恋愛ノベルシミュレーションゲーム
Heart of Magic
『メランコリック・オペレーション』
執筆:東風円/監修:みやかわたけし
ホビーデータ(平成9年7月/角川mini文庫)
(おおっと、画像がじっさいの本と逆だ)
「頑張っているね」の比較級は、
「無理しているね」、最上級は
「無茶しているね」だよね!?
……。
いや、この一言が書きたくて、
この作品を取り上げたのでございますが……。
だって言いたくもなるじゃないですか。
1ページ372文字(31×12)で、111ページ。
( 本文のみ。ルールやイラストは除いて、でございます)
およそ、えーっと、
「ROLE&ROLL」の作品募集ページを参考にすると、
あの雑誌で15~16ページ分ぐらいってことになりましょうか。
ゲームブックですから、空白も多いですし……。
それで3人の女性、一年間を扱おうって言うのですから。
とおりいっぺんのものになるのが当然必然。
制作中、作者はどう感じていたのでございましょう。
無理無理無理、と思いながら作ったのか、
それとも割り切っての仕事か……。
ちょっとネタバレではございますが、魔法適性試験に失敗すると女の子は、
消滅してしまうのだそうでございます。
恋と遊びと勉強の三すくみでゲーム性を出そうとしているのですな。
でも、ありきたりのイベントを積み重ねるだけしかできていないので、
切なさとか、焦燥とか、そういうものを出すまでに
当然到ってはおりません。
ちなみに、本書は、ホビーデータ社の大規模メールゲーム、
『ハート・オブ・マジック』の関連本だそうでございます。
ゲームについての詳しいことは存じませんが、
このゲームに参加するプレイヤーを対象に作られたものでございましょう。
登場するNPCと基本的なルールを紹介するという
仕様ありきなのでございましょうな。
そのあたりも、物語を圧迫しております。
後書きにも
「mini文庫に許された枚数の中に
三人の女の子を詰め込んだため、
説明的な描写はほとんどありません。
でも、それはそれで良かったと思うのです。
つき合い始めの女の子って未知の部分がたくさんあって、
つき合っていくうちに初めてわかること多いもの。
この本もこれと同じなんですね。繰り返し遊んで
いろいろ「発見」してください。」
と書かれております。
……。
ものは言いようと申しますか、
無理をしておりますな……。