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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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外国人名義の日本人のゲームブックといえば、
二見書房を外すわけにはまいりません。


二見書房のゲームブックで日本人が書いたものといえば、
『魔城の迷宮』ぐらいだと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

 ですが、おそらく3作品、

『シャーロック・ホームズ 切り裂きジャック事件』

『グーニーズ』

『ジュラシック・パーク サバイバル・ゲーム』


 は、日本人の手によるものだと思われます。



☆ 『シャーロック・ホームズ 切り裂きジャック事件』については、


以前、ネットにフーゴ・ハル先生がご降臨なされたとき、お聞きしたような。

 いずれにせよ、
他の「シャーロック・ホームズ10の怪事件」から続く3作品とは毛色が違いますものな。
 ネットで探しても、それらしき外国のものはないと思われます。
 ベイカー・ストリート・イレギュラーズは、
著者名ではなくて、著者チームの名前ということなのでございましょう。
ですから、必ずしも外国人というわけではないですが、
外国人と思わせるためにこの名を使った感はございます。




☆ 『グーニーズ』については、

「Bug News」誌1986/8号のp.90「ゲームブックの森の満開の下」で、
晴浜慶千代(はるはまよしちよ)というゲームブック編集者の方が、
自分たちの作品だと、正体を明かしております。

『グーニーズ』などという作品などは
「どうも、ハリーです」
「こんにちわリンドです」
「なあんだ、ハリー・リンドって僕らだったのね」
といったノリのものだったから(p.91)

ということだそうでございます。


☆ 「ジュラシック・パーク・サバイバル・ゲーム」の著者も

J・P・クルーズと外国人の名前みたいになっておりますが、
おそらくこれも、
ジュラシック・パーク・クルーズというグループ名なのでございましょう。

 これは、まぁ、証拠はございません。

 ですが、以下3つの理由により、
これが日本人の手によるものだと考える所存でございます。



(1) イラストの岡田良記先生と本文との連携が、
    翻訳物だと考えるには良すぎる感じがする。

(2) イラストを参考にする双方向移動パートと、アクションパート
   という構成や、謎の提示の仕方などのテイストが、
   『魔城の迷宮』などの二見書房のゲームブックと同じものを感じさせる。

(3)英題の下の権利表記の部分で、翻訳物なら
   「japanese translation right」となるべきところが、
   このゲームブックの場合、「Japanese game book light」となっている。

試しに、

原題となっている、
「JURASSIC PARK : The Role-Playing Game Book」で検索してみました。

 すると、
「Lost World: Jurassic Park Role-Playing Game Book」
というものが「You-Tube」にて紹介されておりました。

フルカラーのパラグラフ選択式のようで、興味深くはございますが、
1997年48ページ(二見書房のものは1993年)だそうでございますから、
まったくの別物でございましょう。

 ちなみに著者は、「Farshtey,Greg」という方のようでございます。
 
さきほど挙げました、

「ゲームブックの森の満開の下」の冒頭には、

「ゲームブックに限らないが、編集の仕事というのは、
 作り手と世間、すなわち読者との間につながりをつける
 美人局か幇間みたいなものだと思っている。(……)
 多少自虐的に、あるいはハードボイルドに言えば、
 本を作って売ってしまうなんて詐欺行為だと自認している」

とございまして、
この外国人(っぽい)名義というのも、
本を売る上での選択肢の1つということでございましょうな。

 まぁ、確かに
ゲームブック以前から続くサラブックスのラインナップにしても、
けっこううさんくさいものが多い(←はっきり言うなぁ~)ですからなぁ。

 翻訳物を偽装した理由は、やはり権威づけでございましょう。

 もともと、日本人は外国で認められたものに対して権威を感じる風潮がございますし、
「火吹山~」が爆発的な売れ行きを見せたおかげで、
翻訳物のゲームブックこそ本物という雰囲気があったのは否めません。
(海外のものでも、というか、そのほうが、明らかに子供向けで、
評価を低くせざるを得ないものがあったりするものですけどね)

 実際、先ほどの「ゲームブックの森の満開の下」にも
「Bug News」誌1986/4の「ゲームブック145冊」のランキングで、
ブレナンのシリーズよりも良い評価
(ブレナンは「竹」か「梅」なのに対し、『グーニーズ』は「松」)
を得たことが語られております。

 おそらく、日本人が作ったと作品であるとあらかじめ分かっていれば、
このような評価にはならなかったのではないでしょうか。

 とすれば、やはり、作者が日本人か外人かで、
評者の目が変わったということでございましょう
(まぁ、この「ゲームブック145冊」の評価、時間がないのでございましょうな、
時おり首をひねらざるを得ないような部分もあるのでございますが……)。


 具体的な例を挙げるとすれば、


 海外で作られた有名な映画や小説のゲームブックを、その評判を得て翻訳したものと、
…………。

 え~っとですねぇ、

『ガバリン』という映画を、日本の、大して知られていない作家(失礼)が、
ゲームブック化したものと、

どちらに食指が動くかということでございます。

いずれにせよ、幇間でも詐欺でも、作品が良いのであれば、
出版社、読者ともにめでたしめでたしでございますな。
 二見書房の上掲書は、それが成功した例と申していいのではないでしょうか。



☆ 追記:しまったぁ~!! 
『ガバリン』は、「スタジオ・ハード・編」となっていて、
著者名は書かれていないのでした~ !!

 ちなみに、後書きを見ると、ゲーム構成から執筆までを
塩田信之・三原治・飯野文彦・中山りか子の四人の先生方が
分担して作り上げたということでございます。

 でも、まぁ、
スタジオ・ハードを外国人の名前だと思う方はいないと思われますし、
上の文の大概には問題ないかと……。



 最後に、「ジュラシック・パークサバイバルゲーム」について。

ジュラシックパーク いいとも悪いとも、
評判自体あまり聞いたことが
ございませんので申しますが、
なかなかいい作品でございますよ~。

二見書房のゲームブックというものは、
常に前の作品を糧に進化してきた感が
ございますが、
この作品もそうでございます。

などと申しますと、ファンの方からは

『魔城の迷宮』が最高傑作だろ

という声が聞こえてきそうでございますが、
それはそれ。

 通好みの『魔城の迷宮』に対し、

そこで培った面白さを取り入れながら、
よりわかりやすく自然で、
一般性を持たせたゲームブック
として、
もっと評価されて良い作品だと思うのでございます。

 なにしろ、1993年の作品でございます。
 双葉社がゲームブックから撤退したのが1992年。
 
それよりあとに出版されたものですからな。

 この作品、
「ゲームブック」という言葉は、先ほどの英題下の権利表記の部分の
(game book)という言葉以外には見当たらないようでございますし、
そのような一般性は必要不可欠だったのではないかと存じます。


 一つ申せば、暗視ゴーグルの映像。
ブームだった裸眼立体視を取り入れたのはいいのですが、
白黒ページということもあり、今ひとつわかりにくいという……。
まぁ、暗視ゴーグルの映像ということで、わかりにくい理由はつきますし、
それがゲーム性とおっしゃられれば、それはそうなのでございますけれどね。








☆ ついでながらこの「ジュラシック・パークサバイバルゲーム」
  さきほど挙げた海外の
「Lost World: Jurassic Park Role-Playing Game Book」よりも
よっぽどいい作品だと思うのですけど……。
どうでしょうかねぇ。
アチャラの内容は、英語なのであまりよく分かりませんが。

わたくしは、英語を使えないので、
どなたか、英語に堪能な方が、
それこそYOU-TUBEか何かで、
海外に紹介したら、おもしろいのでは……?
などと、思う次第でございます。



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