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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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藤子・F・不二雄大全集

藤子・F・不二雄
藤子不二雄(A) 著
小学館 2009/7

 




 オ~ボケなんだ
 オ~ボケなんだ
 オ~ボケなんだけれど~


というわけで買ってまいりましたよ~。

藤子・F・不二雄大全集版の
『オバケのQ太郎』[1]。

編集方式が読者に優しいですな

掲載誌別

しかも学年誌に関しては、

小学生のころ自分の読んだところだけ読めるようにと、
学年繰り上がり方式
を採用しているのだそうで。

  まっ、その方式はともかくとして、 ご主人さまは、
少年サンデー版だけ読みたかったので、
この配慮は大変うれしかったとのこと。


『オバケのQ太郎』は、
読んだこと、もしくは見たことがある方ならわかると思いますが、
『ドラえもん』とは全く異なります。

『ドラえもん』が、基本的に

のび太がボケ、ドラえもんがツッコミなのに対し、

『オバケのQ太郎』は、

オバQがボケで、正太がツッコミですかな、役割としては。

 ドラえもんは友達であるとともに保護者的な部分も持ち合わせておりますが

オバQと正太の関係は対等…。

そのため、
ドラえもんに比べオバQの方が、
独立独歩な感じがいたします。

 あと申すまでもございませんが、
のび太は消極的で正太は積極的。

 オバQは、
失敗してもあまり気にしない、
憎めないおおらかさがございますな。

 人物構成について申しますれば、
あとからできた『ドラえもん』の方がまとまっておりますな。

 オバQの方は、最初からいるのはゴジラぐらい。
あとの友達は固定されていないのですな。
 友達との関わりの重要性と申すのは、
この作品などで徐々に気づき始めたのでございましょう。

 作品的には、このあたり、
まとまっていなくて、と申したらよろしいでしょうか? 
けっこう楽しい

 コロコロコミックに載ったものなども読んでみたのでございますが、
あとで描かれた作品は、
コマ割りも『ドラえもん』のように落ち着いて、
キャラクターも安定している分、
作品的にも落ち着いた感がするのでございますな。

 その点、このあたりは、
まだまとまりがなくて、
破天荒な感じがいいのでございます。

 特に、「初期9作品」と書かれている、
連載が一度打ち切られる前の作品が、
それ以降の作品と違って面白い。


『二人で少年漫画ばかり描いてきた 戦後児童漫画史』
(藤子不二雄 文春文庫 1980/9 初出:昭和52年)によりますと、

p.232 スタゼロ雑誌部としては少年マガジンの『わかとの』で手がいっぱいだったので、今度はやむなく藤子不二雄個人で描くことにした。別に個人名義にしたからというわけではないが、再開後の『オバQ』は前回にくらべて丁寧に描いた。

とありますから、つまり
その前は「藤子不二雄とスタジオゼロ」名義だったというわけでございますな。
 その「~スタジオゼロ」名義のあたりが、その後の『オバQ』とは違うのでございます。
 
 当時「週刊少年サンデー」誌は、
赤塚不二夫先生の『おそ松くん』がギャグの看板として存在していたのだそうですが、

 連載再開後はその、

「奇人変人・狂童怪童が入り乱れてのナンセンスな大混戦のオカシサ」や、
「奇抜な言葉とギャグを機関銃のように乱射する」
といった特徴を意識し、それに対して、

「普通の子供たち」と「ごく日常的な事件」、
「ふつうの言葉をしゃべり、ギャグにしたってノンビリ、オットリムード」
にしたのだそうでございます。

「赤塚不二夫と藤子不二雄との個性、本質の違いからくるものだが、
これなら両立、共存はできる……と思った。」(以上p.232-233)
ということで。

 逆に申しますと、連載再開前のほうは、
『おそ松くん』に影響されて藤子作品らしくないドタバタな感じになってしまった、
ということなのでございましょうな。

 実際、それ以降の『オバQ』では見られないスラップスティックなギャグがあったりいたします。

でも、それがいいのでございます。

と申しますか、このあたり、スタジオゼロ作品ということで、
かなりそのメンバーの手が入っていたのではないか
と思うのでございます。

 特に2話の石ノ森章太郎先生の当時の自画キャラがたくさん出てくる
「まとめてめんどうみてよ!!」は、

(同じキャラクターが何人も出てくるというところが
『おそ松くん』に影響されたのかもという気がするのはともかくとして)

アイデア・作画ともにかなり石ノ森先生が加わっているのではないか
と思うのでございます。

 だいたい1話が完成したのは、 「〆切りギリギリ」(p.230)だったそうですし、
週刊連載でございますからな、
2話目もかなり切羽詰った状況で描かれたもの だと、
想像に難(かた)くはございませぬ。

 ですから、手の早い石ノ森先生が多くかかわったということは、充分に考えられることでございます。

 また、
「この仕事を僕たちは、スタゼロ雑誌部のためのピンチヒッターと思っていたので、そう期待をしていなかった」 (p.230)
ので、当初
「『オバQ』にアンマリ力を入れていなかった」(同、1行前)
との記述にも、それを感じますな。

 で、ご主人さまは、石ノ森章太郎先生のファンでございますから、
そういうスタジオゼロ作品としての部分が読みたかったのだと申すのでございます。

 ご主人さまは、虫コミックス版の『オバケのQ太郎』の9巻だけ
持っているのでございますが。

 その中に、「超能力入門の巻」という作品が収められているのですな。

 で、その作中作として、 「ぼくはエスパー」石林正太郎作 というのが登場するのでございますが、
そのキャラクターが完全に石ノ森先生の『ミュータントサブ』なのでございます。

 その作品を偶然どこかで目にしたので、後で古本屋さんで見つけたときに買ったみたいでございますが、

 一番最初に読んだときは、ご主人さま、

 藤子不二雄先生って、いつもはあんな絵を描いているけど、他人の絵も描けるんだ。

と、素直に感心したとか。
いや、少しは疑念を挟んだみたいでけどね。

 今にして思えば、石ノ森先生が描いているわけですな。

 道理で似ているわけでございます。

 さらに若いみぎり、はじめてマンガに接せられたころには、

藤子作品や石ノ森作品の脇役・端役に同じようなキャラクターがいること、
 それに手塚先生が、スターシステムで、同じキャラクターをいくつもの作品で登場させていたこと。
 さらに、手塚フォロワーの先生方も、
手塚先生のキャラクターに似たキャラクターを脇役・端役で使っていたこと、などから、

 脇役・端役のキャラクターは、みんなで使っているんだ。

 などと思っていたということ。
 その当時はそのような言葉は知りませんでしたか、共有ということですな。

 実際にそのような側面がないではございませんが、

ウィキペディアやファンサイトによりますと、

『オバケのQ太郎』の場合は、脇キャラを石ノ森先生がお描きになっている
そうでございますから、

そういう印象が特に強いのも当然ということでございます。

 で、やはり、そうした
藤子不二雄先生以外の方が描いた部分を探すのが、
この作品の楽しみの一つ
 と申せましょう。

 それにしても、Qちゃんが動物語をしゃべれるとか、意外に怪力
だという設定などは忘れておりました。


 あと、この巻で印象に残ったのは、

p.91 「名画を描こう」

5コマ目 Q太郎の中身下半分が見えますが、
     どことなくドラえもんに似ている……!


p.166 「オバケットに協力しよう!」

     タケコプターの前身とでもいうべきギャグが……。


p.304 「正ちゃんは名選手」

4コマ目 『ドカベン』の殿馬の秘打、
     「白鳥の湖」の前身がここに……。
     っていうことでいいのか?

     この話では、草野球の実況と解説の子供と
     プロ野球の実況と解説が、年が違うだけで
     顔は同じというギャグをやっておりますな。

     それにしても、Qキャッチング能力のすごいこと。
     プロの投球をホームランにするということは、
     まず、そのピッチャーの投げた球を、
     捕らなければならないのですから……。

 というあたりでございますか。

 それにしても、
後発であったために藤子・F・不二雄先生の作品集は立派なものになってしまって。
 藤子不二雄(A)先生のものも同じような装丁で出さないと釣り合いが取れないのでは? 
と余計な心配をしてしまいます。
 

 いずれにせよ、
これで『オバケのQ太郎』何度目かの再アニメ化への道も期待が開けると申すもの。

 いまの時代にどういう作品になるかはわかりませんが、楽しみでございます。  




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