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2024/05/04 ビッグモーター社が、WECARSという新会社になったそうでございますな。レッカー(wrecker)ズなどと間違って覚えられないかちょっと心配。聞き慣れない社名になりますと、以前どんな会社だったか思い浮かばなくて、まったく新しい会社かと思ってしまいます。まぁ、旧経営陣を廃したまったく新しい会社なのでございますが。
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『特撮の地球科学 古生物学者のスーパー科学考察』特撮の地球科学
芝原暁彦・大内ライダー:著
(イーストプレス/2021/4)
 
『シン・ウルトラマン』公開の
少し前に買った本にございます。
 
映画にあわせて目立つところに置かれていたのでしょうが、
それにみごとに釣られて買ってしまいました~。
 
最新刊だと思ったら、出たのはその1年ほど前で、
書かれたというか対談が行われたのは
『シン・ウルトラマン』の
最初のポスターが公開されたころのようです。
特撮オタクで古生物学者の芝原暁彦先生のお話を
やはり特撮オタクの大内ライダーさんが聞き役となって
回していくという、対談とインタビューの中間的な対談でございます。
 

特撮を考察するにあたって、本書では2つの条件をつけております。
 
① 特撮作品の画面に映っていることはすべて「事実」と捉える。
 
② 特撮作品が作られた時代の技術的背景や世相も考慮する。
 
要するに、科学で空想を否定する『空想科学読本』のような本ではない
ということでございますな。


 
『錯覚の科学』もそうでございましたが、
この本も、最初の章が一番面白うございました。
 
やはり専門ということでございましょう。シンゴジラ
 

 1章では、ゴジラの足跡を
詳細な地図を参考にして考察しております。
多彩な地図が裏づけになっていて、
読んでいて楽しい。
題材がSF的なこじつけを必要としない点も
すんなりと受け容れられる点でございますな。
 
 
それが2部以降となりますと
そうはまいりません。
ウルトラマンシリーズ、
スーパー大戦隊シリーズ、
仮面ライダーシリーズと
シリーズを扱っているため、
 どうしても矛盾が
出てくるのでございます。
 
(ゴジラもシリーズといえますが、
扱っている問題的に各作品の関連は関係ないため、
免れております)
  
  
作品ごとに世界観の違うシリーズをシリーズ共通して語るのでございますから、
おかしなところが出てきて当然ですな。
結局そういう問題は、
時間の流れが違うであるとか、パラレルワールド的な説明で解決するのですが、
それしか方法はないとはいえ、安易な感じがして残念でございました。
 たとえば、
『ウルトラマンZ』は未来の話仮説。
 
 ここでは海面が70メートルほど上昇していることと
氷河期がすでに終わっているという作品内の発言から、
あの世界は未来だと予想し(今は氷河期の間氷期)、
その上でメソポタミア文明が5000年前(今と同じ)という発言から、
あの世界は時間が1日が48時間あるのでは、という説に至るのですが、
 
そんなことしなくても、
少し先の未来に何か大変動が起こって、
地球が氷河期でなくなっちゃったら
この矛盾は解決するような気がするのですが……。
地球科学的には、何か問題あるのかなぁ。
 
 
第三部、なぜスーパー戦隊は特撮三大聖地
いつも岩場で闘うのかもそうでございます。
「いつもの岩場」
「いつもの地下神殿」
「いつもの広場」という
「特撮三大聖地」が
茨城・栃木にあることに注目し、
栃木は特撮世界の中心、
つまり宇宙の中心であり、
北関東こそ、日本の、
世界の科学を守る場所である。
  
茨城栃木が宇宙で一番重要な場所なのだとか。
 
 世界征服を狙う悪の組織が日本に攻めてくるのは、だからなのだそうでございます。
  

 まぁ、その点に関してはいいのでございますが、
都内で戦っていて、敵・味方ともそこに移動するの不自然さは否めません。
 そのあたりもう、対談中でもギャグとして開き直って論を展開しておりますな。
 
第四部では1つ。
博士とは、どういう人物なのかについて書かれたこの文章が印象に残りました。
p.300 博士号というのは、
「自分はすごいんだ」と自慢するためのものではないんです。
取得するプロセスからもわかるとおり、
自分で計画を立てて研究し、
さらに論文を周囲に認めさせることのできる
コミュニケーション能力がかある、
と言うことを証明するもんなんですよ。
つまり、世間から見放された科学者とか学会から追放された博士、
世をすねた研究者というのは、
博士とは認められないということでございます。
ちゃんと博士やっている人の言葉でございますな。
 

というわけで、結論的にはすごいというものではございませんが、
特撮愛に満ちた語り口で、地学を楽しく語ってるご本でございました。

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