2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
『フレドリック・ブラウンSF短編全集(4)』
安原和見:訳(東京創元社/2021/2)
その昔のSF入門書には、たいてい、
まず読むべきは星新一のショートショート、
次は、レイ・ブラッドベリかフレドリック・ブラウンと
書いてあったものでございます。
まず読むべきは星新一のショートショート、
次は、レイ・ブラッドベリかフレドリック・ブラウンと
書いてあったものでございます。
星新一先生の作品はショートショートで短くて、
文章も読みやすいですからな。
そんなことを言われる前に大抵読んでいたのではございませんでしようか。
ちなみに個人的な星新一作品ベストは「終末の日」。
『妖精配給会社』に収められいているそうでございますが、
そちらではなく、講談社文庫の年間ミステリ傑作選で読んだのが
インパクト強かったのかもしれません。
試しに友達に読ませたところ、
授業開始のベルが鳴ったあとだったにも関わらず、大爆笑しておりました。
☆ ☆ ☆
ブラッドベリかブラウンかといって、
当然わたくしは、ブラウンのショートショートを選びました。
『発狂した宇宙』も『火星人ゴーホーム』も読んでいない。
コミカルではない『天の光はすべて星』は読んでいるのでございますが。
オチがないようなものから、皮肉なもの、
ダジャレ、コント、性的なほのめかしなど、あの手この手でございます。
星新一先生のエッセイ、「きまぐれエトセトラ」
(講談社/1983)にあったのですが、
海外には、中間小説雑誌というものがないのだそうですな。
たとえば、二人称小説の「うしろを見るな」などは有名でございますな。
二人称ですから、それもゲームブックと関連あるといえますが、
それ以外としては、タイムマシンもの。
なのですが、もっとあったと思ったのに、3作品しか見つかりませんでした。
「失物の城」のルーツ、といったら怒られますか。
でも、楽しい。
これ、創元推理文庫では、横書きで訳されていたんですよね。
疑問の残る訳でございます。
ユースタス・ウィーヴァーが、タイムマシンを使って金儲けをしようとし、
失敗して元に戻るを繰り返す話。
ループものですな。
でも、それとは違っております。
いわゆるループものと大きく異なる点は、
主人公がプレイヤーではない点、
ループものでは主人公=プレイヤーですから、その記憶は消せないのに対し、
この作品では未来に起こったことがリセットされてしまうために
記憶がなくなってしまう(でも、未来から送ったという事実はあるから、
それは過去についている)
──タイムマシンについて考えたことから導きだされた結果でございますな。
結末は、タイムマシンものによくある理の当然でございますな。
でも、主人公がきみのループものだったら
これはバッドエンドのひとつでしかないでしょう。
と申しますか、この設定でハッピーエンドをつくるとなると、
ピカレスクになってしまいますから、
あまりそういう話は出で来ない気がいたします。
フレドリック・ブラウンを読んだころは、
まだそれほどたくさんのご本を読んでいたわけではなかったので、
世界にはまだまだこんな変な形式の物語がたくさんあるんだ、
と思ってしまったのでございますよね。
ブラッドベリかブラウンかといって、
当然わたくしは、ブラウンのショートショートを選びました。
短いですし、コミカルそうでございますからな。
そう言えば、ブラウンもブラッドベリも長編読んでないなぁ。
『発狂した宇宙』も『火星人ゴーホーム』も読んでいない。
コミカルではない『天の光はすべて星』は読んでいるのでございますが。
まぁ、それはそれとして。
星先生とブラウン先生の違いといえば、
前者が一定のスタイルを持っているのに対し、
後者は何でもありということでございますしょうか。
前者が一定のスタイルを持っているのに対し、
後者は何でもありということでございますしょうか。
オチがないようなものから、皮肉なもの、
ダジャレ、コント、性的なほのめかしなど、あの手この手でございます。
これらの理由のひとつには、雑誌の形態がございましょうな。
おそらく、グラビア雑誌とかパルプ雑誌とか、
発表する雑誌の形態に合わせてスタイルを変えて書いたのが、
ブラウン先生の結果だと存じます。
発表する雑誌の形態に合わせてスタイルを変えて書いたのが、
ブラウン先生の結果だと存じます。
星新一先生のエッセイ、「きまぐれエトセトラ」
(講談社/1983)にあったのですが、
海外には、中間小説雑誌というものがないのだそうですな。
p.92 「『日本にだけあって外国にないもの』(中略)
意外に思われるだろうが、中間小説雑誌なのである。
「小説新潮」、「オール読物」、「小説現代」のたぐい。
意外に思われるだろうが、中間小説雑誌なのである。
「小説新潮」、「オール読物」、「小説現代」のたぐい。
娯楽小説が主で、エッセーあり、漫画あり、美女の写真あり、
詰め将棋、読者投稿の和歌や俳句。
そして、その小説も私小説、企業小説、推理小説、時代物、ユーモア物、
エロチックなもの、シリアスなノンフィクション、政界内幕物、SFと、
バラエティに富んでいる。
詰め将棋、読者投稿の和歌や俳句。
そして、その小説も私小説、企業小説、推理小説、時代物、ユーモア物、
エロチックなもの、シリアスなノンフィクション、政界内幕物、SFと、
バラエティに富んでいる。
しかも、何誌も出ているのだ。この話をしたら、某誌の編集者も言った。
「そうなんですよ。外国の人にどんな雑誌を作っているのかと聞かれ、
説明するのに一苦労でした。なかなか信じてくれない」
説明するのに一苦労でした。なかなか信じてくれない」
そこらへんの違いが、小説の形にも影響を与えるということはございましょう。
何でもありでございますから、形式をいじったものもございます。
たとえば、二人称小説の「うしろを見るな」などは有名でございますな。
二人称ですから、それもゲームブックと関連あるといえますが、
それ以外としては、タイムマシンもの。
なのですが、もっとあったと思ったのに、3作品しか見つかりませんでした。
そのうち1つ、「最初のタイムマシン」は、軽いコント。
形式的には普通でございます。
次、「ジ・エンド」。
「失物の城」のルーツ、といったら怒られますか。
単なる思いつきといった感の作品でございます。
でも、楽しい。
これ、創元推理文庫では、横書きで訳されていたんですよね。
中揃えで、後半も単語単位ではなくて文字単位だったんじゃないかなぁ。
形としても訳としてももそちらの方がよかったのに、何でこうしちゃったんでしょう?
疑問の残る訳でございます。
もう一つは、
「ユースタス・ウィーヴァーのつかのまの幸福(Ⅰ)~(Ⅲ)」
連作というよりも、1つの作品とみてよろしゅうございましょう。
ユースタス・ウィーヴァーが、タイムマシンを使って金儲けをしようとし、
失敗して元に戻るを繰り返す話。
ループものですな。
でも、それとは違っております。
いわゆるループものと大きく異なる点は、
主人公がプレイヤーではない点、
未来の記憶がない点、
それに、これはループものでもあるかも知れませんが、
主人公が未来から贈った品が、過去の自分に届いている点
でございます。
主人公が未来から贈った品が、過去の自分に届いている点
でございます。
アドベンチャーゲームから発展したループものと、
実際にタイムマシンについて考えた小説との違い
と申してよろしゅうございましょう。
実際にタイムマシンについて考えた小説との違い
と申してよろしゅうございましょう。
ループものでは主人公=プレイヤーですから、その記憶は消せないのに対し、
この作品では未来に起こったことがリセットされてしまうために
記憶がなくなってしまう(でも、未来から送ったという事実はあるから、
それは過去についている)
──タイムマシンについて考えたことから導きだされた結果でございますな。
結末は、タイムマシンものによくある理の当然でございますな。
でも、主人公がきみのループものだったら
これはバッドエンドのひとつでしかないでしょう。
と申しますか、この設定でハッピーエンドをつくるとなると、
ピカレスクになってしまいますから、
あまりそういう話は出で来ない気がいたします。
フレドリック・ブラウンを読んだころは、
まだそれほどたくさんのご本を読んでいたわけではなかったので、
世界にはまだまだこんな変な形式の物語がたくさんあるんだ、
と思ってしまったのでございますよね。
スーパーカーブームの時、
世界にはこんなかっこいい車しか走っていないんだ、
などと思ってしまうようなものでございます。
世界にはこんなかっこいい車しか走っていないんだ、
などと思ってしまうようなものでございます。
そんなこんなで、変わった形式の物語には、興味を持たざるを得ません。
ゲームブックも、その1つと申してよろしゅうございましょう。
もっと変わった形式のゲームブックが、
今後も出てくることに期待する次第でございます。
今後も出てくることに期待する次第でございます。
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