2024/11/21 ソニーがKADOKAWAの買収を検討している。交渉は早ければ数週間で決着する可能性も、という話が2~3日前飛びこんでまいりましたな。これが本当でしたら、KADOKAWAのサイバー攻撃直後から話があったのでございましょう。これが成立すると紙媒体が減りそうですなぁ。清濁併せ呑むKADOKAWAの濁の部分が捨てられそうな気も。niconicoなんて過激な書き込みはアウトになって、映画やアーチストのプロモーションに使われそう。コンピュータゲーム界隈も合併・再編で面白くなくなった気がするけど、そうなるんだんだろ……のかなぁ。まぁ、技術のソニーでございますから、サイバー攻撃に対してはかなり信頼度の高いものとなりそうではございますが。
今回のこの記事は、タイトルのとおり、
ゲームブック版ではなく、パソコンのアドベンチャーゲームについて書いております。
ただし、恥ずかしながら、実際にはこのゲームやっていないので、
引用したログイン誌の記事などを参考にいたしましたのであしからず。
それと今回の記事は、海外のアドベンチャーゲームのことは考慮に入れておりません。
こちらもわたくしが大して知らないからですが、
堀井先生も海外作品を参考にしたわけでは無いようなので――。
ゲームブック版ではなく、パソコンのアドベンチャーゲームについて書いております。
ただし、恥ずかしながら、実際にはこのゲームやっていないので、
引用したログイン誌の記事などを参考にいたしましたのであしからず。
それと今回の記事は、海外のアドベンチャーゲームのことは考慮に入れておりません。
こちらもわたくしが大して知らないからですが、
堀井先生も海外作品を参考にしたわけでは無いようなので――。
ですから、「選択式なら、ゲームブックの方が先」などと、
ゲームブックファンならつい言ってしまいたくなるところではございましょうが、
そういうのはナシということでお願いいたします。
それでは本題でございます。
堀井雄二先生の日本のアドベンチャーゲームにおける位置づけ
といたしましては、よくパソコン版『オホーツクに消ゆ!!』で採用され、
ファミコン版『ポートピア連続殺人事件』でも使われた、
コマンド選択式のメニューがございますよね。
たしかに重要ではございますが、
それ以前、パソコン版の『ポートピア連続殺人事件』のときに、
もっと重要な転換を行っているのでございます。
『ポートピア連続殺人事件』の革新性は次の3つにあったと存じます。
(1) N・S・W・E方式を廃し、
目的の場所を指定してダイレクトに行ける方法を採用した。
(2) メインのストーリーでは、極力予測可能なコマンドを採用した。
(3) コンピュータの素っ気ない対応を、
部下との会話という自然な形に変更した。
ファミコンなどからアドベンチャーゲームに入った方は、
「そんなことも『ポートピア連続殺人事件』が最初だったのか」と
思うことがおありかもしれませんが、多分そうなのでございます。
それまでのアドベンチャーゲームというのは、
何か進行上の障害があったら、
東西南北に1ブロックずつ移動して、
障害を解除するためのアイテムなり情報なり方法を見つけ出し、
元の位置に戻ってそれをどうにかすることで、障害を解除する。
基本そんなゲームだったのでございます。
今で申しますと、「脱出ゲーム」が一番近いですな。
そこに迷路があったり、手順探しがあったり、
正しい言葉を入力しなければならなかったりという謎要素を入れて、
ゲームとしての難易度を上げていたわけでございます。
手順探しと申すのは、
例えば、「ユカ」に落ちている「クギ」を拾うのに、
単に「クギ ヒロウ」ではできなくて、
「ユカ ミル」で「クギ ガ オチテイマス」
というメッセージが出てはじめて拾える、といったようなものでございますな。
言葉探しで有名なのは、『デゼニランド』の棺桶のシーンでございますな。
「put」でも「set」でもダメ。
ここで使う単語は、その悪名の高さゆえ、逆に誰もが知っているという……。。
要するに、
物語があるとはいえ、それまでのアドベンチャーゲームというのは、
コンピュータのプログラミングから発想したのではないかと思われる、
パズルゲームの一種だったのでございます。
そうしたアドベンチャーゲームに特有のパズルゲーム性を少なくして、
より物語に近づけたのが、『ポートピア連続殺人事件』といえるでしょう。
で、これは、堀井雄二先生の本業が、脚本をはじめとした文筆業であり、
アドベンチャーゲームをあまり多くやっていなかったからできた業だと思うのですよね。
LOGiN誌1983/10 p.153によりますと、
『ポートピア連続殺人事件』を作る前にプレイしたアドベンチャーゲームは、
「新紀元社の『幽霊船』、マイクロキャビンの『ミステリーハウス』、
『ダイヤモンドアドベンチャー』ぐらいのものですね。
APPLEⅡのゲームなんかは、ぜんぜん知らないんです」
ということだそうでございますし、
直接目的地に行ける方法も、
「実はマップの作り方が分からなかったんですよ。
(……)でも行きたい場所に行けるのが当たり前でしょ。」(p.154)
と申しております。
結局、プログラマの発想ではなく文筆業の人の発想が
アドベンチャーゲームに新しい息吹を吹き込んだということでございますな。
(3)の人間らしい受け答えも、そう。
プログラマーでは「○○ ハ デキマセン」的な紋切り型の言い方でも
慣れているのかもしれませんが、これは変えたほうがいいと思えたこと自体が、
文筆業の方の発想なのでございます。
コマンド選択式のメニュー画面、
というのもアドベンチャーゲーム特有のコマンド探しを極力少なくした
(2)があって初めて成立することですので、
その延長線上のものとかんがえてよろしいかと。
ちなみに「LOGiN」誌1983年12月号
「ゲームシナリオロケハン編『オホーツクに消ゆ!!』」(p.135)には、
その経緯が書かれております。
『ポートピア連続殺人事件』では、
主要コマンドをマニュアルで公開したが、
それでもむずかしいという電話があとを絶たない。
今回の作品のでは命令語を公開する必要があるかも。
だが、すべてを公開してしまうのでは、意外な反応を楽しめなくなるし――。
コマンド選択式のメニュー画面は、
言葉探しで物語を中断させたくないという思いや、
それでストレスを感じたくないという、
プレイヤー目線に立った選択と申せましょう。
ただ、当時『ポートピア連続殺人事件』のより物語に近い形が
すぐに真似されたかというとそうでもなくて、
従来のアドベンチャーゲームの形式がその後も作られていたように思います
(印象ですが)
これは、そうしたものを書けるデザイナーがまだ育っていなかったから
なのかもしれません。
ところで、
当時のもうひとつのアドベンチャーゲームの革新として、
T&Eソフトの『惑星メフィウス』が、あるのでございますが、
こちらのデザイナーである横山英二先生も、
アドベンチャーゲームをあまりやったことがなかったのだそうでございます。
こちらは、
自分がその場にいたらどうするだろう、というような発想で作ったことが、
これまでのアドベンチャーゲームの定型を壊すことになったようでございますな。
(「LOGiN」誌1983年11月号「スター・ゲームデザイナー登場」p.114)
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