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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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 佐々木小次郎さんと申しますれば宮本武蔵さんのライバルとして有名でございます。
後世の作品でも、2人を思わせる人物や名前のキャラクターが
セットでよく登場いたしますよね。
 実在する人物ではございますが、
宮本さんともどもフィクション部分も多いそうでございますな。
 
 十八歳説あり、十は七の誤写だろうと七十八歳説あり、それでは歳すぎるから……
という説があり、よく分かりません。
 
 ただ、決闘のとき宮本さんは二十九歳。
 宮本武蔵さんを描いたお話の中で
佐々木さんがクライマックスになっているということは、
やはり佐々木さんの方が格上、歳も上だったと想像できます。
 巌流島の巌流も、ホントは舟島という名前だったのを
佐々木さんの流派「岩流」にちなんでつけられた通称みたい、
となるとこっちが上……。まぁこれはあまりアテにならないかな。
 
 
 佐々木さんの必殺剣としてつとに有名な「燕返し」も
ホントは「虎切り」と称するのだそう。
 
 燕返しと虎切りではずいぶんとイメージが変わってきますよねぇ。
 
 で、思ったことが、佐々木さんの印象でございます。
 
 宮本さんが剣豪、豪傑タイプのいかつい感じで描かれるのに対し、
佐々木さんは長身痩躯、クールで美男子に描かれることが多いようにございます。
 
 しかし、これが違うのではないか。
 
「岩流」「虎切り」というネーミングから想像できるのは、
力であり、強いイメージですよね。
 
 佐々木さんはそういうイメージだったのではないか。
少なくとも自身では、そういう方向性を目指していたのではございませんでしょうか。
 方向性は自分がそういう人間だとの認識から生まれることが多いと存じますし、
目指しているのなら、人間としてもその方向に出来上がってくるものかと存じます。
 凡庸ならばともかくとして、名声を得るほどの人物ならばそうでございましょう。
 
 つまり、佐々木小次郎さんがクールというのは物語上のことであって、
実は佐々木さんも宮本さん同様、豪傑タイプだったのではないかと思うのでございます。
 戦国の世に生まれ剣の道を目指すのであれば、その方が自然でございましょう。


 
 そう考えてみますと、
燕返し=虎切りもまた違った剣になるのではございませんでしょうか。
 
 燕返しは上段から刀を振りおろし、
そこにスキが出来たとみて踏み込んできた相手を
返す刀で下段から振り上げて斬るという、
1人時間差攻撃、一種のフェイント技でございますな。
『炎の転校生』の「国電パンチ」みたいなもの、と申しますれば分かりやすいかと。
 
 当時はこうした返す刀みたいな連続技は想定してなかったとか、
踏み込んできた相手にとっては、下段からの攻撃は回避しにくいとの理由で、
この技は威力を誇っていたようでございます。
 
 燕返しは、このすばやく切り返すすばやさを
ツバメのスピーディで機敏な動きに喩えたということでございましょうが、
それはどうか。
 
 ここで注目すべきは、佐々木さんの持っている刀、通称「物干し竿」でございます。
 名前のとおり、長い刀。
 刀身だけで3尺、約1メートルでございますから、
大太刀(おおたち、おおだち)・野太刀(のだち、のたち)のたぐいでございますな。
 
 ただし、佐々木さんだけがこのような長い刀を持っていたのではなく、
江戸に入って禁止令が出る以前、戦国の世では使う人もあったようでございます。
中には5尺とかそれ以上の刀も存在するとか。
 
 長い刀ゆえ、背中に背負うか腰につけずに手で持って携えるのが一般的だそう。
 で、手に持っている場合は、刀を抜いたあとの鞘は
いったん地面に放り投げておくのが普通らしいですな。
宮本さんの「小次郎破れたり」というセリフは
これを指して言ったものでございましょう。
ただ、大太刀場合それが一般的だとすると、
実際にはそんなこと言わなかったんじゃないかな、という気もいたします。
 
 まぁ、そんな長い刀。
燕返しという言葉ですと、
それを機敏にすばやく、正確に振りまわすイメージでございますが、
長いと刀って重いんですよ。それに遠心力もかかる。
 
野球のバットでも同じでしょ。
長めに持つのは正確性を犠牲にしても長打を狙う場合だったりいたしますよね。
 
 ですから、物干し竿などといわれる長い刀を使っている以上、
佐々木さんの技も燕返しなんて優雅なものてはなくて、
刀の重さと遠心力を利用したまさに虎切りという名にふさわしい
豪快なものだったと思うのでございます。
 
 で、そう考えますと、この技にまた別の意味合いが生まれてくると思うのでございます。
 
 つまり、上段からの一振りは、返す刀のときに
その反動を利用するためにあるのではないかと。
 
 そう考えると、もはや優雅なイメージは微塵もございません。
 佐々木小次郎さんの技は、虎切りという名にふさわしい豪快な技なのでございます。
 
 ついでに申しますと、武蔵さんが二刀流で戦わなかったのは、
このような豪快な剣を片手持ち二刀では防げないし、
攻撃をかいくぐって間合いに入るというのも難しいと
判断したのではないかと思います。
 
 舟の櫂で小次郎さんの物干し竿よりも長い木刀を作り、それで挑んだのも、
小次郎さんの間合いに入ったら負けと判断し、
その前に攻撃できる方法を使ったのだと思います。
 そう考えると、映画のような派手な戦いはなかったのかも知れませんな。 
 
 
 
 このように、佐々木小次郎さんが力で押していく豪傑タイプだと考えますと、
宮本武蔵さんも新たな姿が浮かんでまいりますな。
 
 いや、こっちのほうが力に対して技のタイプでしょう。
(「仮面ライダー」は2号の一文字さんが佐々木さんですが、そのことはまた別の話)
 
 まず、二刀流というところからしてコンセプトが技でございますし、
おのおのの戦いについても策を弄した気配がございます。
フィクションであることは差し引くといたしましても、
そのあたりが宮本武蔵さんを面白くしているのは間違いございません。
また、剣の道一本ではなくて、五輪書という兵法書を著したり、
絵を描いたりと多彩なところも技を伺わせます。
 
 
 吉川英治先生あたりの武蔵像、小次郎像が強いので考えにくいかもしれませんが、
このような豪傑タイプの佐々木小次郎で物語を再考してみるのも
また楽しいのではと存じます。

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