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2024/04/19 高島屋の1040万6000円のお茶わん。約180万円で買い取ったお店が、すぐに別の店に約480万円で転売したそうですな。最初買い取ったお店は、盗品って気づかなかったのかなぁ。それとも事件のことを知ってて買い取り転売したのでしょうか? まぁ、知らなかったとおっしゃりますのでしょうなぁ。いづれにしましても、1040万の品も売るとなるとこのぐらいの価格なのでございますな。
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マーティン・J・ドアティ 松崎豊一監訳 (2008/11 原書房)
"THE WORLD'S WORST WEAPONS"
by Martin J.Dougherty




夢とロマンと理想……と現実。

 図書館であと一冊何を借りようかと迷って借りた本。

変な兵器とかドジな発明とかを見るのは楽しい。
そうした本はたくさん出ているが、本書はちょっと違う。

超重戦車マウスとか曲射ライフル・クルムラウフ
などよく出てくるトンデモ武器・兵器がある一方で、
パトリオットミサイルとか、AK47のように、武器のことをよく知らない
わたくしのような人間でも名前は聞いたことがある有名な武器も登場する。

 これは、この本のコンセプトに理由があるようだ。

「「最悪」の武器のなかには救いようもないといっていいものがあるいっぽうで、めぐりあわせが悪かったとしかいいようのないものもある。優れたコンセプトに基づいてつくられたが、時宜を得ないまちがった場所で使用されてしまったものだ。そのほかには、優れものではないが欠点を補って有用な武器となるだけの特徴を備えたもの、あるいは欠陥が数多くあっても武器として何とか役に立つものもないではない。

 本書ではすべてのタイプを網羅しているがそれだけにとどまらず、どうしようもないコンセプトに基づいたもの、うまく機能しないもの、欠点を補うだけの特色がないものも取りあげている。」
(「はじめに」より)

 この定義を「最悪」というかというと疑問だ。
 まぁ、タイトルを派手にして、目を惹くようにするやり方は雑誌などでよくあるやりかただし、
ある一定の効果もある。
 たとえば、『世界の中心で、愛をさけぶ』が、
作者の用意した『恋するソクラテス』というタイトルだったら、
あれほどのヒットは見込めなかったろう。

 おっと、話がそれた。
 だから、戦艦大和なども登場する。
 確かに、航空機の時代には時代遅れとなった大艦巨砲の象徴は、この建造コストを他に割り当てていれば、というのが現実的には正解だろう。

 だが、それはあと知恵というものだ。
 計画立案時にはそのようなことになるとは考えもしなかっただろう。
 それに、何よりもロマンがあるんだよな。
 この本で「最悪」と称されるものは、
ロマンや妄想が現実の壁にぶつかって失敗している例が多い。

 アイディアはよかったんだけどね
 とか、
 それができればすごいよね
 というやつだ。

 よく、ナチスのトンデモ兵器でそれらは引き合いに出されるが、べつにこうしたことはナチスドイツに限ったことではない、ということがよくわかる。
 ドイツの場合は、逆に技術力と熱意があったから、突出してしまったというところだろう。

 戦争なんていうのは、始まってしまうとなかなか止まらないものだし、
科学者というのはロマンティックなものだから
--いや、未来など読むことができない以上、人はみなロマンティックだ--、
あとから見ればばかげていることでも、本当に真剣に取り組んでいるものなのだ。

 そして、そのようなものは、単純にトンデモとしていとおしい。

 この本では、そうしたいわゆる兵器だけではなく、それ以外の武器も採りあげている。

 たとえば、ヌンチャクシュリケン
 カンフーブームやニンジャブームで何かものすごい武器みたいに思われているけど、
実際にはたいしたことないよ、ということが書かれている。

 ヌンチャクなんて見世物とししては派手だけど、扱いにくくて自分が怪我をするだけだよ

 シュリケンじゃめったに人を殺せないよ、
いや、正確に投げることだって難しい、あれはもともとも、
敵の注意をそらすためのものだよ。

 と書いている。

 たしかにそうかもしれないけど、言いたくなる。

 それを言ったらロマンがないよと。

 さらに、最後の項で紹介しているのは、「ヤギにらみ」だ。
 なんだかわからないでしょ。

 まっ、超能力だ。

ある超能力者が念力でヤギを殺したという噂がきっかけとなり、米軍において、念力を軍事に応用する可能性を探る研究が開始された。
(p.314)
のだそうだ。

 ロマンがあるよね。

 この項で作者はコメントしている。
多くの賢人たちが、もっとも強力な兵器は人間の頭脳だと語っているが、彼らはおそらく、その言葉がそのまま文字通り解釈されるとは思っていなかっただろう。
(同)

 それはそうでしょうね。

 作者はイギリス人。
 それは、イギリスの兵器を採り上げることが多い以外でもわかる。
 上のコメントからも見てとれるとおり、
 イギリス人独特のユーモアというか、文体なのだ。




* 「最悪」な兵器の中には、デザインが特殊なものもあって、
  それがまたよろしゅうございますな。
  有名な兵器は見慣れてしまっているし、
  最適値を求めていくと、
  みんな似たりよったりの感じになるのでございましょう。

  オントス戦車駆逐車(M50オントス自走無反動砲)なんて、
  ガンタンクみたいでカッコいい!!
  逆に申さば、アニメに登場するメカなどは、
  実際に作れば「最悪」の仲間入りをするものが
  けっこうあるのでございましょう。
  もっとも、アニメの場合、
  技術レベルをイカサマにも設定できますから、
  問題はございませんのですけどね。

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