存じますが、
語りたくなる作品でございます。
 そのあたりがカルト的といわれる所以なのでございましょう。
 
 
 
 
 
 で、死神グループとの関係はどうか、でございますが──。
 
 ここまでひっぱっておいて、こういう結論なのは心苦しいところではございますが、
 そのため。前回最初に書きましたが……。

 うーん、そんなに関連はないかな。
 
 丸メガネに髭もじゃの冴えないシンジは、庵野監督が共感を寄せそうでございます。
 そういう目で見ると、
団令子さん演じる鶴巻啓子さんは緑川ルリ子さんと重なるともうしますか、
庵野監督のヒロイン像の一典型という気もいたします。
 
 でもまぁ、そのぐらいでございますな。
 殺人者が次々と襲いかかってくるなんてぇのは、
アクション映画では普通でございますし──。
 
 
 とにかく死神グループとは関係なさそうでございます。
 
 
   ☆   ☆   ☆
 
 
 逆に『殺人狂時代』を見ていて思いましたのは、
もっと似せてしまった方がよかったのではないかということでございます。
 
 カルト的かどうかはともかくといたしまして面白い作品でございますもの。
 参考にすべき部分は多々ございます。
 
 まず、ハタビット計画
 この物語の中心となるショッカーの企みでございますな。
 
 映画ではイチローさんが語って唐突に明らかになりますが、
これをもっと前、最初からとか、コウモリオーグが人を操っておりますから、
その辺から話に出した方がよかったのではないかと思います。
『殺人狂時代』ではちょうど中間あたりで溝呂木博士が現われ自らの思想を語り、
そのあと残した8ミリで鶴巻女史をさらったことを伝えます。
  
 そこから溝呂木博士との対決という明確な構図になるわけでございますが、
そのように敵の目的と主人公の関係を早く持ってきた方が、
話が分かりやすく一本にまとまると思うのでございます。
 ハタビット計画とは何かと、謎を追ってもいいですし、
はじめから全部明らかにした上で、
計画のためにショッカーはこんなことをやっている、すぐさま潰しに行かなくては、
でもいいと思うのでございますよね。
 
『シン・仮面ライダー』って
ルリ子さんを助けに行くという点では一本ございますが、
物語的にどうも散漫な印象ございましたもの。
 
 
 
 もう一つは、ステージ制をやめた方がよかったな、でございます。
 
シン・仮面ライダー』って、アジトだったり他の場所だったりいたしますが、
1怪人につき1つの場所って感じで、大体のところで区切りがございましょう。
 
 1話完結のテレビシリーズを模したのかもしれませんが、
劇場版ではあれがムダでございますな。
 
 アジトに乗り込むまでの段取りで尺を使ってしまいますし、
それが物語の分断にもなっているかと存じます。
 
 庵野監督といたしましては、
そういうところを描きたかったのかも知れませんが、
やはり物語のテンポを悪くする原因となっている気がいたします。
  
 流れの中で出現する刺客として怪人を出せば、
もっとすっきりした展開になったのではございませんでしょうか。
 
 
 そのようにわたくしは感じました。
 
 
 あとは、クライマックス。
 最後の決戦でございますな。
 
殺人狂時代』もアクション自体としては普通なのでございますよ。
両者の片手を結び合わせての折りたたみナイフでの戦いでございますから、
 
そのままではむしろ地味なのですが、
溝呂木博士の病院という特別な場所がその戦いを盛り上げてくれております
 
映画冒頭シーンがその伏線になっていて、
その意味でも映画としてまとまっている感じでございます。
 
音楽の使い方も効果的。 
 
 
シン・仮面ライダー』の対仮面ライダー0号戦って、そういう
クライマックスにふさわしい盛り上げかたが足りなかったのではないかな、
と思います。
 
 まぁ、それとは話ずれますけれど、
庵野監督は死にものぐるいの泥臭い戦いを望んでいたみたいでございますが、
仮面ライダー0号は死にものぐるいではなくてもいいと思うのですよね。
 
 圧倒的な力を持つ0号にね、2人のライダーが死にものぐるいで挑んでいく……。
 そんな方がよかった気がいたします。
 
  
     ☆     ☆     ☆ 
 

 とまぁ、そんなこんなで、
 
 『シン・仮面ライダー』の死神グループとの関連は
あまりなさそうでございますが、『殺人狂時代』。
 面白い作品なので、機会がございましたらご覧になるとよろしいかと存じます。

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