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2024/04/28 「オタク用語は非日常の世界を描くためか、そこにはまりこむためか、日常生活にかかわる用語(たとえば衣食住・乗り物。店など)がないのが大きな特徴である。その他、表記を変えた当て字が多い」(『俗語百科事典』米川明彦:著(朝倉書店/2021/7)。うーん、確かに。って思ったけれど、あたりまえのような気も……。
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さて、このゲーム内世界
クッパを超えるボスの出現により、いろいろと狂っているという設定でございます。
 
 そのせいかニセモノが多い。
 前回見てまいりましたとおり、クッパにもニセモノがおりますし、
しかもそのうち一体は、クリボーが化けたものでございますよ(77)。
それが、少し弱めとはいえクッパの力で戦うのでございますから、
確かに狂っております。
 
 あるルートでは、クッパが次々と現れてエンドという場面もございますし(196)。
 
 前回見ましたとおり、
無数クリボーパックンフラワーの部屋というのもございました。
 
 これって、『スーパーマリオメーカー』を予見している? 
と申しますか、ようやく今になって
空想に技術が追いついたわけでございますな。
 
 
 
 味方のニセモノも登場しているようでございます。
 
 たとえば、ガラの悪いピノキオ(80)
ただ、正しい情報をくれるみたいですし、
このイカれた世界で、ちょっと言葉遣いが横柄になっただけなのかもしれません。
 
 そして、ルイージ
 クッパを倒し、下へ行くと、ルイージと会う場合がございます(225)。
 彼が、ピーチ姫は自分が助けて地下の秘密の部屋に隠したというので、
一緒に行く選択をすると……。
 
 後ろから突き飛ばされて、地下に閉じ込められ、
 [END]とあいなります。

 
 このあたり、当時一部にあった、マリオとルイージは仲が悪い
という説に由来するのでございましょう。
 
 この説、
 
アーケードの『マリオブラザーズ』のインストラクションカードに書かれていた
協力するか、それとも裏切るか」や、
ディスクシステムの起動画面での二人のやりとり(ウィキペディア参照)
 
から来ているみたいでございますな。
 
 
 このルイージがちょっとびみょーなのでございますよね。
 選択によっては、その前に一度ルイージの声を聞くことがあるのでございますよね。
 その声によれば、
彼は地下牢にいて、帽子をなくしてしまったのだとか。

 
 それに対して現れたルイージは捕まってもおりませんし、
帽子もかぶっております。
 
 だから、
このルイージがニセモノという「ボク」の判断は正しいのでございましょう。
作者としても、
それを手がかりにニセモノと判断して欲しいという意図があるのだと思います。
 
 ただ、そうなりますとエピローグが問題でございます。
  
 ここではマリオとピーチ姫が
「ボク」の手によって救い出されたことは書かれておりますが、
ルイージのことには一切触れられていないのでございます。
 
 まぁ、選択によっては声と「ニセモノ」、
どっちにも遭わないこともございますから、これが正しいのかもしれませんが……。

 となると、思い浮かぶでしょ?
 こういう場合のマンガのラストシーン。
 
「あれ、なんか忘れていたよーな」
「まっ、いいか」
 とかみんなで騒いでいるシーンがあって、
最後に一コマ、
「兄さーん!!」と泣きながら地下牢でへたり込んでいるルイージ、
 
とか、
 
みんなで楽しくわいわいやっている後ろで、
ボロボロになった何ものかが、シルエットでゆらりと地下からあらわれる……。
 
 なんかルイージかわいそう……。
 
 でも、
 ルイージのポジションとしては、それでいい……のかなぁ?
 
 
 
 
      ☆   ☆   ☆
 
 
 
 さて、そんなかわいそなルイージの汚名を雪(そそ)ぐのが、
付録となっております「ルイージの大冒険」にございます。
 
 マリオが骨休めの旅に出ている最中に、
またもピーチ姫がクッパにさらわれてしまった――
ということで、
留守をまかされたルイージが救出に向かうわけでございますが……。
 
 これ、プロローグの文がちょっと変。
 
「ボクだってクッパの一人や二人」と
まだクッパを倒してはいないようなことを言ったその口で
「この手で倒したはずクッパ大王」とおっしゃっており、
なんだか矛盾するのでございますな。
 
まぁ、ささいなことではございますが。
 
 
 40パラグラフで構成されたこちらは、
アイテムを記録する必要はあるのの、
戦闘ルールもなく、ポンポンと進んでいきます。
 
フラワー・キノコ・スターを集める必要はあるものの、
一息にやる分としては、ちょうどいい長さなのでないでしょうか。
 
 原作の『スーパーマリオブラザーズ』はステージ仕立て
になっておりますから、

マリオを救え!!』本編もそれにならって

このような40パラグラフぐらいで構成されたステージが
10ぐらいあったのなら、
ダレないで1冊プレイできるのではないかな、

とも思います。
 
 
 ゲームブックって、長い方がすごいと思われる傾向がございますが、
一息でプレイできる分量で区切ったステージ構成のほうが、
作者にとってもプレイヤーにとってもやりやすいですよねぇ。
 
 その証拠に、『展覧会の絵』にしても、
ドルアーガの塔』など鈴木直人先生の作品にしても、
そのようなステージ構成を採っております。
 
 区切る場所がないと疲れますし、
日をまたげばいろいろと忘れてしまうこともございますからな。
 
 
 まっ、それはさておきまして。
 この付録ゲームブック。
 主人公の「ボク」はルイージなのでございますが、
 なんだかとってもかっこいい

 ヤツ呼ばわりするし、
 
待っていろクッパ大王!
 いま、そこへ行ってやるぞ! 
 お前の野望もそこまでだ!
 
 ってな感じで、やたらと威勢よく
ルイージじゃないみたい
 
 本編と同じ作者なので、それほど文章は変わらないのですが、
この短篇のほうが不思議と勢いがございます。
 
 そしてその文体が、ポンポンと進んでいく感覚に、
拍車をかけている気がするのでございます。

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