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2024/09/21 ところで「豹」は訓読みで何と読むかご存じですか? 答は「なかつかみ」。まぁ、読めっこない。 なんでも陰陽道で方位を司る八将神(はっしょうじん)という神さまたちがおられるのでございますが、その中の一柱が計都星を司る豹尾神(ひょうびしん)。この神さまが八将神の中央に位置するため「なかつかみ」というのだそうな。どうまん中かと調べてみますと、八柱を円に並ばせた場合の真下みたいですな。 ただし方角的には常に変わっているので、別に南と結びついているわけではないようでございます (そもそも北を上とするようになったのは、大航海時代みたいでございますしね)。「なかつかみ」は『日本書紀』にも登場する古い言葉でございます。もっとも、尾とあわせて出てきているので、当時の方はこの八将神からしか豹のことを知らなかったかもしれませんし、尻尾しか見たことなかったのかも。
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 人間の思考法には、ツリーリゾームという2つがあるそうでございます。
 
 ツリー樹形図でございますな。
1つのことを起点にして、そこからパターンや例外など、
いろいろと考えて展開させていく論理的な思考法にございます。
 
 それに対してリゾームと申しますのは地下茎の一種根状茎のことだそうで、
手早く申しますればインターネットのようなネットワーク構造でございます。
 
 すべてがつながっているので、そこには起点終点もございません。
ツリー構造では起点は不動のものでございますが、
リゾームの場合は各点が影響を及ぼしあっているので、
常に変化している可能性があるのでございますね。
 
 このように「あらゆる物事は常に変化している」というのが、
フランスの哲学者、ジル・ドゥルーズさんの
「生成変化」というお考えだそうでございます。
 
 ……でね。
 


 これをゲームブックに結びつけて何か語れないかと思ったのでございますよね。
 
 ツリーの方は一方向、特に拡散型のそれでございます。
 
 リゾームの方は、と申しますと、
双方向移動型、ではなくて、無方向でございますな。
 互いがたがいに影響を及ぼし合うというのは、
格闘のように一つ一つの行動が他に影響を及ぼすもの、
国家の運営のように1つの政策が次の行動に影響を及ぼすものといった風な、
シミュレーション的なものにこそふさわしい……。
 
 みたいなことを書こうと思った……
と書くことでここに書いているわけでございますが、
 
 書いているうちに、これらとドゥルーズさんの哲学とは、あまり関係ないかも、
と思った次第でございます。
 
 でもまぁ、違う点があるのならあるでいいわけで、
とりあえず置いておくことにいたします。
 
 蛇足ついでにわたくしの考えを申しますれば、
ツリーはリゾームに組み込むことが出来ますよねぇ。
 
終点が他の起点とつながったり、中間点が別の中間点とつながるということは、
インターネットの構造としてはあることでございますから。
 
 となると、気になりますのは、双方向移動型。
これはどこに当てはまりますでしょうか?
 
 ですが、双方向移動となると、その構造は独特で、
ツリーにもリゾームにも属さない気がいたします。
ツリーのような上から下へという形でもないですし、
さりとてリゾームのようなデタラメでもございませんし──。
 
 で、考え、思ったのでございます。
 
 双方向移動型と申しますのは、表なのではないか、と。
 
 ツリーのような、順序立てて展開していく考え方、
リゾームの互いが高いに影響を及ぼし合う世界のあり方の他に、
表によって整列された世界のあり方、
見方というものもあるのではないかと思いいたった次第にございます。
 
 でも正直ゲームブックとは何にも関係ないなぁ。
 
 さてさて。
 
 では、多方向移動型は──。
 (このあたり、変更)
 多方向移動型は、双方向移動型の変形でございますな。
 表を順番に見ていくのではなく、俯瞰して一気に見ていく感じ。
 
 フローチャートで見ると、起点を参照にする特殊なツリー構造になりますが、
ツリーは起点と終点があるものなので、これはツリーとは別形式となります。
 
(ただし、双方向も多方向もイベント内に関しては一方向移動型のことが多いので、
 混同しないように注意が必要でございます。
 表に喩えますれば各セル内では、時系列が発生しているのでございますな)
 
 順序を無視してどこへでも行けるところが双方向とは違う。
 
 無方向移動とも、移動時の因果の点で違いがございますな。
 無方向移動型の場合、
 とあるパラグラフとそれに続くパラグラフには因果関係がございます。
 分岐がある場合、パラグラフに選択肢があり、
 選択の結果に応じて次のパラグラフに進むという因果関係があるのでございますな。
 
 多方向移動の場合、基本どのパラグラフを選んでもいいわけで、
 形式的にはそのつながりに因果関係はございません。
(形式的に、と書いたのは、ストーリー的に因果関係があることはあるからでございます。
 たとえば、ある場所でヒントを得たから次はここに行く、みたいな関連でございます。
 そういうものは物語としての関連でございまして、
 選択肢の直接的な関連ではございませんな)

 


 
 ですが、このドゥルーズの生成変化について読んだのが、
『「当り前」を疑う100の方法 イノベーションが生まれる哲学思考』
というご本でございますからなぁ。
そういう考えをしてもよろしいのではないかという次第でございます。
 
    ☆    ☆    ☆ 
 

 というわけで、このご本、
 
『「当り前」を疑う100の方法当り前を疑う
イノベーションが生まれる哲学思考』 
小川仁志:著(幻冬舎新書/2024/3) 
 
 
 なのでございますが、
買った理由はズバリそのタイトルでございます。
 で、内容はどうかと申しますと、
 なんかネタ得られそうじゃないですか。
 
で、読んでみますと、
それはもう、タイトルどおりのご本でございました。
 
 でも期待外れ
 
 100の方法と題しますとおり、
目次を見ますと、哲学者とその思想がずらーりと並べられております。
 
 本文を見ますと、見開き2ページで1つの項目という構成でございまして、
〈解説〉が1.5ページ、
〈こんな感じで使ってみよう〉0.5ページといった割合で、
その哲学思想についての解説をしているのでございます。
 
 なのですが、2ページという分量ゆえか、
通り一遍の感が否めません。
 
〈解説〉がそのまま解説なのは当然といたしまして、
〈こんな感じで~〉の方もね、例を使った説明にとどまっておりまして、
 
考えを現実でつかってみようと思うようになる、ですとか、
そういう考えが出来るようになるというものでは無いのでございます。
 ですから、
哲学者の考え方をカタログ的に知るのには適していると思いますが、
実際に「当り前」を疑う方法を知りたい
という方には向かない
 

わたくしには、そういうご本でございました。

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ドゥルーズ先生は
根性だけで「千のプラトー」読んだけど荷が重かったです。
リゾームとかノマドとか戦争機械とかいうタームは魅力的だし印象に残るんですけど、本自体がリゾーム的に書かれているのかトータルするとさっぱりわからんという。オハズカシス。
ポール・ブリッツ 2024/08/10(Sat)01:30:38 編集
情報をありがとうございます。
ちゃんとソースを当たって読んでいらっしゃるのでございますね、えらーい。
こちとらもっと下世話に、このご本のタイトルにあるとおり、「当たり前」とは異なる発想法で、自分が知らないのないかな、と思ったのがこのご本を買った動機でございましたからなぁ。
 哲学どうでもよくって、あくまでも発想法・思考法のご本かと思って購入したため、残念でございました。
 逆に哲学について知りたいという方にも、この書はカタログ的すぎてダメな気いたしますが…。
道化の真実 2024/08/11(Sun)13:37:47 編集
面白くなったのでリゾーム的ゲームブックについて考えてみましたが
「二つの川の物語」はリゾーム的なゲームブックだといえないかな、と考えてみましたけど、「ゲームブックはゲームブックであるという時点ですでにツリー構造の産物である」のではないかな、と思いました。一見して自由に移動できるように見えても、それはパラグラフジャンプの選択肢というツリー的なものを隠蔽しているだけにすぎないのではないかな。プレイヤーが2人の「デュエル・マスター」も、パラグラフジャンプをお互いにやり合うという時点ですでにツリー構造にあると思いますし。
リゾームであるためには「フローチャートが書けてはいけない」のではないかなあ、という漠然とした思いですいまは。
ポール・ブリッツ 2024/08/19(Mon)13:37:46 編集
長くなってしまいましたので
ただ者ならぬポール・ブリッツさまのこのコメントに対するわたくしの考えは、2024/08/23 (Fri)の「コメントに対する回答(ツリー、リゾームと移動型の関連に関して)」に書いておきましたので、そちらをご覧くださいませ
道化の真実 2024/08/23(Fri)01:51:34 編集
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