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2025/03/08 というわけで『よつばと!』16巻にこざいます。ツリーと高尾登山と手術、そして大阪。 買うまでの間に話は聞いておりましたが、あの大阪さんが先生となって登場いたします。『あずまんが大王』時代のテイストを失わないで。たしかに、大阪さんは小学校低学年の先生としてはうってつけかもしれません。この際なので、『大阪万博』(2009)も電子で出せばいいのにと思います。10周年記念として出されたグッズなどの関連資料と、16人のマンガ家によるトリビュートコミック。見ごたえ・読みごたえのある一冊でございました。色々な方が関わっているので、難しいのかもしれませんが──。
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 前回は「そんな訳ねぇじゃねぇか」という言葉で終わりましたな。
 
 なので、
鳥監督はそんな不気味なまま謎めいたメッセージを残して消える
というのを最終回まで繰り返すのかと思っておりましたが、
 
あっさりとディスティニーさんに捕まってしまい、
鳥貴族されそうになってしまいます。
 
 この監督、デスティニーさんがお気に入りキャラなのでございましょう。
それでしばしば孤児院界隈にも現れていたのだと思います。
 
 ですから、ナツ子さんに対しては、世界の滅びを修正したことより、
けなげで可憐な彼女を
ゴリゴリマッチョなサーバルキャットマスクに変えたことの方に
頭に来てるんじゃないかなぁ。
 
ナツ子さんだってルークの性格や容姿を変えられたら怒りましょう。
 
 結局、鳥さんは、
 結末はもうすでに決まっている
 ルークの終わりはすでに始まっている
 何をしても無駄だ
 などと言って、どこかに飛び去っていきます。
 
 結局、鶴亀のスープのお味は謎のまま残りました。
 でも食べちゃったら、世界は崩壊するのかも? かなぁ。


そして告白。
 やはり、ルークさんがナツ子に告白するんですね。
逆だったらどういうもって行き方をするんだろうって、
ちょっと期待していたのでございますが。
 
だって、告白されて自らの恋心に気づくっていうのは、
やりやすい展開ではございませんか。
 
 これまでの二次元と三次元という距離があった好きと、
次元を同じくする恋とはまったく違うと思うのでございますよね。
 そのもやもやとした気持ちに悩み、戸惑い、それがついに恋だと気づく……、
 
みたいな話になった方がナツ子の恋ということではよかった気はいたします。
長く複雑になりそうではございますが。
 
 ルークさんにいたしましても、
どうしてナツ子さんに恋したのか、理由は明かされておりませんな。
本人にも分からないようでございましょう。
 
 まぁ、そんなものでございます。
 
ですから、ナツ子さんがトゥンクって何? などと
パンをくわえながら誰彼問わずぶちかましを決めたところで
分からないのも当然の話と申せましょう。
 
  
 ルークの告白の仕方がこれまたストレート。
 この逡巡のなさが勇者の勇者たるゆえんでございましょうな。
 ラブコメ的にはどうかと思いますが、話が早くていいとも申せます。
 
 そして、ルークはジャスティスさんのアドバイスに従い、
ナツ子さんを誘って、ガンガー温泉へ。
 
ナツ子さんと違って、
仲間がいてそのアドバイスをすなおに受け容れるところが
ルークさんの強みでございますな。
 
 
 何事もなく二人が離れて温泉につかっておりますと、
そこにヴォイドが出現いたします。
 ヴォイドの出現条件は不明でございますが、
一体とは申せこのようなひなびたところに現れるのは不自然。
 
きっと鳥監督が、わざわざ配置したものなのでございましょう。
 
 そのヴォイドに対して、ルークはバスタオル一丁で立ち向かいます。
 十分大きいバスタオルを持ってて良かった。
 文化によっては、こんなバスタオル使わないところもございますでしょうに。
 
 それにいたしましてもナツ子さん、
ここに及んでこの小旅行をデートと気づいていなかったとは!? 
本当に温泉目当てだけだったのでございますなぁ。
 
 さてこのヴォイドでございますが、口から気を吸収して目からビームという、
ナツ子さんが第1話で用いた作画魔法の巨神と同じ攻撃を仕掛けてまいります。
 
 ナツ子さんが鳥監督の所持品だったタップを使って作画魔法をするため、
そこで使われた魔法は鳥監督も使えるようになるのか、
 
そもそもこの世界で使われた魔法一切は
この世界のものとして鳥監督が使うことが出来るのかは存じませんが、
とにかくマスターできてしまうようでございます。
 
 相手の魔法をコピーとは面白い展開でございますな。
 
 鳥監督は
そんなオリジナリティのないことを、しかも若造の使った魔法の二番煎じを、
と拒否しそうでございますが、
物語的には天に唾した結果となって、面白うございます。
 
 ルークさんは果敢に挑みますが、光線が速くてなかなか踏み込めません。
 
そこでナツ子さんに何か遮るものを要求します。
 遮るもの──いろいろ考えられますが、
普通盾ですとかバリアですとか地味なものでございますよねぇ。
 前回も描いたのは階段でございますし。
 
 ところがナツ子さんが描いたものはなんと、移動線士イクダム。
 
「無駄だよ」を繰り返す鳥監督が、
「皆殺しの」という枕詞で呼ばれるあの監督のことを
思い起こさせたのでございましょうか。
 
 デザインこそ変えてはおりますし、
ビームサーベルは所持しておりませんものの、
シルエットや特徴的な動きはいいのかこれ? レベルのそっくりさん。
 
 そのままラストシューティングの構図に持っていくあたりまで、
パロディとして完璧。
 
 ハマった状態でございますな。
 ゲラゲラ笑いながらノリノリで描いているのが目に浮かびます。
 
(といたしましても、三分しか持たないというのは、
『レディプレイヤー』の二分しか持たないガンダムが元ネタなのかなぁ)
 
 
 イクダムに剣のたぐいを持たせなかったのは、
ルークに活躍させるためでございましょう。
(あったらアイキャッチの動きを再現したことでございましょうに──)

そのあたり、意識しているのか無意識かは分かりませんが、
仲間を信頼する気持ちの表れと思います。
 
 そのまま剣がヴォイドを一斬。
 ルークさんの「ナツ子、好きだー!!」の叫びとともに。
 
 で、ナツ子さんがトゥンクに落ちてしまうのでございますが、
「好きだ」と単純な言葉を積み重ねてきたことが、ここで活きてまいりますな。
 
  
 にいたしましても、ラスト大声で「好きだ~!!」って叫ぶのってよくございますよね。
 
 ……。
 
 と思ったのでございますが、具体的な作品名が一向に思い浮かびません。
 ラブストーリー、見ないからなぁ。
 
 一つだけ、思いついたものがございました。
 その一つと申しますのは、
『うる星☆やつら』の諸星あたるなのでございますが……。
 
 でも考えてみますと、
ルークさんって面堂終太郎に似ているかも。
うつになったら「暗いよー、狭いよー」とか言いそう。
 
で、あたると終太郎はマンガの中でも言われているとおり、
基本的な性格は同じなので、
『うる星☆やつら』でキャスト組めば、ルークさんはそのお二方の合成。
 
鶴山亀吉監督は錯乱坊といったあたりではございませんでしょうか。
 
となるとナツ子さんはラムってことになるのかなぁ。
 
 まぁ、むりやりな話ではございますが。
 
 
 さてさて、次回第9話。
予告を見ますと、やはりミサイルが町を襲っておりますな。
 第二話のしっぺ返しでございましょう。
 
 これに対抗するのは、果たして何になるのか。
 またロボットものという芸が無いことはしないと思いますし。
 
 考えたのでございますが、
わたくしだったらここは、『サイボーグ009』かな。
色々な描き方ございますものの、加速装置は見栄えのする作画になると思いますし。
 
 仲間を立てる、という風にはならなそうではございますが。
 
 次に登場するだろうバッターに対するのも、考えもの。
あのバッター、おそらく悪球打ちでございましょうから、す
魔球持ちのピッチャーには強いのではないかと思うのでございますよね。
 
消える魔球なんかはボールでございますし、
ドリームボールなんか体がぐらつく感覚といいますが、
そんな状態の方がホームラン打つ打者でございますからなぁ、おそらく。
 
 まぁ、徒言(あだごと)はさておきまして、
 
そんなこんな困難はございましても、
最終的には大団円に到るのではないかと、わたくしは思っております。
 
 何しろ、鳥監督が「無駄だよ」を連発しておりますからな。
 
そういう絶対不可能そうな困難が立ちはだかっている場合には、
それを乗り越えていくのが物語のセオリーというもの。
 
ユング的な物語論で申しますと、父親的存在を倒すとか、
それに認められるとか、そういうパターンでございますな。
 
(その過程で鳥監督のタップをやめて、
 自分自身のタップをドワーフの匠(たくみ)に作ってもらうとか。
 まぁ、道具うんぬんの話ではないので、
 そういうエピソードはないかも知れませんが……)

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