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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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カンタループ
「カンタループ──刑務所入獄」
フリーデマン・フェンダイセン
(ホビー・ジャパン/2021)

 

ワクチン接種のために静岡市街へ行って、
ホントは別のものを買おうと
思ったのでございますが、
その待合室で「R&R vol.203」p.179を見て
ちょっと気になったこれ、買ってきてしまいました。
 
 4000円+税400円のしめて4400円。
 
最初の『火吹山の魔法使い』なんか、
この税の値段だけで買えたのに──。
 
 ゲームブックって最近高くなってますよね~。
 
 ルックアウトゲームズ
インタラクティブ・アドベンチャー・シリーズ」だそうでございます。
 
 ひとことで申しますと、
コンピュータの画面クリック型アドベンチャーゲーム
ゲームブック化でございますな。
 
 まごうことなきゲームブックでごさいます。
 
 プレイ人数は「1人でも友達とでも」となっておりまして、
複数人で遊ぶルールがあるのかなぁ、と思ったのですが、
そういうものはないみたい。
 
1人プレイが基本で、何人かで一緒に読んでも楽しめる、
程度の意味合いのようです。
 
ややこしい。
 
 こういうのって、2人以上のプレイがメインで、
1人用ルールはつけ足しというのも多いですからねぇ。
 
 買うときは、4400円のうちの2200円ぐらいは
どぶに捨てる覚悟で買うわけでございますよ。
 
 作っている方は「1人のみ」よりも「1人~複数人」の方が
多くの人に買ってもらえると思うのでございましょう。
でも個人的には全く逆。
ゲームブックは、むしろ1人のみと書かれていた方が、
安心して買えるというものでございます。
 
 
 
 というわけで、
 4400円という高値とその辺りで買おうか迷っている方がございましたら、
堀の一つは埋めさせていただけます。
 
 ご安心ください。
 
 ちゃんと1人で遊べるゲームブックにございます。
 



 さて。
 
 コンピュータアドベンチャーゲームに、
インタラクティブ型、あるいはポイント&クリック型
というジャンルがあるのはご存じでしょうか。
 
 
 日本では、サウンドノベルやループものなど、
文章を読ませるものとして発展してきた
コンピュータアドベンチャーゲームでございますが、
 
 アメリカではこのタイプ、
画面をクリックすることで絵が変わっていき物語が展開する
というグラフィック中心のゲームが主流だそうでございます。
 
ミスト』や『ウォーキング・デッド』、それに おさるじま
という作品がこの書の冒頭でも挙げられておりますな。

 
 それを本の形に落とし込んだのが本作、というわけでございます。
 
 新しい
 
 画面クリックをゲームブックに取り込んだ作品としては、
ウィザーズ・クエスト』(ピンヘッド・スタジオ)や
デッドプール
不思議な地図 ~26の世界』( 千石 一郎)などが思い出されます。
 
 ザッと紹介すると。
デッドプール』は、コマの中にあるアイテムがあとで使えるかもよ
という雑なスタイル。
 
不思議な地図』は書かれた記号にしたがって
別ページの絵にワープするというのが基本でございましたな。
 
 他にも、地図上の数字を選んで進むというのもこの形でございますな。
 
 ただ、『ウィザーズ・クエスト』や地図から選択するという方式は、
選択後通常、文章によって基本ストーリーが展開していきます。
 
 その点では一般的な文章中心のゲームブックと変わりございません
 
 それに対して『カンタループ』では、
アイテムに対応するのは数行のリアクションのみ。
そこに情報や暗号が書かれていることもありますが、
それを読んだあとはふたたび画面に戻って次のポイントを調べます
 
 つまり、画面の特定の場所を調べることがメインであり、
それによってストーリーが進んでいくのです。
 
『ウィザーズ・クエスト』より、より画面クリックよりの作品と申せましょう。
 
 
 その、画面に描かれたものを調べるやり方も特徴的です。
 
 本作には、アイテムが描かれたカードか付属しており、
 それと画面上に描かれたものとを合わせることによって、
四文字の暗証記号が浮かび上がるのですな。
 
 それと同じ文字の並びを作中や一覧表から見つけて、そこに書かれた文章を読む──。
 
 読む方法も一工夫ございまして、
透明な赤いシートをそこに重ねることによって、
文字が浮かび上がるという寸法をとってございます。
 
 このやり方はウリとして、裏表紙にも書いてございますな。
 
 ウリとなる程度の面白さ、
つまりゲームの本質となるほどの面白さではございませんが、
それでも読むまでのドキドキ感はございます。
 
 ところでこのアイテムと組合わせる画面上のポイントについて、
 最初ちょっとわたくしが勘違いしておりました。
 
 画面上のポイントは
記号が四つ並んだ長方形の外側の不等辺四角形
(余談ですが、トラペジウム(trapezium)というのだそうでございますね。なんかカッコいい)
 の鋭角が指す部分にございます。
 
 例えば「場面3」なら「v9~」は看守を指しておりますし、
「r6~」はベルトコンベアではなく、ゲートを指しているのでございます。
自分はその前の「場面2」のピンナップで戸惑いました。
 
 この程度、ナゾトキゲームをやろうとする人なら
すぐに分かることなのでございましょうが、
ストレスなく進めるために念のため書いておきます。
 
 そうそう。

 カードなど同梱物は表紙の裏側に入っておりますが
 
 (パート1のゲーム用具に書かれた「両面印刷ポスター」と申しますのは、
  「一覧表」のことでしょうか? 他にはないのでそうなのだろうが……
   外国人はこれをポスターと喚ぶのだろうか? と疑問に思いました。
   いずれにせよ、文化に即した翻訳をして欲しいものでございます)、
 
ゲームのたびにここに保管するとなると数回で壊れそう。
 
なので、なくさないように
他に入れておくものを用意することをオススメします。
わたくしのようなガサツは特に。
 
 
 
 ちなみにカンタループは、舞台となる街の名前
 canta に意味があるかどうかは分かりませんでした。
 
 (ちなみに cant には、もったいぶった偽善的な言葉、口先だけのお説教、隠語、
  みたいな意味があるようでございますな。
  cantankerous となると、意地悪の、つむじ曲がりの、けんか腰の、
  などがあるみたい)
 
 主人公のフックは、ITPの件でホワイトという人に、
十年分の人生を奪われたと言っています。
 なんか国旗に十って書いてある国にいたみたい。
 
 今では街の顔役、町長にもならんというそのホワイトに、
フックは復讐を企てているのですね。
 
 で、そのためにはハッカーと『赤い服の女』が必要とか。
『赤い服の女』は民間人でもいいかも、と話には出て来ますが──。
 
 そのハッカーが「お勤め」をしている刑務所に潜入──
 ということでタイトルの「刑務所入獄」につながるわけでございますな。
 
 
 時間は、裏表紙に5~8時間と書かれておりますが、
バインダー式で開いたままにもしやすいので、
じっくりゆっくり時間をかけてやるのがよろしいかと思います。
 
 わたくしは本に書き込みはいたしませんが、
この作品の場合、読んだり試したところにチェックを入れたり、
メモを書いたりする方が、分かりやすいかもしれません。
 
 1枚1枚が厚いので、その上に何か透明なシートを敷いて、
それで書き込みながら遊ぶというのもいいかも?
 
 そういうシートについてわたくしは詳しくございませんが、
いろいろ出ていそうでございますから、
ぴったりなものがあってもおかしくないと存じます。
 
 
 というわけで、
 わたくしはといえば、今「場所5」。
 ようやく刑務所に入ったばかりというところ。
 この先、いろいろと楽しそうでございます。

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