よく、SFのルーツは、『竹取物語』だとか『浦島太郎』だとか、
ミステリーのルーツは、『アラビアン・ナイト』にあるとか、
そうした古典や神話・伝説まで起源をたどる試みというのはありますよね。
牽強付会な気味も無きにしも非ずですが、
一方でそれらは、人間の想像力、未知の物への探究心、
そしてそういうものを面白いと感じる気持ちというのは、
いつの時代も変わらないという証座でもあります。
そのようにゲームブックの起源というものを考えてみると、
やはり、神話・伝説の時代にまでさかのぼることができるといえます。
たとえば、 『旧約聖書』にしろ『古事記』にしろ、読んでいると、
ある書にいわくなどとして、
前の話から派生した別の話が取り上げられていることがあります。
いわゆる、異話・異説というものですね。
ギリシア神話などにも、そうした部分はありますね。
(古典的な歴史書や博物誌にも、たしか“一説にいわく”は、あったはず……)
さらに、昔話や伝説のたぐいとなると、
語り手や本が違うと、タイトルだけが同じで、
中身は全然違うというものまであります。
そのようなものは、分岐型小説のルーツということができるでしょう。
また、新約聖書などは、
複数の人物からの視点が入っていますから、
ザッピングや捜査ファイルミステリーのようなもののルーツともいえるかもしれません。
そのような意味において、ゲームブック(パラレル小説)は
神話時代までさかのぼることができるといえるのです。
もっとも、歴史に関してはTRPGのほうが、さらに昔までさかのぼることができるでしょう。
ゲームブックは、本の形――少なくとも、書かれたものでなければならないわけですからね。
口承文芸を起源とできるTRPGほど、過去には戻りえないのです。
※ 今回、資料をほとんど使って書いてないので、書き足りていない部分があると思います。
悪しからず。