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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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前回9月10日の「パルプフィクション」の記事は、まぁ、前フリみたいなもの。

 というわけで、パルプフィクションと言えばスペースオペラ

 この言葉に、みなさまはどんなイメージを描くことでしょうか。

スターウォーズ以降、この言葉は積極的にとらえられていて、
宇宙冒険もののかなり広い範囲にまで用いられているようでございますが、
もともとのパルプフィクション的なスペースオペラと申しますと……。

 わたくしとしては、具体的な作品名が挙げられないのですよね。

レンズマン』とか『キャプテンフューチャー』が代表としてあげられますが、
それでは高級すぎるような気がいたしまして……。

 スペースオペラという言葉には、個人的にもっと安っぽいイメージがあるのですな、

 どういう感じかと申しますと……。
 それはあとで出てまいります。
 まぁ、そうはいっても『キャプテン・フューチャー』でございましょう。

創元SF文庫の全集三巻の解説(山本孝一)によりますと、
もともと編集部の企画があり、それを変えていくことで、
あの設定になったそうでございます。

コミックでもそうみたいですから、この編集部の企画主導というのは、
アメリカのパルプ雑誌の進行としては普通なのでしょう。


p.487
 
「どの話も一話完結で、
 そこには犯罪と、顔を隠した正体不明の悪党が不可欠だった。
 また、ファントムを呼ぶのに摩天楼の赤いシグナルが点灯するのを真似て、
 キャプテン・フューチャーの出動を要請するための信号灯台を考えた。
 そしてキャプテン・フューチャーがつけている
 いくつもの仕掛けがついたベルトをはじめ、
 魅力的な女性キャラクターや惑星パトロール指令のエズラ・ガーニーを
 はじめとする多くの脇役たちを登場させるように強いられたんだ」

ちなみに「ファントム」というのは、全集2巻 p.568 によりますと、

「主人公のリチャード・カーティス・ヴァン・ローンは
 大金持ちのプレイボーイだったが、自分の才能にめざめて、
 正義の味方、ファントム・ディテクティヴとなった。
 彼は変装の名人で、秘密研究所で悪と闘うための道具を発明している。
 物語はかなり定型化されており、殺人事件が起こると、
 摩天楼の赤いシグナルが点灯し、ファントム・ディテクティヴが呼ばれる。」


うーむ。なにか聞いたことのあるような設定でございますな。

 このような決まりきった話が並ぶために
「なんとかオペラ」と呼ばれたのでございましょうか……。
それは、確かに理解できる気がいたします。

 さて、


 要するに、キャプテン・フューチャーは、
よくあるパルプやコミックヒーローの宇宙版として予定されていたのでしょうな。

英語のニュアンスというのはわかりませんが、
キャプテン・フューチャーという名前も、絵空事的なと申しますか、
スーパーヒーローっぽい名前なのかも知れません。

 そこらへん、特にその影響の強い第一話『恐怖の宇宙帝王』あたりに
「スペース・オペラ」らしさがあるのでございましょう。

 先ほど申しましたとおり、ちょっと高級な感じはございますが。

 この『キャプテン・フューチャー』は、まず、
「SFマガジン」誌196311月の
「SF英雄群像」第三回目(野田昌宏)で取り上げられ
(前掲全集一巻p.579(「ついに――夢か現か幻か――
  キャプテン・フューチャーの半世紀(野田昌宏))、

1966年から1967年にかけて
「太陽系七つの秘宝」「謎の宇宙船強奪団」「時のロスト・ワールド」
の3冊が、ハヤカワ・SF・シリーズ(いわゆる銀背)より刊行。

1970年より、長編作品がハヤカワ文庫SFより各1冊で刊行
(訳書の刊行順は、原著の刊行順と異なっている)されたそうでございます
(ウィキペディア)。

主人公キャプテン・フューチャー」と
生きている脳サイモン・ライト」、
ロボットグラッグ」と、
変装の得意な合成樹脂製のアンドロイドオットー」という

フューチャーメンのチームは、
『西遊記』や『オズの魔法使い』と並ぶ、特徴的なチームと言ってよろしいでしょう。
 というわけで本題。

 このチーム構成に影響を受けたヒーローチームを、
日本のマンガやトクサツの中から探していくことにいたしましょう。
☆ まず、分かりやすいものとして、

ウルトラQ』、『ウルトラマン』に続くウルトラシリーズ第三弾
がそうでございますな。

ご存じでしょう。

そう

『キャプテン・ウルトラ』でございます。

配置は

キャプテン・ウルトラ……キャプテン・フューチャー
ロボット・ハック……グラッグ
キケロ星人・ジョー…オット
シュピーゲル号……コメット号

といった感じで、

グラッグ担当のハックは旧式わかりやすいロボットに変えられ、

オットー相当のジョーは、トクサツ的にやりやすく、
視覚的にわかりやすいという理由からでございましょう。
変装の代わりに岩に変形する能力を与えられて……。

サイモンがおりませんが、
宇宙基地シルバースターのムナトモ長官がその役を担っているのでしょう。
 ほぼそのまんまでございますな。


キャプテン・ウルトラ』はウルトラシリーズで唯一東映が作ったこともあり、
人によっては無かったものとしている方もおられるかもしれません。


 ゲームブックで言えば、

双葉社のルパン三世のゲームブックの中に、
ただひとつ紛れ込んでシリーズの番号を狂わせていた
(過去形。後のほうのルパン三世のゲームブックを見ますと、
 無かったものとされております)、
ガバリン』みたいなものでございましょうか、

『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』といえば、
ホラータッチの映像も多く、時としてシリアスなテーマを含んでおりますからな。

毛並みがまったく違うこの作品は、軽く見られるのも当然と言えば当然。
なにしろ、勧善懲悪・明朗快活な時代劇を宇宙に移し替えたような作品ですからな。

 ただ、だからこそこのシリーズが怖くて見られなかったお子さまには、
よかったのでは――とも思います。

 監修に都筑道夫、光瀬龍、音楽に冨田勲と豪華でございますし、

エリンギとか言われておりますけれど
パイラ星人の逆? とも個人的に感じてはおりますが)、
バンデル星人は、宇宙人のデザインとして屈指と言っていい物
だと思うのですけれどねぇ
(ただし、状態のいい物。悪いのは、くたんとして見る影もございませんからな)。

 一作で終わった路線なので、そのいう口も虚しいですが。


 で、考えてみますと、これをパルプ雑誌のSF絵と置き換えて脳内再生すると、
わたくしのイメージするパルプSFな感じなのでございますな。

(なぜか長くなってしまったので、続きます)

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