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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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 安彦良和
 原案:矢立肇・富野由悠季
 メカニックデザイン:大河原邦男
2009/6 角川書店 KADOKAWA COMICS A


  このマンガでは、原作アニメでは描ききれなかった、
あるいは制作者側も当時は明確には捉(とら)えきっていなかった
キャラクター――特に主人公でございますな――の心の動きをていねいに描き、
主にそれをはっきりとさせるために、
ストーリーや描写の変更を行なっている部分が多々ございます。

 それがこの作品の特徴であり、意義でもございますな。

 アムロ・レイ少年自身の性格に関してもそうでございまして、
アニメ版よりも精神的にはじめから強く設定されているような気がいたします。

 原作の‘根の暗いパソコン少年’
(当時と申しますか、注目されはじめてからの評)から、
もう少し普通の少年に変更されているのでございますな。

 アニメでは、いつ戦場を去ってもおかしくない少年が、いつの間にか一線で活躍している感じでございましたが、
その流れを、最初の軸を少し上向けることにより、より自然な流れにしているわけでございます。

 さらに各エピソードをていねいに描くことにより、
アムロ少年の心の揺れをより深く描き、彼が一人前に成長していく様を
わかりやすくしているというわけでございます。

 そのような流れの中で、この巻前半は、まあ、停滞期

 マグネットコーティングの実装とメインテナンスのために
出撃ができないで焦れるアムロを描いております。

 このマグネットコーティングのエピソードでございますが、
実は原作のアニメではソロモン戦のあとなのですな。

 改造を行なうモスク・ハン博士も、
アニメでは無個性な二枚目風だったのでございますが、
マンガでは、大柄でハッキリとものをいう人間に変更されております。

 変更の理由は申すまでもございません。
 出撃をあせるアムロと対立させて、
アムロの焦燥を強調するエピソードとしているのでございますな。

 ここでのアムロは、以前の、戦争から逃げ出したいアムロではございません。
 イライラの原因は、ガンダムが使えないために、戦いに出れないことなのでございます。

「戦いたくて戦っているんじゃない」
「コワいけど戦っている」
――などと申しておりますが、
これは逃げ出しているのとは明らかにベクトルが違います。
(だいたい、戦いたくて戦っているなんてことになったら、もはやアムロではございませんでしょう)

 ここで焦燥感は、自分が戦力として価値があると自負しているのに出撃できない、
ということももちろんございましょう。

 しかし、そうした表面的な理由以上に、
これまでの出来事から来るさまざまな思いや鬱積(うっせき)が積み重なった結果が、
出撃不能となったことであふれ出したというのがホントのところでございましょう。

ロマンアルバムEXTRA 42
『機動戦士ガンダム MOBILE SUIT GUNDAM The Motion Picture』
(徳間書店 1981)
によりますと(p.85)、

 サイド7の空襲(1話)は、UC0079 9月18日のことだそうでございますから、
ソロモン戦が行なわれた12月10日までの3ヶ月のあいだに、
アムロ少年の身にはあまりにもいろいろなことが起きたわけでございます。

 戦いに巻き込まれ、
敵味方を問わずそれまで関わったことのないさまざまな人々と出会い、
 ご母堂と別れたり、お父上の元を離れたり……。

 さまざまな思いにイライラが募り、
そこに何もできない時間ができてしまったため、何かせずにはいられないのでございましょう。

 そのイライラから解放されて、物語の後半では、
ソロモン戦へと乗り込んでいくわけでございます。

 流れとして、すごく自然でございます。

 だけど嫌い。

 どこが嫌いかと申しますと、
一人前の戦士として成長していくところ、その一点が……。
何か、この作品を全否定してしまうようではございますが、

戦争なんて――、といった感じの人物が戦いに巻き込まれていく部分に魅力を感じたものでございますから、
どうもこの部分が好きになれないのでございます。

 ま、道化師でございますもの、戦争などと申すものは好みではないのでございますな。

(繰り返し見たというほどでもないので、印象でございますが)
アニメではそこらへん明確にはなっておりませんでしたから、
戦争が嫌いなまま戦闘に勝ち続け、
最終話で「ぼくには帰る場所があるんだ」とおっしゃったあと、
戦場から退場し、二度と戦争とはかかわらずに平穏に暮らしていくのだろうな、
と予想しておりましたのに、

『Ζ(ゼータ)ガンダム』(おおっ、「Ζ」(ゼータ)と「Z」(ゼット)ではびみょーに形がちがう!)で再登場し、
その後も戦っているあたりが、
『Ζガンダム』は途中で見るのをやめたため、いきさつは知りませんが、
あまり好きではございませんでした。

 当初の予定では『Ζガンダム』にレイ様は登場するはずではなかったみたいですけどね。

 というわけで、話の流れは自然でございますし、しかも展開として正しいのですが、
わたくしといたしましてはその点だけが嫌いなのでございます。

 まあ、ロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』が底本のひとつにあったみたいでございますから、
理の必然と申せばそうなのでございますが。

 とまあ、その話はそのあたりにしておきましょう。

 ホワイトベースの面々と、ジオン軍のかたがたに関しましては、
 とにかくもう、ドズル・ザビ中将とスレッガー・ロウ中尉が死亡フラグのお手本をやってくれております。
 やはり定番をやるといたしましても、うまいもっていき方と申すものはございますな。

 戦争に関しましては、
 まず、全体の状況説明が実にわかりやすくて、良(よ)ございますな。
 静止画でしかもコマを自由にわれ、文字情報も入れられるマンガの強みと申せましょう。

 実際の戦闘に関しては、

 ザクレロ最強!

 スーパーロボットもののザコみたいなデザインのモビルアーマーですが、
なにか時を経るうちに愛着がわいてきたのでごさいましょうな。
 あるいは、その愛嬌あるお姿が、戦場に一服のやすらぎを与えてくれると申しますか、単なるお遊び?

 何気にカッコよくなって、ジムやボールを次々と撃墜してまいります。
(たしかに、前出の「GUNDAM GAMES」月刊タクティクス5月号別巻(ホビージャパン 昭和63(1988)年には、「ボールやGMとなら少なくとも対等くらいには戦えるだろう」(p.42)と書いてございますが――)
 しかも、このザクレロ、一機だけではございません。
 機体に書かれたローマ数字を見ますと、何か十数機は用意されている様子。

 たしかアニメでは、試作で作られてもので欠点の多い失敗作で、廃棄処分寸前だったはずでは――?
 もう、ザクレロとしては本望と申すところでございましょう。

 


 ガンダムにはあっさり負けてしまうんですけどね。

 


 ところで、
マンガとは直接関係ないのでございますが、

この世界、
資源の調達とか開発、生産についてはどうなっているのでしょうか?
 まあ、3ヶ月のあいだの出来事ですし、
連邦軍側はGMとボールしか基本的に生産していないから問題はないのかな?
 ジオン軍は、それ以前からの蓄積と新兵器開発に力を注いでいたということ……なのでしょうなあ。

 でも、資源調達に関しては、
原料を生産工場まで運ぶためのルートが確保できているのか気になるところでございます。
 工場と生産スピードもどのくらいのものだろう?
 工場から戦場に持っていく補給路も確保できていないといけませんし……。

 もっともテレビアニメ版では、
最終決戦時にはさまざまな機体が持ち寄られたみたいですから(うわさでは鉄人とかも……?)、
かなりジリ貧だったのかもしれませんが。

 これが、ゲームとか派生アニメまで考えると、数とか種類とかトンデモないことになりますな。
 一体どうやって生産開発しているんだ……!!

 触れなければならない問題のような気もいたしますが、そっとしておいたほうがよいことなのでございましょう。


 それにしても、『ヱヴァンゲリヲン・序』(2009,7/3 金曜ロードショー)を
見ながらガンダムの記事を書くって、なんだか不思議なものでございます。

と申しますか、見てるとちっとも記事を書ける状態ではないですよ~っ。
 というわけで、一日空くハメに……。

 ともあれ、『ヱヴァンゲリオン』も、
ストーリーの明確化のために、ていねいな調整がなされておりますな。

 笑える……と申しますと誤解を生みますな。
 あっ、やってるやってるってな感じで、口もとをほころばせながら、ついつい見入ってしまいました。
 

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