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2024/05/06 ついにねんがんのわいふぁいをてにいれました~。難しいだろと思っていたのでございますが、5分で設置完了。アプリの更新がすぐに終わるのはいいなぁ。低速だと更新できませんでしたってしばしばなるからなぁ。まぁ、でもスマートフォンはなるべく使わない予定。
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.「石ノ森章太郎コレクション  石ノ森章太郎コレクション
  初期少女マンガ傑作選」(ちくま文庫/2021/1)
 
 副題のとおり、
石ノ森先生の初期少女マンガから選択した作品集でございます。
 
 収録されている作品は、以下のとおり。
 
  
 ちなみに、
『石森章太郎の世界 イラストアルバム』(徳間書店/昭和53年2月)や
『ぼくの漫画ぜんぶ』(廣済堂/昭和52年6月)では、
『あかんべぇ天使』は、昭和40年となっております。
 しかし、サンコミックス版でも昭和37年となっており、
この年号で正しいのでございましょう。
 
 
『二級天使』でデビューした昭和30(1954)年16
 (解説だと、1955年デビューで17歳となっておりますが、
  一月号はその前年に発売されるのが普通ですし、
  執筆していたのはそれ以前ですからまぁ同じことでございます)
とすると、
「MYフレンド」をのぞけば、22~25ぐらいで書かれた作品となりますな。
 
 ちなみに、先生のお姉さまがお亡くなりになられたのが、
 1958年(昭和33年)4月、
 
『世界まんがる記』の世界旅行に行ったのが1961年だそうでございます。
 
 スタジオ・ゼロ設立が1963年。
 
 「MYフレンド」をのぞけば、だいたいその間に描かれたということにあいなります。
 
 
 これら少女マンガについて、
石ノ森先生は『石森章太郎の世界』で次のようにおっしゃっておられます 。
 
石森 『龍神沼』だけではなく『そして誰もいなくなった』
   『あかんべぇ天使』など、初期の少女もの短編が好きなんだ。
   というのは、このころ、まだ
   自分の進む道は絶対マンガ家じゃなければならないとは考えていなかった。
   それで、読者にうけることは考えずに、
   本当に好きなことを書いた作品ということでね。
 
──結果的には<それがうけましたね?
 
石森 そうなんだ。同じ感覚で呼んでくれる人がいるとわかって、うれしかったね。
「絶対マンガ家じゃなければならないとは考えていなかった」
とおっしゃってはおりますが、
小説家とか映画監督とかアニメ作家とかジャーナリストとか、
他の職業と申しましても、
ものを書(描)いたり作ったりする仕事という点は確かぶれていなかったと存じまする
 
 それにそうはおっしゃられましても、
マンガのことをおろそかにしていたというわけではございません。
 
 むしろ、マンガを映画と同じような総合芸術と考え、
マンガを映画と同等、
いや、それ以上のものとするために、日夜考えておられたのでございます。
 
 さらにインタビューを読みすすめていきますと、
サイボーグ009(1964)でプロ意識が完全に芽生えたともおっしゃっております。
  
 このプロとそうでない時代の違いは何か、
 作者が作中キャラクターとして登場している
きのうはもうこない だが あすもまた」(1961)
の特に作中作の主人公と、
MYフレンド」(1967)を比べて見ると、一目瞭然でございますな。
 
 自分の描きたいものがあって、
それを描いて断られているのがプロ以前の段階。
貧しくて、でもマンガに対して純粋で。
 
 
 一方、「MYフレンド」の石森先生は、先生と呼ばれております
おうちも立派なものを持っておりますし、自分を二枚目に描いていない。
 プロのマンガ家として自信も自覚もあり、まわりからも認められている。
自分のスタイルもすでに確立している。
 作中で女の子の作品を評価しておりますが、
つまりは編集者の目で作品を見ることができるということでございますな。
 
 評価される側の作品も、
石ノ森先生らしく手なれているのはご愛敬というところでございましょうか。
ちょっとアマチュアっぽくないですな。
 

 
 
 というわけで、
マンガの理想と描きたい作品に情熱的に取り組んでいたのが、
この少女マンガの時代でございますな。
 週刊誌ではなく月刊誌の時代でございます。
しかも読み切りなので、派手なコマはない代わりにストーリーが濃密でございます。
 
 締め切りに追われていたとはいえ、
大人気作家となる以前でございますから、
作品に工夫を凝らす時間もあったのでございましょう。
 
描きたいものも頭の中にあふれ、また映画などから物語や技法などを吸収して、
それをマンガに取り込んでやろうという意欲にあふれていた時だったとも存じます。
 
 作品を見ても、映画的な作りでございますな。
 
 「龍神沼」「夜は千の目を持っている」「あかんべぇ天使」あたりは、
そのまんま映画にしてもおかしくない作りだと思います。
 
 また、ここで試した技法が『ジュン』など後の作品で、
より先鋭化して使われているということもございます。
 
逆に、日常のていねいな描写などは、作風が派手になってからは
あまり描かれなくなったような気も?
 そのあたりは、時代がスピーディな方向に流れたせいもございましょうな。
 
 というわけで次回は、各作品について見ていくことにいたします。

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