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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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ブームだったころを思わせるゲームブック 

 

サバイバルゲームブック 
危険生物から逃げろ
『危険生物から逃げろ!』
こざきゆう:著

(Gakken/2022/8)
 

 夏休み、ソウタ(ぼく)と妹のメイは
母親の勤める「リトルアース・研究所」を訪れます。
 
 リトルアースというのは、
異次元空間にある地球を再現した小さな世界だそうで、
雑に申せば生息域を無視したサファリパークですな。
 
 その別世界のデンジャラスゾーン
転送されてしまった2人は、
もとの世界に戻るべく進むのでございます。
 
 そんなところに子供が放り出されたら、
場所を動かずに救助を待ちなさい、となりそうなものでございますが、
このお母さま、そんなことはおっしゃりません。
 
 止まっていた方が危険と言うことなのでございましょうか。
ゲートを目指すように告げられます。
 
 元いたゲートのまわりには、ハイエナがいて近づけません。
 
 というわけで、子供たちは、凶暴化した動物たちが次々と襲いかかる地帯を、
別のゲート目指して進むのでございます。
 それにしてもこのデンジャラスゾーン=危険な生物だけを集めた場所、
何のために作られたのでございましょう?
 
 他の温和な動物と隔離をするため? それとも何か他の目的が──?
 
 研究者の方が本当に動物好きか疑問に思えてくる、
実にゲーム的な設定でございます。
 
 このご本、
監修として上野動物園の園長も務めたことのある方の名が挙げられておりますが、
その下に(データ)と書かれております。
 
 つまり、巻末の「登場する危険生物」という部分はチェックしているけれど、
物語には関わっていないよ、ということなのでございましょう。
 
 
 
 
 というわけで、さっそくプレイしてまいります。
 
 プレイして感じたのは、
形式が日本の黎明期のゲームブックに似ているということでございます。



 
 一ページの上半分が文章、下半分がイラスト、
その下に選択肢が2つか3つ並ぶという形式や、
途中には簡単な迷路やパズルが入っている点。
 そのあたり、西東社とかあの辺のゲームブックそっくりなんですよね。
 
 2~3択のうちの1つがゲームオーバー(そうでないところもございます)、
それも殺されて終わりっていうのは
西東社よりもさらに有象無象のゲームブックの感じかも。
 

 危険生物から逃げろ  
 
 とは申せ、面白さは現代的です。
 
 理由の1つは展開が速いのですな。
 
 この手のゲームブックでは、
単に移動だの無駄なパラグラフがあったりいたしますが、それが少ない
 
 次から次へと選択肢が出現し、飽きさせないのでございます。
 その選択肢も単に方向を選ぶというような当てずっぽの者は少なく、
原因と結果にちゃんと意味があるのもいいところでございます。
 
 特に動物の対処法は、現実の習性に基づいているので納得性がございます。
 
 単に攻撃する、避けるなどを選択し、
理由もなく成功、失敗を決められるよりもよっぽどよろしいですな。
 
 そうでないところは意外性があったりしてね。
 
 因果という意味では違うかもしれませんが、
意外性のある物語という意味で、それねも楽しいところでございます。
 
 ちょっとネタバレなので小さい字で書きますが、
 
正解の選択肢はお行儀のいいものばかりではございません。
 
 常識的な対応をしていたため、
序盤何度かゲームオーバーを見ることになってしまいました。
 
 自立心ということなのでございましょう。
 このゲームブックの性格上、納得できることでございます。

 
  
 生息域が違うはずの動物が隣り合った場所にいて、
しかもそのほとんどが凶暴というのは、
こうしたゲーム的な面白さを優先したものでございましょう。
 
 それだったらバーチャル空間にしてしまえばいいのでは、
と思うところでございますが、
やはり実際の動物と出会いバッドエンドではキッチリと殺されるというほうが、
読者が満足・納得するということでございましょう。
 
 その辺、よく分かってらっしゃる、と存じます。
 
 
 思い出してみますと、学習研究社は当時からゲームブックを出版していましたよねぇ。
 
 黎明期の学研の作品はほぼ未見なのでわかりませんが、形式は当時の感じかな?
 
 面白さの要素については、もう少し後の
 「シミュレーション歴史ブックス」のシリーズが似ているかもしれません。

 あちらは、歴史のifであったためマルチエンディングが楽しゅうございましたが、
こちらは脱出テーマですのでそういう部分はございません。

 ですが、
展開の速さや、現実を起点としているがゆえの選択の選択の有意味については、
受け継いでいる要素を感じます。

 
 というわけで、当時のゲームブックの雰囲気を味わいたい方は、
のぞいてみるとよろしいかもしれません。
 

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