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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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えっと、『クレクレタコラ』はご存じ……ですよね?

 知ってる? ああ、それはよかった。

フジテレビ系列で
かいけつタマゴン』や『ウリクペン救助隊』などと同じく、
月曜から土曜の午後6時55分から7時までの5分間
   (本編はもっと短いでしょう)に放映された作品。


ウィキペディアによりますと、
1973年10月から翌年9月までだそうでございますな。

 週6でやっていたせいか、もっとダラダラ続いていた気がしておりました。

 NHKの少年ドラマや人形劇のあと、
7時のアニメや特撮番組が始まるまでのあいだ、
他に見るものがないので、仕方がなしに見ていたという類いの番組ですな。

 何でも欲しがるタコラがチョンボの持っているものをねだって追いかける、
……じゃなかった。改めて見ると、チョンボ相棒なのですな……。
森の生き物(動物?)の持っているものをねだって追いかける

 というのが基本的なお話でございます。

 知らなくても、
ユーチューブで一話見れば、どんな話かはおわかりいただけるでしょう。


 子供もだませないような子供だましだなぁ、というのが……、
えっと、当時のわたくしの個人的な感想でございます。


 そのしょーもなさや、アホっぽい顔つきなどが、
キッチュなものを喜ぶ方々にウケたのでございましょう。

 たとえば、ゼネラル・プロダクツ社とか……。

クレクレタコラ宇宙船1985/6ゼネプロ広告

「宇宙船」1985年6月号 VOL.24 p.67 ゼネラル・プロダクツ社広告。



 そういう人たちが、マニアとかコレクターとか呼ばれる方々の中に、
ある一定のパーセンテージいたのでございましょう。

 最近でも海洋堂からフィギュアが出ているみたいですし、
公式ツイッターとかもあって……。

 いや正直、DVDのコンプリートボックスが出たときは
(2016年だそうですが)、


正気か、とか、買う人いるの

 と思ったものでございますが……。
 ゆるキャラとして愛されているようでございますな。



 さて、ここからが本題。


 この『クレクレタコラ』には、元になったとおぼしき作品がございます。




2年の学習昭和40年くれくれぞう
  それがこの

  「こくごの 力を のばす 
     夏休み おはなしブック
  監修 石森延男
 (2年の学習・夏休み特大号・第一学習参考
   学習研究社/昭和40(1965)年

  に収録されております、

 「くれくれぞう」
  山元護久・文 小川哲夫・絵(p.10-18)
  という人形劇。





 海賊の親分が、とある島で酋長にであいます。
 海賊は、手下と船をやるから、この島をもらえないかと酋長に持ちかけます。
 酋長はその申し出に二つ返事で応じます。
 海賊はしめしめと思います。
 いうことを聞かない手下に、ほとほと嫌気がさしていたからです。
 ところが――。
 実はこの島にはくれくれぞうが棲んでいたのです。
 酋長は、そのくれくれぞうから逃れるために、海賊との交換に応じたのです。

 つまり双方で相手のことをだましていたのですな。
 もと海賊は、くれくれぞうに追われて退場――。

 とまぁ、単純なおはなしでございます。

くれくれぞう

 これ、人形劇として演じられることを想定していたらしく、
同じ号の別のふろくに、その指人形がついていたようなのですが、

この本、近所か親戚からもらってきたものなので、それ自体は存じません。

おはなしのあとに書かれたその説明を見ると、
厚紙を切り抜いて作るもののようでございますな。



 作者の山本護久先生と言えば、井上ひさし先生とともに

ひょっこりひょうたん島』や
ネコジャラ市の11人』(山崎忠昭先生も1年目のみ参加とか)などの
台本の構成を手がけられた方。


 詳しくはウィキペディアをご覧いただければですが、

いくつかのアニメ主題歌の作詞も手がけられ、

また、
『おかあさんといっしょ』
『できるかな』
『ママとあそぼう!ピンポンパン』
などにも台本構成として関わっているそうでございます。




クレクレタコラ』には、
その名前は姿を現していないようなので、確実な説ではございませんが、

ママとあそぼう!ピンポンパン』といえば
フジテレビですし子供向けの番組でございます。

何かかかわりがあっても不思議ではございません。

 直接のかかわりが無くても、こういう作品のスタッフは、

子供向けのおはなしや劇などにアンテナを張っているでしょうから、
そういうところに引っかかったこの作品にインスパイアを受けた
ということは十分考えられることでございます。


 くれくれとねだる生き物なんて発想
まったく関連無く出てきたなんて、そもそも考えにくいですからねぇ。

 第一、わたくしが『クレクレタコラ』を始めて見たとき、
「くれくれぞう」のパクリじゃん、って思いましたもの
(その当時、パクリという言葉があったかは忘れましたが……
  もどきとか、まねといった言葉はございました)。

 もっともそれは、
リアルタイムで読んでいなかったのがよかったのでございましょう。

 先ほども書きましたとおり、
わたくしが読みましたのは、どこかからもらってきたお古……。
 「くれくれぞう」と『クレクレタコラ』の間には、10年以上ありますからな。
両方がリアルタイムだったら、
忘れていたか知らなかったということがあるやも知れません。



 ところで、この「くれくれぞう」でございますが、
絵本に収録されたことがあったようでございます。

 絵本のタイトルは、『かいぞく ふとっちょジェイク』。

 現在は絶版だそうでございますが、画像検索すると大体内容は分かります


 で、




 この絵本、
「くれくれぞう」
なんて名前が出てくるのに
なぜ『クレクレタコラ』との関連が、これまで指摘されていないんだろう?


 と思っていたのですが、その疑問は大体解消されました。



 まず、おはなしが変わっているのですな。

 絵本の一エピソードなので、
いくつかの島をまわったあと、この島に来るのですが、

 手下とともに上陸するみたいです。

 そして、どうも酋長が出てまいりません

 島に上陸したら、くれくれぞうが現れて、海賊たちの荷物を
おくれおくれと実力行使で奪っていくみたいです。

 「学習」版の「くれくれぞう」では、逃げて終わりで、
それは絵本でも変わりはございませんが、

さすがに絵本のほうは本の最後で、
教訓めいて海賊が考え込んでしまう場面が出てくるようでございますな。


 でも、それはそれ。

 最大の違いは、にございます。


 絵本のほうは、追いかけるのが
からだのあちこちにポケットがついてはいるものの本物の象
――鼻の長い巨大な四足獣、と説明するほうがかえっておかしいぐらいの――
なのでございます。

 それが怪獣映画よろしく、一匹の大きな象が
大勢の海賊たちを追いかけるものでございますから、
雰囲気がまったく違うのでございますな

(くわしくは、
 『かいぞく ふとっちょジェイク』あたりで、
   画像検索してみてください)。

 「学習」版の人形劇のほうなら、

象の顔の怪人一体が海賊一人を追いかけているので、
『クレクレタコラ』への連想はすぐなのでございますが、

この絵本版の絵の感じでは、思いつかなくて当然という気がいたします。


 あらためて、「学習」「夏休みおはなしブック」の表紙を見ますと、
そこに海賊とともに描かれておりますのは、
ポケットが体じゅうにつけられた動物の象なのですな。


 山元先生がどちらをイメージしてお描きになったかは存じません。

 ですから、絵本が動物の象の絵にしたのも、 
 元々頭にあったのががそうだったか、
 それとも、本文挿絵のままでは、
 『クレクレタコラ』と似通ってしまうので変えたのか、

それはわかりません。



 あるいは、その両方かも。

 まぁ、どちらでもいいことでございますな。


☆ 追記:

 ウィキペディアによりますと、
「タコラのモデルは、企画・原案を手掛けた磯野理の息子」さんで、
「子供が頻繁に物をねだるところから、
 タコラの性格のヒントを得たとのこと」

だそうですが、

アイデアの元がひとつであるとは限りません。
同時にこの作品のことが頭にあったとしても
不思議はありませんでしょう。









 
 

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