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2024/04/28 「オタク用語は非日常の世界を描くためか、そこにはまりこむためか、日常生活にかかわる用語(たとえば衣食住・乗り物。店など)がないのが大きな特徴である。その他、表記を変えた当て字が多い」(『俗語百科事典』米川明彦:著(朝倉書店/2021/7)。うーん、確かに。って思ったけれど、あたりまえのような気も……。
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「SFマガジン 2020/6 vol.61No.739」を読んでおりましたら、
コラム「アニメもんのSF散歩」にて、
藤津亮太先生が、
世界観に関して書かれておられました(p.114-117)。
 
 
 それに便乗して、前々から考えていたことを書いてみましょう!!
 
 世界観について先生がお書きになっていることは次のようなことです。
 
「世界観」とは
「その世界がどういうルールで成り立っているか」ということの取り決めだ。
それは
「主人公がいない空間、時間にカメラを向けてもちゃんと世界が存在している」
ということを可能にする。
(p.115)
 
(中略)
 
 設定をひとまとめにしたものを「世界観」と理解しがちだが、
これらはあくまでも設定に過ぎず、
本来「世界観」とはこうした設定の根拠となる文化や思想のことである。(p.116)
 
 
 統一した世界観のもとに、設定が作られる――。
 
 これは正しい解釈だと思います。
 
 ただ設定は、「設定に過ぎず」というほど小さいものでもない――
そう言ったら難癖でしょうか。
 
 加えて、
ロールプレイングゲームにも関心があるものとしては、
データ的な意味のルールも重要だと思います。
 
 世界観と世界設定という二分類にした場合、
ルール(データ)は両方に振り分けられることでしょう。

 戦闘や各種判定など、その世界すべてに共通するルール世界観の側に、
それぞれの能力や価格など、個別のデータ設定にという具合です。
 

 ですが、ルールという視点は、
世界に関するもうひとつの貌を浮かび上がらせるものでもあります。
 
 というわけで、世界は
角度を変えてみることによって浮かび上がる3つの貌を持っていると考えます。
 今書いたとおり、それは次の3つです。
 
 コンセプト
 設定
 ルール
 
 狭義の意味では、世界観はやはり「コンセプト」のみでしょう。
 ですが、他の2つも世界の成り立ちにとって重要です。
ですから、広義にはそれらも「世界観」として扱っていいとわたくしは思います。
 
 実際、テーマなりコンセプトなりだけでは作品は成立しません。
それだけでいいというのなら、物語を作る必要もないでしょう。
 
 それに、同じコンセプトでも、
設定が違えばずいぶんその様相は変わってきます。
その変化がなければ、
これほど多くの物語は必要ないですし、生まれもしないはずです。
 
 ルールについても同様のことがいえます。
 ルールやデータの変更は、世界のありようを変えてゆきます。
 
 ただし、ルールやデータに関しては、
作り手受け手ともに意識していない場合も多いことでしょう。
特殊な設定でも無い限り、多くの法則は現実と同じになるからです。
 
 したがって先ほど書いたとおり、
普通の小説ではコンセプトや設定の中に組み込まれてしまいますし、
数値的に表記されないこともよくあります。
作者が意識していないことさえしばしばでしょう。
 
 ですが、
誰が、あるいは何が強いですとか、どのぐらいの価値があるということは、
必要に応じて考えていなければならない部分ですし、
無意識や暗黙のうちに了解されていたりもします。
 
 それらはふだん意識されていないためにあいまいだったりしますが、
その視点から見ることで見えてくるものもあるでしょうし、
その関係性が変わってくることが、設定やコンセプトに影響を与えることもあります。
 
 世界の全体的なコンセプト
 そこに存在するものの設定
 それぞれを数値面から見たデータとルール
    (数値ではなく、比較として把握されている場合もしばしばですが)・
 
 これらは、一つの世界をそれぞれ別の観点から見た三位一体世界観です。
 
 1つの観点からでは十分とは言えませんし、
3つは互いにおぎないあい、
互いに影響され会いながら、本来の世界を成長させていきます。
 
 しっかりと構築されたように見える世界でも、
その試行錯誤の過程では、
設定やルールを変更することで変わっていくこともあったでしょう。
 
 シリーズが長く続いた作品の場合、
最初と最後ではコンセプトに成長やブレが生じる場合もあります。

 そこには、
設定やデータの変化によって変わって行く場合もしばしば見られます
(作者の成長や心境の変化という場合もありますが)。
 
 コンセプト・設定・データ。
 
 それぞれを追加・変化・成長させることは、別の2つに影響をあたえ、
それらを変化・成長させていくことになります。

 とはいえ、
 1つの成長が、他に対して必ずしもよい結果となるとは限りません。
 1つの要素を変化させたことが、他の要素のバランスを崩してしまうことは
往々にしてあることです。

 その場合には、やはり、コンセプトにしたがって考える必要があるでしょう。
 それだけでは、世界のすべてを言い表せないとはいえ、
 世界にとって最も重要なのは、それなのですから。

 
 
☆ とまぁ、これについては、反発する方もございましょうし、
  逆に何を当り前のことを、とおっしゃる方もおられましょう。
  
  考えてみますれば、TRPGのルールブックなど、たいていこの3つ、
  コンセプト・設定・ルールからできあがっておりますな。
 
  ああ、そういえば、とそれに思いいたったときは、
  ちょっとガッカリしたものでございます。
 以前に、けっこう考えて導きだしたことでごさいますものですから……。

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