3D視というのは、ご存じですよね。
2枚の並んだ写真、
もしくは
あらかじめそのように作られた連続した模様が描かれた一枚の絵を、
ぼんやりと眺めていると、
その絵なり写真なりが
浮かび上がって……、
というよりもむしろ、奥行きをもって、
立体的に見える
というものでございます。
これは、視線の焦点をずらすことにより、眼を(脳を)、
ごまかしているために、そう見えるのでございましょう。
『ジュラシック・パーク サバイバル・ゲーム』
(J・P・クルーズ著 岡田良記・イラスト 1993/7 二見書房)でも、
この3D視が使われておりましたな。
赤外線スコープの双眼レンズをあらわす2つの丸に、
白黒のドットでわけの分からないものが描かれており、
その2つの丸を立体視の手法で見ることにより、
一つの絵が浮き上がるというものでございました。
新しい遊びをゲームブックに取り入れているのは、
二見書房の作品らしくて評価に値するのでございますが、
白黒でしかも紙質が新書のそれでございますから、
答えとなる3Dの映像が見にくいこと。
まぁ、それが赤外線スコープの感じを出していたとも申せますし、
クイズとしては正しい という考え方もできますが――。
さて、この立体視、
作り方については、いろいろなところで紹介されていると存じます。
まだらな模様の方は、面倒くさいのでパスですが、
(と申しますか、読んでない……)
2枚の写真を並べる方式の方は、
なんでも、視点を少し変えた写真を2枚並べることで出来るのだとか。
まぁ、ここら辺までのことは、知っていらっしゃる方も多ございましょう。
ですが、もっと簡単な方法があることを知る方は少ないのではないのでしょうか?
単純に、奥行きのある絵なり写真なりを見るだけならば、
別に視点をずらす必要などない。
要するに、
同じ写真を2枚並べ、立体視の要領でそれを見れば、
そこだけ奥行きのある、向こう側に引っ込んだような感じに見えるということでございます。
知っている方が少ないのでは? と思ったのは、
わたくしもこれ、偶然、自分で発見したからでございますよ。
いや、最初見たときはびっくりいたしました。
ちょっと試してみてください。
今パソコンでこれをご覧になっているのでしたら、
一番簡単なのは壁紙ですかね。
それを、「並べて表示」するもの(模様みたいなのが、無数に並ぶやつですな)に変え、
立体視してみてください。
画面全体が奥まって、結構壮観だと思います。
立体視は眼にもいいという話も聞きますから、
作業に飽きたときにやってみるのもよろしいかと存じます。
あとは、お風呂とかですね。
格子状に並んだタイルを、ぼんやりと眺めておりますと、
やはり奥まって見えてまいります。
そのまま、引き込まれて異世界に--。
な~んて話もできそうでございますな。
湯船に使っているときにでも試してみてくださいな。
この立体視、応用もききます。
2枚の絵が並んでいる、と申せばすぐに思いつくと存じますが、
間違い探しに役に立つのでございます。
適度に並んだ2枚の絵を、やはり立体視の要領で見ますと、
違っている部分はそこだけ合わないものでございますから、
何かチラチラとするのでございますな。
ですから、そこが間違いということに相成ります。
ただ……。
この方法、実はそんなに万能ではないのでございます。
まず、
間違い探しの2枚の絵なり写真なりが、
適当な大きさと位置になければなりません。
そうでないと、2枚の絵を1枚にするのにひどく苦労することになります。
うまい位置と大きさになければ、無理なこともしばしば……。
もう一つ難点なのは、
結局、見つかりにくい間違いというのは、立体視をしても見つかりにくい
ということでございます。
最後の一つと申すのは、微妙だったり小さかったりして、
結局わかりにくいのでございますな。
これは、問題にもよりますが。
そして、3つ目。
2つ目とも関わってきますが、このように立体視してみても、
ふつうに間違い探しをするのと時間的にあまり変わらない ということでございます。
これも問題によるのでございましょうけどね。
まあ、
そのように使えるかどうかを考えますと微妙でございますが、
立体視をすること自体が楽しいので、一度やってみてくださいな。
なお、この間違い探しの解き方は、
昨今流行の時間で徐々に変わっていくものなどには使えません。
さすがにそれは、無理難題と申すものでございます。