もしかすると、これが、マジ夫さん!?
てっきり、
本文と表紙イラストの挿絵画家が違うために起こったしめしあわせの不備で、
表紙の絵もザゴールさまかと思っていました。
もしくは、タイトルのイメージに合わせて、魔法使いの典型を描いたのかとーー。
ですが、
「龍火の作り方と投じ方」を晩年になって完成させた魔法使い
(パラグラフ二九六)となりますと、ファリーゴ・ディ・マジオ師に
間違いないということになりますなぁ。
そのタイトルにもかかわらず、
龍のはき出そうとする火の玉をとどめる魔法の効果(パラグラフ二六)も、
表紙の絵に合っているように思います。
それに、FFシリーズの表紙絵って、初期は特にそうですが、
ラスボスとかあまり描いておりませぬものな。
(味方するキャラも描いていない?
まぁ、それはそうなのですが、
味方するキャラは、表紙に描いても面白くない場合が多いですし、
そもそも少ないということで……)
ザゴールさまではなくって、このディ・マジオさまのこと~!?
その可能性もないではないかと。
ただ、そのあたりがまぎらわしいので、
新しい表紙は、扶桑社版もそうですが、
わかりやすくザゴールさまが表紙になったのでございましょう。
でしたら、
本文イラストにマジ夫さまのご尊顔も加えてくださればいいのに、と思いますが、
そういうことをする気はなかったのでしょうな。
過去の方ですから、
入れるにしても扱いが微妙な感じになるような気がいたしますしーー。
コメントに対する気まずい 追記:
ドロシー!さん、 吉里川べお]さん、
コメントをありがとうございました。
本来ならば、顧みるはずのなかったこの記事を見直す機会を与えていただき、
感謝しております。
そのうちに……。
最初老人の姿で現れることをすっかり忘れていた、というのがひとつ。
あれ、シナリオブックのあとづけの設定だとばかり思っていたのでございます。
ですから、表紙の絵がザゴールということはないだろうと思っていたのですが、
それを知って、可能性があるということを知りました。
イラストが裏表紙にまでおよんでいる……。
本の背が高い分、魔法使いが龍を召喚している図に見える……、と。
という考えは、怪しくなりますな。
そんなわけで、マジ夫さんの確率は低くはなりますが、
強がってゼロではないと申しましょう!
マジ夫さんが龍を召喚しても不思議ではないですし、
ザゴールさんが作中に龍を召喚する記述はございませんからな。
顔が違う、とか書こうと思ったのですが、
鼻の形などは似ておりますし、違う作家が描いている以上、許容範囲といえますし――。
龍と魔法使いというファンタジーの典型をアイコンとして
表紙に入れておきたかったからこういう形の絵になった、
ということが重要なのだと思います。
単独作品と何ら変わることはございません。
それゆえに表紙は誰でもそれとわかる、
龍と魔法使いという、直球ストライクなファンタジーに
決めたのではございませんでしょうか。
龍と魔法使いが登場することを、まず決めていたのかもしれませんな。
老人ザゴールをゲーム中に出したのも、
表紙にこの魔法使いのおじいさんを出したかったからかも?
パラグラフ358のようなイラストがいきなり表紙に来ても、
魔法使いと気づいてくれない方もおられそうですからな。
こんなこともございます。
そのあたりで保留ということで。
コメントをいただかなければ、
このことについてこれ以上考えることはほとんどなかったでございましょう。
それについて再考する機会を与えてくださったことに感謝いたします。
君野和摩・作 岩田くみこ・絵(偕成社/1994年10月)
フルパラ国のアップリン村は、幸せに包まれた村でした。
それというのも、この村には、「夢の笛」という美しい笛があったからです。
その笛の音に包まれているかぎり、平和は永遠に続く……。
ところが、その笛を魔物「ギャグーン」が奪っていってしまいました。
笛の力さえあれば、世界を支配できるーー。
ギャグーンはそう考えたのです。
「夢の笛」は、「ソーサリー」の「冠」みたいなものでございますな。
それを取り戻すべく、「セラム」・「ルルナ」・「モグモグ」という、
3人の若者が立ち上がるわけでございます。
3人は、それぞれ技能や性格が違い、
特定のキャラクターでないと進めないような場所がございます。
と申しましても、数値などの要素はございません。
お金の出入りはあるものの、それも記録しておく必要ないものございます。
子供向けのマンガ絵本で、
コマの所々にある選択肢に従って進んでいくわけでございますが、
他のゲームフックとちょっと変わっているのは、
パラグラフナンバーが、ページ順ではなくて物語の進行順になっているのでございます。
例えば、10の次の選択肢は11が12になっているわけですが、
そのパラグラフナンバーが、ランダムにページに配置されているわけでございます。
そのため、例えば先ほどの例なら、
「p.32-11へ」・「p.21-12へ」といった記述になっているわけですな。
わかりやすいんだか、そうでないのかは、よく分かりません。
絵をお描きになった岩田くみこ先生の略歴からも分かりますが、
一種の迷路絵本でございますな。
ゴールとなる場所が、迷路には何カ所かあり、
それによって目的地に着いたり、ひどい目に遭ったり、元に戻されたり……。
迷路ものとしては、一般的な展開でございましょう。
そこにアドベンチャーゲームブックの
ストーリーと選択の要素が加わるわけですが、
子供向けなので、お使い的なわかりやすい流れ……。
失敗したときなどに思わぬ展開とかあって、楽しいと思いますよ。
どうも勘違いだった様子。
と申すのは、地図の扱いにございます。
見返しに、地図が描かれているのですが、
そこにはアップリン村と星の塔以外の地名は書かれていないのでございますな。
で、1に「地図に分かった地名を書き入れよう!!」
とあるものでございますから、
それによって、
それぞれの位置関係が分かっていき、
ある場所から別の場所へ行くときに時間の短縮となったり、
まったく知らない場所に行くための手がかりになる
のかと思ったのでございます。
ですが、そういう要素はない様子。
暗号を解いて新しい場所へ行く、という場面はあるのですが……。
場所やそこへ行くまでの道筋を発見するのは、地図を見る上での楽しみの一つ。
そういうものをゲームブックに取り入れる、
ヒントとなるのではございませんでしょうか?
二見書房を外すわけにはまいりません。
『魔城の迷宮』ぐらいだと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
『グーニーズ』
『ジュラシック・パーク サバイバル・ゲーム』
☆ 『シャーロック・ホームズ 切り裂きジャック事件』については、
いずれにせよ、
他の「シャーロック・ホームズ10の怪事件」から続く3作品とは毛色が違いますものな。
ネットで探しても、それらしき外国のものはないと思われます。
著者名ではなくて、著者チームの名前ということなのでございましょう。
ですから、必ずしも外国人というわけではないですが、
外国人と思わせるためにこの名を使った感はございます。
「Bug News」誌1986/8号のp.90「ゲームブックの森の満開の下」で、
晴浜慶千代(はるはまよしちよ)というゲームブック編集者の方が、
自分たちの作品だと、正体を明かしております。
「どうも、ハリーです」
「こんにちわリンドです」
「なあんだ、ハリー・リンドって僕らだったのね」
といったノリのものだったから(p.91)
J・P・クルーズと外国人の名前みたいになっておりますが、
おそらくこれも、
ジュラシック・パーク・クルーズというグループ名なのでございましょう。
これが日本人の手によるものだと考える所存でございます。
翻訳物だと考えるには良すぎる感じがする。
という構成や、謎の提示の仕方などのテイストが、
『魔城の迷宮』などの二見書房のゲームブックと同じものを感じさせる。
「japanese translation right」となるべきところが、
このゲームブックの場合、「Japanese game book light」となっている。
原題となっている、
「JURASSIC PARK : The Role-Playing Game Book」で検索してみました。
「Lost World: Jurassic Park Role-Playing Game Book」
というものが「You-Tube」にて紹介されておりました。
フルカラーのパラグラフ選択式のようで、興味深くはございますが、
1997年で48ページ(二見書房のものは1993年)だそうでございますから、
まったくの別物でございましょう。
ちなみに著者は、「Farshtey,Greg」という方のようでございます。
「ゲームブックの森の満開の下」の冒頭には、
作り手と世間、すなわち読者との間につながりをつける
美人局か幇間みたいなものだと思っている。(……)
多少自虐的に、あるいはハードボイルドに言えば、
本を作って売ってしまうなんて詐欺行為だと自認している」
この外国人(っぽい)名義というのも、
本を売る上での選択肢の1つということでございましょうな。
ゲームブック以前から続くサラブックスのラインナップにしても、
けっこううさんくさいものが多い(←はっきり言うなぁ~)ですからなぁ。
「火吹山~」が爆発的な売れ行きを見せたおかげで、
翻訳物のゲームブックこそ本物という雰囲気があったのは否めません。
評価を低くせざるを得ないものがあったりするものですけどね)
「Bug News」誌1986/4の「ゲームブック145冊」のランキングで、
ブレナンのシリーズよりも良い評価
(ブレナンは「竹」か「梅」なのに対し、『グーニーズ』は「松」)
を得たことが語られております。
おそらく、日本人が作ったと作品であるとあらかじめ分かっていれば、
このような評価にはならなかったのではないでしょうか。
とすれば、やはり、作者が日本人か外人かで、
評者の目が変わったということでございましょう
(まぁ、この「ゲームブック145冊」の評価、時間がないのでございましょうな、
時おり首をひねらざるを得ないような部分もあるのでございますが……)。
海外で作られた有名な映画や小説のゲームブックを、その評判を得て翻訳したものと、
…………。
え~っとですねぇ、
『ガバリン』という映画を、日本の、大して知られていない作家(失礼)が、
ゲームブック化したものと、
どちらに食指が動くかということでございます。
いずれにせよ、幇間でも詐欺でも、作品が良いのであれば、
出版社、読者ともにめでたしめでたしでございますな。
二見書房の上掲書は、それが成功した例と申していいのではないでしょうか。
『ガバリン』は、「スタジオ・ハード・編」となっていて、
著者名は書かれていないのでした~ !!
ちなみに、後書きを見ると、ゲーム構成から執筆までを
塩田信之・三原治・飯野文彦・中山りか子の四人の先生方が
分担して作り上げたということでございます。
でも、まぁ、
スタジオ・ハードを外国人の名前だと思う方はいないと思われますし、
上の文の大概には問題ないかと……。
評判自体あまり聞いたことが
ございませんので申しますが、
なかなかいい作品でございますよ~。
常に前の作品を糧に進化してきた感が
ございますが、
この作品もそうでございます。
『魔城の迷宮』が最高傑作だろ、
という声が聞こえてきそうでございますが、
それはそれ。
通好みの『魔城の迷宮』に対し、
そこで培った面白さを取り入れながら、
よりわかりやすく自然で、
一般性を持たせたゲームブックとして、
もっと評価されて良い作品だと思うのでございます。
双葉社がゲームブックから撤退したのが1992年。
それよりあとに出版されたものですからな。
この作品、
「ゲームブック」という言葉は、先ほどの英題下の権利表記の部分の
(game book)という言葉以外には見当たらないようでございますし、
そのような一般性は必要不可欠だったのではないかと存じます。
一つ申せば、暗視ゴーグルの映像。
ブームだった裸眼立体視を取り入れたのはいいのですが、
白黒ページということもあり、今ひとつわかりにくいという……。
まぁ、暗視ゴーグルの映像ということで、わかりにくい理由はつきますし、
それがゲーム性とおっしゃられれば、それはそうなのでございますけれどね。
☆ ついでながらこの「ジュラシック・パークサバイバルゲーム」
さきほど挙げた海外の
「Lost World: Jurassic Park Role-Playing Game Book」よりも
よっぽどいい作品だと思うのですけど……。
どうでしょうかねぇ。
アチャラの内容は、英語なのであまりよく分かりませんが。
わたくしは、英語を使えないので、
どなたか、英語に堪能な方が、
それこそYOU-TUBEか何かで、
海外に紹介したら、おもしろいのでは……?
などと、思う次第でございます。
実は日本人というのがいくつか存在しますな。
正体不明となってはいても、日本人のペンネームだろうと予測はつきましょう。
双葉文庫の『ルパン三世/青の女王強奪作戦』
(ゲームブックシリーズ3/昭和61年4月)にしても、まぁ、わかりますな。
原案者のJ・F・ハイブリッジさんは、
略歴では、年齢・国籍ともに不明となっております(→2)が、
フルネームが
(Jodahn Faker Highbridge)。
訳せば、
「冗談でだまし屋の高橋」さん
ぐらいの意味合いでございましょう。
その下のコピーライト表示(→1)を見ると、
「J.F.Highbridge and Nov Takahashi」
となっております。
ですからこの高橋さんと申すのは、
スタジオ・ハードのゲームブックの「制作」でお名前を見かけする、
「高橋信之」さんのことかもしれませんな。
翻案を手がけたという、「野上礼二」さんという方のことでございます。
このお方の名前は、他のところではお見かけしないような……。
どういうかたなのでしょう。
気になったので、検索をかけてみました。
ですが、やはり、他の著作などは見当らないようでございます。
すると、ウィキペディアに行き当たりーー。
読んでみますと、
「高橋信之」さんという方は、
「スタジオ・ハード」の社長なのですな。
しかも、でございます。
1957年4月30日生まれ、というところから始まって、略歴(→2)が
『~青の女王~』に書かれた、「野上礼二」さんとほぼ一緒。
さらにさらに、従兄弟の方が「野上」さんと申されるごようす。
ですから、翻案者の「野上礼二」というのは、
もしかすると、「高橋信之」さんの本名かもしれませんな。
「1981年に事務所を開設」というのは、
「スタジオ・ハード」のことなのでございましょう。
さらに、となりますと、
「作者あとがき」のp.286に「感謝の辞」として書かれております、
「原稿の吉岡、川崎、飯野さん。
原稿アシスタントの樋口さん、塩田くん。ハードの皆んな」
というのは、それぞれ、
吉岡平・川崎知子・飯野文彦
のそれぞれの先生ということになるのでしょうなぁ。
総力戦、といった感じでございますな。
単に、高橋信之という方が、オリジナルのゲームブック『青の女王作戦』を持ち込み、
それが認められて、スタジオ・ハードに入ったのかなと思っていたのですが……、
J・F・ハイブリッジを追っていたら、
とんでもないものを見つけてしまった……。
そんな思いでございます。
2018/03/31 ゲームブッククイズ(58)
次の「龍火の作り方と投じ方」を古い順に並べなさい。
(A)
(B)
(C)
(D)
☆ 分からなくても、推理力で解けるかも?
答えは、続きからどうぞ。
樋口明雄先生が、ジュニア小説(おそらくゲームブックも含まれるだろう)を
書いていた時代にまわりにいた人たちをイメージモデルとして書いたという、
小説のタイトルは?
2010年に『WaT16』と改題されて、ビズ・アップロードというところから
出ているようでございます。機会がなくて読んだことはございません。
ちなみに、この問題のソースは
「ミステリ・マガジンNo.560 2002/10」
ミステリアス・ジャム・セッション――第22回 樋口明雄
(インタビュー/文 村上貴史)にございます。
p.9 「ジュニア小説を書いていた頃、僕の周囲にいた、
自分の部屋から出ていこうとしない連中をイメージしたんですよ。
自分の足で立ち上がって旅に出てみろと、彼らにそう言いたかった苛立ちが、
この登場人物を生み出したんです」
桃の節句ということで、『桃太郎電光石火/00(ゼロゼロ)モモ危機一髪』
企画・構成/スタジオ・ハード 文/橋爪啓 大出光貴 監修/さくまあきら
イラスト/滑子堂本舗(1989/10 双葉文庫ファミコン冒険ゲームブックシリーズ)。
東京湾に突如現れた巨大な桃・モモリスの秘密を知っている人物は誰?
改造人間ブドウマンを繰り出してきますが、いい人みたいです。
秘密を知っていたのは、彼のおじいさん、ノア天本らしいのですが
(パラグラフ162・267など)。
ちなみに前作・『桃太郎電鉄/めざせ! 大社長』
企画・構成/スタジオ・ハード 文/橋爪啓 大出光貴 イラスト/日高誠之
(1989/1 双葉文庫ファミコン冒険ゲームブックシリーズ)
には、天才科学料理人・烏賊元(いかもと)英世が登場し、
スペインに渡って研究した改造人間・ヤリイカンを仕掛けてきます
(パラグラフ28)。
(→続き)
ネバーランド・シリーズ(林友彦・東京創元社)。
ネバーランドには3つの至宝がある。それをすべて答えよ。
(1)食べれば誰でも永遠の若さが得られる魔法のリンゴ。
(2)いくら飲んでも尽きることのないエール(神々の酒)をたたえた聖なる杯。
(3)世界中の人々に望み通りの夢をみさせることのできる魔法の杖。
『ネバーランドのカボチャ男』(1990)のプロローグにございます。
2018/3/8 答:「オカルト館の秘密」。
が、この雑誌自体がレアみたいで、見たことがございません。
「ゲームブック倉庫番」に追加はしておきましたが、
そんなわけで詳細は不明ということで。
を執筆された黒田幸広先生は、ゲームブックの作り方を、何にたとえて説明している?
ドラゴンブックの投込みである「ドラゴン通信」のvol.2の裏面、
「ゲームブックのできるまで」(黒田幸広)にございます。
このコラムで黒田先生は、
ルール部分を技術点、小説部分を芸術点にたとえ、
限られたページ数でそれを両立することの難しさを説き、
ルールか、表現力か、テンポの良さか、
何が「売り(セールスポイント)」かを考える必要があると結んでおります。
2018/3/11 ゲームブッククイズ(48)
『ゲームブック ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ』
制作・編集:エニックスプロダクツ ゲーム構成:横倉廣 文:早坂律子
イラスト:田中成治(エニックス文庫 1989/1)。
仲間が、主人公に呼びかける時の呼び名は何?
他の方はどうかは知りませんが、わたくしは感動してしまいました。
勇者オルテガの息子であり、勇者の印である「守りの紋章」を持っているとはいえ、
初めて冒険の旅に出る主人公に対して、「ねぇ、勇者」ですよ?
勇者という言葉に対する、
コンピューターRPG的な安っぽさにおかし味を感じると同時に、
プレイヤーに主人公であることを意識させ、もり立てる言葉としては実に正しい。
そんなところに感動してしまったのでございます。
ゲームブック『オルフェウス作戦 海上原子力発電所を奪回せよ!』
編:ワールドフォトプレス カバーイラスト:佐藤道明
文・構成:タスクフォースⅠ・永瀬唯
イラストレーション・図解:長谷川光太郎(光文社文庫/昭和61年6月)。
タイトルにもなっている『オルフェウス作戦』の「オルフェウス」とは、
ここでは何を指す?
エピローグによりますと、ゲーテル教会から分離した異端派だそうでございます。
何でも、魂は人間のみならずそのコピーにも存在しうるとして、
ゲーテル教会と袂を分かったようですな。
にしても、作戦名に直接敵の名前つけるかなぁ?
「対オルフェウス作戦」とかになるのでは、と思うのでございますが……。
語呂の良さを取ったんでしょうかねぇ。
「オペレーション・オルフェウス」ですから、ダブルオーとか略していたりして。
2018/03/15 ゲームブッククイズ(50) 『龍火の作り方と投じ方』の作者は誰?
50回目なので『火吹山の魔法使い』から。パラグラフ296でございます。
この人って、昔の野球のジョー・ディマジオ選手の親戚……ではございませんよね?
有名な作品なので、覚えていらっしゃる方も多いかもしれませんが、
こんな呪文があったこと、わたくしはすっかり忘れておりました。
FFシリーズで魔法を使えるのは『バルサスの要塞』が最初かと思っていたのですが、
この作品でも使える呪文があったのでございますな。自由度はございませんが。
構成・文:関島りょう子 制作:菊島恵三 村瀬紀子 イラスト:都山陽子
(勁文社 アドベンチャーヒーローブックスNo.43 昭和63年4月)。
新宿から吉祥寺へ向かう途中、神宮寺三郎が立ち寄ることのできる、
このゲームゆかりの場所、2カ所はどことどこ?
パラグラフ75や124からの分岐でございます。
「ゆかりの場所」という言葉で分かった方もおられますかな?
この2カ所ではゲームに関するヒントがもらえます。
同じく、『探偵神宮寺三郎 原宿・表参道殺人事件』から。
このゲームブック、次回作も考えられていたようだが、
そこで神宮司はどんな事件を扱うことが予定されていた?
ちゃんと調べたわけではございませんが、おそらくパラグラフ223からの
ミニゲームブックになっております。
結末は「次回作に乞うご期待」「次回作に続く」などとなっていて、いわば予告編ですな。
セントラルパークとございますから、
おそらくニューヨークでの事件が予定されていたのでございましょう。
「ゲームブックの醍醐味とは……
死ぬことと見つけたり!!」。
誰の言葉?
扶桑社版『バルサスの要塞』の帯に書かれておりまして、発売当時、
せまいせまいゲームブック界隈で、少々話題になったものでございます。
ホントは元ネタにあわせて
「醍醐味」という言葉は外したかったのではないでしょうかねぇ。
それでも意味は通じますが、正確性を求めたのかもしれませんな。
(→続き)
『THE X-FILES 入植 その後の展開』著:霧島那智(テレビ朝日/1997/3)。
美術館のエジプト美術セクションで蓮華座を組んでいた女性、
ファティマ・アブドゥーラー・チャーイ・シュクラン。
ファラオの呪いによって二千年生かされたと自称するこの女性は、
12歳の時に消えたモルダーの妹について、なんと言っている?
彼女は、空飛ぶ円盤で火星人に連れ去られた。
今では、火星のガニメデ王朝の女王として君臨している。
その王朝は、現在危機に瀕している。
なぜなら敵のイオ共和国が
七つの頭を持つロイヤル・グレート・ドラゴンを手に入れたからだ。
パラグラフ508からの流れでございます。
モルダーには、妹を救う力があるというのでございますが……。
そんなことをおっしゃったあと、ファティマさんは、
やってきた家族の女性と警備員によって、神殿から連れ出されてしまいます。
ちなみに、霧島那智と申すのは、若桜木虔先生を中心とした、執筆集団でございますな。
『所さんのまもるもせめるも――アクアク大冒険――』制作:レッカ社・井上尚美
文:所ジョージ 作画:おおつぼみえこ(双葉文庫/昭和62年7月)
アクアク島七種の神器、
石の紋章・干した猿の手首・溶岩の鉢・ブリキの風見鳥・ワニ皮のパンツ・
珊瑚のふりこ・火鳴り石。
これらを総称してなんと呼ぶ?
『火吹山~』ではなく、『火吹き山~』。
送り仮名がこちらにはございます・・・・な。
問題のアイテムが紹介されているのは、パラグラフ49ほか。
「ほか」と申すのは、一つのアイテムがそこには書かれていないからでございます。
ちなみに、これらの神器は、
7つを1つにまとめると噴火を予知する効果があり、島に伝わる歌を歌を歌うことで、
噴火しかけた火山の気を変えることができるのだそうでございます。
『失われた魂の城』著:D・モーリス&Y・ニューナム 訳:マジカルゲーマー
(東京創元社/1986/8)。
『魔法の治療薬』は、どんなものからできている?
パラグラフ四七にございます。
もちろんひどい臭いがいたしますし、当然傷につける塗り薬でございます。
飲み薬ではございません。しかし、こんなのつけたら、傷が悪化しそう。
それに、町中は歩けませんな。
セガ×チュンプロジェクト編 我孫子武丸著(セガミステリー文庫/2006/7)
「ラブテスター編」。透と真理が泊まった『HOTEL CHUN』の部屋番号は?
パラグラフ10にございます。
1919ですから、
1階の919号室か、19階の19号室か、191階の9号室なのでしょうな。
「縁起のいい番号だ」と透さまはおっしゃっております。
じっさい、良い番号なのでございましょう。
パラグラフ29では、真理さまが
「部屋番号見たから、戻ってきちゃった」と申しておりますし。
〈ウタカゼのタコヤキ〉
Role&Rollvol.161の読者欄に載せていただいた、
『ウタカゼ』シナリオ:「ウタカゼの休日」(vol.159 p.34~p.35)
の絵でございます。
「出し物」のなかに、「タコヤキ」があるにも関わらず、
「材料のある場所」にはタコをどこから調達してくるかが書かれていないので、
こういうネタになりました。
タコは川にはいないでしょうからねぇ。
といいつつ、絵では空飛んでおりますが……。
話は変わりますが、
ラブクラフトって、
タコヤキとかタコのお寿司とか食べたことがなかったのですかねぇ……。
喰わず嫌い?
もし食べていたら、クトゥルフ神話なんか書かなかったかもしれませんのに、
ねぇ。
『ソードワールド2.0』の「きんいろおおかみさん」は
わたくしが描いたものでございます。
……えぇ~っと、すみません。
実は今回挙げた「ウタカゼ」のこの絵も、
途中までしか活字にしていないものを送ってしまって、
30分後ぐらいにあわてて差し替え依頼のメールを出したものでございます。
『サラマンダ ラティス救出作戦』企画/スタジオハード
文・構成/大出光貴・ひぐち&ぴろてん 製作/竹中清 本文イラスト/不敵万才
(勁文社 アドベンチャーヒーローブックス 30/昭和62年10月)。
グラディウス軍とともに、宇宙戦闘機に乗り込んで、サラマンダ軍に戦いを挑む、惑星ラティスの王子といえば……、
ロード・ブリティシュですが、このゲームブックで、彼はなんと呼ばれているでしょう?
ロード王子って……。ロード・ブリティシュが訳すと英国卿ってことだから、卿王子?
『ウィットネス』大川タケシ・著 JICCアドベンチャーノベルス 1987/4)は、
1930年代を舞台としたハードボイルドアドベンチャーだが、
作中人物の一人であるスティルスに対して、
“彼は若いがなかなかの野心家だ”と言ったとされる、現実の有名な映画俳優は、誰?
パラグラフ189。
スティルスは、『駅馬車』に出演が決まっていたのだそうでございます。
ちなみに「私」は、「大の映画好き」で、
「とりわけジョン・ウェインのファン」なのだとか。
2018/2/5 ゲームブッククイズ(31)
『ゲームブック 星のカービィ スーパーデラックス』構成・文 エムズカンパニー
(沙藤樹) 本文イラスト 益田賢治 編集協力 STADIO HARD TEAM 3
(1996/8 ファミ通ゲーム文庫)。
カービィの冒険に最後までつきあってくれた人に送られる、
カービィからの熱いプレゼントとは?
エピローグに
「苦しいとき、つらいとき、お腹がすいちゃったとき、
この248ページをひらいてボクにチュウをしてみて!
ボクのパワーをわけてあげるから!」と、書かれてございます。
そのあと、
「えっ気持ち悪いって? し、失礼な! そんなこというと、吸いこんじゃうぞ~!」
とありますけど。ホントに吸いこまれてしまいそう……。
『ブラッドソード ――シナリオ#1 勝利の紋章を奪え!――』
ディブ・モリス/オリバー・ジョンソン著/大出健訳
(昭和63年3月 富士見DRAGON BOOK 28)。
“嘆きのスタッグ”を従わせることのできる古代の教えとは?
仲間に僧侶(セージ)がいる場合のみ選択できるパラグラフでございます。
この“嘆きのスタッグ”、「かつては古代世界でケロンと呼ばれて活躍した腹黒い渡し守」
だそうで、その彼を、この古代の教えが縛っているようでございますな。
『アイ 愛(LOVE) あいどる』高野富士雄著
AMC(アミューズメントクラブ・プロダクツ)制作 天童なつき作画
(1989/8 双葉社 ペパーミントゲームブック)。
二人で一人のアイドル候補、水口瞳。芝居担当の双子の妹・水口葉月と、
歌担当の双子の姉・水口葉子が、トイレで入れ替わるときの合い言葉。
「恋の呪文は」?
パラグラフ39でございます。
みなさん、舌をかまずにちゃんと答えられたでしょうか?
葉子さんは、かみそうだったと言っております。つまりは、かんでないのでしょうな。
「ウォーロック」(社会思想社)発売当時のキャッチフレーズ、
「アドベンチャー・ゲームブックファンを□□□□□□□新雑誌!」。
四角に入る言葉は何?
他でもあるでしょうが、とりあえず、『フリーウェイの戦士』の投込み広告から。
99%ってことは、
魅了されなかった方は、残りの1%の人だったということなのでしょうなぁ。
横倉廣著 堀井敏之イラスト(JICCアドベンチャーノベルズ 1987/7)。
非合法の軍事集団「イーグル・コマンド」の創設者にして、大富豪の
アルフレッド・ブレナン氏が、「イーグル」という言葉に対して込めた思いとは?
「男が仕事をするとき、パーやバーディを目標にしても駄目だ!
たえずベストをつくし、イーグルを取る気構えでことにあたらねば、
よい結果は生まれない」(←1)。
というわけで、ゴルフ由来の言葉だったのですな。
ところで、今日はブレナン・デーとか? えっ、関係ない?
『ゲームブック ハーメルンのバイオリン弾き』構成・文/富永浩史
編集/スタジオDNA イラスト/渡辺道明(1996/2 エニックス)。
バラ・ライカ党のナンバー2、火竜・グースリに対し、
ハーメルがまず演奏した伊福部昭先生の曲は?
190→174→218→227という流れでございます。
ラムサール条約会議に送られた曲で「美しい自然を慈しむ気持ち」を
最大限までふくれあがらせる効果があるようです。
まぁ、この曲で失敗すると、有名な映画音楽が演奏されて、
突如現れた巨大な足に、グースリはプチッと踏みつぶされるわけですが。
ちなみに、選択肢のもうひとつは、ジョン・ケージ[4分33秒]。
知らない方は調べてみてください。いや、これはさすがに……。
でも、選択に現実の知識が役に立つというのはいいですな。
しかも、間違っていても、リアクションがあるというのがいい。
ジョー・デバー&ガリー・チョーク著/戸田由美訳
(ホビージャパン・ゲームブックシリーズ 昭和61年8月)。
主人公のローン・ウルフが、カイからもらい受けた元々の名前は?
「これまでの話」に書かれております。
それにしても、原題は"Flight from the Dark"。かっこいい……。
『タイムスライダー Λ(ラムダ)時空管理局』
冒険企画局・編著。広野宇宙緒(ひろの・そらお)・イラスト
(宙(おおぞら)ブックスファンタジーノベルズ RPGリプレイシリーズ/1990/10)。
「<1>あなた(たち)は、神奈川県立横浜青葉台高校の2年生です。夏休みだというのに、あなた(たちの1人)は、連日の補習です。どうしますか?→2番へ」。
さて、2番には何が書かれている?
まっ、当然ですな。
そして、「どんなことをしても」と、色々なことをやらせるというのがTRPGらしい。
ところでタイトル、「タイムスライダーΛ(ラムダ)」だと思ってたけど、
「Λ(ラムダ)時空管理局」とラムダが後ろにつくのが正解なのですな。
これ書くまで間違えて覚えておりました。
夢幻の双刃』著:松友健 装画:笛吹りな(創土社・2009/1)。
耕治の姉・美由が「イルーダ」という飲食店のあと勤めた、
隣町にあるファミレスの名は?
ちなみに「イルーダ」の名は序文、「ぎるがめす」は、パラグラフ八二にございます。
『ルパン三世ゲームブック16 暁の第三帝国』
添田寛明・竹田明:著 スタジオハード:制作 三谷あきお:本文イラスト
(双葉文庫 ゲームブックシリーズ 1990/6)。
館から脱出し、森をぬけたあと、幹線道路の脇で、
少佐たちの乗ったトラックに出くわしたとき、ルパンが思わず叫んでしまった言葉は?
パラグラフ40と243でございます。
ルパンって酒井法子さんのファンだったの?? 1990年なので、山田康雄さんの声で。
2018/2/26 ゲームブッククイズ(41) アドベンチャーゲームブック18
『電脳(コンピューター)破壊作戦』著:R・ウォーターフィールド
監修:S・ジャクソン I・リビングストン 訳:酒井昭伸
(社会思想社 現代教養文庫1161/1987/5)。
アルカディオンの警察が、
敵対する学生の組織”月に向かって吠えるローン・ウルフ”に対して使う
ロボットの名前は?
パラグラフ七〇・一九〇・二八二・二八五といったあたりで。
形状は、
金属製の『わくわく7』のボーナス君という感じ。
衝撃波で攻撃してきます(波動拳?)。
弱点はございますものの、けっこう強い。
「ドラゴンファンタジー」と「グレイルクエスト」では
マーリンの隠れ家の外見に大きな変化がある。それは何か?
なぜかゲームブックが置かれているのでございますよね。
ゲームの攻略本やライトノベルなどは一階にあるというのに……。
まぁ、ほんの数冊といったところでございますが。
双葉社の
『学園妖怪バスターズ』(50円)
富士見ドラゴンブックの
『ゴーストタワー魂の石』(100円)
魔法の王国1『魔力の杖』(100円)
魔法の王国2『魔術師の宝冠』(100円)
を選んでレジに持って行きました。
この値段だったらいいやということで。
別にこの値段だったら、半額でなくてもいいやと思い、
このままでと言ったのですが、店員の方がなおも推すものですから、
もう一冊選んでまいりましたよ。
持っていたと思うけどなぁ……。
(今見たら、やっぱり持っておりました)
というわけで、400円の半額で200円。
『ガバリン』
『パンタクル』
『眠れる竜ラヴァンス』
あと、ルパン三世のシリーズが一冊。
覚えているのは、そんなところでございますかねぇ……。
値段も見てはおりません。
他には、TRPGのルールブックもございました。
『眠れる竜ラヴァンス』なんか、いいんじゃないですかねぇ。
富士見の『ウィザーズ・クエスト』と同じ滝日省三先生の作品
でございますからな。
「魔法使いターク」
「Role&Roll」vol.160の読者欄に載せていただいた
vol.158の『ウタカゼ』、p.045「3レベルに成長した魔法使いタークの冒険」
の絵でございます。
タークは基本、このページのカットを見ながら描いているのでございますが、
後ろ髪とかがちよっと不明。
あわせてp.040のイラストも参照にしたのでございますが、それでもよく分からない。
まぁ、このあたりはさして気にしないだろうと、テキトー描いてしまいました。
p.040のイラストを見るとしめ縄みたいなものなのかなぁ……。
どこかに分かる絵があるのでしょうが……。
あとこの場面は、歌を歌って熱風の魔法をつむぐという場面なので、
盾のかえるさんの口を大きく開かせています。
気づきました?
うーむ。元の絵と見比べないと分からないか……。
などと申してきましたが、この絵でホントに描きたかったのは、
キャンディゴブリンの方だったわけですが……。
いやね、vol.157の『ウタカゼ』に妖魔図鑑みたいなものがあったでしょう(p.29-33)。
そのとき、その集合絵とかを描こうかなとも思ったのでございますが、
vol.159の読者欄に載ったのを書いて満足してしまったものでございますから……。
この妖魔図鑑では「キャンディゴブリン」……に限らずゴブリンは、
半ケツをアピールしておりますが……、
この絵ではそれをアピールできておりませんな。
とくにアピールされても困るってもの……ですよね?
ドルアーガの塔3部作・『魔宮の勇者たち』鈴木直人著・虎井安夫絵
(東京創元社・スーパーアドベンチャーゲーム/1986)にも出てくる、
「タウルス」や「イラニスタン」といった固有名詞が登場する
有名なファンタジー小説といえば?
2018/01/02 答: ロバート・E・ハワード。コナンシリーズ。
『新訂版コナン全集』(創元推理文庫)ですと、1巻の「像の塔」(p.50)に
「盗賊王と呼ばれる」「ネメディアのタウルス」が、2巻の「黒い怪獣」(p.46)には
「コラジャ王国」の「首相のタウルス」が登場いたします。イラニスタンの方は、
地図にもございますが、3巻の「黒い予言者」(p.30)に「イラニスタンから来た貴人」
という記述がございますな。他には、『ソーサリー』に登場する「ブラックロータス」も、
この作品には出てまいります(1巻のp.216他)。ちなみに、蓮には他に灰色の蓮(ロートス)もあって、そちらは狂気と死をもたらすのだそうでございます(1巻p.167~169)
王様の悪口を言っただけで死刑となり、墓場おくりとなった人物は?
中巻、パラグラフ509、サマンオサでの話でございます。
この王様は魔物が化けていたものでございますが、悪口だけで死んでしまうとは……
なにごとでございましょう。「ゲームブッククイズ(14)」「墓場おくり」
というあたりにピンとくれば……わからない?
山本弘先生のマンガ「私はこうしてバルサスした」や「私はこうしてソーサリーした」の
主人公の名前は?
2018/01/06 答: ブリスちゃん。
「~バルサスした」は
「ウォーロック」第2号(1987年1月・社会思想社)p.9にございますな。
ちなみに3週間、12回目でバルサス・ダイヤを倒したそう。
「~ソーサリーした」のほうは
「ファンロード」1986年いちがつ号(ラポート株式会社)でございます。
ちなみにブリスちゃんは、「~ソーサリーした」によりますと、「魔術師のタマゴ」で、
「いずれこの子を主人公にして本格FTマンガ描くつもり」
だそうでございます。楽しみだなぁ。
スカイフォール(1)『魔人の沼』ディヴィット・タント/菅野彰子訳
(富士見ドラゴンブックス2/昭和61年1月)。
作業机のまわりの床に紙切れが散らばり、瓶やフラスコが割れている部屋に置かれた、
陶器の鉢に残ってる薄紫色の液体をたっぷり飲むとどうなる?
67→300→358の流れでございます。
人間としての記憶も心も失い、ダンマーシュをさまようバッドエンドですな。
『ゲームブックポケットモンスター』構成・文:エムズカンパニー(前川陽子)。
本文イラスト:中村淳一(1996/8、ファミ通ゲーム文庫)で、
主人公がピカチューにつけた名前は?
なかなかなネーミングセンスでございますな。……。
ちなみに、主人公はヒロミ。
フシギダネがシード、ニドリーナがニーナ。
アニメ化以前の作品なので、アニメになれていると、いろいろ異なるところがございます。
2018/1/11 ゲームブッククイズ(18)
FF20『サムライの剣』J・トムスン M・スミス:著 松崎健:訳
(社会思想社・1987/7)で,
「将軍の通行手形」を出した「君」に対して、鬼女たちはどういう態度に出た?
「なんじゃあああ、敬礼って!!! この時代、そんなことする日本人などいな~い!!」
「だから、これは日本じゃなくて八幡国だっていってるでしょ!」。
↑「FFシリーズ・キャラクター名鑑」わきあかつぐみ
(「ウォーロック」vol.26/p.49-53)をまねさせてもらいました~!
ちなみに、二八四→一〇〇の流れでございます。
いや、「君」も敬礼するんですけどね。
2018/1/13 ゲームブッククイズ(19)
『赤塚不二夫劇場』(JICC)の作者として知られる喰始先生
(えっ? 他のことでの方がもっと有名?)の顔写真が載っているゲームブックといえば?
2018/1/14 答: 『LOVE LOGIC(ラブ・ロジック)~蜜と罰』清涼院流水
(2007/4 角川書店)。
こだわりの料理人、市場二三郎(いちばじさぶろう)として登場しております。
他には、海猫沢めろん先生が現役ホストの原一輝(はらかずてる)
として載っておりますが、ゲームブック書いてないですからねえ。
この作品、清涼院流水デビュー10周年記念作品だとか。
内容はいつもの流水大説でございます。
無茶な設定がゲームブックに向いているのかなぁ。
(↑これ、以前の記事にすでに書いてるよ~! 前に書いた記事、自分で読んでいない証拠だなぁ……。こういうことは、これからもありますので(断言!)、まぁ、そんなものだと思ってください)
2018/1/15 ゲームブッククイズ(20)
『ドルアーガの塔』(鈴木直人) で、ドルアーガは何年後に復活すると言っている?
『魔界の滅亡』(創元推理文庫・スーパーアドベンチャーゲーム/1986/12)
パラグラフ二二一によりますと、
「一万年ののちに、新しい身体(からだ)を創り、復活する」のだそうです。
ですから100年後とかは、ことドルアーガに関してはな~んにも起こりません。
安心していていいのでございます。……。
鈴木直人版の『ドルアーガの塔』に関しては、でございますけどね。
2018/1/17 ゲームブッククイズ(21)
『機動戦士ZZ③エニグマ始動』著:拓唯、イラスト:MADS・うらべすう
(ホビージャパン・ゲームブックシリーズ/昭和62年10月)。
エウーゴは、何機のZZガンダムを保有している?
パラグラフ69の記述でございます。
それぞれに少しずつ異なったカスタマイジングがなされているそうで……。
あの、二重にぜーたくなガンダムの試作機が13機。
ガンダム世界の、予算とか、軍事費とか、開発能力とか、生産力とか、
気になって仕方がございません。
『アンドロイドの要塞』監修:小松左京 文・構成/長谷川浩司・葛生勝
(昭和61年11月/廣済堂アドベンチャースーパーブックス)。
「だめだめ困ると思いますです私」
「あなた銀色シルバの車で突然的に入ってきて、驚愕の白髪です私。落胆のガッカリです」
「だから私の思うところは、あの場所にあなたの車を修正主義することとなるのです」
というしゃべり方をする男の名前は?
パラグラフ140。クロロプラスト・ファームの、多分農夫です。
この星に降りて、おそらく最初に直接会話する人物
――この口調からして旧式のアンドロイドかなと思っておりましたが、
「男」としか書いてないので、多分人間なのでしょう。
「言葉遣いがおかしいのは、ファーム暮らしが長いためだろうか」と書かれております。
いずれにせよ、この言語感覚は好き。
予告時の仮タイトルが、『妖魔の棲む霊宮』だったゲームブックは?
J・H・ブレナン、ドラゴンファンタジー
(二見書房・サラブックス アドベンチャーゲームブック)の7巻でございますな。
同6巻『宇宙幻獣の呪い』の巻末広告に書かれております。
ちなみに、『幻し城~』の巻末に書かれた、8巻(『ゾンビ塔の秘宝』)の仮タイトルは、
『ピップ最後の冒険』。そのとおりだけど、なんとも味気ない。
さらにちなみに、『シャーロックホームズ 死者からの手紙』の巻末広告には、
『ゾンビ塔の秘法』というタイトルが……。
秘法?
うーん。確かに、間違いではない気はいたしますが。
『都市(まち)のトム&ソーヤ ゲームブック 館からの脱出』
はやみねかおる・作 にしけいこ・画(2013/11 講談社YA! ENTERTAINMENT)。
神宮寺直人が
「ねらわれたら、逃げ場はない」
「その性能は、一国の軍隊に匹敵する」
と言っている、
「どんな侵入者も撃退するような能力を持」つお掃除ロボットの名前は?
パラグラフ102
「催眠ガスを十メートル先まで噴射したり、数秒間なら空を飛ぶことだってできる」
白いボディのお掃除ロボット。掃除の意味を拡張しておりますな。
このゲームブックのいわば最強の敵でございますから、
プレイした方なら覚えていらっしゃる方も多いでしょう。
2018/1/25 ゲームブック(25)
山本弘先生のゲームブック『剣と魔法と竜の国』 企画・編集:銀英社
イラスト:さえぐさじゅん・巣田祐里子・くつぎけんいち・柴山みどり
(昭和61年8月 辰巳出版 グラフィック・アドベンチャーブック●1
アソコン・ブックス01)で、
パラグラフ14は何の番号?
2018/1/26 答: 宿屋。
(体力を10ポイント回復させる)
軽く朝食を食べてから、君は宿屋を出た。すでに陽は高く昇っている。1へ」
これ、「ドラゴンファンタジー」をリスペクトしているのかなぁ……。
次の文章が出てくるゲームブックは何と言う作品?
「不具の神ブランズよ、夜の術師ジャインよ、闇の翼ズールよ、目覚めよ暗き王者たち。
地の底の支配者ゼル・ガッシュよ、緑の血のグラナージュよ、影にして真なるグルランよ、
嘲笑と欲望の神ザックよ、汝らの時は来たれり。愚民の血と涙は呪われし帝都に流された。
この期にこそ栄華を極めよ」
小林秀敏・作 高寺彰彦・絵(86/01,飛鳥新書)。パラグラフ0。プロローグ
からの引用でございます。
ちなみにこのゲームブックの14は、「恐怖の14番へようこそ」となっているので、
ブレナン作品をリスペクトしているかも。
ただ、このパラグラフは、大妖魔ゼル・ガッシュに剣を奪われるという内容で、
条件によってはゲームオーバーにならない可能性もありますし、
「上級用」を名乗るだけあって、他にもゲームオーバーはけっこうあるのですが。
さらにちなみに、飛鳥新社のホームページには、この『妖魔ハンター』が載っている!!「No.Image 品切れ・重版未定」ではございますが。
問い合わせが多かったら、版を重ねるつもりなのでしょうかねぇ?
2018/1/29 ゲームブッククイズ(27)
『とらぶるエイリアンず リプレイ集 エイリアンず・パラダイス』
和栗あきら著(2008/3 ホビージャパン)「とらエリ」ソロシナリオ
【エイリアンず・パラダイス】(←ややこしい……)。
あとから駆けつけた3人目のメンバーの名前は?
パラグラフ40→74。
最後の最後になっての、ようやくの登場です。
なんでも「生き返るのに少し時間がかかっちゃった」そうで。
「オレ」は、自力蘇生なら正体はロクなものではあるまい、強化されたクローン人間とか、
人類の味方に転向したエイリアンとか……と予想しています。
でも、チーム内に敵エイリアンなどが混ざっている可能性があり、
GMとの間に秘密メモが飛び交うTRPGなので、味方ならそれでよし。
2018/1/31 ゲームブッククイズ(28)
次のイラストが登場するゲームブックは何?
2018/1/31 答: 『ドラゴンバスター』
古川尚美・著(1987/12 東京創元社 スーパーアドベンチャーゲーム)
パラグラフ55。
大声を出してからかってみると、この小動物が反応する、という場面でございます。
当時、似たような怪獣がキャロットなどに出現していたような気が……。
『ドラゴンバスター』は、
中河竜都さんという方が、創土社で似たようなもの書いているからいいや、
と思っている方、
安心しちゃダメ。
あれは、全然別物と言っていいほど変更されていますから。
特に、パロディ的な部分は、どういうわけか創土社のものにはございません。
さらに、このゲームブックのイラストは、カバー・本文ともに寺田克也先生。
そんなわけで、寺田先生のファンの方にも一見の価値があるように存じます。
「平安幻想夜話鵺鏡 リプレイ『欲に浸る』」
顔がね、
難しかった……。
元ネタの三点のイラストの表情が豊かで、すべて違っていて……、
そんなわけで、元とは見比べない方がよろしいかと。
(ってなことを書くと、見比べる人が出てくるなぁ……)
でも、どうなのでしょうねぇ。
もし、二人の計画が成功して、永遠の命が得られたとしたら……。
ってなことになれるのかなぁ。
業の深そうな二人のことですから、その先には悲劇が待っているような……。
まぁ、
そうした業の深さこそ、『鵺鏡』らしい展開ではございますな。
『マイルドヤンキー&ミ=ゴ』の絵でございます。
でも、解説でも触れられているとおり「暴走族」じゃないよね。
「スピードや車を愛する者たちの集まり」……。
「走り屋」とか、そんな名前の方が正しいような。
ただ、ヤンキーカテゴリーの中に、「暴走族」という名は入れておきたかった、
ということなのでしょうなぁ。
「ヤンキースキル」の「科学」も内容からすると「化学」……。
こちらは、応用が利くように広い意味の言葉を採ったのでございましょうな。
これらもなかなか楽しそうでございますが、
ていうか、ポエムじゃないよね、これ。
いや、「ポエム表」には期待していたのでございますよ。
低レベルの人工無脳とか自動生成ツールのシュールな言葉の連なりとか、
興味がございましたから。
まあ、人間が介在するTRPGでは、これで正しいのでございましょう。
ちょっと期待しすぎでした。
さて、そんなわけで、絵の話になるわけですが、
「俺は、新幹線みたいなものになる」とおっしゃっておられましたので、
バイクのカウルは「ひかり号」に決定。
セリフも決まりました。
で、ペン入れ直前、確認のためリプレイの描写を読み直すと、
大妖精エンジンとか書いてあるじゃないですか。
だったらトロンバイク(ライトサイクルですな)みたいに
現実ではあり得ないデザインにしてもよかったんだ~!
と思ったのですが、もう遅い。
とりあえず、タイヤとカウルまわりを変えて、
タイヤの中に走っている小人さんを入れときました。
大妖精エンジンの解説に、「バイクの精が中で車輪を回している」と
書かれてございましたから。
でも小妖精エンジンですな、これじゃ。
胴体部分には『雷徒任愚 暴流斗』(ライトニングボルトですな)とか
書こうとも思ったのでございますけれど、ごしゃごしゃするのでパス。
リーゼントもパンにしておこうとは思ったのでございますが、
みっともなくなったので、パス。
パンを相手の口にねじ込むという
古典的なコメディのケンカシーンを踏襲してもらいました。
シドニィさんは、
サンダルは花柄にして、それを見せるようにハイキック、
とか思ったのでございますが、
キックをするとサンダルの底が通常前に来てしまうのですな。
スペースもなかったので、サンダルを手に持って戦うようにいたしました。
これもコメディ映画のノリですな。
咲良さんは、暴流斗さんから受け継いだバイクに乗っているようなので、
暴流斗さんのほうが、流線型のまるみを帯びたデザインなので、
ニンジャ似の、角張ったデザインにしておきました。
で、おさるさんたち。
出てきませんでしたし、絵も違っていたでしょうな。
というわけで、モンキースパナ(レンチ)とか、バイクのモンキーとか、
モンキーダンスとかが、仕込んでございます。
キーッという叫び声は、ショッカーあたりかな。
でもコメントにあった『猿の惑星』は全然考えておりませんでしたなぁ。
欄外は、「なめ猫」ってことですな。
……。
やったら面白いと思うのでございますけどねぇ。
全員、猫妖精ヤンキーとか……。
ほとんどゲームブックになってませんよねぇ。
94年に『ロックマン』のゲームブックがポプラ社から、
『ジャスティス学園』のアドベンチャーゲームがCDの形態でCAPCOMから出ておりますが、
少なくともファミコン時代にはなかったみたい。
他のゲーム会社でも、意外とこの作品のゲームブックが出ていないというのはございますが、
『闘いの挽歌』、『戦場の狼』、『トップシークレット』あたり、
出てもおかしくないような気がいたしますけどねぇ。
(『ストリートファイターⅡ』は、1991年が最初ですから、
難しいかもしれませんが。)
『マルサの女』とか、『プロ野球? 殺人事件!』、『スゥィートホーム』など、
アドベンチャーゲームのゲームブックは双葉社から出ておりますから、
当時の会社の方針ということなのでございましょうなぁ。
恋愛ノベルシミュレーションゲーム
Heart of Magic
『メランコリック・オペレーション』
執筆:東風円/監修:みやかわたけし
ホビーデータ(平成9年7月/角川mini文庫)
(おおっと、画像がじっさいの本と逆だ)
「頑張っているね」の比較級は、
「無理しているね」、最上級は
「無茶しているね」だよね!?
……。
いや、この一言が書きたくて、
この作品を取り上げたのでございますが……。
だって言いたくもなるじゃないですか。
1ページ372文字(31×12)で、111ページ。
( 本文のみ。ルールやイラストは除いて、でございます)
およそ、えーっと、
「ROLE&ROLL」の作品募集ページを参考にすると、
あの雑誌で15~16ページ分ぐらいってことになりましょうか。
ゲームブックですから、空白も多いですし……。
それで3人の女性、一年間を扱おうって言うのですから。
とおりいっぺんのものになるのが当然必然。
制作中、作者はどう感じていたのでございましょう。
無理無理無理、と思いながら作ったのか、
それとも割り切っての仕事か……。
ちょっとネタバレではございますが、魔法適性試験に失敗すると女の子は、
消滅してしまうのだそうでございます。
恋と遊びと勉強の三すくみでゲーム性を出そうとしているのですな。
でも、ありきたりのイベントを積み重ねるだけしかできていないので、
切なさとか、焦燥とか、そういうものを出すまでに
当然到ってはおりません。
ちなみに、本書は、ホビーデータ社の大規模メールゲーム、
『ハート・オブ・マジック』の関連本だそうでございます。
ゲームについての詳しいことは存じませんが、
このゲームに参加するプレイヤーを対象に作られたものでございましょう。
登場するNPCと基本的なルールを紹介するという
仕様ありきなのでございましょうな。
そのあたりも、物語を圧迫しております。
後書きにも
「mini文庫に許された枚数の中に
三人の女の子を詰め込んだため、
説明的な描写はほとんどありません。
でも、それはそれで良かったと思うのです。
つき合い始めの女の子って未知の部分がたくさんあって、
つき合っていくうちに初めてわかること多いもの。
この本もこれと同じなんですね。繰り返し遊んで
いろいろ「発見」してください。」
と書かれております。
……。
ものは言いようと申しますか、
無理をしておりますな……。
企画・構成:スタジオハード、
文・作画北殿光徳
(勁文社アドベンチャーヒーロー
ブックス 昭和60年12月)
※ 扉ページには「ある勇敢な戦士
の物語」というサブタイトルが
つけられてございます。
このゲームブックと申せば、まずその舞台となる
(↑城塞戦車ドルアガノン)
ドルアーガの塔を求めて来たのに、戦車。
石垣のような車体と、やはり石造りに思われる無限軌道。
インパクト絶大。
こんなのが、「ギシンギシンと不気味な音を立てて」現れたら、
そりゃ、誰だって驚くというものです。
インパクトのある仕掛けがあるわけでもなく、
原作準拠のまともな造り。
出オチ?
主人公の名は「ノヴァ」。
「ギル」、「カイ」、「イシター」とメソポタミア神話由来なのに、
もともと『ドルアーガの塔』って、
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や『ウィザードリィ』に
触発されてできた作品らしい(「ドリマガ」2003/7/25,p.28-29)ですからな。
敵やアイテムもメソポタミア由来ではございませんし、
そもそもドルアーガという名前がインド神話由来。
それほどこだわるところではございませんでしょう。
このノヴァさん。
王国の従士長で、実はギルの双子の弟
(女神イシターに言われるまで知らなかったぽい)なのだそうでございます。
そんなこともあって、イシターさまから黄金の鎧をいただき、
ドルアガノンに立ち向かうのでございまずが……。
彼は、
おそらく、ゲームブック史上、
もっともかわいそうな主人公の一人
といっても過言ではないのではないでしょうか?
何が? ですって。
イシターさまはおっしゃられます。
「おまえは、あの邪悪な死の戦車(いくさぐるま)ドルアガノンを
おまえは、この秘密を解き明かし、それを兄ギルに伝えればよいでしょう。
兄弟二人して悪魔を倒すのです」
ソフトよりも攻略本の方が売れた、
というゲームの特色が反映された女神さまのお言葉ですな。
ですが、
とか、鼓舞するようなおっしゃり方をされても、
所詮は下働き。
やっとの思いで、ドルアガノンを攻略し、ドルアーガを倒したと思ったら……。
倒したと思っていたドルアーガは、実は生きていたというわけですな。
ゲーム自体はここで終わりですが、
次回予告めいたあらすじが、その後に続きます。
どうせ続編なんて出ないだろうからここであらすじを書いちゃえ、と思ったか、
はたまた勢いか。
とにもかくにも、ノヴァの前には第二・第三の「ドルアーガの塔」、
が立ちはだかります。
(↑タワー怪獣ドルアガドン、石像巨人ドルナイト)
イシター様は、
「ドルアーガを倒せるのは何度かこの塔を制覇したあと、
秘密のかぎりを知りつくしたときです」
とおっしゃっておりますが、
攻略本とか持っていたらもっと早いかもしれないよ!!
そうなると、ノヴァのやっていることは何だったのか……。
ノヴァが立ち向かっているのは、
分身? ニセモノ? そっくりさん?
城塞戦車ドルアガノンやタワー怪獣ドルアガドン、
石像巨人ドルナイトなんてのも、
もしかするとドルアーガが見せた幻影とかなんじゃ……。
そう思うと、さらにさらに不憫。
まぁ、ゲームをプレイしている最中は、
ギルがドルアーガを倒した裏では、人知れずこのような活躍が……、
というのは、外伝としては正しいですな。
というのは、アーケードゲームのストック( 残機) から
イメージされたものでございましょうし、
このゲームブックの目的である「『ドルアーガの塔』の秘密をさぐる」も、
特殊な宝物の出し方を知らないと上階へと進めないという
ゲームの性質から導き出された、まことに正しいものだと存じます。
(確かにこんなの分かるか! という出現方法もございますしねぇ)
最終的にこの塔を攻略したことによって
ゲームのところどころには、
元のコンピュータゲームのヒントとなる描写もございます。
そういう目的なら攻略本買った方が早いよね、
ということでございますな。
ゲームをプレイしている「あなた」が不憫なのではございません。
※ でも、考えてみますとわたくし、テレビゲームの『ドルアーガの塔』、
クリアしてない……どころか序盤でとどまっておりしたっけ……。
今では、攻略方法なんてゲームソフト自体に内蔵されていて、
ボタン一つで出てきたりいたしますが、そもそも『ドルアーガの塔』って、
アクションゲームとしても難しいんですもの。
『大江戸疑惑人走る!』かとう祐介・作 泉晴紀・画
(白泉社アドベンチャーゲームコミック/昭和61年2月)
最初に書いておきますが、『ゲームコミック」となっておりますが、
コミックではありません。
絵物語の絵が、マンガというか劇画になった、そんな形式の本でございます。
さてさて。
このゲームブックを見たのは、東側に古本、西側に古道具屋を置く、
雑然とした倉庫のような店でございました。
棚からとって表紙を見たときは、んんっ? とうなりましたよ。
白泉社で、ガロ系の絵……。
白泉社と申せば、少女マンガのイメージしかなかったものでございますから、
それとは真逆(まぎゃく)の絵に、うーむと考えてしまった
というわけでございます。
白泉社が集英社の下部的存在として作られたらしいというのは、
当時すでに自分の知識としてあったのですが、それでもやはり、
そのギャップになじめなかったのでございますな。
絵をお描きになった泉春紀先生のことは存じ上げておりました。
今では『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯』などで有名な久住昌之先生と、
『かっこいいスキヤキ』を泉昌之名義の合作でお描きになっていた
(泉先生は作画担当だったようでございます)方でございますな。
ですから、時代劇といっても、ちょっと変な感覚のものだろうということは、
予想がついておりました。
大江戸というからは、時代劇らしい。疑惑人というのだから、悪人なのだろう。
といっても、盗賊とか渡世人とか、かっこよさが期待できる方向でもなさそうだ。
いったいどういう……。
主人公とおぼしきはだかの男の人が、たくさんのはだかの女の人に
囲まれているのでございますな(詳しくはもうしませんが)。
にもかかわらず、これって大丈夫? そう思ってしまいました。
「美浦屋和吉(みうらやかずきち)」
「水上滝之丞(たきのじょう)」
……。
「万金猫²胸算用
(よろずかねとにゃんにゃんぎわくのみつもり)」
でございますからねぇ。
「イコール」「スター」「グループ」「セックス」などの、
外来語もまじえて語られるお話は、それ自体が時代劇っぽくない。
「これはなにか、現代の話がもとになっているな」というところまでは、
うすうす感ずいたのでございますが、それが何かはわからない……。
ようやくそれがわかりました。
「佐郷田滋門」
「疑惑の鉄砲玉」
そう、これは、
美浦屋和吉は、三浦 和義のもじりだったのでございます。。
(ここで、以前なら「キングカズ」こと、サッカーの三浦選手と混同させるような
ネタを書いたかもしれませんが、今さらそれをやっても……ということで割愛いたします)
ただ、正直申しまして、わたくしもこの事件について詳しく知っているわけでは
ございません。
なにか、容疑者の三浦氏が、やたらと派手でにこやかにテレビに出てくるものだから、
ワイドショーが連日ネタにしていた、その程度の認識でございます。
「ロス疑惑」について、知りたい方は、申し訳ございませんが、
検索でもして調べてくださいませ。
というわけで、それ以外のことを。
システムというほど大げさなことではございませんが、
そこは上欄外にアミ線が書かれております。この場所では例えば、
パラグラフ62から66までが共通部分でしたら、
その部分にはパラグラフのジャンプはなく、
62,63,64,65,66と、順番に読んでいくということを意味します。
だったら一つのパラグラフにまとめてしまえばいいのに、とも思いますが、
やはりそこは、文章に区切りを持たせたいのでございましょう。
また、場合によっては、パラグラフ62で書いていることは、
すでに120で説明してしまっている、という場合もあります。
そういう場合には、120からは、62に跳ばないで63に跳び、
そのあと64,65,66と進めていく、という方法も使っています。
これなどは、使えば、もっと凝ったことも出来そうな気もいたしますが、
このゲームでやっているのは、その程度ですな。
「51から62→66と読み進んだキミは 98へ進め」といった具合に書かれてございます。
ページをふりかえって見直すか、ステップメモをとっておくかする必要がございますが、
そう面倒なことでもございません。
あとは、
最後の方、捕まってからあとになりますと、
といった具合に、江戸と現代がごっちゃになったような面々が登場いたします。
結末はこれらの選択……
いや、あみだとかで決定されるから選択ではございませんな……
によって決定するマルチエンディングとなっております。
たいていは死刑でございます。一番いいのは、島流しでしょうかね。
島流し先でスタアとして迎えられ、島流し後にそこでの体験を出版、
さらに「古破夢恋椿」という名の香入り椿油を売り出すなどして、大もうけ。
千両箱を枕に、若い娘に囲まれた生活を送るという。
ただし、「これでは納得できない人は」と最後にあり、
そこでは仕事人に殺されるエンドが待っており、「エンドのエンド」と結ばれております。
「納得がいく」ひとは、自分が主人公ならそれでいいという方は、
悪の栄えるエンドでもいいのでございましょう。
……。
いいのかなぁ。
追記:フローチャートはこんな感じです。
構成・文:犬飼わたる/レッカ社
作画:松下徳昌
(91/12,双葉社ゲームボーイ冒険
ゲームブックシリーズ)
「ハード末期に現れた傑作」という言葉が、ゲームソフトではよく使われたりしますな。
双葉社のゲームブックにもそれは当てはまるようでございます。
『メタルマックス 爆走タンク冒険戦記』村上紳/レッカ社 編(91/06)
『ウィザードリィ外伝I 女王の受難』山崎和緒/スタジオ・ハード 編(91/11)
『ウルティマ 失われたルーン』犬飼わたる/レッカ社(91/12)
『戒厳令のトルネイド』富沢義彦/スタジオ・ハード 編(91/12)ルパン三世シリーズ19
といったあたりは、どれも遊びやすくて面白く、本当に素晴らしい。
もっとも、最終作である『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』は、バグまみれで、
ストーリーがよいものですから、バグを洗い出していく作業さえもゲームとして
楽しめました(というわけで、これだけはマニア向けですね)。
おそらく、ゲームブックに対するノウハウが確立していったということなのでしょう。
なんと言っても、この後書きがいいじゃありませんか。
書いているのでしょうな。
そう思いながら読むと、いっそう胸にくるものがございます。
後書きでこれだけの宣言をしているのですから、本編が面白くなければ嘘でございます。
もうねぇ、FFシリーズをはじめとするゲームブックのオマージュやアイデアが込められていて、ファンならニヤニヤ・ニコニコできますし、『火吹山の魔法使い』をプレイして、次に何をやればと迷っている初心者にも勧められる(『バルサス~』は手強いですからねぇ)。
そんな造りになっております。
このあたりのノウハウが、小学館とかエニックスとか、HJG文庫とか、そのあとに出たゲームブックにあまり受け継がれなかったようなのが本当に非常に残念でございますな。
とここまで書いてきて反省するのですが、ここら辺の作品って、現在入手困難みたいですよねぇ。
『ブラックオニクス』(これも名作ですな)が再構築~リビルドされて、復活したとネットで書かれておりましたから、ここら辺のゲームブックも、いろいろなんとかして、復活させられないものでございますかねぇ。
マニア向けの作品よりも、むしろこうした初心者向けの良作が、ゲームブックにとって必要でございましょう。