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2024/04/28 「オタク用語は非日常の世界を描くためか、そこにはまりこむためか、日常生活にかかわる用語(たとえば衣食住・乗り物。店など)がないのが大きな特徴である。その他、表記を変えた当て字が多い」(『俗語百科事典』米川明彦:著(朝倉書店/2021/7)。うーん、確かに。って思ったけれど、あたりまえのような気も……。
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ゲームブッククイズ(156)
問題:火吹山山頂に群生する植物の名前は何でしょう?


.答:眠り草(SLEEPING GRASS)
 
 何のひねりもない問題でごめんなさい。
 
 常識問題とおっしゃる方もございましょうな。
 
 火吹山の山頂に群れなす眠り草と知れたのは、
イアン・リビングストン先生のものにしますところの
雪の魔女の洞窟』パラグラフ二一七においてでございます。
 

モンスター事典──奈落の底から──』にも
タイタン植物図鑑』にも記載されております。
 
FFシリーズファンの中では一二を争う有名な植物とも申せましょう。
競うのは、ブラックロータスあたりかと。
 
 
 この眠り草
 
色は炎のように赤く(……)派の間に小さな花をつけるFF 眠り草
となっておりますから、葉が赤いのですよね。
 
 葉緑素がないのかも知れません。
 
雪の魔女~』では、そのまま目が覚めないと、
ヒーローはハゲタカに自らを供する
ことになるようですが、
ハゲタカとてきれいにすべてを食べてくれる
わけではございません
 
 ついばんだ残骸は、
この草を成長させる一助になるのでございましょう。
 
 赤い色は、それが血となり肉となった証なのかもしれません。
 
 だったら、何も山頂になんか生えなくても──、とは思います。
  
 じっさい、『タイタン植物図鑑』でも、
タイタン全域の平原、荒野、丘陵」(p.068)とございますし。
 
  でも、珍しい
  
 まぁ珍しくなければ、火吹山なんて名前もつかなかったでしょう。
 どこにでも生えていれば
 だれもがそれを、眠り草とわかるでしょうから。
 
 あるいは平地でも、昔はふつうにたくさん生えていたのかもしれません。
 
 でも厄介でございますから、燃やされるなど除草されたのでございましょう。
 それか眠り薬の材料として乱獲されたのかもしれませんな。
  
 
 山頂でしたら訪(おとな)うものは鳥ぐらい。
 刈られることもございません。
 草は、それで満足しているのでございましょう。
 
 ついでに近くの村の人も、眠り草のおかげで、
 何もしなくても鳥が落ちて来るというあんばい。
 労せずして食料が手に入るのでございます。
  
 悪名高い魔法使いが住まわっても、よそへ行きたがらないのは、
 それが主な理由の1つかもしれませんな。
 
 
 
 さてさて、そんなこんなの眠り草でございますが、
 同じリビングストン先生の『火吹山の魔法使いふたたび』では
 違う記述をしております。
 
赤い色をしたシダ」(p.10)
 
 あれ、シダだったんだ……、
と、思わず『タイタン植物図鑑』を開いてしまいました。
 
 そうしたら「アカシダ(REDFERN)」という植物が、p.64にございます。
 
 でもこれじゃございませんよね。
 旧世界北部に存在するそうですし、だそうですし。
 
 にしてもこのアカシダ実はシダではない、というのがまたややこしい。
  
 昔からの名前を踏襲したのでございましょう。
かたつむりが、虫でもないのにでんでん虫と呼ばれるのと同じ理屈でございますな。
 
 
 
 一方、『火吹山の魔法使いふたたび』のほうは、
赤い色をしたシダの茂みで有名」と地の文に書かれているのでございますよね。
 
 地の文は事実を書いていると思われるので、シダと書かれているからには、
 これはシダでございます。
 
 となれば、アカシダとも違う
 眠り草とも違います
 なぜならシダは花が咲きません。胞子で増える植物ですからな。
 
モンスター事典』のイラストを見ても、シダとは思えません
 
 火吹山山頂の眠り草が、いつの間にかシダ植物にとって変わられた
ということも考えられますが、
そのような記述は見たことがございませんし……。
 
 ここは、リビングストン先生の思い違い……か、
草よりもシダの方が、炎の感じ出るよねと、
事実の改変を行ったかのどちらかでございましょう。
 
 
 でも、たしかに、火吹山の頂上の植物が
イラストのような草でふさわしいかと聞かれますと、
百人が百人「はい」
と答えるというものでもないと思うのですよね。
 
 
 イラストが正しいとすると、1メートル以上、
人の腰から身長ぐらいの高さでございましょう。
 
 そのような草が、
風でゆらゆらと動いて、その草間から燃えるような花がチラチラと見えて、
ということですが、それで火を吹いているように見えるのかなぁ。
 
 低木でも幹があって、そこから樹状に葉が伸びていくのなら、
炎に見える気がいたしますが。
 (それでシダ系の植物にしようとしたのかもしれません)
 
 
 
 わたくしといたしましては、火吹山というのは、
てっぺんに火が燃えているように、ではなくて、
火山のように見えるのだとばかり思いこんでいたのですよね。
 
 ですから火吹山の頂上も、炎がゆらめいているのではなくて、
熔岩がぐつぐつと煮えたぎっているイメージでとらえていました。
 
 なので植物も、炎のように上に向かう感じではなくて地を這うイメージ。
 
 例えば、もっと葉っぱが丸っこいツタ植物ですとか、
コケのようなものでございますな。
 
 赤い色したそれらが、風にあおられて裏地のまばゆい黄色を見せると、
それが炎のように見えるのかと。
 
 
 なのですが。
 
 
 そうこう考えているうちに、
それよりももっとふさわしい植物に思いいたりました。
 
 それは、
ヤマブキでございます。
 
 
 燃えるような赤い色をした葉っぱと枝、
そのはざまにかいま見える輝く黄色い花
 
 まさに火吹山のイメージにぴったりでございましょう!!
 
 えっ、まだピンとこない?
 
 燃えるような緋色のヤマブキでございますよ。
 それが眠りの魔法を使うのですよ。
 
 
 「魔法の緋山吹」
 ]
 「火山吹の魔法……」
 
 
 ほら、緋色の山吹以外、ふさわしいものはございませんでしょ!?

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