2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
『第八の探偵』アレックス・パヴェージ:著 鈴木恵:訳
(ハヤカワミステリ文庫/2021/4)
"EIGHT DETECTIVES"by Alex Pavesi(2020)
とある小島に隠遁する作家のもとに、女性編集者が訪れる。
作家がかつて発表した『ホワイトの殺人事件私有』を、
復刊したいというのだ。
復刊したいというのだ。
2人は収録作を読み返し、
それについての議論を交わしていく……。
作家は『探偵小説の順列』という論文を書いたことがあり、
7つの短編はそれを証明するように書かれている。
というわけで作品は、短編とその短編に対する感想、意見が、
交互に来る形で書かれている。
そして、最終章では──。
解説には『十角館の殺人』以降の日本の新本格を思わせる
と書いてあったが、それはあまり感じなかった。
と書いてあったが、それはあまり感じなかった。
理由は1つ。
作中作家のセリフにもあるが。
「ぼくは"探偵小説"ではなく”殺人ミステリ”という言葉を使うんだ」(p.149)
これだ。
推理小説の書くとなるアイデアのことを日本ではトリックと言うのに対し、
英語ではプロットだそうだが、その違いと言ってもいい。
英語ではプロットだそうだが、その違いと言ってもいい。
日本の探偵小説では、
とある1つの事実がひっくり返ることによってすべてが逆転し、
探偵がそれを指摘することで解決するという形が多いが、
この作品ではそういう要素は薄い。
とある1つの事実がひっくり返ることによってすべてが逆転し、
探偵がそれを指摘することで解決するという形が多いが、
この作品ではそういう要素は薄い。
探偵役がいない場合もあり、
アイデアよりもドラマ重視で物語は淡々と進行していく。
きれいに解決せず、結末がほのめかされて終わることもある。
文学的ではあるが、探偵小説的ではない。
当然だろう。
作者が探偵小説としてではなく、殺人ミステリとして作っているのだから。
最終章で、それまで提示された短編が書き換えられ、様相が一変する部分も、
それほどの驚きはなかった。
それほどの驚きはなかった。
インパクトがあっていいはずなのだが、それほどないのだ。
これも、書き方のせいだろうか。
作中作家の唱える『探偵小説の順列』は、
犯罪ミステリの集合と言い換えた方がいいもので、
犯人は何人以上何人までなら可能か、被害者はどうか、などが書かれている。
要するに、アガサ・クリスティが書いた有名な作品のような
極端なケースを考えているわけだ。
犯罪ミステリの集合と言い換えた方がいいもので、
犯人は何人以上何人までなら可能か、被害者はどうか、などが書かれている。
要するに、アガサ・クリスティが書いた有名な作品のような
極端なケースを考えているわけだ。
そのようなことを考える意味はあると思うが、それ以上ではないように思う。
極端な人数の犯人などは、推理小説としては飛び道具で、
最初にやることは意味があるが、それ以外はアンフェアのそしりを受けたり、
そうでなくても読者が釈然としないものを感じるだろう。
容疑者全員が犯人なら、どんなことでも出来てしまうからだ。
大きな組織が動いている場合ならよいが、それだと逆にそれが当然になってくる。
作者は犯罪ミステリについて書いているので問題ないが、
探偵小説としてはどうだろう、という話だ。
新本格は、このような理論を軽々と超えているように思う。
その上で、探偵小説として読者が犯人を指摘でき、
なおかつそれを超えて驚きを与えるように作られていると思うのだ。
やはり、海外の作品だ。
その上で、探偵小説として読者が犯人を指摘でき、
なおかつそれを超えて驚きを与えるように作られていると思うのだ。
やはり、海外の作品だ。
それを差し引いて、解説では新本格に比しているのだろうけれど、
私はそれに乗ることは出来ない。
私はそれに乗ることは出来ない。
新本格には、探偵小説としてのキレが欲しいのだ。
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