2025/12/14 p.432「悪魔の涎」は、翻訳の仕事をしているアマチュアカメラマンが、ある広場で見かけた不自然な年齢差のある少年と女を見かけて、彼らについて詮索しながらなんとなく写真を撮影し、文句を言われ、帰宅してからその写真を引き伸ばすと、そこに自分が介入しなかった場合のあり得たシチュエーションが写し出されるという話だ。自分は小説のあらすじが一方通行であることにちょっと不満を抱いていて、選択式のゲームブックを書いたりしたことがあるのだが、「あり得たけれども実現しなかったこと」について表現するのに、こういう手もあったか! と感心した。このアイデアは、いろんな小説家や映像作家の手で見たいと思わせる。(『やりなおし世界文学』津村記久子:著(新潮文庫/令和7年11月)
(上に収まりきらなかったのでこちらへ)
きのう『ゴーストバスターズ/アフターライフ』をテレビで見ました。
ミニ・マシュマロマンがワンサカあらわれるあたりから。
かわいらしいキャラクターなのに知らなかったなぁ。
ミニのグッズは見かけたことない。
どうしてだろう。
と思いましたら、
そいつらが仲たがいと申しますか、無邪気ないじめあいをするのですな。
相手を火にあぶったり、ミキサーにかけたり
──残酷なシーンになる手前で止まっているのは
レーティングとかの関係なのでございましょう。
『グレムリン』を思い起こさせました。
さらにクライマックスでは主人公たちの邪魔をしたりもいたします。
これじゃあ人気にならない。グッズなんか作ったとしても売れるはずございません。
日本でしたらこういうかわいいキャラクターは、
何匹かは分かりませんが、主人公たちについてきて協力してくれたり、
そうでなくても何もしないで見まもっていたりするのでございますが、
そうでないところがアチャラ流なのでございましょうな。
第一作の巨大マシュマロマンはただ巨大化しただけなので
それほど悪意は感じられず、それゆえに愛すべき余地はございましたが、
ミニマシュマロマンは明らかに悪童として描かれております。
かわいらしい存在が悪いことやるというギャップが狙いなのでございましょうが、
これではマスコットキャラにはなりませんな。
悪魔の眷属はあくまで悪魔的存在であるという、
一神教的二元論なのでございましょうな。
日本に対する海外の反応動画で
日本の多神教について語られたものをしばしば目にいたしますからそう感じます。
で、一方、魔的存在に体を乗っ取られた主要人物は、
その魔が捕らえられた後、元のままの人間に戻るわけでございます。
人間には魂があるからということなのでございましょう。
娯楽作品のハッピーエンドだからと申せますが、
絶対神に対する信仰もその背後にはあるように感じます。
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