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2025/10/23 級に冷えてまいりましたな。ついこの前まで夏のようでしたのに、今はもう冬のよう。今年はあきの来ない1年となりそうでございます。 /「Role&Roll」、地元の本屋さんには置いておりませんでした~。ガッカリしてそのまま他に何か買う本ないかと店内をさまよっておりましたら、別のところで発見。アニメや模型雑誌のところから、TRPGやなろう系小説のコーナーに居場所が移っていたのでございました。 うーん、驚かせやがって~!!
[37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [44] [45] [46] [47]


 ステップメモと申すのは、みなさんご存じですな? 双葉文庫のゲームブックなどにございました、通過したパラグラフナンバーを記録しておくための欄でございます。


 簡単にできると思ったのですが、これが大変。この前の記事を書いてから、ずっとかかり切りだったのですが、なかなか……。


 理由はソフト。ワードにしてもエクセルにしても、ペイントにしても、ただ水平線と垂直線を描くだけが、なんでこんなに難しいんだ。


 四角を描いても辺と角に変な○が出てくるし、垂線を引こうとしてもまっすぐ下に降りてきてくれない。罫線もなんか変な動きするし、ならばと罫線記号で書いていくと、どうも罫線が図形に勝手に変換されるらしくて、またぐにゃぐにゃ……。


 しかたがないので、メモ帳で罫線記号をつかって作りました。


 少し前まで(とはいえ、最近はほとんどつかっていないのですが)、カシオのダーウィンというワープロをつかっていたのですが、それは文章を四角で移動(複写)させる「矩形移動(複写)」という機能がついていて、それがフローチャートを描くときにすごく便利だったのですな。「メモ帳」にはその機能はなし。でもまぁ、なんとか出来ましたよ。そんなに複雑な構成でもございませんでしたし。


 チェックもして、ようやく完成とブログにアップしたところ、ぎゃーっ、行が崩れてバラバラに。なんでこんな作りにするのかなぁ、ソフト会社は。ソフトの連携みたいなことを盛んに主張しているのに、その機能といえばめんどくさかったり微妙だったり。よくわからない……。


 まぁ、そんなことを申していても、どうしようもございません。といって、解決法を探していては何ヶ月も何十年もかかってしまいそうでございますし、強硬手段に出ることにいたしました。


 要するに、テキストファイルを印刷して、それをスキャナにかけ、JPGファイルにしたのでございます。何という二度手間。


 


 いやホント、フローチャートがどうの以前の問題でこんなに手間がかかるなんて、思ってもみませんでしたよ。


 


 そんなわけで、サムネイルからごらんください。


   


 分岐した部分は、どこにどの数字を入れるか迷うことになるでしょうが、そのぐらいは、このステップメモのパズル性だとお思いください。と申しますか、ゲームブックファンなら、何の問題でもございますまい。


 


 「エンド」の文字は特に書いておりませんので、該当するパラグラフナンバーの四角にペケ印をつけるとか、その後に[END]をつけるなどして各自ご対応を。


 記号などのチェックするパラグラフは少しおおきくしております。まあ、(A話)にはさして関係はございませんが。


 


 というわけで、どなたか親切なかた、ウィンドウズ10 64bit版対応、日本語の、矩形移動のできるテキストエディタとかございましたらお教えくださいな。


 また、そのほかのことでも、ご教授願えれば幸いでございます。


 
☆ 試しに上記のステップメモをダウンロードして印刷してみたところ、正常に印刷できました。  
  でも、印刷が濃くなっている。なぜだ?

☆ ああ~っ、「亭」の字が抜けてる~!
  てなわけで、各自付け足しといてくださいな。



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七つの大罪ゲームブック2


『七つの大罪ゲームブック<豚の帽子>亭の七つの大冒険』


藤浪智之著 原作・イラスト 鈴木央 講談社 KCDX (2017/10)


ひゃひゃひゃひゃひゃ、道化の真実にございます。
いやいや、出るとは思っておりませんでしたよ。
第2弾なんて。
ネットに接続していなければ、分からなかったかも……。
そんなことはないか。

というわけで、さっそく感想を―。



 


 p.3によれば、「七つの大罪」が黒幕を倒し、<十戒>との戦いが始まるまでの間だそうですが、原作を読んでおく必要は特にないと存じます。おそらく、原作にこのストーリーが関わってくることもございませんでしょう(あったら楽しいですけど、ね)。


 書かれておりますとおり、つかの間の平和な日々を舞台とした、幕間劇なのでございます。


 


 一作目と比較してみますと、


『スタートレック』の『ヴィージャー』と『カーン』と申しますか、『ルパン三世』の『マモー』と『カリオストロ』と申しますか、一作目が原作準拠のあれやこれやで肩肘張っていた感があったのが、二作目に来て吹っ切れたと申しますか、自分の世界に引きずり込んだという感がございます。


 


 展開される七つの物語は、


 


 巨人の塔の村。


 盗賊都市。


 妖精の国。


 「探偵小説」の世界。


 体の中。


 手紙の謎(パズル)。


 「七つの大罪」のニセモノとの戦い。


 


 と、まさにパラレルワールド。舞台も異なれば、各話の長さも異なり、スタイルも違います。


 つまり、『七つの大罪』のキャラクターを登場人物とした、『七つの世界の物語』というわけですな(ちなみに作者は「わきあかつぐみ」名義で、『6つの世界の物語』(平成四年四月・マイクロデザイン)というTRPG集を上梓しております)


 


 各作品は独立した短編であるため、どれからはじめてもかまわないのですが、最初の話から順番に進めていくのが良いように思います。
 4話の「探偵小説」と7話の「ニセモノ」の話が長く、6話の「手紙」が短いので、中盤の山(4話)、ちょっと一息ついて(6話)、クライマックス(7話)といった感じになって、緩急のつき具合がちょうどよろしいのでございます。


 


 プレイヤーのキャラクター(PC)については、男女どちらでもかまいませんが、特別な能力をもたない普通の人。まぁ、p.4に描かれたイラストにあわせて、少年か少女にするのがイメージを崩さないでしょう。


どんな人物でもいい、という場合、そのゲームブックに好ましからぬ人物は、展開によって排除されてしまうのが普通ですからな。


 


 一冊の中に7つもの短編では、ひとつひとつの分量が物足りないのでは、と考えるかたも


おられるかもしれませんが、それは感じませんでした。むしろ、モチベーションを維持したまま一気にプレイできる長さとしてちょうどいいのではと存じます。


 くわえて文章量に緩急がつけられているため、短いものはサクッとすませ、長いもので堪能するというかたちになり、満足度もしっかりあるのでございますな。


それを楽しむためにも、7話目の「七つの大罪」のニセモノとの戦いは、最後にプレイするのがよろしゅうございましょう。


 この文章量と申すのは、初心者を考慮してのことでもございましょう。


 マンガの読者の年齢層がどのあたりかは存じませんが、これが始めて接するゲームブックという方もおられましょう。じっさい、パラグラフA―3にも、「こうして行動を選ぶのがゲームブックなのだ」と、初心者に向けた言葉も書かれておりますし(まぁ、普通描かれているともうせば、そうかもしれませんが)。戦闘など数値的なルールがないのも、フラグチェックが覚えておける程度のものなのも、初心者を考えてのことだと存じます。


 


 あとは、そうですね。ゲームブック、特にストーリーがメインとなるものは、全体をみることが楽しみ方のひとつであると思っております。


 第6話の暗号と申しますかパズルなどは、書かれておりますとおり、まったくヒントがなくても解くことは可能ですが(選択肢自体がヒントになっているような)、ヒントなしに解いたとしても、後でどんなことが書かれているか、選択肢の飛び先をのぞいてみるのも楽しいと存じます。これは他の話でも同様でございます。特に、4話の「探偵もの」は、タイトル部分に注意書きがあるとおり、通常の方法ではたどり着けないパラグラフがございます。それを探してみるのも、楽しゅうございましょう。


 


 とまぁ、こんなところでございましょうかねぇ。


                     というわけで、じゃぁねぇ~。



* 『6つの世界の物語』ながめていて思ったのですが、この「ばられる☆ろ~るRPG」って、『サタスペ』に影響与えたんじゃないか……違うかな?


七つの大罪  



 


 


 






 





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ひゃひゃひゃひゃひゃ、道化の真実にございます。




  試みに、絵を上げてみました。


これでいいのだとすると意外に簡単。


「Role&Roll」誌、Vol.156の読者欄(p.143)に載ったやつでございます。


下の字は、活字に変えておきました。


絵が小さいとお感じの方はお手数ですが、設定のところ(エッジなら右上の…、エクスプローラーなら歯車マークですな)を押して拡大を選んでくださいませ。 


 さて、というわけで、『ヤンキー&ヨグ・ソトース』でございます。


 トレーディングカードゲームのアニメを題材にした『カードランカー』、
アイドル育成ゲームのアニメを題材にした『ビギニングアイドル』と、
ウケ狙いというかマーケティングに忠実っぽいというか、
そんなTRPGの第3弾がこれ。
ヤンキーってどこから出てきたんだ? とみなさん疑問に思ったことでございましょう。


わたくしもそう感じました。


別の意味でウケ狙いという感じはいたしますが。


 ですが、考えてみますと、ヤンキーと申しますか、不良が主人公の作品というのは、
どの年代でもあるのでございますよね。マンガにしてもおそらく貸本漫画から始まって、週刊誌では(『ハリスの旋風』ちばてつやあたりからですかねぇ)たえずその一角を占めております。
主人公でなくても、あるいは不良を前面に出していなくても、けっこういろいろな作品に、登場しているのでございますな。


ついでに申せば、来訪者が怪物を退治したり困難を解決したりというのは、昔話の典型のひとつでございますし、流れ者が事件を解決するというパターンは『水戸黄門』や『渡り鳥』シリーズなど、物語の定番のスタイルでございますな。
そもそも、RPG自体そのようなパターンなわけでございまして……。
わざわざ書くこともありませんでしたか。


 


 まぁ、そんなわけで、ウケ狙いと思っていたのでございますが、意外とよく考えられております、この作品。


「うろつく」とか「熱血判定」とか、ヤンキーの行動原理にうまく落とし込んでいるのではないでしょうか。


それにしても、「バンカラ」・「ツッパリ」・「オールドヤンキー」と、
「チーマー」・「ネオヤンキー」・「ギャル」との間には、ギャップがあるような。
何か、昭和ライダー対平成ライダーってな感じでございましょうか。


 


 さて、絵の話をしていきましょうか。


とにかく、アイドルからヤンキーという流れに驚いたのでございます。


 で、『スケバン刑事(デカ)』ネタで考えていたのですが、どうもベタになってしまう。


 そこで、路線転換。アイドルといえば水着、かなぁ。


バンカラのヨハネはフンドシ、ギャルのまつりは何でもいい、昂二はどうでもいいとして、
咲良はどうしよう? ひざとひじまでおおった横縞のとか? 
スケバン、水着ではしゃいだりしないよなぁ。海辺に来ても長いスカートだよなぁ。
などと考えているうちにこのような絵に。


昔の不良少女の話って、こういうこと言っているからピンチになるってよくありますよね。
今でいう姫騎士タイプ?


さて、昂二さはどうしましょう? 
グラフティで好きなものを描いていて、それに誇りを持っていて……。


というわけで、グラフティって通常は文字とか描くところなんでしょうが、アイリスさんの水着、ダブルピースを描かせてあげることにいたしました。


実はアイリスさんは、この絵が恥づかしいから、消してまわっているんですな。


そのために昂二さまを追いかけるかたちになっているという……。


 


まっ、そういうことでございます。


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 前回のブログを書いた後、どこで固まったんだっけ、とふと疑問が浮かびましてな、プレイしてみましたよ。『鋼殻のレギオス』。
 確かクラスメートが教室に集まっているところだから、序盤だろう。でも、いくつかイベントをこなした感じはあったから、第2章とか3章のはじめかな、などと予想していたのですが、セーブポイントから始めてみたら、これがエピローグの冒頭だったのでございます。
 ですから、一応プレイは出来るのですな。
 というわけで、あらためてプレイしてみたところ、スキップして流せない文章が……。
 要するに未読部分があったわけですな。
 未読部分でも、少し読んでいると既読部分につながるということは、よくある話でございますから、期待などせずに進めていると、見知らぬイベントが。
 というわけで、エピローグで止まりはするものの、ある程度のボリュームはプレイできるということですな。
 ただ、プレイしていて思うのは、イベント発生条件の因果関係があいまいと申しますか、でたらめと申しますか、今ひとつよくわからない場合があるのでございますよ。
 ストーリーはゆるく、戦闘は負けるほうが難しいというレベルなのですが、展開に関係なさそうな判定でも成功させないとバッドエンドになったり、適当に選んでもよさそうな選択肢がけっこう重要だったり……。ちゃんとやったわけではないのでわかりかねますが、おそらくそういう構成なのでございます。
 フローチャートを書きながら、選択肢を総当たりするというのは、正しくゲームブック的ではございます。ですが、選択に順番がある場所があるかもしれず、フラグがどこで立っているかわからない状態では、なかなか難しゅうございますな。
 わたくしといたしましては、エピローグで固まるし、もう過去のものという感じで、モチベーションもなくしてしまいました。
 あとは、熱心な方にお願いいたします。
 ゲームブックは、物語の流れも含めて、さまざまな展開のすべてを見渡せることが、魅力の一つだと思っておりますから、それができない(フローチャートが生成されるゲームでも、フラグまでは書かれていなかったりしますから)要電源のアドベンチャーゲームは、ちょっと残念な気がいたします。
 まっ、それはともかくといたしまして、このゲームブックDSのシリーズ、
 TRPG的な流れで、ファンタジー世界が舞台の『ソードワールド』、
 アドベンチャーゲーム的なフローチャートのパズルを組み込んだ、学園冒険ものの『鋼殻のレギオス』、
 ループもので、恋愛アドベンチャーっぽい『アクエリアンエイジ』、
 と、3種3様、それぞれ異なるアドベンチャーゲームのスタイルを出してきたことは、評価に値しますな。
 もっとも、それが分かるのは3作すべてをやった人だけですし、製品として評価以前の問題があるようでは、このような意図も台無しですな。
 実に残念なことでございます。

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(*)構造的にはともかくとして……


   例えば、


1 Aの村に行く


2 Bの村に行く


3 Cの村に行く


 


という選択肢があったとします。


で、


Aの村にアイテムaが、


Bの村にアイテムbが、


Cの村にアイテムcがあって、


すべてのアイテムを入手しなければ次に進めないという場合、


一つの村をクリアしたら、また分岐点まで戻って別の村へ行く、という構成になりますな。これと、構造的には同じと申しているのでございます。


 


今、たやすく入手できる例といたしましては、山口雅也先生の『13人目の探偵士』(講談社文庫)でございましょうか。ゲームブック『13人目の名探偵』のパラグラフ分岐をなくしたこの小説では、最初に3人の探偵が出てきますが、その部分がゲームブックでは、この構造になっているのでございます。


ちなみに、作品としてはダイイング・メッセージが美しい。ゲームブックで読んだときにハッとしてしまいましたもの。瑕疵としては、一カ所、バーチャル的なものをにおわせているのが興ざめでございました。ゲームブックが書かれた当時、そういうものを入れたくなるのもわかりますし、ちょっとした部分なのですが、やはりね。

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おやすみをしている間にもいろいろとございました。


ゲームブックDSが出たのも、休止してすぐあたりのことでございましたな。


特に書く必要もないとは思いますが、最近その存在を知って、中古屋さんで見つけたら買おうかな、などという奇遇なかたもおられるかもしれませんから、少しだけ触れておきましょう。


 


ええ、買いましたよ。ゲームブックDS。


DSLL本体と同時ぐらいに。3つとも(発売時期は1~2ヶ月ぐらいずつずれておりますが)。しかも、限定版。箱の大きいので。そんなものいらないわけですが、話のタネに。


 


3作品は、タイトルだけ挙げますと、


『ソードワールド』


『鋼殻のレギオス』


『アクエリアンエイジ』


 


で、『ソードワールド』は、まあ普通の冒険アドベンチャー、


『鋼殻のレギオス』は、学園内を舞台にしたシティアドベンチャー風、


『アクエリアンエイジ』は、恋愛アドベンチャーのループもの、


と、3種3様の方向性を持たせているところは、評価してもいい部分かと存じます。


 


とは申せ、評価できるのは、そこまでですな。


特に2作目の『鋼殻のレギオス』には、序盤と思われるあたりで、進行不能になるバグがあります。ネットに開通してから見たら、サイトの方では、該当するかたはメールをください、みたいなことが書いてありますが、いまさら送っても中古で買ったんだろうと思われそうですし、そこまで展開が気になるわけでもないですし……。


というわけで、どんな話になっていくのかは存じません。


 


『アクエリアンエイジ』のほうは、一応最後まで行くことは出来るのですが、選択肢の一部で、画面が止まってしまうことがあったような? それよりも、ゲーム終盤になるにつれ、音声と画面がどんどんずれていき、そりゃもう、面白いことに……。


いやいや、普通の表現で、一言で申しますと不快なまでになっていくのでございます。


話には聞いておりましたが、こういうバグは、初めてでしたよ。


 


ソフトウェア会社の仕事のことは存じませんが、完成前のバージョンを渡してしまったとかいうことでございましょうかねぇ。


修正版があるのなら別として、買わないほうがよろしいかと。


 


内容的にも、ゲームブックが好きで、その新しいかたちをDSで表現してやろうというのではなく、シナリオとイラストさえあれば、比較的楽なシステムで出来るというような、制作上の思惑があったような気がしますな。


で、シナリオやイラストが締め切りを遅れてとか……。いや、そんな勘ぐりはいけません!


でも、1作目に破綻がなくて、2作目3作目がこのような出来でございますと、締め切り的にタイトだったのではとついつい想像してしまいます。


2作目が困った出来だったから、3作目の『アクエリアンエイジ』のほうは、ちゃんとしていると思ったのですけどねぇ。


残念。


 


そうそう。


『ソードワールド』のほうは、まともな出来で、特に語ることはないですし、『鋼殻のレギオス』のほうは、話がわからないのでパスですが、『アクエリアンエイジ』は、少しお話に触れておきましょうか。


前にも書いたとおり、典型的なループものの恋愛アドベンチャーでございます。


主人公は不真面目な高校生。


1日ごとに変わった性格風体の女の子とつきあって、世界が滅亡する。


それを6回(元の時間に戻るわけですから、たぶん実質1日)繰り返し(つまり6人の変な子が登場するわけでございます)、7回目に少女全員が集まって決戦。


確かそんな流れでございます。


構造的にはともかくとして(*)、ゲームブックの時代にループものはなかったですし、そういう意味では新しいといえるかもしれませぬが、ループものの美少女アドベンチャーとしては、典型も典型。なので、特にわたくしが語ることはございません。


 


ちなみに、限定版には、CDがついているのでございますが、そういえばそれは封も


切ってなかった……。というわけで、内容は存じません。


 


まっ、そんなところでございましょうかね。


               というわけで、じゃあねぇ~。


 


(*)構造的にはともかくとして……

の注は、10月9日の記事に移動しました。

『鋼殻のレギオス』については、10月10日に追記をしておきました。

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ひゃひゃひゃひゃひゃ、道化の真実にございます。



NTTが押し売りに来たものでございますから、その口車に乗せられて、ついつい買って



しまいましたよ、光。ついでなので、パソコンの方も揃えてみたというわけでございます。



前のパソコンは、3ヶ月ぐらいで、ブルースクリーンが出て、その後何回も……。保証期間ギリギリで、メーカーに修理に出したら、「問題は見当たりませんでした」とかで、ハードディスクだけ交換されて、戻ってきたのですな。パソコンはていねいにあつかいましょう、みたいな言葉が添えられて……。ほとんど動かしたりしなかったというのに。



 その後もブルースクリーンは何回も出て……。プロは別とした経験者にはわかってもらえると思うのでございますが、アレはまったくいやになるものでございますな。



 というわけで、今回、パソコン選定の基準としたのは、とにかく壊れないということ。



(まあ、誰でも条件のひとつとして挙げる条件とは存じますが)



で、日本の工場で作っているという、富士通製、SSDのノジマオリジナルというのを買ってみたのでございます。



 でも、ちょっと後悔。カタログを見なかったのでわからなかったのですが(買うとき1枚のチラシみたいのはもらいました)、こいつ、春パソコンのハードディスクをSSDに変えただけのものみたいなのですな。ちょっとがっかり。



 あとタッチパネルは、やっぱりほしかったなぁ……。



 



 で、光が通じたのでブログのほうを見てみたら、1年以上更新がないということで、広告が……。それは、忍びないので、こうして書き込んでみた次第でございます。



 



というわけで、よろしくお願い御申し上げます。



                    じゃあね~



                        ば~い、道化の真実。



 


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2009/8/2  今日の記事にも書いておきましたが、引用とか色はわたくしによります。
       特に断りが入っていなければ、このブログでは基本的にそうだとお考えください。
       でございます。

2009/8/4
 戦わないきみの詩(うた)を  
       戦うやつらが嗤(わら)うだろう

2009/8/9
 『世界のSF文学総解説』(伊藤典夫責任編集・自由国民社 1981/12)では(p.293)、
       『オデュセイア』、聖書、ルキアノス、ラブレー、トマス・モア、フランシス・ベーコン、
       ゴシック小説、『古事記』、『竹取物語』などをSF以前の「人類の夢と空想の書」の例
       として挙げておりますな。
       SF以前というのは、科学や応用科学が存在する以前という意味にございます。

2009/8/10 「こちら株式会社ブロッコリーカードゲーム部カードゲーム課」 
        (http://www.broccoli.co.jp/cardgame/)というブログの
        8月10日の日記によりますと、
        JGC2009(2009年9月4日(金)~9月6日(日))において、
        ゲームブックDS ソード・ワールド2.0体験会が行なわれるそうでございますな。
        「発売前ですが世界最速?」ということでございますから、発売はそれ以降、
        ということにあいなりましょうな。う~む。

(9月1日現在の予定では、2009年10月29日(木)発売予定だそうでございます)

2009/8/12  来た!! 今日の日記に「出ることは確実のよう」と書きましたが、さっそく出ておりました、
        鹿島勝先生のゲームブック『嗤う黒猫』パラグラフ数263で、
        パズルなど遊びの要素もちゃんとあるしっかりしたゲームブックのようでございます。
        (正式な情報は、今日の日記記事をご参照くださいませ)
        ただ、「名探偵コナン」の名が冠せられておりますものの、
        別にコナンじゃなくてもいい内容という感じなので、コナンファンはがっかりかも? 

2009/8/13 え~っ!! 今度はこれらしい。
        『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』
       
水城 正太郎 他 (著), 築地 俊彦 (著), 畑 健二郎 (イラスト)  (ガガガ文庫/小学館)。
        発売日は 2009/8/18。 すぐじゃないか!! コナンに続いて、立て続けにどうして? 
        小学館つながり?

2009/8/18 『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』買ってまいりました。
        何か、パラパラッと見てしまいますな。
        パラグラフ数74と少な目ですが、楽しそう。
        絵を描かせたり、14が復活のパラグラフだったりするのは、
        ブレナン作品へのオマージュ?
        あと、このタイトルでぐぐっていたら、氷川へきる先生のブログにあたりました。
        それによると、11月27日発売の『ぱにぽに単行本』13巻の特装版は、
        ゲームブック付き! なのだそうでございます。
        楽しみでございますな。……でもなんで14巻じゃないんだろ?
        (仮タイトルは、他のサイトに書いてございました。
         「ベッキーのだいぼうけん」(仮)だそうでございます)

2009/8/20 先日、とある工場の前を通りかかりましたら、休憩時間だったのでございましょうな。
        体の大きな方が7人ぐらい、地べたに座りこんで、DSをやっておりました。
        ガッツポーズをとっている人がいたので、
        レースか何か対戦ものだったのでございましょう。
        う~む、何か、ほほえましいと申しますか、笑える~。

2009/8/21 あす8月22日は、今月最終土曜日。
        ゲームブックなチャットのほうに参加するつもりですので、
        ブログの方はお休みの予定でございます。
             …… ……。
        あっ、しまった。最終週は来週だった!!
        訂正:来週の土曜日参加の予定です。ごめんなさい。

2009/8/24 ゲームブック倉庫番、プレビューを見ただけで、書き込んだつもりになってしまった。
        考えてみると、パスワード入れた覚えがないや。
        というわけで、あらためて書き込んでおきました。
        二度手間……。

2009/8/25 国会図書館の本を、
        インターネット経由で有料で読めるようにする案というのがあるそうでございますな。
        そうなれば、あんなゲームブックや  こんなゲームブックも……。
        心配なのは、未知のゲームブックは探せないかも、ということ。
        いい検索システムをつけてくれればよろしいのでございますが……。
        そうなりますれば、新発見の可能性もございますな。

2009/8/27 『仮想儀礼』。きのう図書館に返して、今日また借りることが出来ました。
        どうやら、予約とかは入っていなかったみたいです。
        「『嗤う黒猫』殺人事件」のほうは、もう少し時間が必要です。
        というか、こっちを読んでいたせいで、全然といっていいほどやっていない……。

2009/8/29 ゲームブックなチャットに参加……しようと思ったら、
        「ご使用の環境からのメッセージ送信は制限されています」って出た……。
          う~む。
        どうなっているんだろう?
2009/8/29 ゲームブックなチャット参加中

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
2009/8
メディアファクトリー

 



 山口プリンさまのサイト、「ぷりん部屋」
「冒険記録日誌」、2009年08月25日(火)の記事で、
『名探偵コナン 「嗤う黒猫」殺人事件』のことが採りあげられております。
 そこで書かれていることがまさに、このゲームブックをこのブログで採りあげたとき、
書こうと思ってついつい書きそびれてしまったことだったので、ここで書かせてもらいます。

 まず、
 江戸川コナン少年が、メインとして登場していない点について。

 これがこのゲームブックの最大の問題点ではございましょう。

 ただ、以前、
『VS.名探偵コナン・プレイングミステリー 「ゲームブック殺人事件」』
 齋藤高吉/冒険企画局(メディアファクトリー)
というタイトルで予告が上がっていたときから、謎だったのでございますよね。

 かなりアクの強いTRPGを発表している齋藤高吉先生が、
メジャーなキャラクターをどう扱うのだろう? と。
[END]がバンバン出てくるようなゲームブックになるんじゃないだろうか? ですとかね
(それはそれで、ゲームブックらしい……ですが、
読者(プレイヤー)に受け入れられないでしょうな)


 ですから、このような形になったのは、わたくしとしては、なるほど、といった感じでございました。

 作品のみで考えれば、これは、
『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』をねらったものでございましょう。

 つまり、シャーロック・ホームズにしろコナンにしろ天才なので、
推理を間違えたり、ヘマは出来ないので、プレイヤー・キャラクターにはなれませぬ。
 かといって、脇に入れても、先を越されてしまってプレイヤーとしては面白くございません。

 というわけで、解決編におもむろに登場、とあいなったのでございましょう。

 と申しましても、これは建前で、
ホントは、こういうゲームブックを作りたくて、あるいは、もうすでに作ってあって、
単体では売れないので、『名探偵コナン』という衣をかぷせたという感じが、
ひしひしとございますが……。

 あと、齋藤先生は『名探偵コナン カード探偵団~』にもかかわっているそうなので、
そちらとの関連で、こういう形式が不自然ではないのかもしれませんが……。
 そっちのほうは、全然知らないので、滅多なことは申さないでおきましょう。

 個人的には、ゲームブックして楽しめました。
 コナンが活躍するゲームブックもプレイしてみたいですが。
『ルパンⅢ世』のように、シリーズ化してくれるといいのですけどね。
 あれ、シリーズといいながら、一作ごとに作風やシステムが全然違いましたもの。
 ……。
 でも、それなら『コナン』じゃなくて『まじっく快斗』のほうが、いいのかな?

「パズル部分がゲームブックのストーリーとあまり融合していない」
というのは、冒険企画局のこのごろのTRPGが、こういう形なんですよね。
たとえば『サタスペ』には情報収集ルールがあって、
いろいろな場所を探さなくても、判定を何段階か成功させることによって、
そうしたことをして情報を得たという表現をしているのでございますな
(もちろん、このルールは使わなくてもいいのでございますが)

 まあ、情報収集部分は、作る側にも面倒ですし、
情報が集められなくてシナリオが停滞したり、空転してしまうのでは目も当てられませぬからな。
 そのかわりに、情報収集をゲームにしてしまったのでございましょうが、

このゲームブックにおけるパズルも、そうしたものだと思います。
 ここではパズルは、あることをひらめいたどうかに使われていることが多いと存じますが、
ひらめきというものは表現するのに難しいもの。
 それをパズルとして表現したということではございませんでしょうか。

 あと、ゲームブックは遊びの本であると思うわけでございますよ。
 ブレナンの書でも、東京創元社のゲームブックでも、パズル入っておりますよな。
 ゲームブックを作るにあたって、そういう楽しさも取り入れたいと思ったのではございませんでしょうか?

 ケータイサイトに関しては、あくまでオマケ要素でございましょう。
 (前出の『名探偵コナン カード探偵団~』と同じサイトだそうでございますし)
 本として完結していなければ、サギ呼ばわりされてしまいますからな。

 ただ、一時期タイトルにARPと銘打たれていたことを考えますと、
構想的には、と申しますか、完全に自由に出来るのでしたら、もっと壮大な計画があったのかもしれませぬ。
 パズルの正解を入力すると、コナン君がゲームを進めるために必要な情報を教えたり、
「○○へ行って◇◇に書かれた文を読め」などと指示を受けたり……、
というような、ライブRPG的なことをやりたかったのかも……。

 もしそうでしたら、作品の中にコナン君がいなくても納得できると思うのでございますよ。
重要な役割を果たしているのでございますからな。

 まぁ、実現は難しゅうございましょうけどね。

 追記にあったヒントに関しては、
○○○パラグラフを使ったヒントというのは評価するとして、
ヒントとしてはあいまいに感じました。

2人を特定は出来ましたが、もう少しはっきりとしたヒントがほしかったなぁ、
というところでございます。
 わたくしの考えが足りないと申せばそれまででございますが。

 まあ、甘くみてしまえばどこまでも甘くなってしまうものですし、辛くみればその逆となりましょう。
 わたくしはこのゲームブック、楽しくプレイできました。

 これが、ゲームブックでなくて推理小説にパズルがついたものだったら……、スルーしていたでしょうな。
 いずれにせよ、そういうものよりは、ゲームブックのほうが多分楽しめたと思います。
 そんなには感じませんでしたが、ある程度一本道になっているのでしたら、
それはそれで仕方がございますまい。
 以前書いたような気もいたしますが、
 推理もののゲームブックの場合、推理に必要な情報をすべてプレイヤーに伝えなくてはならない都合上、
どうしてもルートが制限されてしまうのでございます。
(逆に、『シャーロック・ホームズ 10の怪事件』のようにちりばめられた情報を集めていく、
という方法もございますが、それはそれで、難度が高くなってしまうかと……)

 ただ、わたくしにもこの作品に関して、苦言を申しあげたいことが、2つほどございます。

 ひとつは、「この本のなかで書かれていた殺人事件と酷似していたのです」
と書かれているものの、そんなに似ているようには感じなかったということ。

 そりゃ、まぁ、そっくりそのままにはならないでございましょうが、もう少し似せてもよかったのでは……と。
 それには偶然が必要かもしれませんから、それを嫌ったのかもしれませんが、
でもその結果も、酷似というほどにはなっていない気がいたします。

 もうひとつは、米花町で起った事件のほうにも猫が登場してほしかったな、ということ。
 何か、そのほうが因縁めいたものを感じるじゃございませんか。
 もちろん、偶然ということになりますが、そこらへんは演出ということで。

 あと、ちょっと謎なところ。

あまん坊さんの『沈黙の狼』の掲示板、
「狼の遠吠え」2009/08/27(Thu)にも書き込ましてもらいましたが、
「捜査資料」のところの人物イラストは、一体誰が描いているのでございましょうか?
 わたくしは、おくづけに
 
 イラスト……落合なごみ(冒険企画局)

 と書いてあったので、ここも彼女の手になるものだと思ったのでございますが……。




 何か、ややこしくなってきたので、
このゲームブックに関する、別の記事を下に挙げておきますね。

 いちいちリンクを貼ろうとも考えたのですが、それも面倒なので、
検索にまかせちゃいます。
「嗤う黒猫」に色がついているあたりと、日付降順が見にくいかもしれませんが、ご勘弁を。
 それと、余分なのも出てきますが、お許しください。


「嗤う黒猫」ここをクリックしてください。

2009/08/31 (Mon) ここ。
2009/08/28 (Fri) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 袋とじ部分を開いてみました
2009/08/18 (Tue) No.3-4のパズル、こういうことなのかも?
2009/08/17 (Mon) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 第三章
2009/08/16 (Sun) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件 第二章
2009/08/13 (Thu) 名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件
2009/08/12 (Wed) 来た! のか
?

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今月は、『名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件』
『ハヤテのごとく! SS 超アンソロジー大作戦!!』が出ましたので、
それに関する話題が出るかと思ったのでございますが、
あまりプレイした方はおいでにならず、そのことは、少ししかお話できませんでした。
 いや、『ハヤテのごとく』のゲームブックは、一話だけだと語りにくいですなぁ。
パロディもね。
何十人もいる中なら、てきとーなこと書き込んでいれば
誰か反応してくれるものでございますが、
そうでないとどう切り出していいか難しいものでございます。

 で、『ソードワールドDS』って出ないね、という話になりました
2009年10月29日(木)発売予定だそうでございます)
 そのとき話に出た、
「GAME JAPAN」10月号(2009年8月29日発売)を今日立ち読みしてみたところ、
安田均先生とともに秋口ぎぐる先生がインタビューに答えておりましたな。
 このソフトが成功したら、第二弾はSNEのほかのTRPGをもとにしたものをやりたいとか。
 あと、このDSの舞台を元とした、小説を出す予定もあるそうでございます。

 そのあと、
 ププププーさまがいらっしゃらないことをいいことに、
「ゲームブック日誌」2009.08.15のコメント欄に書いたネタを入れてみました。
『涼宮ハルヒの憂鬱』「エンドレスエイト」って、
昔のLDにあったみたいな、ザッピング形式のゲームブック的なものにならないかなぁ、
というようなことでございます。

 正しい選択を見つけないといつまで経ってもエンドレス……というのが基本ですが、
答えがわかれば、あとは一回ですむものの、そこにたどりつくまでが大変ですし、
それだと正解以外の映像はあまり見られないことに……。

むしろ正解とかナシで、普通にザッピング形式にしたほうがいいかもしれませぬな。
飽きたらテキトーに変えて、同じ場面の違う演出を楽しむことができるように。

 それなら、買う人の怒りを買うこともございませんでしょう。
(ゲームモードは追加要素とすることも出来ますし……)

 商魂たくましく、8話を2話ずつ収録して4枚で売るみたいなので、
その可能性はなさそうでございますが――。
(でも、客にソッポを向かれそうな売り方って、商魂なのかなぁ。
それでも買う人がいるからいいのか?)

 で、ドロシー! さまがいらっしゃったことで、そのあと話は、ゲームブックラボ・Rのことに。
 
 萌え絵化とかSD化とか、勝手なことを提案しておきました

 で、何かネタがないかと、 「ゲームブックラボ・R」のサイトを見ておりましたら、

「ファイティング・ファンタジー」シリーズの作者
 スティーブ・ジャクソン&イアン・リビングストンからのコメント
のページがあったのですよね。
(ホームのページの右上、QRコードの下のバナーをクリックして入ります)

 でも、何かそこの訳がこなれていない感じ。
 翻訳がプロの方に、釈迦に説法という気もいたしいましたが、
一方でこうしたサイトでこの訳はマイナスイメージなのでは? と思いましたので、
具体的な修正例をとりあえず4つほど挙げておきました。

 でも、そのときすでに、チャットはお開きになっていて、ドロシー様は退室された御様子。

はしもとさまは、
「ブログか何処かで直接お伝えした方が良いかもしれません」
とお書きになっていましたが、
めんどくさいなぁ……。

 まっ、 「パラグラフの狭間で」のほうにトラックバックをかけて、
この記事のことをドロシー! さまにお知らせするだけにいたしましょう。
でも、 「ゲームブック・ラボR」オープンのところでいいのかなぁ? 2009年01月25日だけど。
 まっ、伝わればいいか!

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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
プレイングミステリー 
(2009/8 メディアファクトリー)


「ゲームブックなチャット」
の前に終わらせとかなきゃ、
ということで、
時間切れ。

一応解答を書いて、答えあわせをしてみることにいたしました。

小学一年生(=江戸川コナン君)に負けた~っ!!

 結果を報告しておきますと、

 パズル部分は一応あっているでよろしゅうございますよね。
 ただ、
no.2-1は、数字部分にもやはり意味があったのか……。

 まっ、強引でも解けたので、よしといたしましょう。

「五つの謎」については、

(1) は、あたり。

(2)
は、そこまでよく読んでおりませんでしたなぁ。

(3)
は、あたり。

(4)
は……、いいところまでいったんだけど、ハズレ。
  と申しますか、特定までは出来ませんでした。
  実は、最後の最後、袋とじ部分をチラッと見て、
  「交換殺人」という単語だけは目に入ったのでございます。
  ズルい?

(5)
(4)と同様。

  連動しておりますから当然でございますな。

 真相に書かれておりませんでしたが、
隠した部分は、沼田政文さんの解説に出てくる作品タイトルがヒントになっていたのだなぁ、
と改めて感心。
 こういうパズルで単独犯じゃないって、ちょっと卑怯……と思っても、
こういうヒントが隠されていることは、言い訳になりますよね。
 それが、わかりにくいものだといたしましても。

 ふと、(4) の答えのヒントとなっているパラグラフについて、
現代のものも混ざっているのでは? と思って調べてみましたが、
さすがにそうした抜かりはございませんでした。
 う~む。
重箱のすみをつつけると思ったののでございますが……。

 あと、(3) に関して、15年も経ったら毒性が薄れてしまうとかないのかな?
とか思ったりもいたしましたがけど、
まぁ、そのあたりはちゃんとお調べになっているのでございましょう。

 真相については、ちょっと強引な気もいたします。
 それは、私の読みが不足しているせいかもしれませぬが……。

 いずれにせよ、『嗤う黒猫』ゲームブックとしては大満足でございました。
 ぜひとも、『革命の歌』『銃口は二つ』(出版されたのかなぁ……)ほか、
鹿島勝先生のゲームブックを順次復刊させていただきたいものでございますな。

     ……。

  版権に問題があるのかなぁ……。

 まっ、そのようなこともございますまい!!

 ひらにひらにお願いする次第でございます。

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

p.117まで



 インドネシアの工場の暴動のくだりは、
現地の信仰を無視して、聖泉真法会のやり方を押し付けたことによる不満が原因だった。
 このあたり、第二次大戦下の日本の植民地経営を思わせる。

 もちろんこれは、鈴木の指示によるものではない。
 鈴木は、他の宗教と軋轢(あつれき)から起こるトラブルを見越して、
そうしたことを一切避けてきた。

 だが、工場をまかされた森田の部下が、そうしたことをまったく理解しないで、
良かれと思って独断で行なったことだった。

 それがきっかけとなったように、
これまでうまく避けてきたと思っていた地雷が、連鎖的に爆破し始める。

 宗教関係の物品販売業者、ヴィハーラとのやり取りに関する税務署の査察。
 大宗教団体「恵法三倫会」の教祖、回向法儒との黒い噂。
(単に、一度会って脅しを受けただけなのだが)

 マスコミによってそれらは大きく取り上げられ、
あることないこと書かれることとなる。

 一部の信者がそれに反応し、出版社に押しかけたことが、火に油を注いだ。
 マスコミはさらに鈴木を追い込み、
そうした中、彼はひとつのトリックに引っかかって、芸能レポーターのインタビューに答えてしまう。
 そのコメントは切り貼りされ、無責任な発言に編集されてしまう。

 マスコミの攻勢はさらに激しくなり、
 それに応ずるように、信者は激減する。

  一部の信者が起こしたことでも、自分のあずかり知らぬところで起ったことであっても、
すべては教団の、教祖のせいとされてしまう。
 まぁ、団体というものはどのようなものでもそうだが、
宗教団体のようなうさんくさい存在ともなると、その風当たりが強くなるのも当然のことだ。

 そして、世間から外れているがゆえに、そうした風聞に弱いのもこうした団体だ。
 宗教は、信仰に支えられているがゆえに、
その信頼がいつわりだと思われてしまえば、すぐさま信者に去られてしまう。

 追い討ちをかけるようにを、森田の会社が去っていった。
 社長の交替劇があり、増谷も無償で貸与されていた会館も失うことになる。
 さらに、別の信者から贈与された土地も、彼女の願いを聞いて返してしまう。

 聖泉真法会に残されたものは、中野新橋の集会所と、少数の残った信者……。

 元の木阿弥というやつだ。

 もう少し、順調に、もっと大きい教団に成長していくのかと思ったのだが、瓦解は意外に早かった。
 そんなものかもしれないが、ここまでで下巻の百ページと少し。
 あと、三百数十ページある。

 大きくなった教団がつぶれて終わり、という話かと思っていたが、そうではないようだ。

 少数残った信者は動きをはじめているし、活動は続くのだろう。
 いったい、どのように展開していくのだろうか?
 
 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284~上巻読了まで)



 話の中で、二年という言葉が出てくる。
 聖泉真法会をはじめてから、二年の歳月が経っているのだ。

 そのあいだ運営を続けてこれたのならば、
それほど大きなトラブルも出なくなってくるだろうし、
その対処の仕方も要領が見えてくる頃だろう。
信者たちだって、互いに不満をもちながらも何とかやっているはずだ。
 集会所のほうのエピソードが少なくなっていくのは、そうした事情もあるのだろう。

 とはいえ、それらがなくなったわけではない。
 大きな動きの中に、さまざまなエピソードが盛り込まれる。

 宗教に超能力をもとめる竹内由宇太という最初からいた少年は、
未明に集会所で呪詛を試みてボヤ騒ぎを起こし、
そこを飛び出し修験者系教団に入り、そこをも出て、高野山中で遭難死する。

 集会所を飛び出すとき、
鈴木は、本音を語ってまで彼にまともな生き方をするように説いたのだが、
それが結局聞き入れられず、このような形になってしまった……。
 そのことに悔恨し、自分の作った偽の宗教に真摯な想いで祈りを捧げる。


 集会所にたむろしていた若者は、
一時的に、ヴェハーラという宗教関係の物品販売業者に借り出される。
 税金対策に、頭数(あたまかず)をそろえるために集められたのだが、
意外にも彼らは、一人前並の働きをする。
 そして仕事をすることによって、彼らの様子もどことなく生気が現れるようになった。
 まあ、そうだよね。
 そういうものだ。

 こういうエピソードを挿入するあたりも、作者が宗教団体をつうじて、
さまざまな世相の問題を取り上げていくという意欲を感じる。


 かつて、芥川賞をとったという井坂は、破滅型の典型だ。
 正業に就かず、寸借詐欺のようなことを繰り返し、
金を手にしたら派手に使い、妻や幼い病気の子供をつれたまま野宿をする。
 しかし、文章は確かに一流で、話もうまく、
会報に載った彼の文章や講演は信者の間で高い評価を呼ぶ。

 何となく「一杯のかけそば」を思い出した。
 そんなによくは知らないが……。

 そんな男に、鈴木は神戸の支部をまかせることにする。
 支部の土地、建物の持ち主の願いでもあるが、
井坂の行状には目をつぶり、その人気を利用しようと、
鈴木はその依頼を了承し、彼を神戸へと向かわせる。
 それは、井坂が、教団の実務担当である増谷(森田の会社から出向してきた人物)
と折り合いが悪かったためでもあるのだが、
結果は大失敗に終わる。

 このエピソード、フィクションだから誇張しているのだろうが、作者の
文学に対する信頼が強すぎるような気もする。
 きわめて文学性が高い文章というものは確かに存在するが、
それが本もろくに読んだことがないような人にまで読む気にさせ、感動させることが出来るのか……。

 ん……。

 正直どうなのだろう。
 よくわからない。

   ※   ※   ※


 と、上巻の感想はここで終わり、

 上巻のラストは、森田の会社のインドネシアの工場が
暴動で焼かれたというニュースが入って終わる。

 で、
 ここで図書館へ本を返さないとならないので、いったん終了。
下巻の感想は、それを借りてきてからということになるでしょう。

 いつになるかは、さっぱりわかりません。

 すぐかもしれないし、ずっと先のことになるかも。
 いずれにせよ、そちらの感想も書く予定です。

 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284~上巻読了まで)


 正直、こういう展開は予想していなかった。
多少信者は増えるものの、中野新橋の集会所のレベルで分裂が起こり、
信者が何かとんでもないことをして、それを収拾できないままに崩壊する、
というシナリオを予想していたのだ。
 そういう可能性をこの会は内包しているし、
それでも物語として充分に面白いと思うからだ。

 だが、この小説は、さらに上を行ってくれた。

 森田の会社と知り合ったところから、
教団は成長を著(いちじる)しくし、ベンツを乗り回せるぐらいという、鈴木の夢以上の規模となった。

 それによって教団は、より危険な、新たな道に踏み込むことになる。

 中野新橋の集会所が中心だったこれまでは、信者の人間関係や個人的な問題といった、
教団内に抱え込んだトラブルが多かったが、
 森田が無償貸与してくれた礼拝所が出来、教団が規模を広げるようになってからは、
物語の中心は、対外的なものに移ることになる。

 それまでは、
せまい中での濃密な人と人とのやりとりから生ずるいさかいや、
個々の性格から来る事件だったのだが、
そうした話は次第に薄れ、
教団運営に関する問題が中心となってくる。

 宗教団体というせまく、しかし濃密な場所を舞台として、
作者は現代に存在するさまざまな問題を描こうとしているのかな、
と思ったが、ここに至ってわかった。
 それ以上だ。
 作者は、そうしたことも含めて、
宗教にかかわるあらゆる問題を描き出そうとしているのだ。

 鈴木は、成長しつつある教団の舵取りをしつつ、さまざまな申し出や事件に出くわしていく。

 うさんくさいところもある宗教関係の業者だったり、
森田のように施設の貸与を申し出る人物だったり、
宗教界の大物だったり……。

 あたり一面、どこをとっても危険が感じられる。
 だが、そのどれが本当に危険で、どれが成功への道筋かはわからない。
 時間は限られている。
 しかも進めば進むほど、トラブルの埋まった場所は、多く、大きくなっていくのだ。

 マインスイーパーだな、と思う。
 それを鈴木は、すばやく、的確に処理していかなければならないのだ。

 中野新橋の集会所を中心とした話では、
その人間関係が複雑に絡み合った中から事件が起こっていたが、
ここでは次々と申し出やトラブル、あるいはそれを予感させる前兆が舞い込み、
それを鈴木がひとつひとつ(でもないが)解決していく、イベントクリア的な流れを感じさせる。

 それまでとは、方向性が違うのだ。


 面白い小説を読むと、
この話をゲームブックにしたら、と考えてしまうことは、
誰にだってあるだろう。

   (えっ、ないの~っ?)

 この小説でも、それを考えたが、なかなか面白そうだ。
 安易なRPGにあるような、楽観的な成長ではない。
 大きくなればなるほど、危険が増大し、厳しい選択をせまられるような展開だ。

 苦しい選択を迫られるが、そこがなかなか面白いんじゃないだろうか。
 作るのは難しそうだが。

 (まだ、続きます)

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特別付録 風林火山 サバイバルゲームブック

武田信玄と上杉謙信 決戦! 川中島の戦い (2006/12 別冊宝島 1365)

パラグラフ数 74(p.137-144)

 


 ゲームブック倉庫番に追加しておきました。

 このゲームブックのことは、以前どこかのブログで知ったのでございますが、
今ぐぐってみても、ちょっとわかりませんでした。

 宝島社の歴史ものとだけ覚えていたので、このタイトルではなかった?
とも思いましたが、ぐぐったら、このタイトルぐらいしか出てまいりませんでしたので、
そうでもないみたいでございます。

 う~む。


 さてさて、歴史もののゲームブックというのは、案外出ておりますな。
 おもに、戦記ものだったりするのでございますが。

 で、粗製乱造だったり、平凡な出来だったりするものも多い……。
 好きなものもございますけど、傑作といえるほどのものはないような。

 一番評価が高いのは、『縄文伝説』あたりでございましょうか?
 あれは歴史ものからは少々外れる気もいたしますが。

 歴史もののゲームブックがある程度あるのは、

 ひとつには、
 シミュレーションゲーム関係の方が執筆を請け負っていたから
ではないかと思うのですが(真相は存じませ~ん) 、

 大きな理由は、作りやすいしとっつきやすいという事ではないかと存じます。

 とにかく歴史でしたら、本筋の流れは決まっておりますし、
実在の人物でございますから、キャラクターは豊富にして、しっかりとしております。
(それを生き生きとしたものにするのは、作者の力量ではございますが)
 ストーリーを一から組み立てるよりもかなり楽ですし、
いろいろ調べていけば、「あの時こうしていれば」という
想像・妄想がいくつも浮かび上がるものでございます。
 それを分岐させて書き連ねていけば、簡単なものならばすぐに出来てしまいましょう。
 粗製乱造でございますな。
 
 読者がとっつきやすいと申すのは、
歴史という同じストーリーを共有しているからでございますな。
 読者のほうも、歴史ものを読んでいるうちに、
あのときああだったら……、などと想像したりもいたしますしね。

 かてて加えて、歴史自体が持つ魅力が、
このジャンルをとっつきやすいものにしているのでございましょう。

 いまだに架空戦記ものが発売されているのも、
そのような点で人気があるからに違いございますまい。

 そんなわけで、歴史ゲームブックと申すのは、
凝って書けばかなりの力作が出来ると思うのでございますが、
前述したとおり、傑作というほどのものはございません。

 これはまず、歴史もののゲームブックが、子供向けに書かれているせいでございましよう。
 言ってみれば、参考書や副読本のようなものでございますな。
 となるとやはり、わかりやすさを重視したものになるのは否めません。
 絵が多くなったり、項目が少なくなれば、どうしても内容は薄くなってまいります。
(それに、子供向けということで、手を抜いたような作品も……)

 でも、学研のシミュレーション歴史ブックスシリーズとか、けっこう楽しかったですけどね。
 楽しさの方向が違う側面もございますが、それも含めて。

 あと、本格的な凝ったものをとなると、恐ろしく面倒になるのでは? とも思います。
 さまざまな要素を考えなければなりませんし、歴史から大きく離れてしまうこともございましょう。
 やるのは楽しそうでございますが、作るとなるとやはり大変だろうなと思わずにはいられません。
 とは申せ、コンピュータシミュレーションゲームではやったものはあると思いましたから、
ゲームブックでもそれは可能かと存じます。
 

 さて、というわけで、
「風林火山 サバイバルゲームブック」
でございます。

 内容は、

 今川に門前払いされた君は、偶然武田晴信の家臣と知り合い、武田の家来となる。
 主君に的確な献策することで、君は功を認められていく。
 はたして君は、武田にどこまで認められることが出来るのか。

といった感じでございます。
 一応マルチエンディングでございますが、
それは、功績点をどれだけ取ることができたかという点数による分岐でございます。
 まあ、ランク付けですな。

 もっと歴史を変えるような選択があったほうがよかったのに……とも思いますが、
このページ数では、それもかなわぬことなのでございましょう。
 
「別冊宝島」誌の付録でこざいますから、当然子供向けではございませんが、
出来はまあ……、普通といったところでございますな。

 ページ数、パラグラフ数からも、大体それはお分かりいただけることと存じます。
 

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284まで)
 


 訂正。

 金もうけ主義ではないと書いたけど
この宗教活動で、ベンツを乗り回すぐらいに儲けたいという野心が、鈴木にはあるようだ。

 やっていることが誠実なので、そうは見えなかった。
 もっとも、そうした誠実な外見の裏で、
しっかりとした計算が働いているのは本文中でもわかる。
 でもそれは、危ない橋を渡らないためのものであり、大きな野心は見出せない。

 一体、ベンツに乗り回すほどというのは、どの程度の本心なのだろう?
 とりあえず危険をおかしてまで、ということではないようだ。
 事を急ぎすぎれば失敗する。
 そのことを彼は、しっかりと心得ている。

 だからこそこの教団も、泡沫として消えたりせずに、着実に信者を増やしていけたのだろう。

     …… ……

 まあ、金もうけ主義でないといってもいいんじゃないかな?



 そんな教団にも、ほころびが出始める。
 信者同士が対立し、さまざまなトラブルが持ち込まれる。

 まあ、それも当然のことだ。

 世代間のギャップ基礎となる考え方や立場の違い――。
 現実でも容易に起こりうることが、ここでも起こる。
 ここが自分の居場所であると認識しているから、それを冒されないようにと真剣に主張をするし、
 常識的な人間ばかりがいるわけではない、

 今回読んだあたりは、
起承転結にあたる部分といっていいと思う。

 そうしたトラブルに対して、鈴木は厳しい戦いを強いられ、なんとか教団を切り盛りしていくのだ。

 その過程で去っていく信者もいるし、新しいトラブルが持ち込まれることも――。

 うまいなと思うのは、キャラクターだ。
 人間が描けているし、人間とその関係性が物語を面白くしている。
 そうした中からトラブルが生まれ、そのトラブルを解決するために鈴木が奔走し、説教をする。
 それに反対するもの賛成するもの、別の意見を言うもの、そして全然別のトラブルを持ち込むもの……。

 そうした流れに起伏があり、葛藤があり、
それらが物語を意外性に富んだ面白いものにしている。

 中でもすごいのは、
鈴木の発言にブレがないということだ。
 自分の本心とは必ずしも一致しない教義だというのに、
ちゃんとその教義に則(のっと)った説明をして、説得している。
 ともすれば、相手の話に圧(お)されてしまったり、ついうなずいてしまいそうな部分でも、
ちゃんと教義の言葉で切りかえしている。
 そのために教団を離れていく人もいるが、
それでも教義にブレはない。
 しかも、その言葉がちゃんと説得力のあるものになっているのだ。

 小説だから、といってしまえば簡単だが、
それが、この教団の存続に説得力を与えている。

 もし、教祖がその場限りのことを言っていたら、
その場は収めることが出来たとしても、
信者を減らす結果となっていただろう。

 またこの鈴木の切り返しの見事さは、
彼の有能さ、頭の良さの証座となっているし、
小説としても面白いものにしている。

 さて、
 そうした日々を送る中で、
鈴木は食品加工会社の社長、森田と出会うことになる。
 いつものように教義に絡めているとはいうものの常識的なアドバイスを、鈴木は説教する。
 その効果は覿面(てきめん)で、森田は信者となる。
 そんな折、大手食品会社が食中毒事件を起こす。
 それをきっかけに、その食品会社のずさんな管理体制が浮き彫りに出される。

 これは森田にとって僥倖(ぎょうこう)だった。
 信用を失墜させたその食品会社の注文の何%かが、森田の会社にも回ってきたのだった。

 森田の会社は成長し、
インドネシアに工場を作ったり、事件を起こした大手食品会社の工場のひとつを買収する計画も出てきた。

 ついては、老朽化した工場を取り壊して研修施設を作るので、そこを自由に使ってもらえないだろうか。
 税金などの問題で面倒なので、寄進というわけにはいかないが……。

 森田は、鈴木にそう持ちかけてきた。

 おりしも、中野新橋の教場もボヤ騒ぎを出しており、この申し出は鈴木には魅力的だった。
 そんなわけで彼は、それを受け入れる……。

 と、今回読んだのはこのあたりまで。

 願ってもない申し出だが、それゆえにトラブルの芽を感じさせる部分でもある。
 いずれにせよ、ひとつのターニングポイントだということはことは確かだろう。

 この作品が「小説新潮」誌に連載されたのは、2004/4~2007/5 ということだから、
2007年6月 ミートホープの事件などはかかっていない(加筆などはしているかもしれないが)ものの、
BSE(狂牛病)、雪印やハンナンの偽装など、
食の安全は今世紀に入って特に注目される問題となった。

 ここでこうしたことが出てくるのは、
そうした世相をとらえてのことだろう。 

 いや、ここだけではない。

 この作品全体が、
この時代の社会の流れや大きな時代のうねりの中での
人間というものを描こうというものなのだろう。
 宗教団体というのは、
それを切り取って浮かび上がらせるための舞台なのだ、
おそらく。
 

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篠田節子(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"
p.146まで。
(まだ動いてませ~ん:)



 (1)から続く。

 パソコンではじめた宗教団体だが、いくら虚業とはいえ、信用と信頼、そして安心感を信者から得るためには、実際に拠点となる部屋が必要だ。
 
 というわけで、ふたりは部屋を探しはじめる。
 偶然にも、鈴木の入っていたマンションの一階、「木馬文庫」という喫茶店があった場所が売りに出されており、彼らはそれがいわくつきの物件であることを知って、破格の条件で自分たちのものにする。

 このくだりは、運に味方をさせているが、それは仕方がないだろう。 
それがなければ物語が動かない。
 動かなければ、結局宗教団体の話は立ち消えになっていただろうし、
鈴木たちも、もっとマトモなことを考えはじめたにぢかいない。
 
 それにしても、
もともと社会活動家が不当に占拠していたのを嫌って、この場所を売りに出していたというのに、
また得体の知れない宗教団体が入って、もとの持ち主は眉をひそめなかったのだろうか?
 いや、眉ぐらいはひそめたのかもしれないな。
 ただ、売ってしまったら、あとは関係ないと、無視を決め込むことにしたのかもしれない。
 それとも、彼女はあとでまた出てくるのだろうか?
 
 いずれにせよ、こうして彼らの宗教団体、「聖泉真法会」は、その活動を始める。
 インテリアは、美大出の矢口が担当する。
(どうでもいいことだが、この矢口誠という人物、
私の中では、『逆転裁判』矢張政志にイメージが変換されて仕方がないのだが……)

 いろいろと描写があるが、 現実的な部分を隠すために布を微妙にたるませてたらしたり……。
 要するに、特撮ものの悪の秘密結社のセットとかと思い出してもらうのが手っ取り早いだろう。
 で、そこから悪っぽい要素を引く――。
 ドライアイスは用いないものの、香を焚きしめ、ロウソクのほの灯かりで照明し、
神秘を演出しているわけだ。  

 拠点のある中野新橋といえば、新宿にほど近いあたり。
 ここには、いろいろな人がそこに集まってくる。
 もとここでやっていた社会活動ネットワークと間違えて迷い込んできた女性。
 大手の宗教団体から流れてきた人。
 家出少女。
 神秘主義の超能力的な部分に傾倒する少年。
 ……。
 それぞれが、内面にそれぞれの悩みと、心のゆがみをかかえている。
 それを鈴木は、宗教的なものではなく、常識的な方法によって解いていく。
 
 商売としての宗教といっても、鈴木は荒稼ぎを考えていない。
心の安定を与える対価として、何がしかの寄付を得て生活していこうという考えだ。
 そのため彼は、神秘性をウリにはしない。
 一応の教義や儀式はあるものの、それはまぁ、プラシーボ効果といったものだろう。
 特に、彼女ら(女性が多いのでこう記す)、のかかえているのは、心の問題だ。
 それに対して、思い込みが大きな力になるのも当たり前だろう。
 
 もっとも、それだけではない。 女性の話を親身になって聞ける矢口と、
常識的でしっかりした物言いが出来る鈴木。
 硬軟かみ合った両輪が、信者の悩みを引き受けていく。

 特に、親身になって話を聞いてくれる存在は貴重だと思う。
作中にも書いてあったと思うが、いまの時代、自分のことを語りたがる人間は多くても、
それを聞いてくれる人というのは少ないからだ。 

 さらに、鈴木には有能な公務員だったという実績がある。
そのため、現実的な対応の仕方をよく知っており、そのための行動力もある。
  当てにならないものではない、具体的・直接的な解決を彼は提示することが出来るのだ。
(もちろん、すべてに対して、というわけではないが) 

 これはつまり、悩みをかかえた女性にとっての、理想的な駆け込み場所となっているわけだ。
  こういう駆け込み場所というのは、本来、他にもあってしかるべきだが、なかなか見つからない。
 あるいは、悩みをかかえた人が見つけることが出来ない。
 都会のど真ん中ともなれば、なおさらだ。
 宗教組織という外面は、そういう人たちに目に付きやすく、入り込みやすいものなのだろう。

 そうした理想的な現代の駆け込み寺の姿を、作者はここでまず提示したのでしないかと思う。

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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

p.146まで。
(前回から動いてませ~ん:)


(今回は、外伝といいますか、ちょっと脇道にそれた内容です)

 小説の時代は、アメリカの同時多発テロが出てくることからして、2001年
 つまり、主人公がゲームブックを上梓しようとしたのも、そのあたりということだ。
 創土社のゲームブックの刊行が始まったのが2001年の11月だから、
困ったことに、もっともゲームブックが出ていない頃なのだ。

 そのときに、ゲームブックを中核としたマルチメディア展開というのは、ちょっと無理っぽい。
 まあ、コンピューターのアドベンチャーゲームを中核にというのならまだありえるかもしれない。
 でも、そうなると今度は、もっと関わってくる人数が多くなってしまうから、
話がわかりやすくならないか、うそっぽくなるのだろう。

 それにしても、だ。
『グゲ王国の秘宝』は、四百字詰め原稿用紙にして、5000枚。
作者の鈴木正彦は、それを1日40枚のノルマで、5ヶ月で完成させたという。
 しかも、彼はエリートコースの地方公務員だ。
 ソフト会社との折衝が続く日は、家に帰るのが12時というハードスケジュールの中で、
ノートパソコンを持ち歩き、細切れの時間を利用して書き続けていったのだそうだ。

 執筆スピード、体力、集中力、
とにかく、小説を書くためのすべてが彼には備わっていたといっていいだろう。

 それに彼は、これがまったくの初めての作品というわけではない。
 公務員生活のかたわら、アニメやゲームのシナリオを書いたり、
ゲームのノベライズも覆面作家として手がけたりしていたという。

 このゲームブックにしても、最終稿まで完成させていたわけだし、
作者も彼の担当の矢口も自信を持っていたようだから、かなりの完成度だったのだろう。

 確かに、5000枚のゲームブックが灰燼に帰したことは痛かっただろうが、
そんな作品が書ける作者ならば、
次の作品に再起を賭けることは、そんなに無鉄砲なことでもなかっただろうと思う。
 無に帰したといっても、書いたものと調べた知識は自分のものとなっているはずだ。

『グゲ王国の秘宝』を書くあいだにも、別の作品構想が浮かんでいても不思議ではない。
 何も思いつかなかったのだとしたら、
『グゲ王国~』を小説化、とか、その一部を拡大して外伝を書くという手もあるだろう。

 別に宗教事業などに乗り出さなくても、作家としてやっていけたのではないだろうか?

 もちろん、会社を辞めてしまっているので当座の生活には困るかもしれないが、
昔のツテをたどってゲームノベライズを書かせてもらうこともできるだろうし、
それが無理なら当分アルバイトで糊口をしのぐのも仕方ない。

 体力も常識も行動力も実力もあるこの作者ならば、作家としてちゃんとやっていけることだろう。

 で、作家としてやっていけば、もしかするとそのうち、目にするかもしれない。

 創土社の「俺に書かせろ!」というゲームブック募集の告知を。

 そのときにこそ、おもむろに『グゲ王国の秘宝』を提示すればよいのだ、

 5000枚は多いかもしれないが、
内容が素晴らしいものならば、それは関係ない。
(むしろ、いいとさえ言えるかもしれない)

 出版されていれば、きっと反響を呼ぶものになっただろう。
ゲームブックの状況も、現在とは違うものとなっていたかもしれない。

(結局、これが言いたかったのですね)




 えっ、妄想? まぁ、そうなんですけど……。

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著     : 築地俊彦、新井輝、長野聖樹、七月隆文、水城正太郎
原作   : 畑健二郎
構成   : 水城正太郎&枯野瑛(A-Team)
イラスト : 畑健二郎、美水かがみ、氷川へきる、
        あぼしまこ、YUG、あらきかなお、きぃら~☆、とりしも、むらたたいち

(2009/8 ガガガ文庫 小学館)

*ショートストーリー

「初の女性○イダーって何度も聞いたけど、気のせいですか?」 著/新井輝

「執事殺しフィギュア地獄」 著/築地俊彦

「貴嶋サキの驚愕」 著/七月隆文

「積○気冥界波って、ハー○ス軍には
 ただのバシ○ーラだよね?
 気をつけよう、迷子の伊澄と黄泉の国」 著/長野聖樹


 この作品の特徴は、
とにかくパロディが多い、ということでございます。 
それはまあ、上に挙げたショートストーリーのタイトルをご覧になっても、
おわかりいただけましょう。

 原作でもそうなのでございましょうか?
 だとしても、それ以上という感じがいたします。
 ジャンプネタは、見つけるたびにラッキーになる可能性もございますし。
伏字だったり伏字じゃなかったりする部分も多ございます。
ネットで話題になったようなヤツも取り込んでおりますな。
 それも、近頃話題になったようなものまで。
 
「漢字の読み間違えでマスコミから叩かれ、
おまけに大臣には裏切られ、政権交代の話まで……」(p.71,224)とか、
「同じ脚本を何回も放送したアニメ」(p.225)とか、
「ノリ○(ピー)」(p.178)とか――(これは偶然なのか??)。

 …… ……

 いいのか?

 いずれにせよ、あと何年かすると面白みがわからなくなってしまうんじゃ……。

 いや、そうじゃない!

 何年か経つと、ここに載ったようなパロディは、
マニアックなトリビアと化し、それはそれで楽しいはずだ!!

 と断言するかたもおられるかも知れませんが、

普通の方には、
お熱いうちにお召し上がりくださいませ
と申しあげる次第にございます。

 さて、
ゲームブック部分について、
システムは、ブレナンのシリーズに似ておりますな。

生命点の、サイコロ2個ふって4倍は同じ。
戦闘は、サイコロ2個をふって、基準点と比べる(ここでのそれは7)
というところまでは同じですが、ダメージ点が、
敵は出た目から6を引いたもの。
キミは出た目のままというような形で、
主人公側を有利にしているのが特徴でございます。

(ご存じない方に説明いたしますと、ブレナンのシリーズでは、
エクスカリバージュニアを装備することにより基準点が下がることで、
主人公を有利にしております。敵が強いので、あまり有利じゃないのですか……)

 あと、以前にも書きましたが、
絵を描かせたり「黒歴史」を書かせたりというあたりもブレナンっぽいですな。
 もっとも、考えてみますとそれだけで、パズルとかなぞなぞとかはございませんが。

 でも、パラグラフ構成やアイテムもゲームブックらしいものを持っておりますし、
物語自体もバラエティに富んでいて楽しいものでございますから、
充分にゲームブックとして楽しめると存じます。

 あっ、アイテムに関して注意事項を。
 アイテムは、作品中で手に入るものを指しますし、
いろいろとたどっていけば、それはちゃんと手に入ります。
 ですから、パラグラフ1には、
「『少年サンデー』を持っているなら、」
という選択肢がございますが、
 実際にあなたが、何冊「少年サンデー」をもっていても意味はございません。
ゲームブック内で、
「『少年サンデー』はゲットすることができました」
と書かれている部分がございますから、
その文までたどりついた時に、
はじめて『少年サンデー』を手に入れることが出来るわけでございます。
 当たり前だ、とおっしゃるかたもいらっしゃるかもしれませぬが、念のため。

 

 あと、この作品で、
 制作者の方(あとがきによりますと、枯野瑛先生?)が、
ゲームブックをよくわかっている、と思いましたのは、

ラスボスのあと、トゥルーエンドに向かう選択肢にほどこされました、
ちょっとした仕掛けからでございます。
* (具体的には……、クリアしてからじゃないと見ちゃダメ!! ですが ***パラグラフ38ですな)
 そうそう、これこれ。
 こういうのにやられて、
堂々巡りをしたゲームブックがいくつあったことか!!
 で、さんざん右往左往した挙句に気づいて、
おもわずつぶやくわけですな。
「こういうことか……!」
と。

 そういうことも含めて、
いやいや、楽しいゲームブックでございました。


 

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著     : 築地俊彦、新井輝、長野聖樹、七月隆文、水城正太郎
原作   : 畑健二郎
構成   : 水城正太郎&枯野瑛(A-Team)
イラスト : 畑健二郎、美水かがみ、氷川へきる、
        あぼしまこ、YUG、あらきかなお、きぃら~☆、とりしも、むらたたいち

(2009/8 ガガガ文庫 小学館)



「ゲームブック倉庫番」に追加いたしました。

今回から(と申しますが、前々回からですが)、
「ゲームブック倉庫番更新情報」というタイトルをやめて、
単純に「ゲームブックレビュー」とすることにいたしました。

 というのは、前回の
『名探偵コナン 『嗤う黒猫』殺人事件』のように、
何回にも亘(わた)って話が続く場合、

最初が
「ゲームブック倉庫番更新情報」で
あとが
「ゲームブックレビュー」
ではおかしいですものな。

 といって、
ずっと「ゲームブック倉庫番更新情報」
でも変でございますし。

 それにしても、豪華執筆陣てヤツは、書き写すだけでも大変。
 まっ、仕方なくはございますが。

 それはさておきまして、本作でございます。
 例によって原作は、そんなに知ってはおりません。
 アニメの1話を、以前 YouTube で見た程度かな?
 (ごめんなさい)

 でもまあ、基本設定さえわかれば大丈夫!

 ゲームをプレイする上で、そんなに不利になることはございません!!

 ……

 そんなに?

 ……。

 まぁ、そうなのでございますな、

 たとえば、絵を描かせるところなどは、原作を読んでいたほうがいいでしょう。
 でも、たいして問題ございません。
 失敗しても、どう描けばポイントをもらえるかがわかりますから、
次のトライでは余裕で描くことができますからな。
 それがホントに似ているのは判りませんが、
とにかく似ているといっているのだからいいのでございます。

 さらに申しますれば、そこで失敗したとしても、致命的というわけではございませんし――。

 いや、大体が74パラグラフのゲームブックでございます。
 失敗しても、何度もトライすることは、さほど面倒ではございませんでしょう!

 さて、このゲームブック。
 4つのショートストーリーと、それをつなぐパラグラフ分岐部分に大別することができます。
 こう書きますと、パラグラフ部分は単に連結の役目で、
物語的な面白さはないように感じてしまうかもしれませんが、
そのようなことはなく、むしろこのパラグラフ部分こそがメインといった感じなのでございます。

 物語はパラレルワールドの世界。
 だから、それぞれ独自に物語を作っていけるわけでございます。
 非電源ネットゲームでも、こういう世界観のゲームってございましたよね。

 で、それらの世界にオチをつけたり、次の世界へと橋渡しをする役目を、
ゲームブック部分は主に担っているわけでございます。
 全体をまとめるラストも、ゲームブックの役割でございますな。

 各小説が独立しているのは読めばわかりますが、
それでも、ゲームブック部分に多くを割いていることで、
そのつながりがスムーズになっているのでございます。

  (中途半端だけど、ここでいったん終了。続きます)
 

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