2025/09/11 『懐かしのゲーム雑誌大集合』前田尋之:著(ジーウォーク/2025/9)を買ってまいりました。「MICON GAMES」(旺文社)など、ゲーム創生期に2~3号だけ出た雑誌とかはさすがに載っておりませんなぁ。でも、「遊撃手」ぐらいは載せて欲しかったところでございます。1雑誌 0.5から1ページの紹介は分析的で雑誌の雰囲気は伝えていないかもしれませんが、特徴は分かるものとなっております。その分画面写真が置きなっているとも申せますが、何年も続いた雑誌を1~数ページで伝えるというのはまこと、無理があることでございまして──。あとこれ、樹形図が欲しいところでございました。ゲーム雑誌は誌名変更や姉妹誌の派生などございますので、そのあたりを俯瞰的に見てみたかったということがございます。
「なぞのまとめ 令和七年7月」のコメント欄にて
ただ者ならぬポール・ブリッツ 様が、
遊演体の大規模PBMである「ネットゲーム」について言及しておられましたので、
ちょいと書いておきましょう。
ただ者ならぬポール・ブリッツ 様が、
遊演体の大規模PBMである「ネットゲーム」について言及しておられましたので、
ちょいと書いておきましょう。
以前にも『鋼鉄の虹』などについてちょこちょこ書いているはずで、
それに関して読み返しておりませんので、
重複、へたすると同じことを書いているやも知れませんが、
だといたしましてもご笑納くださいませ。
それに関して読み返しておりませんので、
重複、へたすると同じことを書いているやも知れませんが、
だといたしましてもご笑納くださいませ。
まぁ、コメントにも書きましたとおり、
わたくしがプレイヤーとして遊演体のネットゲームに参加したのは
『鋼鉄の虹』の前半ぐらい。
わたくしがプレイヤーとして遊演体のネットゲームに参加したのは
『鋼鉄の虹』の前半ぐらい。
『那由多~』や『夜桜~』は賢者の石井文弘さんから、いろいろ送っていただいて、
傍から見ていた程度でございます。
前置きはそのくらいで本論にございます。
「ライブ・ロール・パフォーマンス」
=遊演体のネットゲーム〔大規模PBM)について、
発案者の門倉直人先生は、つぎのようにお書きになっておられます。
発案者の門倉直人先生は、つぎのようにお書きになっておられます。
いわゆる、"ネットゲーム"なるエンターテイメント企画に思い当たった時、
頭にあったのは……。
頭にあったのは……。
「コンピュータ・ネットワークゲームより手軽な企画で・・・・・・」
「何千人、何万人もの人たちが参加し......」
「個々に、あるいは共通に投げ込まれバラまかれた思わせ振りな情報を
武器・手がかりとして...」
武器・手がかりとして...」
「日常の混じり合う混沌とした仮想現実(であるゲーム世界) 上で協力し、引きし、
競い合うことでゲーム世界の未知の部分を解明(時に創造)することで・・・・・・」
「最終的に一つの物語世界を自分のものとすること」
……等々ということであった
そうでございます。
(『メイルゲーム完全ガイド』(光栄ゲームパラダイス外伝/1995/12)
ちなみに
「コンピュータ・ネットワークゲームより手軽な企画で」と申しますのは、
1988年当時ですとパソコン通信がハードル高いということもあったのでございましょう。
「コンピュータ・ネットワークゲームより手軽な企画で」と申しますのは、
1988年当時ですとパソコン通信がハードル高いということもあったのでございましょう。
「TACTICS」誌1988/9「始動!! ロールパフォーマンス」には、
このゲームの元になった(と思われる)ものとして次のものが挙げられております。
このゲームの元になった(と思われる)ものとして次のものが挙げられております。
☆ MRP(メイル・ロールプレイング=郵便を利用したRPG)
☆『シャーロック・ホームズ10の怪事件』(二見書房)のように、
本物っぽくみせかけた報道雑誌や住所録を利用する、
ちょっと凝ったパラグラフゲーム。
本物っぽくみせかけた報道雑誌や住所録を利用する、
ちょっと凝ったパラグラフゲーム。
☆ 暗黒神に仕える人間の姿をした怪物と、
その存在に気がついた人間との2大陣営に分かれての虚々実々の戦いは
「マルチプレイゲーム」のノリ。
その存在に気がついた人間との2大陣営に分かれての虚々実々の戦いは
「マルチプレイゲーム」のノリ。
☆ 調査が成功した場合
オフィシャルから断片的なメモやアイテムが送られてくるという
「捜査ファイルミステリー」(中央公論社)的な仕組み。
オフィシャルから断片的なメモやアイテムが送られてくるという
「捜査ファイルミステリー」(中央公論社)的な仕組み。
☆ NPCや有名PCを中心としたイベントやコンベンションを行い、
そこでのプレイヤーの行動や出来事がその後の展開に影響を与えていくという
ライブRPG的な方法論。
そこでのプレイヤーの行動や出来事がその後の展開に影響を与えていくという
ライブRPG的な方法論。
最初のネットゲーム(遊演体の大規模PBM)「ネット'88」は、
だいたいこのようなコンセプトで行われました。
だいたいこのようなコンセプトで行われました。
読んでくださるとわかると思いますが、
これ、RPGではないのでございますよね。
少なくとも
「ファイナルファンタジー」などをRPGと思っている人たちが考えるのとは、
全然違うタイプのゲームなのでございます。
「ファイナルファンタジー」などをRPGと思っている人たちが考えるのとは、
全然違うタイプのゲームなのでございます。
このゲームの主人公は君。ですが、
ゲームブックやコンピュータRPG的な意味での君ではございません。
ゲームブックやコンピュータRPG的な意味での君ではございません。
一般的なRPGは
フィクションの世界でプレイヤーの作ったキャラクター=PCが活躍する
ものであるのに対し、
ここではプレイヤー本人が
積極的にゲームに関わらないとならないのでございます。
具体的には、手紙や電話、少し後にはパソコン通信などを使って、
仲間を集める、各プレイヤーに配布された情報を収集する。
場合によってはイベントに参加する。
仲間と集団行動の打ち合わせをし、自分の行動を決定する。
仲間を集める、各プレイヤーに配布された情報を収集する。
場合によってはイベントに参加する。
仲間と集団行動の打ち合わせをし、自分の行動を決定する。
そういうことをしたプレイヤーのPCのみが活躍できる
システムなのでございますね。
システムなのでございますね。
プレイヤーキャラクターがフィクション内で行動し、
勝利を目指すRPGとは逆といっていいほど違います。
勝利を目指すRPGとは逆といっていいほど違います。
こうしたゲーム性に則しますれば、
運営側のやることもコンパクトに出来るわけでございます。
運営側のやることもコンパクトに出来るわけでございます。
情報収集やプレイヤー間のやり取りをした人たちの行動は、
ストーリーに沿ったものとなりますし、
連携がとれているので一本のお話にまとまりやすいのでございます。
ストーリーに沿ったものとなりますし、
連携がとれているので一本のお話にまとまりやすいのでございます。
しかしながら、そんな行動をとれるのは一部のプレイヤーでございます。
お金も時間も、行動力や交流のスキルも要りますからね。
遊演体といたしましては、それを妥当と申しますか、
意図していたと申すべきでございましょう。
意図していたと申すべきでございましょう。
このゲームはみんなが勝利するRPGではなく、
誰かが勝利する優劣のあるゲームなので、
よりゲームに多くを費やしたプレイヤーが物語内で活躍できるというのは
当然のことだったのでございます。
そうしたゲーム性を理解し、
それを実行できるプレイヤーはいいのでございますが、
多くはそうではございませんでした、
それを実行できるプレイヤーはいいのでございますが、
多くはそうではございませんでした、
紹介文や宣伝はRPG系の雑誌に載っておりましたし、
説明もRPG的な表現で事足りるため、
RPG的なものという認識でこのゲームに参加した方は多かったですし、
ゲームの性質を理解していたとしても積極的な行動は大変でございますからな。
説明もRPG的な表現で事足りるため、
RPG的なものという認識でこのゲームに参加した方は多かったですし、
ゲームの性質を理解していたとしても積極的な行動は大変でございますからな。
自然、送られてきた月刊誌とリアクションの物語だけで
次回PCの行動を決める方が多くなります。
次回PCの行動を決める方が多くなります。
ゲームでございますからそうした行動のPCはゲームで活躍できない、
あるいはリアクションに名前さえ載せてもらえないと申しますのが
このゲームの基本方針ではございますが、
なかなかそうも言ってはいられないのもまた事実。
あるいはリアクションに名前さえ載せてもらえないと申しますのが
このゲームの基本方針ではございますが、
なかなかそうも言ってはいられないのもまた事実。
参加者としては高いお金
(最初は月1000円×12ヶ月でしたか。あと他にも何か要るのでしたか…)
払っているわけでございます。
それでただハズレと何の結果もないというのは不満でございます。
(最初は月1000円×12ヶ月でしたか。あと他にも何か要るのでしたか…)
払っているわけでございます。
それでただハズレと何の結果もないというのは不満でございます。
何ヶ月もそのような状態ならプレイヤーは去って行くことにもなりかねません。
そうなればお金が入らなくなりますから、それを引き留めなければなりません。
そうなればお金が入らなくなりますから、それを引き留めなければなりません。
加えてリアクションを執筆いたします各マスターの心情というものもございます。
せっかく行動を書いてきたプレイヤーに対し、
つれなく袖にするは心苦しいもの(批判を受けたりもいたしますしね)。
特に面白い行動については、拾ってやりたいものでございます。
つれなく袖にするは心苦しいもの(批判を受けたりもいたしますしね)。
特に面白い行動については、拾ってやりたいものでございます。
また、マスターと申しますのは小説の才能がある方ぞろいなので、
その上位の方はほぼすべてのプレイヤーのリアクションを採用し、
しかも面白い物語が作れます。
そうなると、そうで内マスターの方もそれを求められたりするわけでございます。
かくして、ネットゲームは規模が大きくなり、
運営も各マスターもどんどん負担が増えていくというわけでございます。
運営も各マスターもどんどん負担が増えていくというわけでございます。
規模が大きくなることはいいことなのでございますが、
ゲームとしてコンパクトにまとめることと、
プレイヤーの欲求を満たすことに矛盾が生じたのでございますな。
そのような問題はおそらく織り込み済みだったのでございましょう。
でも、実際に運営してみると大変だった、という感じですな。
でも、実際に運営してみると大変だった、という感じですな。
結局、遊演体のネットゲームは、
そうした競争的なゲーム性とRPGとしての物語性の間を渡り歩いていくことになります。
そうした競争的なゲーム性とRPGとしての物語性の間を渡り歩いていくことになります。
一方、そうした状況を見てきたホビーデータ社は、よりプレイヤーの欲求を汲んだRPG的な大規模メールゲームを模索していくのでございますが……。
そこから先はさらによく存じ上げません。
ただ、SCRAP社のリアル脱出ゲームが登場した時、
ネットゲームとライブRPGを研究して、非常にうまく形にしたなと思いました。
ネットゲームとライブRPGを研究して、非常にうまく形にしたなと思いました。
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