忍者ブログ
2024/05/06 ついにねんがんのわいふぁいをてにいれました~。難しいだろと思っていたのでございますが、5分で設置完了。アプリの更新がすぐに終わるのはいいなぁ。低速だと更新できませんでしたってしばしばなるからなぁ。まぁ、でもスマートフォンはなるべく使わない予定。
[777] [776] [775] [774] [773] [772] [771] [770] [769] [768] [767]
 ドキュメント『シン・仮面ライダー』(NHK-Bs3/2023/03/31)
ご覧になられたでしょうか。
 
(って、もはや今さら感がございますやもしれませんが、
 書いた当初のまま進めてゆく所存でございます)
 
 主にそのアクションに関する密着取材だったので、まず安心しました。
『シン・仮面ライダー』の問題点ともうしますのは、
主にドラマ部分でございますからな。
 
 きっと特に問題もなく、庵野監督のこだわりと、
アクション班の技術が連携していい画(え)が撮れました、という流れなのかと。
 
 ですが、ご覧になった方はご存じでしょうが、全然違いました。
 
 はじめ監督は、『仮面ライダー』のアクションチーム
大野剣友会の動きを現代風にアレンジしたものを想定したようでございます。
 
 そこにアクションチームのアイデアも採り入れていくという方向性でございますな。
 絵コンテは使わない
 現場で実際にやりながら映像を決めていく。
 
 殺陣担当の方々も自分たちのやり方が採り入れられるのならと、
それに納得したようでございます。
 
 ところが。
 
 実際にやってみたところ、最初のクモオーグ戦の段で監督の表情に苦渋が走ります。
 
 ワイヤーアクションは派手だか嘘っぽい。
 使わないことにしよう。
 もっと物理的に正しいものをやろうと。
 
 番組中、アメコミ映画と同じにしたくないとおっしゃっておられましたが、
他にも『仮面ライダー The First』ですとかね。
そういうものと似通ったものになってはならない。
 まったく別の映像を、と庵野監督は思し召されていたに違いございません。
 
 シン・シリーズでは常にそのような映像を出してきたわけでございますから。
 
 そこでお出ししてきたのが、泥臭い格闘。
 本気で殺しにかかっているような、真に迫った映像という演技方針でございますな。
 
 血なまぐさい演出ともうしますれば、エヴァンゲリオンでございます。
 ストーリーに加えアクションもエヴァンゲリオンの方法論と聞きますと、
何だか仮面ライダー愛はないのか、
仮面ライダーをネタにして、エヴァンゲリオンをやりたいのかと、
言いたくなるところでございますが、ここはぐっと抑えて。
 
 むしろここは、それほど同質化しているのだと考えるべきでございましょう。
自分の血肉となるほど愛しているので、
それを進化させるには、自分の方法論でやるしかない。
 
 そのように考えることにいたしましょう。
 
 むしろすごく愛しているのでございます。
 
 シン・仮面ライダー
 
(ドキュメンタリー内でアクションする人が、
 感情を表現すると言っても仮面だとなかなか難しいみたいなことを
 言っておりましたので、クラッシャーを開けてみました、
 なんか叫んでいる感じで、ちょっとエヴァっぽくなりますよね?)
 

 てなわけで、
 
 庵野監督は段取りをなくせば真に迫ったアクションシーンが撮れると思ったのかも
しれませんが、しかしそれは難しいところ。
 本当に殺しあいをしているような迫真の映像作品って、
ちょっと思い浮かべても、映画の賞が獲れるような作品ですよね。
 
 それって、むしろちゃんと計算して計画してでないと撮れないように存じます。
 
 ドキュメンタリーで撮っていた、
仮面ライダー同士の格闘シーンが映画ではまるまるカットされていたとか……。
 あそこら辺、映画を見ていても確かにつながりが変な気がいたしましたが、
尺が足りないなどの現実的な問題の他に、
もしかすると『仮面ライダー The First』あたりの映像と
差別化を図れなかったなどという問題があったのかもしれませんな。
 
 いずれにせよ、監督もかなり悩んでいた部分なのだと思います。
方針が自分でも明文化できなかったのではございませんでしょうか。
現場が困惑しているのも、海図無きがゆえでございますな。
 
 
 
 思いますに、やりたかったのは黒澤明監督ではございますまいか。
 
 黒澤明監督は、時代劇を
それまでの歌舞伎をルーツとした様式的な立ち回りから
血のにおいがするリアルな殺陣に変え、
時代劇に革新を起こしたことで知られておりましょう。
 
 そんな感じを『仮面ライダー』に持ち込みたかったのかと思われます。
 
 ただね、だとしたらむしろ絵コンテは必須だったと思われます。
 だって、黒澤明監督ともうしますれば、その絵コンテが有名でございましょう。
画として評価されるぐらいに。 
  
 一般にいう絵コンテとは少し違って、
宮崎駿先生などがおっしゃるところの
ストーリーボード、イメージボードでございますが、
リアルなアクションを創り出すために、
やはりそうしたものが必要だったのではないかと存じます。
 
 詳細な絵コンテはイメージを限定されてしまうとしても、
イメージの起点となるイメージボードは、監督自らの意図を明確にし、
スタッフにそれを伝えるためにも、役に立つと思うのでございます。
 
 最後の『シン・エヴァンゲリオン』でも
絵コンテは使わなかったそうでございますが、
第三村の模型作ったそうでそれが意思合わせや設計になったでございましょうし、
絵を描くのと演ずるのではまた違うのだと存じます。
  
 
 もっとも、石ノ森先生のファンといたしましては、
イメージボードだけではなく、
ちゃんとした絵コンテが欲しいところでございますけれどね。
 
 だって、
わたくしが『シン・仮面ライダー』を見に行った理由の8割ぐらいが、
石ノ森先生のマンガ版のコマ割りを始めとした映像技法を
庵野監督がどう映画で表現するのかを見届けたい、でございましたもの。
 
 そのためには、絵コンテは必須となりましょう。
 
 映像技法を使えば役者の感情表現は要らない。なくてもそれは表現できる
みたいなことをおっしゃっておりましたのって誰でしたっけ?
ヒッチコック?
忘れました。まぁいいや。
 
 仮面なんて無表情の最たるものでございますから……、いやもとい。
 
 そんなこと関係なく、
わたくしは映像表現が見てみたかったのでございます。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
おっしゃることはわかりますけど
庵野監督の頭にあったのは黒澤明じゃなかったんじゃないかと思います。

むしろ、植木等の「日本一の無責任男」での逸話かと。あれで、監督に脚本を渡されて「振り返って笑う」というシーンで、植木等が何度振り返って笑っても監督がOKを出さず、ヤケクソになった植木等がもうわけがわからないまま振り返って「わーーーっはっはっは!」と笑ったらOKが出た、ってあれ。監督が絵を書いたらそれが「正解」になっちゃうんで、それよりもその場の「サプライズ」として出てきたもののほうから拾っていく、としたほうが「誰も予想のできない画」が取れるだろうってやつですね。同様のことは工藤栄一監督もモノクロ版「十三人の刺客」でやってましたな。演者数十人をセットに入れ、模造刀と耐衝撃用に新聞紙をぎゅうぎゅうに詰めた着物を持たせて、あとは用意ドンで打ち合わせ抜きの殴り合いをさせてそれを片っ端からカメラで撮り、「使えるもの」だけを残すっていう……「十三人の刺客」の撮影の時は、セットに常時救急車が三台スタンバっていたそうですね。ライダーの中にも、当時のポスター再現として「十三人の刺客」と「大殺陣」のポスターがあったそうですから、意識してないわけはないと思います。救急車が毎日出動してないだけまだマシかと……。
ポール・ブリッツ 2023/04/17(Mon)19:33:14 編集
黒澤明監督を持ち出したのは、
 黒澤明監督を持ち出したのは、ハプニング性についてではなく、旧来の時代劇の立ち回りの型を廃したことに革新性があったという点についてでございます。
  
 型にはまってしまっている、殺し合いになっていないとおっしゃっているのは庵野監督でございますからね。
 方針としてまずそれがあり、その上で自分ではない新しいものを求めているわけでございます。
 
 わたくしが話題にしたのはその方針について、尋常ならざるポール・ブリッツ様がおっしゃられておりますのは、あとの部分についてでございますな。
 その点に関してわたくしは、無知ゆえ分かりませんが、そのとおりなのでございましょう。
 
 ただ思いますに、それまで庵野監督ってけっこう気心が知れたスタッフと組んでやって来たと思うのでございますよね。
 自分の事をよく知っていて、しかも自分にないものを出してきてくれるようなスタッフと──。
 それが今回は、そうではない人たちと組んでやったので息がまだ合っていなかったかな、という感じはいたします。
 もしも、息が合っていないとすればの話でございますが。
 
 あと、絵コンテを作らなかったのは、そういうカッチリとしたのは、そうしなければならないアニメで充分やっているので、そうじゃない方法で作りたかったというのもあると思います。

 
道化の真実 2023/04/19(Wed)08:04:32 編集
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 3 4
5 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
道化の真実
性別:
男性
趣味:
ゲームブック
最新CM
[11/01 道化の真実]
[10/26 ポール・ブリッツ]
[06/01 道化の真実]
[05/29 ポール・ブリッツ]
[05/06 道化の真実]
最新TB
ブログ内検索
バーコード
P R
フリーエリア
<
忍者ブログ [PR]