2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
『あらし』
ですが、細かいことを抜きにすれば、
プロスペーが女性であってもそんなに問題ないと存じます。
☆ ☆ ☆
シェイクスピア:作
大場健治 :訳
大場健治 :訳
研究社シェイクスピアコレクション 1
(2010/9)
(2010/9)
昔読んだことはあるのでございますけれどね。
読み始めても、とんとなじみがない。
なんとなーくのあらすじは知っているのですが、
ここのところ読んだ、とピンとくるところがございません。
ここのところ読んだ、とピンとくるところがございません。
読んだ当時理解力が無かった…せいもございましょうが、
むしろ妖精に対する興味だけで、エアリアルという空気の精がどんな感じなのかを
つまみ読みしただけだったのかもしれません。
むしろ妖精に対する興味だけで、エアリアルという空気の精がどんな感じなのかを
つまみ読みしただけだったのかもしれません。
いや、『水星の魔女』がこの作品に関わりありそうでよかった。
それでなければ
再読はするつもりではございましたが、いつになったか分かりませんし、
このあたり関係あるのかな、と考えながら読むと、やはり理解力が違います
(とは申せ、そんなに深く読んだわけではございませんが、それでも)
再読はするつもりではございましたが、いつになったか分かりませんし、
このあたり関係あるのかな、と考えながら読むと、やはり理解力が違います
(とは申せ、そんなに深く読んだわけではございませんが、それでも)
特に、プロスペーのセリフをプロスペラの言い方に脳内変換して読みますと、
そんなこと言いそうとか、何となくの共通点が出てきて
理解が深まるのでございますよ。
まぁ、置きかえにくいところも多々ございますが──。
そんなこと言いそうとか、何となくの共通点が出てきて
理解が深まるのでございますよ。
まぁ、置きかえにくいところも多々ございますが──。
ですが、細かいことを抜きにすれば、
プロスペーが女性であってもそんなに問題ないと存じます。
近年の映画では、まさに女性にしたものもあるようでございますし。
☆ ☆ ☆
さて、お話はともうしますと、
ミラノ公爵だったプロスペーは、魔術の研究に明け暮れているうちに、
弟のアントーニオにその地位を奪われてしまいます。
さらにあろうことかそのために弟は、
プロスペーの不倶戴天の敵、ナポリ王のアロンゾーと手を結び、
その臣下と成りはてたのでございます。
弟のアントーニオにその地位を奪われてしまいます。
さらにあろうことかそのために弟は、
プロスペーの不倶戴天の敵、ナポリ王のアロンゾーと手を結び、
その臣下と成りはてたのでございます。
魔術にうつつをぬかしていた兄に弟がどう思っていたかを考えると耳が痛い、
じゃなかった、アントーニオのほうにも言い分がありそうではございますが、
ここはプロスペーの言い分なので仕方がございません。
じゃなかった、アントーニオのほうにも言い分がありそうではございますが、
ここはプロスペーの言い分なので仕方がございません。
そんなわけで、
すべてを奪われたプロスペーは、復讐を胸に抱きつつ、
その娘ミランダとともに、妖精の棲む孤島に漂着します。
その娘ミランダとともに、妖精の棲む孤島に漂着します。
彼はそこで、魔法の力によって妖精・エアリアルたちを解放します。
妖精たちは、シコラックスという今は亡き悪い魔女によって、
12年もの長きにわたり木の幹に封じ込められていたのでございますな。
12年もの長きにわたり木の幹に封じ込められていたのでございますな。
その恩──と申しますより契約ですな──によって、
エアリアルはプロスペーの言いつけを聞くようになったのでございます。
エアリアルはプロスペーの言いつけを聞くようになったのでございます。
早く自由にしてくださいと訴えながらもその契約のもと、
エアリアルはご主人さまの言いつけをしっかりと実行に移します。
あらしを起こしたり人を眠らせたりと能力は妖精でございますが、
役どころとしては使い魔・召使いでございますな。
島にはもう1人、キャリバンという野蛮な怪物がおります。
プロスペーは彼も召使いとするのでございますが、
こちらは忠実というわけではなく、
プロスペーに島を奪われたことを怨みに思っておりまして、
いつか彼を出し抜いてやろうと思っているのでございますが、
いつも彼やエアリアルにやりこめられているのでございます。
プロスペーは彼も召使いとするのでございますが、
こちらは忠実というわけではなく、
プロスペーに島を奪われたことを怨みに思っておりまして、
いつか彼を出し抜いてやろうと思っているのでございますが、
いつも彼やエアリアルにやりこめられているのでございます。
そんなある日、この妖精の島の近くを船が通り過ぎようとします。
船に乗っているのはアントーニオとアロンゾー。
それを知ったプロスペーは、エアリアルに命じてあらしを起こさせ、
船をこの島に漂着させます。
それを知ったプロスペーは、エアリアルに命じてあらしを起こさせ、
船をこの島に漂着させます。
復讐のために関係者を島に集めるなんて
『そして誰もいなくなった』みたいでございますな。
『そして誰もいなくなった』みたいでございますな。
あの作品は、これを読んで思いついたのかも??
まっ、それはそれといたしまして。
一行は島に上陸するのでございますが、
正直プロスペーとエアリアルたちが万能でございましてね。
正直プロスペーとエアリアルたちが万能でございましてね。
好きなようにさせてはもらえません。
自在に眠らされたり起こされたり。
アロンゾーの弟セバスチャンにアントーニオが、
アロンゾーの寝首をかいてナポリ王の地位を奪え
とそそのかすのでございますが、
それを実行に移そうとしたとたん、
エアリアルがナポリ王を起こして未遂にさせるとか。
アロンゾーの寝首をかいてナポリ王の地位を奪え
とそそのかすのでございますが、
それを実行に移そうとしたとたん、
エアリアルがナポリ王を起こして未遂にさせるとか。
キャリバンがナポリ王の酒蔵番と道化とともに
プロスペーを殺害しようとするのを失敗させたり。
そうしてアロンゾー一行を狂乱状態に陥れたプロスペーでございますが、
自分の娘に恋したナポリ王の息子ファーディナンドが
ミランダにふさわしいと見極め、2人の結婚を認めると、
プロスペーは復讐をここまでとして思いとどまります。
ミランダにふさわしいと見極め、2人の結婚を認めると、
プロスペーは復讐をここまでとして思いとどまります。
この2人を結びつけたのも、プロスペーの思惑みたいでございますけれどね。
この劇は、1611年11月1日、
万聖節の日に宮廷で演じられたのが初演だそうでございます。
万聖節の日に宮廷で演じられたのが初演だそうでございます。
つまり祝典、
今でいう(いつから言ってるのかは知りませんが)ハロウィンの魔物を消し去る
おめでたいお祝いの意味があったのでございますな。
ですからプロスペーはミラノ王の座に返り咲き、
その娘とナポリ王の息子が結婚し、
誰も死なないという万万歳の結末を迎えるのでございます。
その娘とナポリ王の息子が結婚し、
誰も死なないという万万歳の結末を迎えるのでございます。
そのせいでございましょうな、
終章と申しますかファーディナンドとミランダの結婚が決まってからが
バランスとして長い。
終章と申しますかファーディナンドとミランダの結婚が決まってからが
バランスとして長い。
めでたいめでたいと祝う劇なので仕方がない、じゃなかった、
当然なのでございましょう。
当然なのでございましょう。
プロスペーの最後の口上では、自分をミラノに帰してくださるか、
それともこの島にとどまり続けさせるおつもりかと、観客に問うてはおります。
それともこの島にとどまり続けさせるおつもりかと、観客に問うてはおります。
ですが祝いの席ですもの、幕引きの拍手を持って、
プロスペーは赦されるという見こみの口上かと存じます。
プロスペーは赦されるという見こみの口上かと存じます。
☆ ☆ ☆
とまぁ、そんな感じでございます。
『水星の魔女』にこれがとのぐらい反映されるかは
わたくしには預かり知れぬことでございます。
わたくしには預かり知れぬことでございます。
ですが希望といたしましては、ハッピーエンド、
大団円で終わって欲しいところでございますな。
☆ 1611年初演ということで、大航海時代の雰囲気が背景にございます。
キャリバンはですから、
大英帝国に従わぬ抵抗勢力、反抗的な野蛮人という面影があるようでございます。
大英帝国に従わぬ抵抗勢力、反抗的な野蛮人という面影があるようでございます。
となるとエアリアルは、現地の友好的な召使いということになりましょうか。
一世紀ぐらい後に書かれた、
デフォーの『ロビンソン・クルーソー』(1719)に登場するフライデーも、
食人の風習を持つ蛮族から逃れてきて、
忠実な下僕となったわけでございますから、似ておりますな。
デフォーの『ロビンソン・クルーソー』(1719)に登場するフライデーも、
食人の風習を持つ蛮族から逃れてきて、
忠実な下僕となったわけでございますから、似ておりますな。
当時の人はそういうイメージを持っていたのでございましょう。
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