忍者ブログ
2025/07/07 『エンディミオン」9章まで読了。まさにスペースオペラ。なのだけれど、それを成立させるためにぶちまかれた数々のアイデア、それを練りこんだ設定が地の文にこれでもかと入るため、軽快に読み飛ばせるものではない。じっくりと読むものになっている。物理的知識はほぼ必要ない。むしろ描かれたイメージを受け入れることが肝心に思う。
[45] [44] [43] [42] [41] [40] [39] [38] [37] [36] [35]
さて、このゲームブック、
FFシリーズ全体の中ではどのようなとらえ方をしたらよろしいのでございましょうか?

『ハウス・オブ・ヘル』の時も書きましたが、
『ソーサリー』シリーズは、

FF4『さまよえる宇宙船』から
FF10『地獄の館(ハウス・オブ・ヘル)』

の間に書かれました。

 その間にリビングストンは、

FF5『盗賊都市』(1983)
FF6『死のワナの地下迷宮(デストラップ・ダンジョン)』 (1984)
FF7『トカゲ王の島』 (1984)
FF9『雪の魔女の洞窟』 (1984)

と、やはり4つの作品を発表しております。

 1984年に、『ファイティング・ファンタジー』
というTRPGシステムを発表しておりますから、
その背景世界の構築というのが、
おそらく、「ソーサリー」シリーズとこれらのゲームブックに
課せられた大きな課題だったのだと想像できます。

『火吹山の魔法使い』『バルサスの要塞』では、
背景世界がいまひとつ明確ではございませんでしたからな。

 リビングストンがアランシアを、
ジャクソンが旧世界を手がけたのは、
それぞれに独自性と統一感を持たせたかったのでございましょうな。
 雰囲気におきましても表記におきましても。
 矛盾があっても困りますし。

 あとは、ジャクソンのチャレンジ精神が、
旧世界という新しい世界を求めていたのでございましょう。

 リビングストンの作品が、いつもの単発作品であるのに対し、
 ジャクソンの『ソーサリー』が、四部作なのも、
ソロシナリオ
キャンペーンゲームという
RPGの二つの楽しみ方を示したということなのでございましょう。

 ただ、構想の上ではそうだとしても、実際にできたものは
紛れもなくジャクソンらしい緊密さに充ちたゲームブックであり、
これをそのままRPGに、というわけにはいかないでしょうな。

 まあ、形式を示したということは確かでごさいますし、
TRPGの舞台をゲームブックという物語形式で提示したという点では、
意義深きことではございますが。

スティーブ・ジャクソンが、
TRPGの足がかりとしてゲームブックを意図していたことは、
『ファイティングファンタジー』
「はじめに」と「1.アドベンチャー・ゲーム・ブックからロールプレイング・ゲームへ」から、
読み取れることでございます。

 実際に、ゲームブックを足がかりにしてTRPGを始めたという人も多いようですし、
この意図は成功したと申してよろしいでしょうな。

「ウォーロック」誌もそうした流れで編集されておりました。

 そのあたり、ゲームブックファンとしては微妙なところではございますが。

 ただ、ではゲームブックはRPGの代価物か、というと、もちろんそうではございません。
 そのことは、ゲームブックファンのかたがたなら
 よ~くご存じのことでございましょう!
 

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
道化の真実
性別:
男性
趣味:
ゲームブック
最新CM
[07/05 ポール・ブリッツ]
[07/05 ポール・ブリッツ]
[07/05 ポール・ブリッツ]
[07/01 道化の真実]
[07/01 道化の真実]
最新TB
ブログ内検索
バーコード
P R
フリーエリア
<
忍者ブログ [PR]