2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
『ホテル・アルカディア』
石川宗生:著(集英社/2020/3)
石川宗生:著(集英社/2020/3)
「SFマガジン」2020/6、
以前紹介した、
その号に書評(横道仁志:評)が載っていた本でございます。
「最終的に7つの分岐エンド」ですとか
「各掌編に埋め込まれたリンクをたどるたび、
読者は新しい道、新しい地図を発見する」などという言葉が
気になったので、図書館で借りて読んでみることにいたしました。
読者は新しい道、新しい地図を発見する」などという言葉が
気になったので、図書館で借りて読んでみることにいたしました。
ホテル・アルカディアの支配人のひとり娘、
プルデンシア錠が、敷地はずれのコテージに閉じこもっていた。
プルデンシア錠が、敷地はずれのコテージに閉じこもっていた。
彼女を外にいざなうため、7人の芸術家たちが物語を語り出した。
という枠物語に21のショートショートが並びます。
変な設定から始まる奇想の物語で、
はっきりとオチをつけるものはなく、
余韻を残す文学的な終わり方をする作品群でございます。
はっきりとオチをつけるものはなく、
余韻を残す文学的な終わり方をする作品群でございます。
「各掌編に埋め込まれたリンク」というのも、
注釈のようにはっきりと跳び先が書かれたものではなく、
読者がそういうものをイメージしてくれれば、というものでございますな。
道尾先生の『N』ぐらいのはっきりとした関連性で2つの物語が結びついている
ように思えるものもあれば、そういうものを見いだせないものもある。
読者がそういうものをイメージしてくれれば、というものでございますな。
道尾先生の『N』ぐらいのはっきりとした関連性で2つの物語が結びついている
ように思えるものもあれば、そういうものを見いだせないものもある。
作者の中でのつながりというのはあるのかもしれませんが、読者の想像に
まかせているつながりにございます。
作品のちょうど中ほどに、「文化のアトラス」という章始がございます。
その章始めの物語が、〈アトラス〉の成り立ちについてのガイド。
そこには1つの世界を多くの人が書き換え、
増殖・変化していく世界が語られております。
ボルヘスの『八岐の園』を1人の作者ではなく、多くの人で作りあげていく世界。
増殖・変化していく世界が語られております。
ボルヘスの『八岐の園』を1人の作者ではなく、多くの人で作りあげていく世界。
それがこの本の構造でもございましょう。
分岐エンドにしても、そう。
ゲームブックのような、どのルートならこの結末、というのではなく、
それぞれが1つの結末であり、そしてどれもがそうではない。
あるいは結末などない、という類い。
そんな結末でございます。
あるいは結末などない、という類い。
そんな結末でございます。
集英社文芸ステーションには刊行記念エッセイとして、
作者の「こうしてインドから歌と物語が生まれました」
という文章が載っております。
作者の「こうしてインドから歌と物語が生まれました」
という文章が載っております。
(https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/hotelarcadia/)
そこに書かれていることが、この物語の味わい方を端的に示しておりますな。
そこに書かれていることが、この物語の味わい方を端的に示しておりますな。
色んな物語世界を旅していくような感じにしようか。
物語の奥へ、奥へと。
枠物語の枠自体もどんどん移り変わり、
語り手と聴き手の、ひいては現実と物語の境目さえもなくなってしまうまでに。
物語の奥へ、奥へと。
枠物語の枠自体もどんどん移り変わり、
語り手と聴き手の、ひいては現実と物語の境目さえもなくなってしまうまでに。
エッセイの文章を一箇所抜き出してみれば、そういう物語なのでございます。
そうした読み方をするためには、時間が必要。
ちょっとそれだけの時間を取ることが出来ないままわたくしは、
急いで読了してしまいました。
急いで読了してしまいました。
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