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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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『完全犯罪ゲーム』 ゲームブック:完全犯罪ゲーム
桜井一 著 桑田次郎 画
(西東社 シミュレーション・ブックス4/1986/11)

           ページ数146



 作者は、ユーモラスな作風で知られるイラストレーターで、
バー酔虎伝』など、エッセイも書いている方でございます。
個人的にはハヤカワ文庫の『ドーヴァー警部』シリーズの
表紙などが印象に残っておりますな。



 イラストを桑田次郎先生に任せたのは、自らの作風では作品にあわないと考えた
――あるいは編集部がそう判断した――のでございましょうか?


 主人公は、莫大な借金をかかえた青年、風間五郎
彼が、金貸しの金田金太を、
すでに抵当に入っている自分の別荘で殺すところから物語は始まります。

 倒叙型ミステリーをゲームブックでやろうというわけでございますな。

 犯人はきみ

なので、殺害後の証拠の隠滅を図らなければなりません。
警察や目撃者に対する対応も大切。
探偵がやってきたら、その対処もしなければなりません。


完全犯罪ゲーム 陳田一珍助

(↑ 探偵・陳田一珍助さん)


 普通の――倒叙型でない――ミステリの場合ですと、
主人公は探偵や刑事であり、やることはたいてい決まっています。

それに、犯人の行動に対してそれを解き明かす側ですから、
選択は受身であることが多いですよねす。

それに対して、
本作品は自分が犯人であるため、より行動が要求される
つまり、ゲームブックと相性のいい形といってよろしいでしょう。

 作品としては、
『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』を読んでいる世代には
厳しいなと思う部分も多くございます。
それ以前の作品ですから、そこは仕方の無いところですな。

ここで行っている『完全犯罪』は、
簡単な科学捜査にさえ耐えられないのではないでしょうか。


 ただ逆に、それが選択を面白くしている部分でもございます。

下手に推理小説的な知識があると、いろいろと勘ぐってしまって、
かえって間違った選択を選んでしまうことがあるのですな。

 この作品のポイントは実際には単純。
二点か三点のことに気を使えばいいのです。
ですが、それ以外を考えてしまうと、
結局間違った結果にたどり着いてしまうという……。


 いずれにせよ、結末はどれも後味のいいものではございません
何しろ犯罪者が主人公ですからな。

成功したとしても、自分の犯した罪にさいなまれることになりますし、
失敗したら失敗したで、
正義は勝利し、悪は敗北したのだ。喜ばしいことじゃないか
と皮肉っぽく結んでくれる。

完全犯罪ゲーム・エンド

(↑ エンドの例。142ページのほうはエンドの一歩手前ですが、このあと、
   病院行きの結末をむかえます)


完全犯罪ゲーム・エンド2

(↑ エンドの例その2。桑田次郎先生とは
   思えないコミカルな表情ですなぁ)



ただ、そういうコメントが書かれていてもそんなに不快ではないのは、
主人公に完全に感情移入することが、ないからなのかもしれません。

状況は緊迫し、選択肢も意味があるものでございますが、

語り口が突き放したものであるからでございましょうかねぇ。

主人公が殺人犯だからなのかもしれませんが……。

いずれにいたしましても、
推理ものというのは、ゲームブックに向いているようでいて、
実は難しいものでございます。
しかるべき場所にいなかったり、会話を間違えたりして、
情報を取り逃すと詰んでしまうなどございますからな。

パズルや迷路を推理の代替としたり、
当てずっぽうの選択肢や、選択なしで話が進んでいく
推理ものゲームブックもございますし。

犯人を演じる倒叙ものというスタイルを採用した本作は、
推理ものとして及第点を与えられるのではないでしょうか。




☆ 考えてみれば、泥棒が主人公のゲームブックには、
  シリーズになるほど人気のものもございますが、
  あれも言ってみれば
  「犯罪者が主人公のゲームブック」でございますな。





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