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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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『小さな 悪い本 大人はスーパー危険』大人はスーパー危険
マグヌス・ミスト(マーク・ホッツ):著 
トーマス・フィシング:絵 
若松宣子:訳 
(金の星社/2020/9)
 
"Das kleine Böse Buch 2: Jetzt noch gefährlicher!"
by Magnus Myst
 
 
 
 子供のみんなへ。
 みんなが本当は何歳であろうとも。
            マグヌス・ミスト
 
 
  本屋さんでたまたま見つけました~。
 これは2作目だそうでございますが、
 第1作目『小さな 悪い本』のほうは見つけられず。
 まぁ、仕方ございません。
 
 本国では3冊スペシャルというものが出ているようですな。
 
 3作目は、
Das kleine Bose Buch Bd.3
Deine Zeit ist gekommen!
Autor: Magnus Myst
 ぐーぐるさんか翻訳したところによりますと、
リトルイービルブックVol。3 あなたの時が来ました!」でしたので、
お前の出番だぜ!」ぐらいの感じでございましょうか。
 
 ま、それはそれとして、この書のことにございます。
 
 
 内容はタイトルどおり。
 
 語り手が本自身で、それが一般常識からかんがみて悪い奴なのでございますな。
 
 その本が、
 君たちの親や先生は本物ではない。悪い奴なんだ、
 と読者にむかって語りかけてくるのでございます。
 
 読んだ感じといたしましては、

 グレイルクエストダヴィンチ学園と言ってわかってもらえますかどうか。
 
 読んでいただくと、
全然違うじゃんと思いつつも、それ以外に表現する方法はないな、
と理解していただけるかと存じます。
 
 グレイルクエストな感じなのは、
読者に対して直接語りかけてくる形式を取っている点にございます。
 
グレイルクエストの場合、それがマーリンでございますが、
この作品ではその役目を本自体が担ってるのでございます。
 
 口調は乱暴。
 マーリンは少し引いた視点でチャチャを入れておりましたが、
この本は読者をそそのかし、引き込もうと積極的に語りかけてまいります。
 

小さな悪い本  
 

 グレイルクエストがほぼ最初から
プレイヤーがピップとなってアヴァロンにいるのに対し、
この作品では
本編が始まるのが中盤になってからということもございましょう。
 
 その語りかけで、
読者に色々なことをやらせようとするあたりもグレイルクエスト的。
 本をブンブンふれですとか、この丸の中に血を垂らせ、ですとかね。
アルミホイルで帽子を作らせたり……。
 
 単にパズルやパラグラフジャンプだけではなく、
あらゆる手を使って、読者を本の中に参加させようとする感じが
グレイルクエストっぽいのでございます。
 
 それと……。
 これは偶然なのでしょうかねぇ。
 ブレナンと申しますれば「14」でございますが、
このゲームブックの14ページも、けっこう特別なページになっております。
 
 わたくしは思わず笑ってしまいました。
 
 でも、……これってどうなんでしょう?
 ホントにブレナンの「14」を意識したのかなぁ。
 ブレナンの原書では「13」が死のナンバーで、
「14」は特別な数字ではないとも聞きますが……。
 
 単なる偶然? 作者が日本語版を知っていた? 
それとも訳者のはからいでございましょうか。
 
 まぁ、ゲームブックを訳す方が
ブレナンの作品を知らないわけもないと思いますので、
有力なのは最後の説でございましょうな(ちょっとつまらないですが)。
原作では「13」だったのを「14」にしたとか、
そういうことではございませんでしょうか?
 
 と、思ったのでございますが、原作タイトルで検索してみると、
当該ページは見つかりませんでしたものの、
他のページはいくつか見つかりまして、それからすると、
ページの変更はしていないようなのですな。
 
 ですから……、偶然なのかなぁ。
 
 
 
 さてさて。
 そんなわけで、この作品は
本が語る学校での出来事を中に含んだ
枠の大きい枠物語となっているのでございますが、
 
 その枠には不作法にもねじ込むような形で2人が登場いたします。
 
 1人はぶりっ子マリーと本が呼んでおります少女。
 
マリー嬢
 ユニコーンとハートマークを
描くのが好きな子で、大人の言うことに
間違いなどこれっぽっちも感じていない、
すっごくまじめな女の子にございます。
 
 この彼女、
 同じ本を同じ時間に読んでいるらしく、
本の中に入り込んで本の言うことなすことに
いちいちケチをつけるわけでございます。
 
 前作でも割り込んできたみたいでして、
本は彼女のことが苦手のようでございますな。
読者とともに逃げだそうと、
ページジャンプをするのでございますが、
それでもしぶとくついてまいります。
                            
 このマリーさんと本の対立が話を前に進め、        【マリー嬢】
また、結末へとたどり着くことになるわけでございます。       
 
 もう1人は──1人と申してよろしいやら──大人
物語終盤あたり、メールの形でとつぜん割り込んできて、
本が語る物語を強制的に中断させてしまいます。
 
 背景が何の装飾もないというあたりが、
強権発動という感じを露骨に表わしておりますな。
 強そうにしていた本も、冷淡無情な大人にはなすすべもなく、
一度は秘密のメッセージを残して消えてしまいます。
 
 ここが1つの山場でございましょう。
 
 大人のメッセージはジャンプ先のページにも現われますが、
本はちゃんと対策済み。
ここから一気に結末へとなだれ込んでいくのでございます。
 
 なのでございますが。
 
 
 話が最後の方まで行ってしまいました。
 ちょっと前に戻りますね。
 先ほど書きましたとおり、この作品は、
本が語る、少し前に学校で起こった出来事が挟みこまれているのでございます。
 
 で、それが何かダヴィンチ学園と相通ずる感じがするのでございます。
ドイツの本だからか、学校を舞台にしているからか、
そんなところだろうと思うのでございますが、よくは分かりません。
 
 わたくしの先入観ということも考えられますので、
そのあたりは、実際に作品を読んで確かめてみられるのがよろしいかと存じます。
 
 パズルの提示の仕方もダヴィンチ学園っぽい。
ページジャンプはあるものの、分岐はほぼなく、
あってもすぐに合流するか、ひとつを除いてゲームオーバーになってしまい、
パラレル展開になることはないのでございます。
そのあたりもダヴインチ学園と似ております。
もっともそれは、こうしたゲームブックの傾向なのかもしれませんが。
 
 ただこの本、分岐はけっこういい味を出しております。
 
 パズルのジャンプについては、本当に正しいページにたどり着いたか
戸惑うところもいくつかございました。

跳び先のページの最初には
ドクロマークが描いてございますから、ドクロマーク 
それが1つの目安になりますものの、
一人称の語り口のため、
ボーッと読んでいると、
場面が違っても
それに気づかないことがあるのでございます。         【ドクロマーク】
 
 
パズルなど、問題は子供向けなので簡単ではございますものの。
わたくしはいくつか間違ってしまいました~。
 
 テーマ的には、お行儀の悪いエンデといった感じでございましょうか。
モモ』や『はてしない物語』に通ずるものがあるように存じます。
 
 きちゃない描写とか(特に最初のほう)は苦手ですが、
結局面白く読めました
 
 具体的には、3回ぐらい声に出して笑ってしまいました。

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