「ゲームマジック:1 RPG剣と魔法の大冒険」( BANDAI1988/1 p.59-69)
竹田章作システム 横井孝二(=鳥山劣、劣BRAND)コミック
パラグラフ数 55
追加しておきました。
みなさんは、鳥山劣の名でご存知でしょうか?
それとも、横井孝二?
わたくしなどは、鳥山劣の名前のほうが、なじみが深いですな。
鳥山明先生風のタッチで雑誌にイラストを投稿していたときのペンネームが、
この名前でございました。
ですが、一般的には……、一般的かどうかはともかくとして、
やはり、横井孝二という名でのほうが、知っている方が多いでしょう。
いや、名前を知らなくとも、その作品は有名でございますな。
SDガンダムの名前を聞いたことがない方はございますまい。
そのデザイナーが横井孝二先生でございます。
ところで、この「SDガンダム」ですが、
ウィキペディアの「SDガンダム」「成立まで」の項には、
「タカラ(現:タカラトミー)の「チョロQダグラム」に端を発する」
と書かれてございますが、
二頭身のスーパーヒーロー、スーパーロボットなどは、
絵としては、もっと以前から「テレビマガジン」誌などで描かれていたはずでございます。
ですからウィキペディアで書かれております「端を発する」と申すのは、
3Dとしての嚆矢、ということでございましょうな。
それはさておき。
「ゲームマジック:1 RPG剣と魔法の大冒険」は、何と申したらいいでしょうなぁ。
映画(ハリーハウゼンとかファンタジー系)、
ドット絵(ハリーハウゼンの映画をファミコン風に物語化したもの)、
フィギュア(もちろん当時ですから美少女とかではございません)、
TRPG(紹介記事)、
RPGのプロローグ、
ファミコン・ボードゲーム(カタログ)……。
という感じで、
まあ広く浅く、カタログ的にRPG風ファンタジーを鳥瞰したようなムックでございます。
編集が模型雑誌B・クラブの編集だけに、怪物の出てくる映画が中心の構成かな、というのはありますが、小・中学生向けということなのでございましょうか。
入門的な内容でございます。
ちなみに、RPGのプロローグと申しますのは
「スクランブルRPG・聖戦記バクリュー」とタイトルされた背景世界と、
キャラクター、モンスターマニュアルなどが書かれた5ページのもので、
システムや数値的なものは一切ございません。
おそらく2号以降に明らかにする予定だったのでしょうが、
やはりシステム関連がないと、うすっぺらな感じがいたしますな。
さて、ゲームブックでございます。
戦闘システムは、
力+サイコロ一個を両者が振り合って、数値の高いほうが勝ち、相手にダメージ一点、
とFFに準ずる方式をとっています。
ストーリーは、恋人を助けるという実にオーソドックなもの。
展開もオーソドックスではございますが、
なかなかまとまっていて、手軽に楽しめるゲームブックにございます。