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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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『大いなる助走』では長い助走の末に歪んだ同人文芸の姿を描いておりましたが、
違う形もございます。
 
 図書館で借りた「本の雑誌」でたまたまそれを見つけました。
 こういうたまたま関連するものを見つけてしまうということは、
意外とあるものでございますよね。
 
「本の雑誌 2023/10 アジフライ着陸号」p.100-102
文芸記者列伝(20)──久野啓介(熊本日日新聞)
「郷土で生きると決めた人」
 
『大いなる助走』は、企業の内実を描いた
『大企業の群狼』が中央の文芸氏に注目され、
作者の市谷京二さんがそれにしがみつく話でございましたが、
ここに出てくるのはその逆。
 
文学賞を辞退した人にございます。
 
 その作家とは石牟礼道子先生。
作品はももちろん『苦海浄土─我が水俣病──」ですな。
 
 この作品が地方紙「熊本日日新聞」の文学賞に選ばれたとき、石牟礼先生は
患者があれほどひどい目に遭っているのに、
私だけ賞を受ける気にはなれない
と辞意を表したのだそうでございます。
 
 その時「熊日」の社員の久野啓介さんは、
優先すべき社の意向を置いて、石牟礼先生辞退に尽力したのだとか。
 
 そこには、入社当時、地方同人誌「熊本風土記」の座談会に呼ばれたときの
経験があったのだそうでございます。



 中央集権化が進み、地方の文化は衰退の途にある。
東京に負けない地方文化を──そう勢い込んでいた彼にたいして、
同人誌発行人の高浜幸敏氏はおっしゃったそうな。
 
 東京都の比較は意味がない。
我々に必要なのは東京を仰ぎ見ることではなく、
身の回りの生活を掘り下げ、地に着いた伝統を見つめることだと──。
 
 その言葉に目を覚ました久野氏は、
「熊日」をとおして地方文芸に協力するようになったのだそうでございます。
 
『大いなる助走』で描かれたものとは、
まさにまったくの地方文芸の姿でございますな。
  
 筒井先生も、程度こそ分かりませんが、
おそらくこのエピソードを聞き及んでいたのではございませんでしょうか。
 
 それをあえて、真逆の作品を書くことのだと存じます。
 
 そこには、このような理想的な形がある一方で、
中央を意識したりあるいは逆に文学であることを放棄したような作品が
同人の中にまかり通っていることを身近に感じていたからでございましょう。
 
 まぁ、いろいでございますな。
 その両極とも申せるものを読めたことは、
今回わたくしにとって有意義でございました。
  
 どちらか一方だけを読んでいたら、
おそらくその面だけの視点からしか理解しておりませんでしたでしょうからな。
 
 強引に結びつけて申しますれば、選択肢を持つようなゲームを作る方は、
このような複数の視点を知ることは、大切なことのように存じます。

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