2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
忌火起草
北島行徳 牧野修 加藤一:著
(講談社/2007/12)
PS3で2007/10に発売された、
chunソフトのホラーサウンドノベルのノベライズ。
「亜美編」「京介編」「奇編」を収録しております。
例によって原作はプレイしておりません。
オビには
「分岐によって、マルチエンディングが楽しめる」と
謳ってはございますが、「亜美」編から枝分かれするのは、
北島行徳 牧野修 加藤一:著
(講談社/2007/12)
PS3で2007/10に発売された、
chunソフトのホラーサウンドノベルのノベライズ。
「亜美編」「京介編」「奇編」を収録しております。
例によって原作はプレイしておりません。
オビには
「分岐によって、マルチエンディングが楽しめる」と
謳ってはございますが、「亜美」編から枝分かれするのは、
p.18で「大学の中庭へ行く」と、「奇」編へ、
p.20で「立っていたのは愛美」を選ぶと「京介」編へ、
p.20で「立っていたのは愛美」を選ぶと「京介」編へ、
と、この2カ所のみ。
分岐小説、と申せはいたしますが、スタートが同じ3編の小説でございますな。
各編は
「亜美」編が北島行徳先生、
「京介」編が牧野修先生、
「奇」編が加藤一先生
が、お書きになっておられます。
もとのシナリオを担当した方が、そのままお書きになっているのでございましょう。
「ゲームの元になったオリジナル版に加筆・修正」、とオビには書いてございます。
このオリジナル版というのがどういうものかは分かりませんが、
おそらくゲーム化する以前のシナリオということではございませんでしょうか。
それに加筆・修正ということでございますから、P
S3版とは全体的な流れこそ変わらないものの、
作者の筆により変更はあるということでごさいますな。
分岐はしておりますものの、やはり「亜美」編が基本。
なので順番に読んでいくのが吉かと存じます。
飲めば至高の感覚を得られるというビジョン=忌火起草。
だが、それを口にしたものがつぎつぎとなぞの焼死を遂げていく……。
そんなものに手を出した覚えのない主人公、牧村弘樹だったが、
やがて爪の先が黒くなり、悪夢を見るなど、
忌火起草特有の症状がその身に現れはじめ……。
あらましはそんな感じでございますな。
亜美編・京介編・奇編。
三様の物語は、すべて過去と結びついております。
それぞそれの物語の中で、
忌火起草、ビジョン、今惹草、
という薬の誕生の秘密が語られるのでございますが、
それが現在に因縁をもたらすのでございます。
これら3つのクスリは、
同じものから作られた段階的なものでございまして、
設定上は1つの年表の上に並べられそうなのでございますが、
お話しを広げるにあたって変化していったのでございましょうな。
微妙にズレのあるパラレルワールドになっております。
その互いに重なり合いながらも違う感覚が、
分岐小説らしくてよろしゅうございますな。
三種の薬の成立過程には男女の愛憎劇が関わっておりまして、
それが、作品の主人公、牧村、早瀬、皆川たちに襲いかかる。
その結末も、やはり三話三様。
そこに分岐がないのは、小説としてカッチリと見せるためでございましようか。
あるいは分岐するとめんどうだから?
原作の家庭用ゲーム機版ではさらに多くの話に分岐するものの、
本書を読んだ感じではこの三話で必要にして十分な感じがいたしますな。
おそらく書きたかったのは、
このぐらいのことだったのではございませんでしょうか。
PS3は容量も大きく、
話が3つではプレイヤーが満足しないというのはわかりはいたしますが、
物語の性格上、あまり広げる話でも無いような気がするのでございます。
サウンドノベルが衰退した理由の1つはそういうこと――
ゲーム機の容量が飛躍的に伸びたこともあるんじゃないのかなぁ。
スーパーファミコンぐらいの分量が
物語のまとまりとしても費用対効率的にもちょうどよかったんじゃないでしょうか。
大きくなればまとまりにくくなりますし、中心からズレていくこともございましょう。
容量が大きくなればいいとは限らないものでございます。
さて、まぁ、それはそれとしてでございます。
そのことを抜きにしても、この話には、
設定もしくその説明にどうも欠点があるようにわたくしは感じました。
忌火起草は、
それを飲めば、至高の体験が得られる。
心霊スポットで飲めば、さらに効果があがる。
幽霊が見える。
のだそうでございますが、これがどうもよく分からないのでございます。
幽霊が見えることが、至高の体験なの?
なにか、この説明ではどうも飲みたい気がしないのでございますが……。
それに、至高の体験についての具体的な描写もないんですよねぇ。
これらのことを吹聴しているのが、中森健吾さんだけでございますし……。
ほかの人も飲んだみたいなんですけれど、
どんな体験だったかあまり聞こえてこない……。
健吾さんにしたところで、「すっごい効く」とか「パーッと楽しくなる」とか
言っているだけで、なんか具体的じゃないんですよね。
それにこうしたドラッグの類いは常習性があるものですが、
それもあまり描かれていないような気が……。
特にかわいそうなのは、主人公の牧村弘樹さん。
知らずのうちにビジョンを飲まされたのに、
いい思いはまったくしていないのでございますもの!!
爪が徐々に黒く染まっていったり、悪夢を見たりと、
悪い方の効果は発現するのに、それを飲みたくなるような描写は、一瞬たりとてない。
ホラーだから、
理不尽に降りかかる不幸な部分だけを描けばいいということかもしれませんが、
最初のリアリティがないとあとの話も真に迫っては来ないように思うのでございますが……。
あるいは、複数で書くものなので、最初の設定は薄くして、
あとは各分岐を手がける方に期待したのかもしれませんが、
だとすればそれが悪い方向に働いたという感がございます。
さらに、忌火起草最大の特徴である発火現象。
これがよく分かりません。
何しろ、何の説明もございませんもの。
ホラーですから科学的な説明は必要ございませんが、
だからこそ、因縁めいたものは必要でございますよねぇ。
開発者の情念とか、何か――。
でないと、発火などという大きな効果に、
どうも納得性がないように思うのでございます。
もしかすると、
察しろ、分かれということなのかもしれませんが、
こういうことははっきりと書かれていないと分からないものでございます。
おそらくイメージが先行したのでございましょうな。
画面上の派手さを狙っての炎上なのではございませんでしょうか。
説明なしでもそれにノレる人はノレるかもしれませんが、
そこにいたる今まで書いたようなことで引っかかりを感じたせいか、
炎上が、どうにも唐突に感じられてしまったのでございます。。
というわけで、個人的にはノレませんでしたが、
書いている人たちが書いている人たちですから、
きちんと面白いものにはなっております。
亜美編には、だれがそれをやったかという興味もございます
(ただし読者に推理させる趣向にはなっていない)し、
奇編の愛美ではなく香織エンドというのは、
ちょっとネットで調べたかぎりでは、この本オリジナルの展開じゃないかな?
いずれにせよ、先ほども書いたとおり、
この1冊で必要十分にまとまっている作品だとわたくしは存じます。
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