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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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篠田節子
(2008/12 新潮社)
"The Seisen-shinpo-Kai Case"

(p.284~上巻読了まで)



 話の中で、二年という言葉が出てくる。
 聖泉真法会をはじめてから、二年の歳月が経っているのだ。

 そのあいだ運営を続けてこれたのならば、
それほど大きなトラブルも出なくなってくるだろうし、
その対処の仕方も要領が見えてくる頃だろう。
信者たちだって、互いに不満をもちながらも何とかやっているはずだ。
 集会所のほうのエピソードが少なくなっていくのは、そうした事情もあるのだろう。

 とはいえ、それらがなくなったわけではない。
 大きな動きの中に、さまざまなエピソードが盛り込まれる。

 宗教に超能力をもとめる竹内由宇太という最初からいた少年は、
未明に集会所で呪詛を試みてボヤ騒ぎを起こし、
そこを飛び出し修験者系教団に入り、そこをも出て、高野山中で遭難死する。

 集会所を飛び出すとき、
鈴木は、本音を語ってまで彼にまともな生き方をするように説いたのだが、
それが結局聞き入れられず、このような形になってしまった……。
 そのことに悔恨し、自分の作った偽の宗教に真摯な想いで祈りを捧げる。


 集会所にたむろしていた若者は、
一時的に、ヴェハーラという宗教関係の物品販売業者に借り出される。
 税金対策に、頭数(あたまかず)をそろえるために集められたのだが、
意外にも彼らは、一人前並の働きをする。
 そして仕事をすることによって、彼らの様子もどことなく生気が現れるようになった。
 まあ、そうだよね。
 そういうものだ。

 こういうエピソードを挿入するあたりも、作者が宗教団体をつうじて、
さまざまな世相の問題を取り上げていくという意欲を感じる。


 かつて、芥川賞をとったという井坂は、破滅型の典型だ。
 正業に就かず、寸借詐欺のようなことを繰り返し、
金を手にしたら派手に使い、妻や幼い病気の子供をつれたまま野宿をする。
 しかし、文章は確かに一流で、話もうまく、
会報に載った彼の文章や講演は信者の間で高い評価を呼ぶ。

 何となく「一杯のかけそば」を思い出した。
 そんなによくは知らないが……。

 そんな男に、鈴木は神戸の支部をまかせることにする。
 支部の土地、建物の持ち主の願いでもあるが、
井坂の行状には目をつぶり、その人気を利用しようと、
鈴木はその依頼を了承し、彼を神戸へと向かわせる。
 それは、井坂が、教団の実務担当である増谷(森田の会社から出向してきた人物)
と折り合いが悪かったためでもあるのだが、
結果は大失敗に終わる。

 このエピソード、フィクションだから誇張しているのだろうが、作者の
文学に対する信頼が強すぎるような気もする。
 きわめて文学性が高い文章というものは確かに存在するが、
それが本もろくに読んだことがないような人にまで読む気にさせ、感動させることが出来るのか……。

 ん……。

 正直どうなのだろう。
 よくわからない。

   ※   ※   ※


 と、上巻の感想はここで終わり、

 上巻のラストは、森田の会社のインドネシアの工場が
暴動で焼かれたというニュースが入って終わる。

 で、
 ここで図書館へ本を返さないとならないので、いったん終了。
下巻の感想は、それを借りてきてからということになるでしょう。

 いつになるかは、さっぱりわかりません。

 すぐかもしれないし、ずっと先のことになるかも。
 いずれにせよ、そちらの感想も書く予定です。

 

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