忍者ブログ
2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
[714] [713] [712] [711] [710] [709] [708] [707] [706] [705] [704]
『錯覚の科学』錯覚の科学
クリストファー・チャプリス 
ダルトン・シモンズ:著 
木村博江:訳
(文春文庫/2014/8)
  
見えないゴリラ」をご存じでございましょうか。
 
(興味のある方は、
「見えないゴリラ」で動画検索してみてください) 
 
 
バスケットボールのパスを数えるのに集中していると、
ゴリラ姿の人がそこに乱入してきても
まったく気づかないという実験でございます。
 
(そういう実験だと知って動画を見ていると、
 ゴリラ丸分かりなのですが)
 
本書はその実験で2004年の
イグ・ノーベル賞」をとった2人による著作にございます。
 
この実験自体は知らなくても、
同様の映像はクイズ番組なんかで見たことがあるかもしれませんな。
  
1枚の映像がゆっくりと変わっていく間違いさがしなども、まぁ同様ですよね。
  
人間は、ともうしますか動物はなのでしょうが、
集中しているもの以外の情報は
シャットアウトしてしまう傾向にあるということでございます。
 
それを起点に、間違った証言や思い込みによる俗説など、
様々な錯覚について語っているのが本書でございます。


こうした本にありがちですが、最初が一番面白くございました。
まぁ、作者たちの研究なのでそれも当然でございましょう。
 
  
その後も面白いのでございますが、
後半ちょっと疑問を感じるところが出て参りました。
  
  
実験結果によってしか、真偽は明らかに出来ないという態度は、
確かに正しいのでございます。
ただし、実験というのは前提条件に対しての答しか出せないのでございますよね。
  
それが現実で言っていることと合っているか?
 
  
たとえば、決断は常に早い方が正しい、という主張に対して、
本書は異を唱えております
 
決断が早ければ正しいこたえを導き出せるというのは間違っている。
むしろじっくり考えた方が正しい結論を出せる可能性は高いし、
早い決断はむしろ早とちりを招きやすい。
 
実験などしませんでも、これは正しいと分かりましよう。
時間をかけて調べたりすれば、
それだけデータが集まって、より正しい判断ができるのは当然でございます。
 
でも、決断が早い方が正しいというのは、
そういうこと言っているんじゃないと思うのですよね。
 
現実の問題では、往々にして状況は刻々と変化いたします。
その変化に対応するためには、決断は早い方がいいということでございましょう。
でないと、問題が積み重なって解決が難しくなるからでございます。
 
しかし、実験ではそういうことは考慮されません。
1つの問題に対して、単純に早く答えるのと遅く答えるのではどちらが正しいか、
という前提で実験をしております。
そのため実験結果としては正しいが、
現実としてはそぐわないことになっているように思うのでございます。
 
さらに申しますれば、決断が早いということは、
間違えた場合の対処も早いということに他なりません。
たとえゆっくり考える人よりも間違いが多かったとしても、
それに対応する決断をしていくことで、
間違いを最小限にとどめることができる可能性が大きいのでございます。
 
また、不明の点については、
やってみないと分からないという場合もございます。
そうした点についてはいくら考えても意味がないということもあるので、
それならば決断は早い方がいいということになりますな。
 
それらの意味で、決断は早い方が正しいというのでございましょう。
 
実験と現実の違いでございますな。
どちらも間違っていないけれど。前提条件が違うのでございます。
 
  
 また、最後の
脳トレについては、
 
脳トレを繰り返し行うことによって脳の血流が高まり、
脳全体の機能がアップするという理論はおかしい。
脳トレによって練習したとしても、
伸びるのはその練習したものと同傾向の問題と、その周辺のみ。
脳の全体的な能力アップの効果は認められない。
脳のために必要なのは有酸素運動と睡眠と食事だ
 
という作者の主張は正しいと思います。
 
しかし、脳トレに飛躍的な脳の能力アップを期待している人は少ないのでは?
とも思います。
 
例えば、単語をいくつか覚えるトレーニングをしたら、
その能力が少し伸びる程度でいいんじゃないでしょうか。
  
あるいは、いくつかの違う傾向の問題をやることによって、
問題を解く経験値が広がり、応用が広がる、
脳の血流関係ないですが、その程度でいいのだと思います。
 
 
 
もっとも、答の早さについても、
脳トレについても作者の主張が間違っているわけではありません
それにこれらを問題として取り上げているのは、
確かに意味があることにございます。
 
ですからあとは、読者がこの結果をどう受けるかということでございますな。
  
 
それはそれで意義深いことではございますが、
わたくしといたしましては、ちょっと立ち止まってしまった分、
前半の明快さのほうが後半よりも面白いと感じた次第でございます。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
道化の真実
性別:
男性
趣味:
ゲームブック
最新TB
ブログ内検索
バーコード
P R
フリーエリア
<
忍者ブログ [PR]