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2024/11/22 『赤毛のアン』が『アン・シャーリー』というタイトルになって2025年5月。Eテレで放映されるそうでございますな。キャラクターは以前日本アニメーションで製作された『赤毛のアン』をちょっと大人っぽくか、外国人に寄せた感じ。キャラクター原案:近藤喜文となるのかなぁ。基本的な服装などはどうあっても同じ感じになると思うので、あとは高畑勲先生へのリスペクトを表明するかどうかといった話になりましょうな。過去のアニメ作品をリスペクトして作られるってないですよねぇ。しかも小説などが原作としてありつつ。新しくていいと思います。
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永遠回廊からの脱出
『心理&ナゾトキゲームBOOK 永遠回廊からの脱出』
C☆Sラボ:制作 (朝日新聞出版 2020/12)
 
ナゾトキゲーム
人狼っぽい? ゲーム
心理テスト
迷路ゲーム
パラグラフ選択式ストーリー
 
と、遊びの本の色々なジャンルを取り入れて、
ストーリーでつなげた欲張りな本でございます。
 

 主人公は比呂という中学2年生3人
 
 夜の学校に忍び込み、星を見ているときに意識を失い、
目を覚ませば異世界。
虹色の小さなユニコーン・スピカの導きで、
闇の王にとらわれた姫を救い出すべく、
賢者・プルートに会いに行くという物語でございます。
 中学生が主人公ですが、
対象年齢小学生ぐらいではございませんでしょうか。
 
 
 
 第一章ナゾトキゲームからして、そんな感じがいたします。
 それほど難しくはないのですな。
 
 わたくしは最初の1~2問手こずりましたが、
こういうことをやってもいいのか、
と出題者の手の内を知ればそんな難しくはないと存じます。
 脱出ゲームに慣れた方ならば、すらすらと突破できることでございましょう。
 
 
 
 第二章は、だまし合いのフロアと銘打たれていて、
心理ゲーム&テスト的な内容となっております。
 
 まずは、人狼風味の……ゲームと言ってよろしいのかな?
 村人の一覧が出てくるのは人狼ゲーム的でございます。
この中から人狼を探せというのですな。
 
 ただし、人狼ゲーム的なのはそこまで。
 
 人狼では色々な役割があり、発言があって投票があり、
そこから推理をして人狼さんを絞り込んでいくのでございますが、
ここではもっと別の方法、村人のしぐさや発言から人狼を当てていくのでございます。
 
 などというと、面白そうですよね。
『逆転裁判』でも、しぐさから嘘を見破ったり、
言葉の矛盾を探し出したりがゲームとなっておりましたから。
 
 でもね。
 一コマのマンガ絵の顔とセリフひとつから、
嘘をついていると決めつけるのはかなり乱暴なように思います。
 
 それに、嘘をついていると思われる怪しい人を見分けるための方法を、
実際にも役立つ攻略ポイントとして書いているのでございますが──。
 
 これを鵜呑みにして、
誰かを怪しいと決めつける人が出てくるとなるといやですなぁ。
 
 自分が疑われていると思っただけでおどおどしてしまう方もおられますし、
そぶりを見せず平気で嘘をつける人もございます。
それに、何か隠しているにしても、
話題になっていることに関してそうなのかはわかりません。
できれば秘密にしておきたいことを持つ人は多いものでございます。
 
 推理小説でもございますな。
ある人を怪しいと思って追求してみると、
事件とは関係の無い隠しごとを持っていたというようなことが。
小説ですと、そういうのが次々と出てきて、
それがドラマとなってよろしいのでございますが、
現実でそんな風波を立てるのは必ずしもいいことではございませんものな。
 
 第一、そんな人のことを疑ってばかりいる子供ってイヤですよねぇ。
 
 心理ゲームの章なのでこういうのは当然なのでございましょうが、
ちょっと気になりました。
 

二章は、心理に関する章らしく、後半には心理テストが載っております。
10分もすれば忘れてしまうような他愛ないものと思いますが、
小さいお子さまですと、本気になって信じるかもしれませんな。
 
 なお、心理テストは欄外にもいくつか掲載されております。
  
 とりあえず、
だまし合いのフロアというほどにはだまし合いにはなっていない
そんなでございました。

 
 

 第三章迷路
この辺を見るとやはり小学生向けかな、と思います。
 
ページ数も限られていますから、それほど難しいものではないのですな。
もの足りないと思う方は、指や鉛筆でたどったりしないで、
目で追って下さいませ。それでも解けると思います。
 
 

 
 そして最終第四章
ここがパラグラフ選択式のストーリーとなっております。
 この章で物語は3つに分かれます
 主人公3人がそれぞれ別の場所に落とされ、
そこを探索することになるのですな。
 
 の物語はそれぞれ2つの結末
比呂の物語には重要なポイントが1つあり、
その結末の組み合わせによって
エンディング5つに分かれるという形をとっております。
 
 そのうち5つ目のエンデイング
作者の意図するベストエンディングということでございますな。
 
 この章、
地下ダンジョン」と題されておりますが、ダンジョン味は薄くございます、
 どちらかというと心理テスト寓意物語的ですな。
 
 とつぜん風景が変わるのは幻想的と申さば申せるかもしれませんが、
文章的にそれを目指していないようでございます。
(プロローグの冒頭部分にはそういう方向性が見えていた気がいたしますが、
 力が尽きたのでございましょうか?)
 
 選択肢にしても、
おとぎ話の主人公ならどうするかを考えた方が正しい道を選べると思います。
 
 とは申せ、理不尽なゲームオーバーもございます
が、それそれのパラグラフ数は40以下ですし、
フラグは覚えておけば良いような物だけですので、
失敗してもすぐにやり直せばよろしゅうございましょう。
 
 このゲームフック、ちょっと困るのは3つのストーリー、
並んでおかれておりますし、40パラグラフ以下とページも少ないので、
間違えて次の章を読んでいたということがあるのですな。
一応。パラグラフの色分けはされておりますが、ご注意召されでございます。
 
 1回わたくしは間違えてしまいました。
 
 ちなみにカバーを取りますと、
裏表紙にこの物語の下敷きとなったギリシア神話が紹介されております。
 
 と申しましても、関連性は薄いですな。
 ヒントにした、という程度でございましょうか。
  
 いずれにせよ、
ストーリーが関わるのはプロローグと最終章のゲームブック部分のみ。
間のナゾトキや心理テスト、迷路には薄くしか関連しているとも思われません。
 
 
 
 というわけで、
最初に欲張りな本と書きましたが、
ページ数は限られておりますので欲張った分だけ、
各章はそれなりというボリュームでございます。
 
 でも、軽く楽しむにはこの位の分量がいいかも。
 

 ただ、ストーリー的には、もっと深くてもよかったのではないかな。
 
心理的寓意的な物語なので、
もう少し深く迫ることも出来たのではないかと思う次第でございます。

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迷路といえば
ゲームブックっていうのは、「描写や会話の文章」を全部取っ払えば、畢竟、要所要所でサイコロで進み先を決めるところのある迷路ゲームに還元可能だし、それ以上でも以下でもない、ということに気がついて、ゲームブックが「ゲーム」であるなら、「パズル」も「ゲーム」の一部といってなんの不思議もないな、とか考えてます……。どうやら抑鬱状態がひどくなってきたらしい……。
ポール・ブリッツ URL 2021/02/03(Wed)13:01:00 編集
還元すると
考えてみたのですが、囲碁や将棋といった完全情報ゼロサムゲームは、展開するとひとつの迷路パズルに還元可能ですね。「先手必勝」「後手必勝」「千日手」の結果のどれかに行き着く「最善手」が存在すると考えるとそうなる。

そして、宇宙が有限のひろがりで、有限個の原子しか存在せず、有限の時間しか存在し得ないとすると、宇宙のすべての現象も、展開するとものすごく複雑な一種の迷路パズルとなる。

そしてそのパズルに「最適解」が存在して、現にその「最適解」が進行中である、と考えるのがライプニッツ哲学ですね。

そう考えると、ゲームをする行為とパズルを解く行為は質からいって根本の所では同等、といっていいと思います。

少なくとも決定論が正しければ。
ポール・ブリッツ URL 2021/02/08(Mon)13:58:04 編集
パズルは解くものであり、ゲームはするものでございます。
 長々と書きながら考えていたのでございますが、結局 ただ者ならぬポール・ブリッツさまもお書きになっている、この言葉にまとまりました。
 もう少し付け加えるならば、パズルは正解を求めるもの、ゲームは勝利を目指すものでございます。
 パズルにあるものは正解・不正解。
 ゲームにあるのは、勝利と敗北。
 
 最適解を求めるのはパズルでございますが、最適解は一度求めてしまったら終わりでございます。それを求めることは、ゲームとは申しません。
 
 それに、最適解どおりのプレイはゲームとして成立いたしません。
 例えば、1から数えて100を言った方が負けなどというものは、両者が必勝法を知っていなければゲームとして成立いたしますが、どちらかが知っていればゲームではございませんよね。相手をからかっているか、だまして楽しんでいるのでございます。
 ゲームとは、負ける可能性があるものでございます。それがたとえ数パーセントであったとしても。
 
 その負けの条件をつけるのが勝利条件にございます。それがつけば、向かう人が1人であってもゲームに近づくと存じます。
 何分以内に解くとか、何問解くとかですね。
 それらは、仮想の対戦相手と勝負しているようなものでございますから。
 単にその問題を解くことを勝利条件にすることもできると考えるとややこしくなりますが、
 ともかくも正解したことではなく勝ち負けで判定するならば、それはゲームでございます。
 コスティキャンがそのゲーム論で玩具に目標をつけるとゲームになるとしたように、パズルも目標をつけることでゲーム的になるのでございます。
 
 
 ただし、ジャンル分けは客観的なものでございますから、
 向かう側が勝手につけた勝利条件は、分類の考慮の対象外と考えた方がよろしゅうございましょう。
 
 要するに、作った方が、
 正解を求めるものとしてお作りになったのでしたらパズル、
 勝利を目指すものとしてお作りになっているのならばゲーム。
 それでよかろうと存じます。
 
 最適解があるかないかがパズルとゲームを分ける基準ではないのでございます。
 
 
 まぁ、ゲームもパズルも、途中の緊張と達成の快感は似たものがございます。
 だからこそ結びつきやすいのでございますが。
 
 
  
 また、
 
 パズルはあらかじめすべての条件が提示されていないとならない=それが解答者に理解されているのが条件でございます。
 ですから大抵のパズルは1ページか見開きに収まるものでございますよね。
 宇宙のように大きければ、
 神ならばサイコロをふらないパズルとなりましょうが、人ならば、手に負えない部分がランダム要素となるので、ゲームに近くなりましょう。
道化の真実 2021/02/14(Sun)12:34:32 編集
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