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2024/04/28 「オタク用語は非日常の世界を描くためか、そこにはまりこむためか、日常生活にかかわる用語(たとえば衣食住・乗り物。店など)がないのが大きな特徴である。その他、表記を変えた当て字が多い」(『俗語百科事典』米川明彦:著(朝倉書店/2021/7)。うーん、確かに。って思ったけれど、あたりまえのような気も……。
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齋藤 高吉/冒険企画局 (著)
 プレイングミステリー (2009/8 メディアファクトリー)


というわけで、さっそく

「ゲームブック倉庫番」に追加しておきました。

「ブック型ARG」という表現はなくなっておりましたな。
 おそらく、ARGというジャンル自体になじみがない点と、
この本自体がそんなにARGになっていないからでござましょうな。

 かわりにつけられたのが、プレイングミステリーブック。
 ただしこれは、ゲームブック部分ではなく、
この本全体のジャンルとしてつけられた呼称のようでございます。

 つまり、
ゲームブックを解き、事件を解決する。
その過程で、ケータイサイトなどにアクセスする
といった一連の過程を、
プレイングミステリーと称しているのですな。

 物語は、

米花町で立て続けに起こった二つの殺人事件。

探偵毛利小五郎の捜査にいつものようについてきた小学生の江戸川コナンは、
そこでゲームブック『嗤(わら)う黒猫』を発見した。

この本に書かれた殺人事件は米花町で起きた事件と奇妙に符号。
しかも、そこには第三の殺人事件も書かれていたのだ。

 ということで、ゲームブックは作中作として登場するのでございますが、
それが全体の8割を占め、現実の事件は枠のような感じとなっております。

 しかも、コナンの登場はほとんどなし。
 あまり、『名探偵コナン』とつける意味が、作品的にはないのでございます。
(つまり、作品的以外の部分であるのでございましょう!)
 まあ、携帯サイトにアクセスすると、コナン少年からメールが届くらしいですが。

 ちなみに、携帯との連携要素は、
それがないと解けない、というようなものではございません。
 携帯電話を持っていないので詳しいことは存じませんが、
ヒントを聞けたり、別のパズルが出されたり、探偵力チェックができたり、
するのだそうでございます。

 もし、連携が必須であったのなら、
それを大々的に宣伝しておかないと、詐欺呼ばわりされませんからな。
 これは当然でございましょう。


 あらすじに「第三の殺人事件」と書いてございますように、
このゲームブックは、三部で構成されております。
 現在、その一部を終えたところでございますが、
うん、なかなか面白うございますよ。

 ちゃんと推理系のゲームブックしておりますし、
パズルなど遊びの要素もございますし。

 とくに、パズルがよろしゅうございますな。
 推理に直接結びついて、その過程をわかりやすくしておりますし、
ひらめきがないと絶対解けないというたぐいのものではなく、
パラグラフを行き来しながら、ていねいにやっていけば解けるたぐいのものなのでございます。
(そりゃ、ある程度のひらめきも要りますよ。でなけりゃ、パズルとして面白くない)

 作者が、TRPGのマスターとしてベテラン、ということがございましょうかねぇ。
 そのあたりの提示方法が、実にうまいと思いました。
 

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